【表紙】
| 【提出書類】 | 有価証券報告書 |
|---|---|
| 【根拠条文】 | 金融商品取引法第24条第1項 |
| 【提出先】 | 関東財務局長 |
| 【提出日】 | 2022年6月24日 |
| 【事業年度】 | 第85期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
| 【会社名】 | オムロン株式会社 |
| 【英訳名】 | OMRON Corporation |
| 【代表者の役職氏名】 | 代表取締役社長 CEO 山 田 義 仁 |
| 【本店の所在の場所】 | 京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地 |
| 【電話番号】 | 京都(075)344-7070 |
| 【事務連絡者氏名】 | 執行役員 グローバル理財本部長 田 茂 井 豊 晴 |
| 【最寄りの連絡場所】 | 京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地 |
| 【電話番号】 | 京都(075)344-7070 |
| 【事務連絡者氏名】 | 執行役員 グローバル理財本部長 田 茂 井 豊 晴 |
| 【縦覧に供する場所】 | オムロン株式会社東京事業所 (東京都港区港南二丁目3番13号) 株式会社東京証券取引所 (東京都中央区日本橋兜町2番1号) |
第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
| 回次 | 第81期 | 第82期 | 第83期 | 第84期 | 第85期 | |
| 決算年月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | |
| 売上高 | (百万円) | 732,306 | 732,581 | 677,980 | 655,529 | 762,927 |
| 継続事業からの法人税等、持分法投資損益控除前当期純利益 | (百万円) | 75,133 | 65,912 | 51,836 | 65,089 | 86,714 |
| 当社株主に帰属する当期純利益 | (百万円) | 63,159 | 54,323 | 74,895 | 43,307 | 61,400 |
| 包括利益 | (百万円) | 71,512 | 41,559 | 61,857 | 94,695 | 108,105 |
| 株主資本 | (百万円) | 505,530 | 504,212 | 530,415 | 606,858 | 665,227 |
| 総資産額 | (百万円) | 744,952 | 749,878 | 758,124 | 820,379 | 930,629 |
| 1株当たり株主資本 | (円) | 2,400.37 | 2,455.24 | 2,626.62 | 3,009.15 | 3,339.64 |
| 基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益 | (円) | 296.85 | 260.78 | 365.26 | 214.72 | 305.65 |
| 希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益 | (円) | - | - | - | - | - |
| 株主資本比率 | (%) | 67.9 | 67.2 | 70.0 | 74.0 | 71.5 |
| 株主資本利益率 | (%) | 13.0 | 10.8 | 14.5 | 7.6 | 9.7 |
| 株価収益率 | (倍) | 21.1 | 19.9 | 15.4 | 40.2 | 26.9 |
| 営業活動による キャッシュ・フロー | (百万円) | 73,673 | 71,245 | 89,787 | 93,831 | 67,428 |
| 投資活動による キャッシュ・フロー | (百万円) | △55,842 | △34,957 | 28,639 | △14,785 | △150,163 |
| 財務活動による キャッシュ・フロー | (百万円) | △33,082 | △40,783 | △29,430 | △20,352 | △29,603 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | (百万円) | 113,023 | 103,850 | 185,533 | 250,755 | 155,484 |
| 従業員数 | (人) | 36,193 | 35,090 | 28,006 | 28,254 | 29,020 |
(注)1 当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。
2 オートモーティブエレクトロニックコンポーネンツビジネス(AEC、車載事業)の譲渡に伴い、財務会計基準審議会(FASB)会計基準書第205号-20「財務諸表の表示-非継続事業」に従って同事業を非継続事業に分類しており、第81期および第82期の数値の一部を非継続事業を除いた継続事業の金額に組み替えて表示しています。
3 希薄化後1株当たり当社株式に帰属する当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
(2) 提出会社の経営指標等
| 回次 | 第81期 | 第82期 | 第83期 | 第84期 | 第85期 | |
| 決算年月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | |
| 売上高 | (百万円) | 320,048 | 324,908 | 295,651 | 258,494 | 310,989 |
| 経常利益 | (百万円) | 38,275 | 49,135 | 28,122 | 23,562 | 42,084 |
| 当期純利益 | (百万円) | 30,458 | 45,017 | 79,376 | 18,503 | 23,250 |
| 資本金 | (百万円) | 64,100 | 64,100 | 64,100 | 64,100 | 64,100 |
| 発行済株式総数 | (千株) | 213,958 | 213,958 | 206,245 | 206,245 | 206,245 |
| 純資産額 | (百万円) | 257,956 | 259,824 | 302,811 | 298,916 | 277,159 |
| 総資産額 | (百万円) | 485,113 | 464,405 | 510,158 | 537,742 | 606,482 |
| 1株当たり純資産額 | (円) | 1,224.83 | 1,265.20 | 1,499.52 | 1,482.20 | 1,391.42 |
| 1株当たり当期純利益 | (円) | 143.15 | 216.11 | 387.12 | 91.74 | 115.74 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | (円) | - | - | - | - | - |
| 1株当たり配当額 | (円) | 76.00 | 84.00 | 84.00 | 84.00 | 92.00 |
| (うち1株当たり中間配当額) | (円) | (38.00) | (42.00) | (42.00) | (42.00) | (46.00) |
| 自己資本比率 | (%) | 53.2 | 55.9 | 59.4 | 55.6 | 45.7 |
| 自己資本利益率 | (%) | 11.76 | 17.39 | 28.22 | 6.15 | 8.07 |
| 株価収益率 | (倍) | 43.7 | 24.0 | 14.5 | 94.2 | 71.0 |
| 配当性向 | (%) | 53.1 | 38.9 | 21.7 | 91.6 | 79.5 |
| 従業員数 | (人) | 4,766 | 4,741 | 4,980 | 4,829 | 4,610 |
| 株主総利回り | (%) | 129.7 | 109.3 | 120.2 | 183.6 | 176.7 |
| (比較指標:配当込みTOPIX) | (%) | (115.9) | (110.0) | (99.6) | (141.5) | (144.3) |
| 最高株価 | (円) | 7,670 | 6,300 | 6,870 | 10,040 | 12,115 |
| 最低株価 | (円) | 4,385 | 3,740 | 4,410 | 5,330 | 7,306 |
(注)1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
2 最高株価および最低株価は、東京証券取引所市場第一部におけるものです。
3 株主総利回りは、第80期(2017年3月期)末時点の株価を基準として算定しています。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
2【沿革】
| 1933年5月 | 立石一真が大阪市都島区東野田に立石電機製作所を創業。 レントゲン写真撮影用タイマの製造を開始(創業年月日1933年5月10日)。 |
|---|---|
| 1936年7月 | 大阪市西淀川区野里町に工場を新設、移転。 |
| 1945年6月 | 京都市右京区花園土堂町に工場を移転。 |
| 1948年5月 | 資本金200万円の株式会社に改組。商号を「立石電機株式会社」に変更(設立年月日1948年5月19日)。 |
| 1955年1月 | 販売部門・研究部門を各々分離独立、立石電機販売㈱・㈱立石電機研究所を設立。 プロデューサ・システム(分権制による独立専門工場方式)を創案し、その第一号として㈱西京電機製作所を設立(計9社の生産子会社を順次設立)。 |
| 1959年1月 | 商標を「OMRON」と制定。 |
| 2月 | ㈱立石電機研究所を吸収合併。 |
| 1960年10月 | 京都府長岡町(現長岡京市)に中央研究所を竣工。 |
| 1962年4月 | 京都証券取引所および大阪証券取引所市場第二部に上場。 |
| 1964年10月 | ㈱立石電機草津製作所他の生産子会社を㈱西京電機立石製作所に吸収合併。 |
| 1965年4月 | 立石電機販売㈱および㈱西京電機立石製作所を吸収合併。 |
| 8月 | 大阪証券取引所市場第一部に指定替え上場。 |
| 1966年9月 | 東京証券取引所市場第一部および名古屋証券取引所市場第一部(2009年11月9日上場廃止)に上場。 |
| 1967年3月 | 世界初 無人駅システムが阪急北千里駅で稼動。 |
| 1972年2月 | オムロン太陽㈱を設立。 |
| 1976年10月 | 大阪証券取引所の特定銘柄に指定。 |
| 1985年3月 | オムロン京都太陽㈱を設立。 |
| 1986年4月 | 京都府綾部市に綾部工場を竣工。 アメリカに北米地域統轄会社(OMRON MANAGEMENT CENTER OF AMERICA,INC.)を設立。 |
| 1988年4月 | 東京支社(東京都港区)を東京本社に昇格(二本社制に移行)。 |
| 9月 | オランダに欧州地域統轄会社(OMRON EUROPE B.V.)を設立。 |
| 10月 | シンガポールにアジア・パシフィック地域統轄会社(OMRON ASIA PACIFIC PTE.LTD.)を設立。 |
| 1990年1月 | 社名を「オムロン株式会社」に変更。 |
| 1991年4月 | 本社を京都市下京区に移転。 |
| 1993年4月 | 中国で初めての独資生産会社オムロン(大連)有限公司が稼動開始。 |
| 1994年5月 | 中国に地域統轄会社(OMRON(CHINA)CO.,LTD.)を設立。 |
| 1999年4月 | 事業部制を廃止し、カンパニー制を導入。 |
| 2000年8月 | 本店および本社事務所を複合機能拠点である「オムロン京都センタービル」(京都市下京区)に移転。 |
| 2002年4月 | 中華圏の地域統轄会社(OMRON(CHINA)CO.,LTD.)を中国事業拡大の拠点としての中国本社に変更。 |
| 6月 | 中国に電子部品の生産会社オムロン電子部件(深圳)有限公司が稼動開始。 |
| 2003年4月 | リレー事業部門とオムロン熊本㈱を経営統合しオムロンリレーアンドデバイス㈱を設立。 |
| 5月 | グローバルR&D協創戦略の中核拠点として京都府相楽郡(現木津川市)に「京阪奈イノベーションセンタ」を開設。 |
| 7月 | ヘルスケア事業を分社しオムロンヘルスケア㈱を設立。 |
| 8月 | 1単元の株式の数を1,000株から100株に変更。 |
| 2004年9月 | 北京北大方正集団公司と社会システム事業分野で提携。 |
| 10月 | BITRON INDUSTRIE S.P.A. (現OMRON AUTOMOTIVE ELECTRONICS ITALY S.R.L.)を子会社化。 共同新設分割によりATM(現金自動預払機)等の情報機器事業を日立オムロンターミナルソリューションズ㈱へ承継。 アミューズメント機器事業の子会社オムロンアミューズメント㈱を設立。 |
| 2005年6月 | 医療機関向け生体計測技術を保有するコーリンメディカルテクノロジー㈱を子会社化。 |
| 12月 | 中国に車載電装部品の生産会社オムロン(広州)汽車電子有限公司が稼動開始。 |
| 2006年6月 | セーフティ技術を保有するSCIENTIFIC TECHNOLOGIES INC.(現OMRON ROBOTICS AND SAFETY TECHNOLOGIES, INC.)を子会社化。 中国に制御機器システムのグローバル中核拠点オムロン(上海)有限公司が稼動開始。 |
| 8月 | 中小型液晶用バックライト技術を保有するパイオニア精密㈱(現オムロンプレシジョンテクノロジー㈱)を子会社化。 |
| 2007年3月 | CMOS型半導体技術を保有する野洲セミコンダクター㈱の半導体事業用資産を譲受。 |
| 5月 | レーザ微細加工技術を保有するレーザーフロントテクノロジー㈱を子会社化。 |
| 6月 | 中国に研究拠点「オムロン上海R&D協創センタ」を開設。 |
| 7月 | 本社に隣接する展示施設および研修施設「オムロン京都センタービル啓真館」を開設。 |
| 2008年7月 | オムロンセミコンダクターズ㈱を吸収合併。 |
| 2009年9月 | 事業セグメントEMC(エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネスカンパニー)(現DMB(デバイス&モジュールソリューションズビジネス))を新設。 |
| 2010年4月 | スイッチ事業を分社し、オムロンスイッチアンドデバイス㈱を設立。 |
| 5月 | 車載電装部品事業を分社し、オムロンオートモーティブエレクトロニクス㈱を設立。 |
| 11月 | 社会システム事業の子会社オムロンソーシアルソリューションズ㈱を設立。 |
| 2011年1月 | 港区虎ノ門と品川区大崎にある事業拠点を品川フロントビル(港区港南)へ移転統合し、東京事業所として順次業務を開始。 |
| 6月 | 家庭向け省エネ支援サービス事業分野で西日本電信電話㈱と合弁会社を設立。 |
| 10月 | 京都府向日市にオムロンヘルスケア㈱の研究開発拠点および本社を開設。 |
| 2012年1月 4月 7月 2013年3月 10月 2014年4月 7月 10月 2015年9月 10月 2016年12月 2017年1月 3月 7月 10月 2018年2月 4月 8月 2019年2月 3月 10月 2020年2月 2021年3月 10月 2022年2月 4月 | インド地域本社(OMRON MANAGEMENT CENTER OF INDIA)を設立。 中国のパワーラッチングリレーメーカーである「上海貝斯特電器制造有限公司」を子会社化。 ブラジル地域本社(Omron Management Center of Latin America)を設立。 健康支援サービス事業分野で㈱エヌ・ティ・ティ・ドコモと合弁会社を設立。 中国の電子部品工場「上海オムロン制御電器有限公司」新工場開所式を開催。 ベトナム地域本社(OMRON VIETNAM CO., LTD)を設立。 オムロンオートモーティブエレクトロニクス㈱がオムロン飯田㈱を吸収合併。 コーポレートベンチャーキャピタルを担う投資子会社オムロンベンチャーズ㈱を設立。 ブラジルのネブライザー生産・販売会社であるNS Industria de Aparelhos Medicos LTDA.の他2社を傘下に持つ、MMRSV Participantcoes S.A.を子会社化。 米国のモーション制御機器メーカー「Delta Tau Data Systems Inc.」およびその傘下8社を子会社化。 米国の産業用ロボットメーカー「Adept Technology Inc.」(現OMRON ROBOTICS AND SAFETY TECHNOLOGIES, INC.)およびその傘下5社を子会社化。 医療機器、医療システム事業を行うオムロンコーリン㈱の全株式をフクダ電子㈱に譲渡。 韓国地域本社(Omron Management Center of Korea)を設立。 AliveCor,Inc.とヘルスケア分野で資本・業務提携を実施。 産業用カメラのトップメーカー「センテック㈱」(現オムロンセンテック㈱)およびその傘下7社を子会社化。 米国の産業用コードリーダーメーカー「Microscan Systems Inc.」(現Omron Microscan Systems, Inc.)およびその傘下3社を子会社化。 近未来をデザインする研究会社「オムロン サイニックエックス㈱」を設立。 国内オムロングループにおける人事・総務・理財機能を集約した新会社「オムロンエキスパートリンク㈱」を設立。 レーザー加工装置の製造、販売、アフターサービス事業を行う「オムロンレーザーフロント㈱」の全株式を「TOWA㈱」へ譲渡。 産業用電子機器の開発・製造受託サービスを手掛ける「オムロン直方㈱」の株式80%を「研華股份有限公司(アドバンテック社)」に譲渡。 健康管理サービスの分野でiAPPS Pte.Ltd.と合弁会社を設立。 車載電装部品を手掛ける、「オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社」の全株式を、日本電産株式会社に譲渡。 AliveCor,Inc.を持分法適用会社化。 持分法適用会社であった日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社の全株式を株式会社日立製作所に譲渡。 圧力センサーやフローセンサーなどの開発・製造を行う、MEMS事業を分社し、ミツミ電機株式会社に譲渡。 ㈱JMDCと資本・業務提携を実施。 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行。 |
3【事業の内容】
当社グループは、当社および子会社119社(国内27社、海外92社)、関連会社36社(国内30社、海外6社)により構成(2022年3月31日現在)されており、電気機械器具、電子応用機械器具、精密機械器具、医療用機械器具、およびその他の一般機械器具の製造・販売およびこれらに付帯する業務を中心とした事業を営んでいますが、その製品の範囲は産業用制御機器コンポーネントの全分野およびシステム機器、さらには生活・公共関連の機器・システムへと広範囲に及んでいます。
オペレーティング・セグメントごとの主要な事業内容、および主な関係会社は次のとおりです。
なお、主な製品・サービスは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 Ⅱ-Uセグメント情報」に記載しています。
また、2022年4月からの長期ビジョン「SF2030」の開始に伴い、2023年3月期よりEMC(エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネス)をDMB(デバイス&モジュールソリューションズビジネス)へセグメント名称を変更しています。
(1)インダストリアルオートメーションビジネス(IAB、制御機器事業)
制御機器事業は、「オートメーションでモノづくりを革新し、世界中の人々を豊かにする」をビジョンに、オムロンが歴史的に育んできたオートメーションを事業の中心におき、モノづくりを革新することで、世界の製造業の生産性向上に貢献しています。独自のコンセプト“i-Automation!”(注)を掲げ、業界随一の幅広い制御機器を軸に技術とソリューションでお客様のモノづくり現場にイノベーションを起こし、世界中の人々を豊かにする世界を目指します。
(注)当社は、製造業のモノづくり現場を革新するコンセプトを“ i-Automation! ”と呼び、次の3つの「i」からなるオートメーションの進化によって製造現場の生産性を飛躍的に高め、付加価値の高いモノづくりの実現を目指しています。「integrated (制御進化)」は、これまで熟練工に頼っていた匠の技を、誰もが簡単に実現できるよう、オートメーション技術を進化させます。「intelligent (知能化)」は、幅広い制御機器とAIを活用し、機械が自ら学習して状態を保全するなど、進化し続ける装置や生産ラインを実現します。「interactive (人と機械の新しい協調)」は、同じワークスペースで人と機械が共に働き、機械が人の動きや考えを理解しアシストするなど、人と機械の新しい協調関係を提供します。
(2)ヘルスケアビジネス(HCB、ヘルスケア事業)
ヘルスケア事業は、「地球上の一人ひとりの健康ですこやかな生活への貢献」をミッションに、誰でも簡単・正確に測定できる使いやすさと、医療現場からも信頼される精度にこだわり、商品やサービスを開発しています。商品では、血圧計や体温計、喘息治療薬を吸入するための機器であるネブライザーなど、各国の医療機器認証を取得したデバイスの販売を世界110ヵ国以上で展開しています。サービスでは、医師が遠隔で患者をモニタリングし処方・治療支援を行う遠隔診療サービスの提供を主要国から進めています。
(3)ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(SSB、社会システム事業)
社会システム事業は、「世界中の人々が安心・安全・快適に生活し続ける豊かな社会を創造する」をミッションとしています。太陽光発電用パワーコンディショナー、蓄電池、自動改札機や券売機などの駅務システム、交通管制システム、決済システム、UPSなどのデータ・電源保護といった、多岐にわたる端末・システム、さらにソフトウェア開発、保守メンテナンスによるトータルソリューションを提供し、社会インフラを支えています。
(4)デバイス&モジュールソリューションズビジネス(DMB、電子部品事業)
電子部品事業は、「我々のデバイスとモジュールで、顧客の価値を創造し、地球上の人と社会に貢献する」をミッションとしています。ファクトリーオートメーションから、モビリティ、エネルギーマネジメント、ヘルスケア、業務民生機器など、幅広い業界の顧客に対して、電気を切る、入れる、つなぐためのコア部品となる、リレー、スイッチ、コネクターや、さまざまな製品の目や耳になるセンサなどのデバイスやモジュールを、全世界で提供するオムロンの基盤事業です。
| セグメント名 | 主な関係会社 | ||||
| 日本(27社) | 米州(14社) | 欧州(35社) | 中華圏(18社) | 東南アジア他(25社) | |
| IAB | オムロン関西制御機器㈱ ㈱エフ・エー・テクノ SKソリューション㈱ | オムロンエレクトロニクス(米国) オムロンロボティクスセーフティテクノロジー(米国) オムロンメキシコ | オムロンヨーロッパ(オランダ) オムロンエレクトロニクス(スペイン) オムロンエレクトロニクス(イタリア) | オムロン上海(中国) オムロンインダストリアルオートメーション(中国) オムロン台湾エレクトロニクス(台湾) | オムロンアジアパシフィック(シンガポール) オムロンエレクトロニクスコリア(韓国) オムロンエレクトロニクス(タイ) |
| HCB | オムロンヘルスケア㈱ オムロンヘルスケアマーケティング㈱ | オムロンヘルスケア(米国) オムロンヘルスケアブラジル | オムロンヘルスケアヨーロッパ(オランダ) オムロンヘルスケア(イギリス) オムロンヘルスケアロシア(オランダ) | オムロン大連(中国) オムロンヘルスケア(中国) オムロンメディカル北京(中国) | オムロンヘルスケア韓国 オムロンヘルスケアシンガポール オムロンヘルスケアインド オムロンヘルスケアマニュファクチャリングベトナム |
| SSB | オムロンソーシアルソリューションズ㈱ オムロンソフトウェア㈱ オムロンフィールドエンジニアリング㈱ オムロン阿蘇㈱ | ||||
| DMB | オムロンリレーアンドデバイス㈱ オムロンスイッチアンドデバイス㈱ オムロンアミューズメント㈱ | オムロンエレクトロニックコンポーネンツ(米国) オムロンエレクトロニックコンポーネンツカナダ | オムロンエレクトロニックコンポーネンツヨーロッパ(オランダ) オムロンオートモーティブエレクトロニクスイタリア | 上海オムロンコントロールコンポーネンツ(中国) オムロンエレクトロニックコンポーネンツ深圳(中国) オムロンエレクトロニックコンポーネンツトレーディング上海(中国) | オムロンマレーシア オムロンエレクトロニックコンポーネンツ(韓国) オムロンエレクトロニックコンポーネンツ(タイ) |
(事業系統図)
当グループにおける主要な関係会社は、概ね次の図のとおりの位置付けにあります。なお、事業系統図内の矢印は、製品およびサービスの流れを示しています。
4【関係会社の状況】
| 会社名 | 住所 | 資本金 (百万円) | 主要な事業内容 | セグメント名(注)1 | 議決権に対する 所有割合 | 関係内容 | ||||
| 役員の 兼任 | 貸付金 | 営業上の取引等 | ||||||||
| 直接 (%) | 間接 (%) | 計 (%) | ||||||||
| (連結子会社) | ||||||||||
| オムロンスイッチアンドデバイス㈱ (注)2 | 岡山市 中区 | 300 | 電子機器部品の製造 | DMB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の製造 | |||
| オムロンアミューズメント㈱ | 愛知県 一宮市 | 300 | 電子機器部品の製造・販売 | DMB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の 製造・販売 | |||
| オムロンフィールドエンジニアリング㈱ | 東京都 目黒区 | 360 | 電気機器の保守サービス | SSB | 100.0 | 100.0 | 当社製品のメンテナンス | |||
| オムロンリレーアンドデバイス㈱ (注)2 | 熊本県 山鹿市 | 300 | 電子機器部品の製造 | DMB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の製造 | |||
| オムロン阿蘇㈱ | 熊本県 阿蘇市 | 200 | 制御機器の製造 | SSB | 100.0 | 100.0 | 有 | - | ||
| オムロンヘルスケア㈱ | 京都府 向日市 | 5,021 | 健康医療機器・サービスの製造・開発・販売等 | HCB | 100.0 | 100.0 | 有 | - | ||
| オムロンソーシアル ソリューションズ㈱ | 東京都 港区 | 5,000 | 鉄道・道路交通向けシステムの製造・販売等 | SSB | 100.0 | 100.0 | 有 | - | ||
| オムロン関西制御機器㈱ | 大阪市 北区 | 310 | 制御機器の販売 | IAB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の販売 | |||
| SKソリューション(株) | 福岡市 博多区 | 50 | 制御機器の販売 | IAB | 100.0 | 100.0 | 有 | 当社製品の販売 | ||
| ㈱エフ・エー・テクノ | 東京都 台東区 | 490 | 制御機器の販売 | IAB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の販売 | |||
| オムロンエキスパートリンク㈱ | 京都市 下京区 | 90 | 国内関係会社の人事・総務・理財機能等 | 本社他 | 100.0 | 100.0 | 有 | - | ||
| OMRON MANAGEMENT CENTER OF AMERICA, INC. | アメリカ イリノイ | 6,891千 US.$ | 北米地域の関係会社の統轄管理 | 本社他 | 100.0 | 100.0 | - | |||
| OMRON ELECTRONICS LLC | アメリカ イリノイ | 9,015千 US.$ | 制御機器の販売 | IAB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の販売 | |||
| OMRON ELETRONICA DO BRASIL LTDA. (注)2 | ブラジル サンパウロ | 561,330千 BRL.R$ | 制御機器の販売およびブラジル関係会社の統括管理 | 本社他 | 100.0 | 100.0 | 有 | 当社製品の販売 | ||
| OMRON ELECTRONIC COMPONENTS LLC | アメリカ イリノイ | 3,987千 US.$ | 電子機器部品事業の営業統轄管理および販売 | DMB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の販売 | |||
| OMRON ROBOTICS AND SAFETY TECHNOLOGIES, INC. (注)2 | アメリカ カリフォルニア | 183,626千 US.$ | 産業用ロボットおよびモバイルロボットの開発、製造、販売、保守サービス | IAB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の製造・販売・開発 ・保守 | |||
| OMRON HEALTHCARE, INC. | アメリカ イリノイ | 200千 US.$ | 健康医療機器の販売 | HCB | 100.0 | 100.0 | - | |||
| 会社名 | 住所 | 資本金 (百万円) | 主要な事業内容 | セグメント名(注)1 | 議決権に対する 所有割合 | 関係内容 | ||||
| 役員の 兼任 | 貸付金 | 営業上の取引等 | ||||||||
| 直接 (%) | 間接 (%) | 計 (%) | ||||||||
| (連結子会社) | ||||||||||
| OMRON EUROPE B.V. | オランダ ホッフドルフ | 16,883千 EUR | 欧州地域関係会社の統轄管理および欧州地域制御機器事業の統轄管理 | 本社他 | 100.0 | 100.0 | 当社製品の販売 | |||
| OMRON HEALTHCAREEUROPE B.V. | オランダ ホッフドルフ | 1,000千 EUR | 健康医療機器の販売、欧州健康機器事業の統轄管理 | HCB | 100.0 | 100.0 | - | |||
| OMRON ELECTRONIC COMPONENTSEUROPE B.V. | オランダ ホッフドルフ | 1,000千 EUR | 電子機器部品事業の営業統轄管理・販売 | DMB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の販売 | |||
| OMRON ASIAPACIFIC PTE.LTD. | シンガポール | 23,465千 US.$ | 東南アジア地域関係会社の統轄管理および制御機器の販売 | 本社他 | 100.0 | 100.0 | 当社製品の販売 | |||
| OMRON ELECTRONICS KOREA CO., LTD. | 韓国 ソウル | 950百万 KRW | 制御機器の販売 | IAB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の販売 | |||
| PT.OMRON MANUFACTURING OF INDONESIA | インドネシア ブカシ | 12,500千 US.$ | 電子機器部品の製造・販売 | DMB | 90.0 | 90.0 | 当社製品の製造 | |||
| OMRON (CHINA) CO.,LTD. (注)2 | 中国 北京 | 1,469百万 RMB.¥ | 中国地域事業の統轄管理 | 本社他 | 100.0 | 100.0 | 有 | - | ||
| OMRON DALIANCO., LTD. | 中国 大連 | 157,237千 RMB.¥ | 健康医療機器の製造 | HCB | 100.0 | 100.0 | - | |||
| OMRON (SHANGHAI) CO., LTD. (注)2、4 | 中国 上海 | 550,289千 RMB.¥ | 制御機器の製造・販売・開発 | IAB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の製造・販売・開発 | |||
| OMRONINDUSTRIALAUTOMATION(CHINA) CO., LTD. | 中国 上海 | 56,067千 RMB.¥ | 貿易会社 | IAB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の販売 | |||
| OMRON ELECTRONIC COMPONENTS TRADING(SHANGHAI)LTD. | 中国 上海 | 28,968 RMB.¥ | 電子機器部品の販売 | DMB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の販売 | |||
| SHANGHAI OMRON CONTROL COMPONENTS CO. ,LTD. | 中国 上海 | 390,367千 RMB.¥ | 電子機器部品の製造 | DMB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の製造 | |||
| OMRON TAIWAN ELECTRONICS INC. | 台湾 台北 | 869,410千 NT.$ | 制御機器の販売 | IAB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の販売 | |||
| OMRON ELECTRONIC COMPONENTS(SHENZHEN) LTD. | 中国 深圳 | 276,560千 RMB.¥ | 電子機器部品の製造 | DMB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の製造 | |||
| OMRON HEALTHCARE (CHINA) CO., LTD. | 中国 大連 | 51,374千 RMB.¥ | 健康医療機器の貿易会社 | HCB | 100.0 | 100.0 | - | |||
| OMRON HONG KONG LIMITED. | 中国 香港 | 13,314千 US.$ | 電子機器部品の販売 | DMB | 100.0 | 100.0 | 当社製品の販売 | |||
| その他86社 | ||||||||||
| 会社名 | 住所 | 資本金 (百万円) | 主要な事業内容 | セグメント名(注)1 | 議決権に対する 所有割合 | 関係内容 | ||||
| 役員の 兼任 | 貸付金 | 営業上の取引等 | ||||||||
| 直接 (%) | 間接 (%) | 計 (%) | ||||||||
| (持分法適用関連会社) | ||||||||||
| ㈱JMDC(注)3 | 東京都 港区 | 9,091 | 医療統計データサービス | 本社他 | 33.0 | 33.0 | - | |||
| AliveCor,Inc. | アメリカ カリフォルニア | 177百万 US.$ | 心疾患の診断と治療の支援サービスおよび商品の提供 | HCB | 39.3 | 39.3 | - | |||
| その他34社 | ||||||||||
(注)1 IABはインダストリアルオートメーションビジネス、HCBはヘルスケアビジネス、SSBはソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス、DMBはデバイス&モジュールソリューションズビジネス、本社他は技術・知財本部等の本社機能の略称であり、主たる事業内容に基づくセグメントを記載しています。
2 特定子会社です。
3 有価証券報告書を提出しています。
4 OMRON(SHANGHAI)CO., LTD. の売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)は、連結売上高に占める割合が10%を超えています。
主要な損益情報等
①売上高 98,590百万円 ②法人税等、持分法投資損益控除前当期純利益 15,902百万円
③当期純利益 11,819百万円 ④純資産額 38,455百万円 ⑤総資産額 59,052百万円
5 上記関係会社中に、重要な債務超過の状況にある会社はありません。
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
| 2022年3月31日現在 | |
|---|---|
| セグメントの名称 | 従業員数(人) |
| インダストリアルオートメーションビジネス | 9,651 |
| ヘルスケアビジネス | 4,839 |
| ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス | 2,896 |
| デバイス&モジュールソリューションズビジネス | 8,848 |
| 本社他 | 2,786 |
| 合計 | 29,020 |
(注)従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの
出向者を含む)です。
(2) 提出会社の状況
| 2022年3月31日現在 | |||
|---|---|---|---|
| 従業員数(人) | 平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 平均年間給与(千円) |
| 4,610 | 45.5 | 16.7 | 8,497 |
(注)1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)です。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。
| 2022年3月31日現在 | |
|---|---|
| セグメントの名称 | 従業員数(人) |
| インダストリアルオートメーションビジネス | 2,547 |
| ヘルスケアビジネス | - |
| ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス | - |
| デバイス&モジュールソリューションズビジネス | 990 |
| 本社他 | 1,073 |
| 合計 | 4,610 |
(注)従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)です。
(3) 労働組合の状況
2022年3月31日現在
| 名称 | オムロングループ労働組合連合会 (全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会) |
|---|---|
| 結成年月 | 1978年4月 |
| 組合員数(人) | 7,167 |
なお、会社と労働組合との間には、特記すべき事項はありません。
第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
①当社グループの企業理念
当社グループでは、1959年に創業者・立石一真が、社憲「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」を制定しました。その後、社憲の精神を企業理念へと進化させ、時代にあわせて改定しながら、事業発展の原動力また求心力として数々のイノベーションを生み出し、社会の発展と人々の生活の向上に貢献してきました。
当社グループでは、この企業理念を社員一人ひとりが実践することで、事業を通じた社会的課題の解決を目指しています。このためには、世界中の社員の誰もが企業理念の考え方を理解し、行動することが重要であり、現在、グローバルレベルで企業理念の実践を強化しています。
当社グループは、これからも企業理念の実践を通じて、企業の社会的責任を果たすとともに、持続的な企業価値の向上を目指します。
なお、今後も企業理念を実践し、社会の発展と企業価値の向上に努めていく当社の経営の根幹は普遍であることを明確にするために、第85期定時株主総会に同企業理念を定款に記載する旨の議案を上程し、株主様の賛成を得て定款の一部を変更しました。
②当社グループの企業理念に基づく経営の構造
当社グループでは、すべてのステークホルダーに対して、事業を通じて企業理念を実践していくための経営の姿勢や考え方を示すものとして、「経営のスタンス」を宣言し、「長期ビジョン」「オムロングループ マネジメントポリシー」「ステークホルダーエンゲージメント」の各方針に体系化し、実践しています。
(2) 長期ビジョン「Value Generation 2020」の総括(2011年度~2020年度)
当社グループは、2011年度から2020年度まで、10ヶ年の長期ビジョン「Value Generation 2020」(以下、VG2020)を掲げ、「①収益力の向上」、「②自走的成長の実現」、「③変化対応力の発揮」、「④サステナビリティ経営の実践」を行いました。また、2020年度に発生した新型コロナウィルスの感染拡大を踏まえ次期長期ビジョンの開始を遅らせ、2020年度と2021年度の2年間は、ニューノーマル時代における持続的な成長を実現するための事業変革を加速させる、次の長期ビジョン(2022~2030年度)に向けての期間としました。
<2020~2021年度の位置づけ>
2011年度から2021年度までの期間の成果は次の通りです。
①収益力の向上
ROICを基準としたポートフォリオマネジメントを徹底し、車載事業の売却や低収益事業の収束を実行し、事業ポートフォリオを利益率とシェアが高い制御機器事業とヘルスケア事業に絞り込み経営資源を集中させてきました。その結果、全売上高に占める両事業の構成比を2011年度の54%から2021年度は74%と大きく引き上げました。稼ぐ力の向上を表す指標としてこだわってきた売上総利益率は、2021年度36.8%から2021年度45.5%へと、8.7ポイント向上させました。また、ROICは、2011年度の4.8%から2021年度は9.6%と、4.8ポイント向上させました。営業利益は、2011年度の401億円から2021年度は893億円と、年率8.3%伸ばし、過去最高を達成しました。営業利益率は、2011年度の6.5%から2021年度は11.7%と、5.2ポイント向上させました。オムロンの収益力は、この11年間で着実に高まりました。
<セグメント別売上構成比率の変化・収益関連指標の推移>
②自走的成長の実現
VG2020のゴールとして掲げた「売上高1兆円」に向けて、2017年度まではほぼ計画通りに成長を続けてきました。しかし、2018年度の後半以降、米中貿易摩擦やコロナショックによる経済環境の変化などの影響を受け、売上減少に転じました。また、事業ポートフォリオの最適化のために行った、車載部品事業の売却やバックライト事業の収束も売上減少の要因となりました。
2021年度は前年から売上が大きく回復したものの、1兆円の目標は未達に終わりました。事業環境の変化など、逆風を跳ね返す「自走的成長の実現」はまだ道半ばです。
<売上高の推移>
③変化対応力の発揮
VG2020期間および2021年度では、グローバルな事業拡大を支える統合リスクマネジメントに取り組み、変化対応力を向上させてきました。また、生産性の更なる向上と変化に強いレジリエントな体質の構築を目的に、生産拠点やサプライチェーンの最適化に取り組んできました。制御機器事業ではM&Aによる新規事業の獲得に加え、顧客のグローバル展開への対応を目的に、2011年度は4カ所だった生産拠点を2021年度8カ所へ増加させました。ヘルスケア事業でも、M&Aを活用して生産拠点を2011年度の3カ所から2021年度5カ所に増加させました。これにより主要市場である米州と欧州の需要変動に迅速に対応することができるようになりました。一方、電子部品事業においては、小規模な生産拠点を統廃合することで、生産性を向上させました。
2021年度にはサプライチェーンの混乱が顕在化しましたが、VG2020期間で再編した生産拠点で増産対応を行うとともに、機動的な設計変更や代替部材の調達により部材の確保を行いました。これらの変化対応力を発揮した結果、コロナ禍においても、2年連続で営業利益成長を実現いたしました。
④サステナビリティ経営の実践
サステナビリティ課題への取組みも大きく進化させてきました。
VG2020では、事業戦略とサステナビリティ重要課題の双方を同様に重要と位置付けて企業価値向上に取り組みました。2017年度にスタートした中期経営計画においてはサステナビリティ目標を組み込み、取締役の中期業績連動報酬に、第三者機関の調査に基づくサステナビリティ評価の採用などを実施してきました。また、全社でのサステナビリティマネジメント構造を構築し、取締役会の監視・監督の下、執行部門においてサステナビリティ課題への取組みを推進しました。具体的には、制御機器事業において、モノづくり現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)化を加速するソフトウェア拡充するなど革新アプリ累計247件の創出、ヘルスケア事業においては、血圧計の累計販売台数3億台の実現やグローバルでの遠隔診療サービス拡充など、事業を通じて社会的課題の解決を行ってきました。
また、VG2020期間および2021年度を通じて海外重要ポジション現地化比率は2011年度の31%から2021年度は80%へ、障がい者雇用率は2014年度の2.4%から2021年度は3.1%となり、2022年3月の国内の法定雇用率2.3%を大きく上回る水準での障がい者雇用を実現しております。温室効果ガス排出量削減への取組みにおいては、オムロンの省エネ技術を自社のサイトに徹底的に取り入れ2016年度比で排出量を当初目標の4%削減を上回る50%削減を実現するなど、サステナビリティ課題への対応を確実に進化させることができました。
<VG2020期間および2021年度での主なサステナビリティ課題への取組み成果>
(注)1 RBA:Responsible Business Allianceの略。電子業界を中心とするグローバルなCSRアライアンス。
RBAに準拠したセルフチェックを実施。
2 Boost5:心身の健康状態を把握するための重点テーマ5項目(運動・睡眠・メンタルヘルス・食事・タバコ)を選定し、
指標化したもの。
なお、2021年度に設定した注力ドメインのサステナビリティ目標、およびその他のサステナビリティ目標は以下のとおりです。
<事業を通じて解決するサステナビリティ課題の目標と実績(2021年度)>
<ステークホルダーの期待に応えるサステナビリティ課題の目標と実績(2021年度)>
(注)1 TOGA :the OMRON Global Awardsの略で、2012年にスタートした、企業理念実践の物語をグローバル全社で
共有しオムロンの強みの源泉である企業理念を全社員に実践させ、共感と共鳴の輪の拡大を促す取組み。
TOGAについての詳細や事例については弊社HPをご参照ください。
https://www.omron.com/jp/ja/about/corporate/vision/initiative/#fourth
2 VOICE:社員エンゲージメントサーベイ
3 OMCX :エリア本社
4 当社グループの生産高80%以上を占める生産拠点(軽微な生産は除く)
5 OCR:オムロングループルール
6 以下のサステナビリティ目標に対する2021年度の実績は、第三者機関による限定的保証業務を受け、
今年度発行の統合レポートに掲載する予定です。
・海外重要ポジションに占める現地化比率
・女性管理職比率
・障がい者雇用率
7 以下のサステナビリティ目標に対する2021年度の実績は、オムロンコーポレートサイトに掲載し、ビューローベリタスジャパン
株式会社による限定的保証業務により第三者保証等を実施中であり、2022年6月中に完了する見込みです。
・温室効果ガス排出量(Scope1・2、およびScope3カテゴリ1,2,3,6,7)
・環境貢献量
8 上記限定的保証業務は、いずれも国際監査・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000
「過去財務情報の監査又はレビュー以外の保証業務」に準拠した業務です。
これらの取組みの結果、オムロンは社外から高い評価を得ています。VG2020期間および2021年度を通じ、財務価値に加え、サステナビリティ課題への取組みを強化することで、オムロンは、DJSIワールドをはじめ世界標準のさまざまなインデックスへ組み入れや表彰を受けています。
<第三者評価の推移>
⑤2011年度から2021年度における企業価値向上
以上のVG2020期間および事業変革期と位置付けた2021年度の11年間を通じた取組みにより、オムロンの企業価値は、企業価値の創造を表す指標の一つである「株主総利回り(TSR)」が約4倍となるなど、大幅に向上しました。
<TSRの推移>
⑥次期長期ビジョンに向けた課題
①から⑤で述べたように、2011年度から2021年度においては、企業価値を向上させる大きな成果を上げましたが、同時に課題も出てきています。それは、「変化対応力のさらなる向上」、「自走的成長の実現」、そして「企業運営の進化」です。
特に、部材調達に関しては大きな課題が残ったと認識しています。また、直近においては、ロシアによるウクライナへの侵攻など国際情勢がさらに不透明なものになっており、これまで以上に変化を察知する力の向上や、供給力の向上を含むバリューチェーンの再構築が重要になってきています。
また、不確実性の高い事業環境下でも自走的な成長を実現するためには、今後拡大する事業機会において、新たな価値創造による成長とM&Aによる非連続な成長がともに必要となります。
加えて、その成長を支える企業運営も同時に進化させなければなりません。DX基盤の構築やダイバーシティ&インクルージョンの推進などをさらに進化させる事が重要です。このような振り返りを踏まえ、長期ビジョンを作成しました。
(3) 長期ビジョン「Shaping The Future 2030」(2022~2030年度)
VG2020期間および2021年度での成果と課題を踏まえ、2022年度から2030年度までの新たな長期ビジョン(呼称:「Shaping The Future 2030」、略称:「SF2030」)を策定し、スタートさせました。当ビジョンにおいては、社会が変革期を迎える中、オムロンがその存在意義を発揮し、より多くの社会的課題の解決を通じて社会の発展に貢献し続けるため、自らの変革と新たな価値創造のストーリーを定めました。この長期ビジョン「SF2030」のもと、事業の成長とサステナビリティ課題への取組みを一体化して進化させ、企業価値を向上させていきます。
①SF2030ビジョンステートメント
長期ビジョン「SF2030」には、「オムロングループ全社員が企業理念を実践し、センシング&コントロール+Think技術で、持続可能な社会をステークホルダーとともにつくっていく」という思いを込めています。
②オムロンの存在意義
オムロンの存在意義は、「事業を通じて社会価値を創出し、社会の発展に貢献し続けること」です。これは、これからも決して変わることはありません。
(注)正しく利益を得るとは、自社の利益のみを優先するのではなく、社会的責任(安心安全な製品・サービスの品質確保、
カーボンニュートラルの実現、人権尊重など)を果たすことを前提とした企業活動により適切な利益を得ること。
③オムロンが想定する2030年の社会
私たちは、効率や生産性を追求する「工業社会」を経て、物質的な豊かさを手に入れました。しかし人々の価値観はモノの豊かさから心の豊かさに大きく変化しています。例えば、人々の環境問題に対する意識、仕事に対する価値観は大きく変わってきています。サステナブルな製品や生活を選択することはもちろん、仕事においても、自分の能力を発揮できる仕事を通じ、ワークライフバランスを見つめなおす動きが加速しています。新たな社会・経済システムへの移行期である現在、そして次の10年は、新旧の価値観がぶつかりあい、社会・経済システムへのひずみが生じることにより社会的課題が次々に発生する時代の転換期にあると考えています。オムロンはこれらの社会的課題を解決することで社会価値を創出し、社会全体の豊かさと自分らしさの追求が両立する社会の実現に貢献し続けます。
④オムロンが創出する社会価値
社会価値の創出に向けて、オムロンは、社会に与えるインパクトが大きく、オムロンの強みであるオートメーションと顧客資産や事業資産を活かす観点から、3つの社会的課題「カーボンニュートラルの実現への貢献」、「デジタル化社会の実現への貢献」、「健康寿命の延伸への貢献」を設定しました。
カーボンニュートラルの実現を通じて地球温暖化問題へ取り組み、安心・安全・便利な暮らしと自然環境の両立を実現するエネルギーシステム作りに貢献します。
デジタル化社会の実現においては、年齢や貧富の差に関わらず、必要な情報を必要な人が得ることができる状態を作ることが求められています。オムロンは、誰もがその恩恵にあずかることができるデジタル化社会の実現を通じて格差社会から生まれる問題の解決に取り組み、人々があらゆる制約から解放され、楽しく創造的でかつ、持続可能な社会を実現するものづくりやインフラ作りに貢献します。
また、高齢化が進む社会において、健康寿命を延ばすことは、個人はもちろん、家族が幸せな生活を送るためにとても重要なことです。加えて、医療費の抑制といった観点からも重要です。オムロンは健康寿命の延伸のためにあらゆる人が健康で豊かな自立した人生を送るためのヘルスケアシステムを構築することで高齢化社会における問題の解決に真正面から取り組んでいきます。
<オムロンが捉える社会的課題と創出する社会価値>
これらの3つの社会的課題の解決による社会インパクトを最大化するために、長期ビジョン「SF2030」より、グループのドメインを見直し、改めて4つのドメインを設定するとともに同領域での社会価値を定めました。インダストリアルオートメーションでは、「持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化」への貢献を目指します。ヘルスケアソリューションでは、「循環器疾患の“ゼロイベント”」への貢献を目指します。ソーシャルソリューションでは、「再生可能エネルギーの普及・効率的利用とデジタル社会のインフラ持続性」への貢献を目指します。デバイス&モジュールソリューションでは、「新エネルギーと高速通信の普及」への貢献を目指します。
<4つのドメインが創出する社会価値>
インダストリアルオートメーション
インダストリアルオートメーションでは「持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化」へ貢献します。これまでオムロンは、i-Automation!で、お客様との共創を通じてアプリケーションを創出し、様々な業界のモノづくりの技術革新や人手不足の解消、生産性の向上を実現させてきました。これからは、i-Automation!をさらに進化させ、生産性とエネルギー効率の最大化による地球環境との共存や、人の可能性を最大発揮できる製造現場の構築や業務プロセスの改善やエンジニアリング領域の業務効率向上を通じて作業者の働きがいも両立させるサステナブルな未来を支える製造現場を構築していきます。
ヘルスケアソリューション
ヘルスケアソリューションでは、「循環器疾患の“ゼロイベント”」へ貢献します。これまでオムロンは、医療品質の家庭用デバイスをグローバルに普及させ、家庭で計測した血圧データを用いた診断・治療プロセスをつくり、脳・心血管イベント発症の予防に貢献してきました。これからは、イベント発症を未然に防ぐ、新しい予防医療の仕組みを構築することで、誰もが自然と健康に暮らすことのできる社会、質の高い医療を誰もがどこでも受けられる社会の実現を目指していきます。その社会に向けて、日常生活下でバイタルデータが測定できるデバイスの創出、医師の診断・治療の意思決定を支援するアルゴリズムを用いた遠隔診療サービスの導入や、新しい予防医療サービスの開発を実現します。
ソーシャルソリューション
ソーシャルソリューションでは、「再生可能エネルギーの普及・効率的利用とデジタル社会のインフラ持続性」への貢献を目指します。オムロンはこれまで、太陽光発電や蓄電池の普及に貢献してきました。これからは、進化したエネルギー制御技術で発電の不安定さを解消し、再生可能エネルギーのさらなる普及に貢献します。また、社会インフラ領域においては、様々な機器、施設の運用現場を熟知し、日本全国を網羅するサービス網を通じ、運用・保守を支えてきました。これからは、現場システムの効率的な運用を支援するマネジメント&サービスで、運用・保守プロセスを革新していきます。
デバイス&モジュールソリューション
デバイス&モジュールソリューションでは、「新エネルギーと高速通信の普及」に貢献します。オムロンはこれまで、電気を繋ぐ・切る技術で、高い性能と品質を持つリレーやスイッチを顧客の製品に組み込み、グローバルに広く提供してきました。これからは、環境負荷の低いエネルギーの導入によりあらゆる機器が直流化します。この変化を踏まえて、オムロンは、放電を安全に制御する技術や故障タイミングを事前に検知する技術で、火災や感電を防ぎ、機器の安全性を高めるデバイスを創出します。また、高速通信の普及では、耐ノイズ性能を高める技術と、これまで培った微細加工技術を用いた量産化により、「途切れない接続」を可能とする高周波対応デバイスを創出します。
⑤オムロンの進化の方向性
・ビジネスモデルの進化
これらの社会価値の創出に向けて、私たちは価値のつくり方そのものも進化させていきます。それは、コンポを中心としたモノだけなく、モノと社会が抱える本質的価値を解決するサービスの組み合わせによる新たな価値の実現です。社会や市場の転換期において、本質価値を捉え直した場合、価値の実装形態はモノだけに留まりません。例えば、制御機器事業のi-BELTにおけるコンサルティングサービス、運用支援サービス、改善サービスなどです。
<“モノ”から“モノ+サービス”へ>
また、自社のリソースにこだわらずパートナーとの共創により、実行スピードと実現可能性を高めていきます。この、モノ+サービスでの価値の実現、また、パートナーとの共創には、そのベースとなるデータプラットフォームの構築が重要になると考えています。自社のデバイスやサービスから生成されるデータとパートナーのデータとの連携によるデータプラットフォームを構築し、そのデータの利活用により、モノ+サービスによる新たなソリューションを開発していきます。本コンセプトのもと、中長期でグループ全体の事業構造を転換し、モノだけでなく、リカーリング型サービスモデルも加えた収益構造に転換していきます。
<データを基軸としたパートナーとの共創による価値創造>
(参考)JMDC社との資本業務提携
データを基軸としたパートナーとの共創による価値創造に向けた取組みの先駆けとして、2022年2月にJMDC社との資本業務提携を行いました。この資本業務提携により、オムロンとJMDC社の両グループは、JMDC社が有するレセプト、健診などの医療データに、オムロンが血圧計や心電計など家庭用ヘルスケアデバイスから収集・蓄積してきたバイタルデータを加えた、強固なヘルスデータプラットフォームの構築を進めます。
そして、そのデータベース基盤に立脚した「健康増進・重症化予防ソリューション」のビジネスを展開していきます。多くのパートナーを引き寄せ、これまで誰も出来なかったソリューションを創出することで、まずは日本の医療の課題を解決しその進歩を支援する計画です。
オムロンは、さらに本資本業務提携を通じて、JMDC社から、データを基軸としたサービスビジネスの事業構想・価値開発・事業運営を学び、それを制御機器事業、社会システム事業も含めて、データドリブンのビジネスへと転換していきます。
・人が活きるオートメーション
オムロンは、人と機械の関係性によって、オートメーションを代替、協働、融和の3種類に分類しています。
「代替」は、機械が人の作業を担うオートメーションであり、いわゆる機械による自動化というレベルです。その次の段階の「協働」は、機械が人と共に働くオートメーションです。人と一緒に作業ができる協調ロボットの出現により、この協働のオートメーションが、今後進化していきます。そして、「融和」では機械が人の可能性や人間らしさを引き出し、機械が人に合わせ、自律化を促します。オムロンは、これら様々なオートメーションを最適に組み合わせる事で人の能力を最大限発揮させるオートメーションを、「人が活きるオートメーション」と定義し、その活用によって社会的課題を解決していきます。
<人が活きるオートメーションとオートメーションの拡張>
⑥長期ビジョン「SF2030」の前提となるサステナビリティ重要課題
長期ビジョン「SF2030」およびSF 1st Stageは、サステナビリティ重要課題との完全統合を図って設定しました。サステナビリティ重要課題の特定に向けた検討においては、長期ビジョン「SF2030」の方向性を検討した段階で、企業理念と存在意義、2030年とさらにその先の社会からのバックキャスティング、環境や社会の持続可能性に貢献するための企業への要請の3つの観点から抽出した課題に対して、社内での議論および外部有識者との対話による示唆を踏まえて、経営レベルで議論を重ねた結果、最終的に長期ビジョン「SF2030」においては以下の5つのサステナビリティ重要課題を決定しました。
(ⅰ)事業を通じた社会的課題の解決
事業を通じた社会的課題の解決により、社会価値を創出するとともにオムロンの持続的な成長を牽引する
(ⅱ)ソーシャルニーズ創造力の最大化
オムロンの持続的成長のために競争力となるビジネスモデルの進化と新たな事業創出の取組みの拡大
(ⅲ)価値創造にチャレンジする多様な人財づくり
オムロンの持続的成長の源泉となるオムロンで働く多様な人財の能力やスキルを引き出す人財マネジメントの進化
(ⅳ)脱炭素・環境負荷低減の実現
気候変動を「機会」と「リスク」の二側面で捉えた企業としての社会的責任の実践と更なる競争優位性の構築
(ⅴ)バリューチェーンにおける人権の尊重
企業の社会的責任として、自社のみならずバリューチェーンで働く人々の人権の尊重に対する影響力の発揮
(4) 中期経営計画「SF 1st Stage」(2022年度~2024年度)
2022年度から2024年度までの中期経営計画 (以下、SF 1st Stage)では、この3年間を社会的課題を捉えた価値創造と持続的成長への能力転換を加速する“トランスフォーメーション加速期”と位置づけました。社会構造の変化に伴い生じる成長機会を掴み、これまで培った競争力を発揮することで力強い成長を実現します。それと同時に、変化する社会に適応するため組織能力の転換を推進し、成長の持続性を高めてまいります。
<長期ビジョン「SF2030」における1st Stageの位置づけ>
①SF 1st Stage方針
SF 1st Stageの全社方針は、「トランスフォーメーションの加速による価値創造への挑戦」です。この実現に向けて、3つのグループ戦略を設定しました。1つ目は、事業のトランスフォーメーションです。具体的には、4コア事業(制御機器事業・ヘルスケア事業・社会システム事業・電子部品事業)の進化、顧客資産型サービス事業の拡大、社会的課題起点での新規事業の創出に取り組みます。4コア事業の進化については、それぞれが成長領域を見直し注力事業を設定し、新たな価値創造を実現することで売上成長を牽引していきます。2つ目は、企業運営・組織能力のトランスフォーメーションです。事業環境の変化に適応しながら価値創造し続けるために、ダイバーシティ&インクルージョンの加速、DXによるデータドリブンの企業運営、サプライチェーンのレジリエンス向上に取り組みます。そして、3つ目は環境と人権への取組み強化です。脱炭素・環境負荷低減に向けたGHG排出量の削減、バリューチェーンにおける人権尊重の徹底に取り組んでいきます。
<SF 1st Stageの全社方針>
(ⅰ)事業のトランスフォーメーション
・4コア事業の進化
長期ビジョン「SF2030」で掲げている4つのドメインで、3つの社会的課題の解決に向けて、事業の進化と成長を通じて社会価値を創出していきます。4つのドメインを担う4コア事業では、それぞれ以下の取組みを行います。
IAB(制御機器事業)
制御機器事業は、SF 1st Stageも引き続き、グループの成長をリードするコア事業です。持続可能な社会への移行に伴い、モノづくりが変化するデジタルや環境モビリティ、食品・日用品に加え医療、物流業界といった成長業界を注力事業と設定し、フォーカスしていきます。主な取組みは、オムロンの強みであるi-Automation!を進化させ、社内のリソースを増強しパートナーとの共創も強化することです。
注力事業を中心に年率7%の売上成長を実現します。具体的には、3年間で売上を2021年度の4,181億円から2024年度5,150億円へと1,000億円拡大させます。さらにKPIとして、i-Automation!採用顧客数を新たに設定しました。2024年度は、2021年度比2倍の5,000社を目指します。
(注)売上成長(CAGR)の2021年度累積は、制御機器事業の一部商品を電子部品事業に組み替えて表示しています。
HCB(ヘルスケア事業)
ヘルスケア事業においては、循環器、呼吸器、ペインマネジメント、そして遠隔診療サービスを注力事業に設定しました。まず、成長ポテンシャルの高い中国やインドのマーケティングを強化します。そして、血圧計を循環器計測デバイスへ進化させます。さらに、革新デバイスの創出による、呼吸器事業の価値拡大にも取り組んでまいります。そして、遠隔診療サービスのさらなる拡大に向けて、グローバルの有力なサービスプロバイダーとのアライアンスなど、パートナーとの共創を加速してまいります。
注力事業を中心に年率10%の売上成長を実現し、3年間で売上を2021年度の1,329億円から2024年度1,800億円へと拡大させます。血圧計の販売台数も今後3年で累計9,400万台と大幅拡大を見込んでいます。遠隔診療サービスも、2024年度までに60万人の利用者獲得を目指します。
SSB(社会システム事業)
社会システム事業においては、注力事業を、「再生可能エネルギー制御」、そして保守や運営支援などを行うマネジメント&サービスとしました。主な取組みは、まず、遠隔制御可能な蓄電システムの導入拡大を進めます。そして、顧客資産を活かしたリカーリング型サービス事業の創出・拡大に取り組みます。なお、基盤事業である鉄道関連事業のビジネスモデルの変革を進めてまいります。
パートナーとの共創においては、電力小売事業者とのアライアンスによる蓄電システムのビジネス展開を加速してまいります。売上は2024年度1,000億円を目指します。さらに、エネルギーマネジメント機器接続台数3年累計で5万台の達成を目指します。
(注)Power Purchase Agreement(電力販売契約)の略称
DMB(電子部品事業)
電子部品事業では、社会のデジタル化に伴いあらゆる機器が直流化する流れを先取りして対応していきます。さらに、5G・6Gに対応できる高周波機器に経営資源を集中投下していきます。これまで培ってきた高い技術力を活かし、高機能・高品質な新商品を創出し、中長期の成長を実現していきます。また、リーディングカンパニーへのデザイン・インや研究機関・技術ベンチャーとのアライアンスなど、パートナーとの共創を進めていきます。
売上成長に加えて、新エネルギー・高速通信の普及に貢献する製品販売数として、3年累計でDC機器向け製品6千万個、高周波機器向け製品1億7千万個を計画しています。
(注)売上成長(CAGR)の2021年度累積は、制御機器事業の一部商品を電子部品事業に組み替えて表示しています
以上のように、これらの4コア事業で注力事業を定め、売上成長を牽引していきます。全社の注力事業の売上は、2021年度から2024年度には35%程度の増加となる、1200億円超増加の大幅成長を計画、制御機器事業を中心に注力事業の成長がグループの成長をリードします。
これらの成長の実現にむけて、4コア事業の中でも、事業成長のポテンシャルが大きい制御機器事業に対しては、新たなアプリケーションやロボットをはじめとする製品の開発、アプリケーションエンジニアの採用と能力強化への人財投資、サービス事業拡大に向けた基盤構築に向けた投資に積極的に投資を行います。
・顧客資産型サービス事業の拡大
これまで、モノのインストールを通じて培った顧客資産(現場知見や現場データ)を活かし、顧客の本質的課題を解決する多様なサービスにより顧客への提供価値を拡大し、サービス事業の売上高を当社グループの売上比で2024年度までに10%以上に上げることを目指します。
例えば、制御機器事業において、磨き上げた革新FAアプリで獲得した累計20万社の顧客や、ヘルスケア事業のオムロンコネクトのマンスリーアクティブユーザー、システム導入・運用を通じてつながる鉄道会社顧客等の顧客資産を活用し、コンサルティングや、アフターサービス等、顧客の本質的課題を解決する多様なサービスにより、顧客への提供価値を拡大します。
・社会的課題起点での新規事業の創出
社会的課題を起点に事業テーマを設定し、事業構想・事業開発とオートメーション技術開発を一体化して進めることで新事業の創出確度を高め、2024年度までに3つの新たな事業を創出します。
事業アーキテクチャ(ビジネスモデル)と技術アーキテクチャを相互に連携させたアーキテクチャの策定を行い、さらに、製品・サービス・ビジネスモデル開発と技術開発を連携させた事業開発を行うことで、より戦略的な新事業の創出を各事業およびイノベーション推進本部にて実行します。
特にイノベーション推進本部では、社会的課題を解決するために近未来をデザインし、その実現に必要な戦略を明確に描き実行することで新規事業の創出を目指します。全社のイノベーションプラットフォームとして新たな事業機会の発掘に挑戦し、ビジネスモデルを変革しながら新事業を生み出していくことでソーシャルニーズを創造し、よりよい社会の実現に貢献していきます。
(ⅱ)企業運営・組織能力のトランスフォーメーション
グループ戦略の二つ目である企業運営・組織能力のトランスフォーメーションでは、事業環境の変化に適応しながら価値創造し続けるために、企業運営と組織能力を進化させていきます。そのために、自社、社会、事業環境の観点から、トランスフォーメーションに取り組むべき3つの領域を掲げました。
<企業経営・組織能力のトランスフォーメーション>
①ダイバーシティ&インクルージョンの加速
ダイバーシティ&インクルージョンの加速では、成長意欲ある人財への積極的な投資を従来比3倍強の3年累計60億円まで拡大することや、すでに管理職には導入されているジョブ型人事制度を順次一般社員まで拡大することに加え、社会的課題解決の成果を分かちあうための取組み・制度として、企業理念実践の場であり、社会課題解決事例への共感の場であるTOGAのさらなる進化や、新たにグローバルの全ての管理職を対象にした業績連動株式報酬制度を導入により強化するなどの人事施策を加速いたします。
これらの施策の推進により、付加価値額を人件費で割って算出する人的創造性を、2024年度では2021年度比で7%向上させます。この指標は一人ひとりの能力発揮による価値創造の成果指標であり、重要な戦略目標と位置付けています。
その他のダイバーシティ&インクルージョンの取組みは以下の通りです。
<ダイバーシティ&インクルージョン加速に向けた人財施策の進化>
(注)VOICE SEI:社員エンゲージメントサーベイにおけるSustainable Engagement Index
②DXによるデータドリブンの企業運営
DXによる企業運営の進化では、付加価値拡大と業務の効率化を目的に、バリューチェーン情報の連結による事業スピードの向上とコスト改善力の獲得、成長ドライバと事業リスクのタイムリーなマネジメントによる企業価値の向上、グローバル全社員の見える化を通じた適所適材による組織能力の最大化、グローバルエクセレントカンパニー水準のガバナンスと生産性の両立の4つの領域でデジタルトランスフォーメーションを推進します。SF 1st Stage各領域で業務プロセスの標準化を推進し、DX基盤の初期モデル構築を実現いたします。
③サプライチェーンのレジリエンス向上
サプライチェーンを取り巻く環境は、地政学リスクの高まりや物流価格高騰の長期化、カーボンニュートラルや人権尊重への対応等、大きく変化しています。この事業環境の変化により、これまでのサプライチェーンマネジメントの前提も大きく変化しています。よりレジリエントなサプライチェーンマネジメントの構築を進め、変化対応力をさらに高めてまいります。
(ⅲ)サステナビリティへの取組み強化
<環境>
オムロン環境方針
長期ビジョン「SF2030」のサステナビリティ重要課題「事業を通じた社会的課題の解決」、「脱炭素・環境負荷低減の実現」を推進し、目標達成するための重要な指針として、2022年3月1日に「オムロン環境方針」を改定しました。この方針で、取り組むべき重要な環境課題と行動指針を定めたうえで、脱炭素と環境負荷の低減に取り組みます。
今後、オムロンは、本方針に基づき、バリューチェーン全体での環境課題解決に取り組み、ステークホルダーの期待に応えることで企業価値の向上につなげていきます。
※オムロン環境方針
https://sustainability.omron.com/jp/environ/management/vision/
脱炭素・環境負荷低減の実現
当社は、2018年7月に、2050年にスコープ1・2について温室効果ガス排出量ゼロを目指す「オムロン カーボンゼロ」を設定し、着実に温室効果ガス排出量の削減を行っています。長期ビジョン「SF2030」では、カーボンゼロ社会の実現、また循環経済への移行に向けて、バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量の削減、資源循環モデルの構築についてスピードを上げて実現していきます。
SF 1st Stageでの主な取組みは、以下の通りです。
A.温室効果ガス排出量の削減(スコープ1・2:自社領域からの排出量)
スコープ1・2については、徹底した省エネの推進と再生可能エネルギーを活用した使用電力のクリーン化を実施し、SF 1st Stage期間中に2016年度比53%削減します。目標達成に向けては、スコープ2の電力について国内全76拠点でカーボンゼロを実施します。
B.温室効果ガス排出量の削減(スコープ3カテゴリー11:製造・販売した製品・サービス等の使用に伴う排出量)
スコープ3については、当社の温室効果ガス排出量の約8割を占めるスコープ3カテゴリー11において、各事業で新商品の省エネ設計などを実施し、2030年度に2016年度比18%削減します。
C.循環経済への移行
資源枯渇や環境破壊の問題を解決するため、「ビジネスモデルの変革」、「製品寿命の延長」、「回収・リサイクルの拡大」、「循環型の原材料調達」、「再資源化率の最大化」などにより循環経済への移行に取り組みます。
<SF 1st Stage「脱炭素・環境負荷低減の実現」に向けた取組み>
(注)1 GHG=Greenhouse Gas(温室効果ガス)。
2 生産13拠点、非生産(本社・研究開発・販売)63拠点における自社の電力使用により排出されるGHGが対象。
3 Scope3の2050年目標は現時点では未定。今後の検証・検討を経て策定予定。
<人権>
オムロン人権方針
2011年に国連で「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)」が採択され、企業の人権尊重責任が明確化されました。以降、グローバルで企業を対象とする人権関連の法規制やルールづくりが進み、UNGPに沿った人権取組みが企業に義務化される動きが高まってきており、事業継続の観点からも益々重要性を増しています。また、持続的な企業価値向上の観点からも、バリューチェーン全体を俯瞰した人権取組みが不可欠な要素になってくると捉え、長期ビジョン「SF2030」のサステナビリティ重要課題の一つとして「バリューチェーンにおける人権の尊重」を特定しました。
これらの背景を踏まえて、2022年3月1日にUNGPの考え方に基づいた「オムロン人権方針」を新たに制定しました。
※オムロン人権方針
https://sustainability.omron.com/jp/rights/human\_rights/
バリューチェーンにおける人権の尊重
これまでオムロンでは、自社生産拠点および重要仕入先を対象にしたサステナビリティセルフアセスメントなどを活用して人権リスク調査や対策を行ってきました。これらの取組みに加えて、SF 1st Stageでは、対象をバリューチェーン全体に拡大し、オムロン人権方針に従い、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)」に沿った取組みを強化し、グローバルにおける人権ガバナンス体制の確立を目指します。
SF 1st Stageでの主な取組みは、以下の通りです。
A.UNGPに沿った人権デューディリジェンスの実施
バリューチェーン全体を俯瞰した人権影響評価を実施することにより、「顕著な人権課題」を特定し、人権デューディリジェンスのサイクルを回せる状態を作り込んでいきます。
B.各国・地域に適した人権救済メカニズムの構築
オムロンが人権に対して悪影響を引き起こしたり、または助長を確認した場合、正当な手続きを通じた救済を実行できるよう、各国・地域に適した人権救済メカニズムを構築していきます。
オムロンのバリューチェーンに関わる人々が人権リスクにさらされずに働き、生活できることは、持続可能なビジネスの基盤であり、よりよい社会へと繋がると考えています。これらの取組みを通じて、オムロンの成長力へと変えていきます。
(5) 経営目標
SF 1st Stageでは、事業成長とサステナビリティ課題への取組みを今まで以上に融合させた価値創造に取り組むことから、経営目標に、財務目標に加え、非財務目標を設定しました。財務目標では、2024年度に、売上高:9,300億円、営業利益:1,200億円、ROIC/ROE:10%超を目指します。非財務目標では、グループで創出する社会価値と将来にわたる競争能力の獲得を示す、10+1の目標を掲げます。これら非財務目標のうち3つは、グローバルの社員投票により決定しています。全社員がこれらの達成に取り組み、グループの価値創造のエンジンを力強く加速していきます。さらに、+1の目標として、各リージョンのトップマネジメントが、オムロンのサステナビリティ方針に則り、地域社会に対するコミットメントを宣言し目標達成に向け取り組んでいきます。
財務および非財務の目標は次の通りです。
<SF 1st Stage財務目標>
(注)制御機器事業の一部商品を電子部品事業に組み替えて表示しています。
<SF 1st Stage非財務目標>
(注)1「カーボンニュートラルの実現」、「デジタル化社会の実現」、「健康寿命の延伸」に繋がる注力事業の売上高
2 ⑧から⑩は、当社グループ社員投票で決定した目標
<長期ビジョン「SF2030」およびSF 1st Stageのサステナビリティ重要課題・目標一覧>
サステナビリティ重要課題の長期ビジョン「SF2030」の目標におけるSF 1st Stage目標とSF 1st Stage戦略との関係は、以下の通りです。
(注)1「カーボンニュートラルの実現」、「デジタル化社会の実現」、「健康寿命の延伸」に繋がる注力事業の売上高
2 生産13拠点、非生産(本社・研究開発・販売)63拠点
3 国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」
サステナビリティマネジメントについては、当社のウェブサイトに詳しく記述しておりますので合わせてご参照ください。
https://sustainability.omron.com/jp/omron\_csr/sustainability\_management/
2【事業等のリスク】
(1) グローバルな事業活動を支える統合リスクマネジメント
当社グループでは統合リスクマネジメントというグループ共通のフレームワークでリスクマネジメントを行っています。経営・事業を取り巻く環境変化のスピードが上がり、不確実性が高くなる中で変化に迅速に対応するためには、リスクへの感度を上げ、リスクが顕在化する前に察知し、打ち手を講じていく必要があるためです。
現場だけでは対処できない環境変化から生じる問題を、現場と経営が力を合わせて解決する活きたリスクマネジメントを目指し、グローバルでPDCAサイクルを回しながら、当活動の質の向上を図っています。
長期ビジョン「SF2030」を実現していくため、企業理念やルールを守りつつ、いかに効率的、効果的で迅速なリスク判断を現場ができる仕組みを構築するかという点も重要なテーマとして、取組みを進めています。
(2) 統合リスクマネジメントの仕組みと体制
統合リスクマネジメントの枠組みは、グローバルリスクマネジメント・法務本部が主管する社内規定(オムロン統合リスクマネジメントルール)にまとめ、グループ経営におけるリスクマネジメントの位置づけを明確にしています。経営と現場が一体となってグローバルの活動を推進するため、リスクマネージャを本社部門、各事業部門、海外の地域統括本社、国内外の各グループ会社で任命(約160名)しています。
リスクマネージャを構成員とする企業倫理・リスクマネジメント委員会(原則年4回開催)や、危機発生時に設定する緊急対策本部を通じて以下の対応を実行しています。また、その実行状況は定期的に執行会議や取締役会に報告を行っています。
主な活動は次の3点です。
・環境変化をタイムリーに把握して、関係者で共有し、適時に影響評価を行うこと
・定期的に、グローバルにリスクを分析して重要リスクを洗い出し、対策をとること
・リスクが顕在化し、危機が発生した場合は、即時に報告し危機対策を講じること
<統合リスクマネジメントの活動サイクル>
(3) 経営、事業を取り巻くリスクとその分析
当社グループでは、長期ビジョン「SF2030」において、「新たな社会・経済システムへの移行」に伴い生じる社会的課題を解決するため、社会的課題に影響を与える因子を踏まえ、「事業のトランスフォーメーション」と「企業運営・組織能力のトランスフォーメーション」に取り組んでおり、これらを遂行する中で対処すべき重要な要素を、リスクと捉えています。
当社グループは、主要なリスクに対して年1回以上定期的に、リスクへの対策の妥当性・十分性および顕在化しているリスク事案の内容を総合的に分析して、リスクのランクを設定しています。リスクのうち、当社グループを運営する上で、グループの存続を危うくするか、重大な社会的責任が生じうるリスクおよび重要なグループ目標の実現を阻害するリスクを「グループ重要リスク」に位置付け、そのうち最重要であるリスクをSランク、重要であるリスクをAランクと設定し、対策の実行状況やリスク状況の変化をモニタリングしています。
現時点で当社グループが設定するS・Aランクは以下のとおりで、以下の「グループ重要リスク」に対して適切な対策が講じられない場合、重大な社会的責任が生じたり、事業戦略の失敗につながり、結果的に企業価値が喪失する可能性があります。
| <Sランク> 製品の安定供給 * 事業継続(新型コロナウイルス感染症、自然災害) 地政学 * サステナビリティ課題(気候変動) * サステナビリティ課題(人権) * ITシステム・情報セキュリティ 品質 グロ―バルコンプライアンス | <Aランク> 会計・税務 人財・労務 M&A・投資 知的財産 新興国における事業展開 * *…昨年度と比較して重要性が上がったテーマ |
|---|
<事業等のリスクの全体像>
(4) グループ重要リスクへの対応
| ① S 製品の安定供給 |
|---|
| 外部環境とリスクシナリオ DX機器の普及、生産地分散の進行、地球環境保護に対する社会的な要請の高まりなどにより、グローバルで消費や投資の拡大が継続しています。 一方で、半導体等の部材不足や、コンテナ不足・通関の遅延等によるサプライチェーンの混乱は長期化しています。また、ロシア・ウクライナ情勢の悪化や中国ゼロコロナ政策による都市封鎖の影響も懸念されます。不足している部材の範囲が拡大し、調達量が必要量に届かない場合や、製品の物流リードタイムが大幅に長くなった場合、製品供給力が低下する可能性があります。 |
| 当社グループの事業と対策 当社グループは、半導体製造、電気自動車、脱プラスチック対応、再生可能エネルギー関連などでの設備投資需要への拡大、また、高齢化の進行や健康意識の高まりにより血圧計などの健康機器への堅調な需要に応えることで、力強い成長を実現します。 その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 2021年度においては、部材が不足する中でも、機動的な設計変更や代替部材の調達、顧客への供給責任を果たすための航空便の拡大などにより、影響低減に努めました。 さらに、長期ビジョン「SF2030」では、半導体を中心とする調達先の拡大、設計変更による調達リスクの低い部材への切り替えを継続強化すると同時に、中長期的視点に立ち、よりレジリエンスを高めるためのサプライチェーン戦略の策定を進めます。 |
| ② S 事業継続(新型コロナウイルス感染症、自然災害) |
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| 外部環境とリスクシナリオ 事業継続リスクとして、新型コロナウイルス感染症を始めとした感染症が長期に渡って蔓延することによる集団感染の発生や、各国で感染症に対する厳格な防疫措置政策としての都市封鎖等は、事業活動へも大きく影響します。具体的には、自社工場の生産停止や、重要サプライヤーからの部品供給停止に関する情報の早期把握の遅れ等により顧客への長期にわたる製品供給が停滞する可能性があります。 また、近年の気候変動に伴う大規模な自然災害や巨大地震、取引先の大規模火災など予期できない災害等が発生した場合、社会インフラ・経済活動の大規模停止や、重要サプライヤーからの長期にわたる部品供給停止等により、事業活動の一部停止や縮小等が生じる可能性があります。 |
| 当社グループの事業と対策 当社グループは、中国・アジアをはじめとして海外に生産拠点を持ち、各国の営業拠点等を通じて製品をグローバルの顧客に供給しています。また、当社グループの部品等のサプライチェーンは材料調達から生産組立て工程までグローバルに展開しています。 その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 新型コロナウイルス感染症については、2019年度から引き続き、社長を対策本部長とする対策本部を設置し、社員の健康と安全の確保、該当拠点地域への感染拡大防止を最優先とし、対応を行っています。また、新型感染症事業継続計画をもとに、各国政府・地域の法令・指導も踏まえて、感染防止措置等を継続しています。当社グループは、新型コロナウイルス感染症と共存する「ウィズ・コロナ」を前提に、オフィスワークとリモートワークを最適・柔軟に組み合わせた勤務形態に移行し、業務に応じて最も効果的・効率的な働き方の実践を進めています。 また、自然災害などに備え、必要とされる安全対策や事業継続・早期復旧のため、生産はもとより、購買調達、物流、ITを含めた事業継続計画を策定し、対策を整備、強化しています。さらに、災害に備えた社員の安否確認システムの運用、事業所での非常食や飲料水の備蓄や有事を想定したシミュレーション・訓練などにより、その実効性を高めています。サプライチェーンでの有事に対しては、発災後速やかに部品供給リスクを把握する仕組みの構築や、重要度に応じた戦略的部品在庫の確保などの手立てを講じています。 [主な取組み] ・新型感染症事業継続計画に基づく対策の施行 ・新型感染症発生状況・出社率等のモニタリング ・事業継続計画の策定と更新/シミュレーション・訓練の実施 ・サプライヤーの生産地情報の一元管理、代替え生産拠点の評価体制整備 ・第三者情報を活用した市場・部材情報の把握と分析 ・重要度に応じた部品在庫の確保 ・緊急時のエスカレーションルートの整備 |
| ③ S 地政学リスク |
|---|
| 外部環境とリスクシナリオ 地政学リスクとして、米中をはじめとする二国間関係やロシア・ウクライナ情勢を巡る多国間関係など、国際関係は変化が増しています。 そのような中、各国の経済安全保障政策が強化され、最先端技術の国外への流出を阻止するための法規制や制裁・法規制の対象となった企業との輸出入取引や資金決済が停止となる可能性があります。また、各国で保護主義的な関税政策が行われた場合、価格競争力が低下する可能性があります。 また、戦争・紛争が発生した場合には、該当地域における長期事業停止や事業撤退等、その他、企業活動を行う上で予期しない政策および法規制等の変更に直面するリスクがあります。 これらの情勢変化や政策に適切に対応できない場合、法的紛争や行政罰、さらにブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。 |
| 当社グループの事業と対策 当社グループは、中国・アジアをはじめとして海外にも生産拠点を持ち、各国の営業拠点等を通じて製品をグローバルの顧客に供給しています。 長期ビジョン「SF2030」においても、中国やインド市場への強化など、更なるグローバル展開を加速します。 また、AI・IoT・ロボット等の最先端技術による新規事業の創造や社会システム事業における公共輸送や交通安全といった社会インフラに関する事業を進めています。 その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 地政学リスクに対しては、グローバルで政治・経済情勢や法規制の動向を定期的にモニタリングし、エリア毎の事業環境の変化や業績影響を定期的に把握しています。また最適な生産、研究開発、知的財産管理の在り方や、法規制の変化を捉えて各事業への影響を早期に分析・洞察する体制等の検討を行っています。近年影響が高まっている各国の輸出規制については、グローバルリスクマネジメント・法務本部が輸出管理全社委員会を運営し、適正な安全保障取引管理を実行しています。 2021年度においては、外部の専門家による政策動向や法規制調査の実施、ロシア・ウクライナ情勢への対応、執行会議への定期的な議論・報告や取締役会においても重点テーマとして取り上げ議論を行いました。 長期ビジョン「SF2030」においては、不確実性の高い地政学リスクに先行して対応するため、各国の情勢分析の強化等の取組みを進めます。 [主な取組み] ・主要国の関税引上げや安全保障貿易管理に基づく輸出規制、新興技術等に対する取引制限等の政策に対する分析と評価 ・取引形態やサプライチェーンの見直し ・製品を複数拠点で並行して生産する体制の構築 |
| ④-1 S サステナビリティ課題(気候変動) |
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| 外部環境とリスクシナリオ 年々激甚化する自然災害や生物種の喪失などを受けて、気候変動への取組みは地球レベルでの社会課題となっており、企業に対しても脱炭素社会に向けたバリューチェーンにおける温室効果ガス排出量の削減や、製品・サービスの環境配慮につながる取組みが求められています。 一方で、欧米をはじめとして気候変動対応や環境政策に関する法規制やそれらへの取組みの開示が強化されるとともに顧客やサプライヤーを含め社会全体から脱炭素への取組みに対する要求が加速しています。 そのような中、各国の法規制強化に伴うエネルギー価格の上昇や省エネ・再エネ対応の追加設備投資、炭素税導入の影響により事業コストが増加する可能性があります。また、自社やサプライヤーにおいて顧客からの要求や法規制への適切な対応が取れない場合、顧客取引の停止や行政罰、事業機会の損失が生じる可能性があります。さらに、気候関連情報の開示への対応体制が不十分であることにより、ステークホルダーが求める要求水準を満たせず、ブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。 |
| 当社グループの事業と対策 当社グループは、グローバルに事業拠点を持ち、取引するサプライヤーも多国にわたっています。長期ビジョン「SF2030」においては、「カーボンニュートラル社会の実現」を目指し、脱炭素・環境負荷低減に向けて温室効果ガスの排出量削減に取り組んでいきます。また、資源枯渇や環境破壊の問題を解決するため「製品寿命の延長」「回収・リサイクルの拡大」などによる「循環経済への移行」や、将来世代を含めた人類の健康で文化的な活動機会を守っていくため「適正な化学物質の管理」「生物多様性の保全」などによる「自然との共生」にも取り組んでいきます。 その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 気候変動リスクに対して、2021年度にオムロンが取り組むべき重要な環境課題と行動指針を明示した「オムロン環境方針」を改定しました。バリューチェーンを俯瞰した責任体制としては、社長から権限委譲されたグローバル人財総務本部長、グローバル購買・品質・物流本部長、各事業部門長がそれぞれ責任を持って環境への対応を推進します。環境に関する重要な事項については、取締役会で決定します。決定された事項の執行状況を社長が取締役会に報告し、取締役会が監視・監督します。 当社グループは、2019年度に「オムロンカーボンゼロ」を宣言し、2050年に自社からの温室効果ガス排出量ゼロを目指しており、その目標達成に向けて毎年、着実に排出量を削減してきました。長期ビジョン「SF2030」においてもスコープ1・2・3(注1)ごとに数値目標を設定し、温室効果ガスの排出量削減の動きを加速させていきます。具体的には、オムロンの事業活動により排出される温室効果ガスを対象としたスコープ1・2では「省エネ・創エネの拡大」と「国内全拠点のカーボンゼロの実現」を通じて、削減に取り組んでいきます。お客様がオムロン製品を使う事で排出される温室効果ガスを対象としたスコープ3カテゴリー11(注2)では、脱炭素化に向けた製品設計の見直しや、新製品の省エネ化に各事業部門で取り組んでいきます。 なお、当社グループは、2019年にTCFD(注3)への賛同を示しており、2021年度に各事業におけるシナリオ分析を行い、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの項目に沿った当社グループの取組みを開示しております(TCFDの取組みについては(5)TCFD提言に沿った情報開示参照)。 [主な取組み] ・「オムロン環境方針」の改定 ・脱炭素・環境負荷低減の実現 -「オムロンカーボンゼロ宣言」 -スコープ1・2・3ごとの温室効果ガス排出量の削減 ・TCFDへの賛同と枠組みに沿ったシナリオ分析および情報開示 (注1)スコープ1・2: 自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス スコープ3: 自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出 (注2) スコープ3カテゴリー11:スコープ3のうち製造・販売した製品・サービス等の使用に伴う排出 (注3)TCFD:Task-force on Climate-Related Financial Disclosures |
| ④-2 S サステナビリティ課題(人権) |
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| 外部環境とリスクシナリオ SDGsへの関心の高まりから、人権に対して十分配慮された商品やサービスを選択・購入する消費行動が広がっています。また、生命の安全や健康配慮など人権に配慮した活動は、働く人々のパフォーマンス向上にもつながります。 一方で、主に開発途上国での強制労働、児童労働、低賃金や未払い、長時間労働、安全や衛生が不十分な労働環境などの問題に対し、自社だけではなくバリューチェーンを通じて企業が一定の責任を果たすことが社会全体から求められており、人権関連法規制の制定が各国で加速しています。また、AIなど新興技術の普及が進む中、新興技術にかかる倫理的問題が社会課題となっています。 このような人権課題への対応はグローバルで社会課題を解決する企業にとって、ビジネスライセンスとなっています。 バリューチェーン上の人権課題に対し、適切な対応が取られていない場合、顧客との取引の停止や行政罰、また、ブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。また、AI等の新興技術を活用する上で法規制への対応が不十分であることなどにより、開発テーマの停止や、レピュテーションリスクが発生する可能性があります。 |
| 当社グループの事業と対策 当社グループは、グローバルに事業拠点を持ち、取引するサプライヤーも多国にわたっています。また、長期ビジョン「SF2030」では、AI・IoT・ロボット等の最先端技術を活用した事業に積極的に取り組んでいくため、AI倫理等の人権課題が発生する可能性があります。 その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 人権リスクに対して、2021年度において、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)」の内容に沿った「オムロン人権方針」を制定しました。バリューチェーンを俯瞰した責任体制としては、社長から権限委譲されたグローバル人財総務本部長、グローバル購買・品質・物流本部長、各事業部門長がそれぞれ責任を持って人権尊重への対応を推進します。人権尊重へのコミットメントを果たす上で重要な事項については、取締役会で決定し、決定された事項の執行状況を社長が取締役会に報告し、取締役会が監視・監督します。 また、人権関連法規制の対応としては、「英国現代奴隷法への声明」を表明しており、当社グループの人権取組みの公表を行っております。 なお、これまでも自社生産拠点および重要サプライヤーを対象にしたRBAリスク評価の実施、サプライヤーへのサステナブル調達ガイドラインに基づく適切な管理を求めること等により人権リスクへの対応を行ってきましたが、長期ビジョン「SF2030」では、対象をバリューチェーン全体に拡げ、人権デューディリジェンスの実施やグローバルにおけるバリューチェーンの人権救済メカニズムの構築に向けて、サステナビリティ推進室を中心とした全社横断プロジェクトを組成し、グローバルでの人権ガバナンス体制の確立を目指していきます。(取組の詳細は「第2事業の状況1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)SF 1st Stage中期経営計画(ⅲ)サステナビリティへの取組み強化参照) また、「テクノロジーの倫理的な活用」を重要な人権課題と設定し、AI・ロボティクス・IoTなどのテクノロジーが人権に与える影響を理解し、テクノロジーの適切な活用を推進していきます。 [主な取組み] ・「オムロン人権方針」の策定 ・英国現代奴隷法対応公表 ・内部通報制度をグローバルで運用 ・RBAアセスメントツールを活用したリスク評価 ・サプライヤーに対するサステナブル調達ガイドラインの提示、遵守状況確認 |
| ⑤ S ITシステム・情報セキュリティ |
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| 外部環境とリスクシナリオ 社会のデジタル化が進む中、企業においてもDXとデータの利活用による生産性の向上や社会課題の解決が期待されています。 一方で、サイバー攻撃の脅威が急速に高まっており、その対策が脆弱であった場合、個人情報・秘密情報の漏えいや、サーバダウンなどによる事業停止を引き起こす可能性があります。 また、プライバシー保護の要請や各国の政策により、グローバルで個人情報・データ保護法規制の制改定や運用の強化が行われる中、事業運営において違反が発生した場合には、社会からの信頼を喪失し、事業が行えなくなったり、多額の罰金が課されたりする可能性があります。 共創等による技術開発において情報管理が不十分であった場合、不正な持ち出しや漏えいにより事業競争力が失われる可能性があります。 |
| 当社グループの事業と対策 当社グループでは、グローバルで様々なシステムを構築・運用しております。現在はオムロン全社の最重要プロジェクトの一つとしてデータドリブンな企業運営への進化を可能とする経営システムの構築を目的とした「コーポレートシステムプロジェクト(以下 CSPJ)」を推進しています。CSPJは、IT基盤の刷新のみならず、業務プロセスの標準化や将来的なデータ活用までも視野に入れた取組みです。 また、当社グループでは、事業上重要な情報および、事業の過程で入手した個人情報や、取引先の秘密情報などを保有しています。長期ビジョン「SF2030」においては、例えば、ヘルスケア事業におけるグローバルの遠隔診療サービス展開でのデータの活用をはじめとして、「モノとサービス」を組み合わせたビジネスモデルを進化する中で、データプラットフォームの構築を推進していきます。 その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ITシステム・情報セキュリティリスクに対しては、CFOを統括役員とするサイバーセキュリティ統合会議を開催し、グローバル標準のサイバーセキュリティフレームワークに基づき、セキュリティレベルを評価し、課題に対応しています。また、情報セキュリティおよび個人情報保護に関するグループルールを整備し、情報の重要度ランクに応じた取得から利用、廃棄に至る管理策を定めるとともに、インシデント発生時の円滑かつ迅速に対応可能な体制を構築し、運用しています。 2021年度においては、PCの不審な挙動を監視する対策を強化するなど、ゼロトラストモデル(注1)への移行を進めました。また、2022年4月1日に施行された改正個人情報保護法への対応として、プライバシーポリシーやルール・各種手順の見直し、および全社員教育を実施しました。 引続き、サイバー攻撃に対する危機管理体制の強化や各国個人情報・データ保護規制の変化に迅速に対応するグローバル体制の再構築を進めます。 [主な取組み] ・NIST-CSF(注2)に基づく対策の評価とゼロトラストモデルへの移行 (社内アプリ認証強化・異常の検知・分析運用の開始・インターネット通信の制限強化) ・情報セキュリティルールに基づく情報の取扱の徹底 (利用、保管、廃棄、事故発生時の対処の運用など) ・個人情報・データ保護法規制の把握と情報セキュリティルールの改正を含む個人の権利を保護するための対応実施 ・情報リテラシー向上のための社員教育 ・サイバーアタック訓練の実施 ・Webサイトの脆弱性診断 (注1)ゼロトラストモデル:人もネットワークもデバイスも信用しない「決して信頼せず、必ず確認せよ」というコンセプトを基本としたセキュリティ・モデル。 (注2)NIST-CSF:米国国立標準研究所(NIST)が2014年に発行したサイバーセキュリティフレームワーク(CSF)。汎用的かつ体系的なフレームワークで、米国だけでなく世界各国が準拠を進めている。 |
| ⑥ S 品質 |
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| 外部環境とリスクシナリオ 社会課題の解決の手段として、企業の新規性の高い製品やサービスの提供への期待が高まっています。 一方で、製品の安全性・正確性の確保に対しても高い基準が求められます。製品の不具合発生時の報告や対策、欧州のRoHS指令(注1)や米国のTSCA(注2)をはじめとする製品に含有する化学物質規制や、米国のUL認証(注3)等の製品安全関連の法規制・規格等はグローバルで厳格化しています。また、製品のネットワーク化の拡大やサイバー攻撃の脅威も高まっています。そのような中で、製品の設計・検査の不備、不適切な顧客対応や報告が行われた場合や、法規制・規格等の遵守不備があった場合、大規模リコール、ブランドに対する社会的信頼の喪失や、製品の生産・流通の停止等が生じる可能性があります。 |
| 当社グループの事業と対策 当社グループは、センシング&コントロール+Thinkをコア技術として事業に取り組んできました。 長期ビジョン「SF2030」においても、このセンシング&コントロール+Thinkを進化させ、「モノ」だけではなく、「モノ」と「サービス」の組合せによる新たな価値の実現に取り組みます。例えば、制御機器事業における製造現場のデータ活用サービスi-BELTやヘルスケア事業におけるグローバルの遠隔診療サービスの展開などです。 その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 品質リスクに対しては、顧客満足の最大化を実現するため「品質第一」を基本に「品質基本方針」を定め、国際規格の要求事項をベースとした品質マネジメントシステムを確立しています。また、品質ガバナンスを推進するため、全社品質を主管するグローバル購買・品質・物流本部は全社品質長会議を運営しています。さらに、品質保証体制や品質保証活動および重大な品質問題が発生した際の管理に関するグループルールを整備し、運用しています。品質コンプライアンスに関しては、グローバルで変化する製品等に係る環境や安全関連の法規制、規格の動向を把握し、管理体制の強化を進めています。製品セキュリティに関しては、製品およびサービスについて外部からの脆弱性情報を受け付けた際の対応体制を整備してきました。 長期ビジョン「SF2030」においては、上記に加え、各事業において使用しているリチウムイオン電池、パワーデバイス等の品質リスクが高い技術について、それぞれのリスクに応じた未然防止のための品質技術の確立を目指します。また、製品セキュリティに関しては、外部コンサルティング会社を活用しながら、サプライチェーンを含む製品およびサービスのライフサイクルにおける体制の強化に取り組んでいきます。さらに、「モノ」から「モノとサービス」へのシフトも踏まえたサービス事業に適合した品質マネジメントシステムを確立し、品質感度や価値観を整合するためのナレッジ(サービス事業でのリスクマネジメントや品質取組み)の蓄積や活用のしくみ構築を目指します。 [主な取組み] ・ISO9001/ISO13485/IATF16949(注4)の取得・ビジネスカンパニーQMS(注5)監査(社内監査)と製品設計プロセスの課題解決活動 ・製品等に係る環境や安全関連の法規制・規格の動向の把握、影響評価を行う管理体制の強化 ・製品セキュリティの脆弱性情報管理体制 (PSIRT)の運用 (注1)RoHS指令:電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令 (注2)TSCA:有害物質の製造や輸入を規制する米国の法律 (注3)UL認証:有害米国の第三者安全科学機関であるUnderwriters Laboratoriesによる原材料や製品の信頼性・安全性に関する認証 (注4)ISO9001 :品質マネジメントシステム国際規格 ISO13485 :医療機器産業に特化した品質マネジメントシステム国際規格 IATF16949:自動車産業に特化した品質マネジメントシステム国際規格 (注5)QMS:品質マネジメントシステム |
| ⑦ S グロ―バルコンプライアンス |
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| 外部環境とリスクシナリオ 企業の社会的影響力が強まる中、公正な取引に対する社会的要請が益々高まっています。独占禁止法令や贈収賄防止等のグローバルの法規制は厳格化するとともに、ITやAI等の進化や気候変動などの社会的課題への対応を踏まえた新たな法規制や運用の検討がされています。 これらの法規制等に違反したものと当局が発見または判断した場合には、課徴金等の行政処分、刑事処分または損害賠償訴訟の対象となり、また企業の社会的評価が悪影響を受ける可能性があります。 |
| 当社グループの事業と対策 当社グループは、各国政府の許認可を含む製品・サービスをグローバルで展開しています。長期ビジョン「SF2030」においては、様々なビジネスパートナーとの共創によるイノベーティブな製品や、新たなビジネスモデルの開発を推進していきます。また、新興国を含むグローバルな社会課題の解決に積極的に取り組んでいきます。 その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、「社会的責任を果たす企業経営」において、企業倫理・コンプライアンスをその活動の重要課題の一つとして位置付けています。特にカルテル等の反競争的行為、贈賄その他重要なリスクについては、その発生を未然に防ぐための対応を重点的に実施しています。具体的には、経営の方針として「オムロングループマネジメントポリシー」を定め、さらに当社グループの役員・従業員の具体的行動指針を示したものとして「オムロングループ倫理行動ルール」を制定のうえ周知し、法令遵守の徹底を図っています。さらに企業倫理・コンプライアンスに関する推進責任者を任命し、企業倫理・コンプライアンスの推進を行うため、企業倫理リスクマネジメント委員会を設置しています。また、社長自ら企業倫理・コンプライアンスの徹底に関する指示を定期的に発信し周知徹底の機会を設けると共に、カルテル等の反競争的行為や贈賄をはじめ、企業倫理・コンプライアンスに関して、役員および従業員への定期的な研修等を行っています。 加えて、社内外に内部通報窓口を設置し、「オムロングループ倫理行動ルール」・就業規則・法令に違反する行為、またはそのおそれのある行為について、通報を受け付けています。法令・社内規定に従って通報内容を秘密として保持し、通報者に対する不利益な取扱いを行いません。 [主な取組み] ・「オムロングループ倫理行動ルール」の制定 ・毎年10月のグローバル企業倫理月間等によるトップメッセージ発信と定期的なコンプライアンス教育 ・グローバル内部通報制度の運用 |
| ⑧ A 会計・税務 |
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| 外部環境とリスクシナリオ 社会課題の解決の手段としてのデジタル化の実現や企業の経済活動のグローバル化に伴い、今までにない財・サービスの提供や取引のボーダーレス化が加速する中、企業の税の透明性の確保や経済実態を財務諸表に正しく表すことが引続きステークホルダーから求められています。 そのような中、各国の租税法や移転価格税制、関税法、およびその他関連諸規定等の改正や当局の執行動向に適切な対応が行えなかった場合、もしくは、当局との法令等の解釈に相違が生じた場合、当局から多額の追徴や和解金の支払いが必要となる可能性があります。また、今までにないサービスや事業等を行うに際して、会計処理が適切に行われなかった場合、行政罰やブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。 |
| 当社グループの事業と対策 当社グループは、グローバルに存在する顧客に対して取引を行っており、また国内外に子会社を119社(2022年3月末時点)有しており、グループ内でも相互に取引を行っております。さらに、長期ビジョン「SF2030」においては、成長戦略の一つに「モノ」だけではなく、「モノ」と「サービス」の組合せによる新たな価値の実現を目指し、コンサルティング、アフターサービス、オペレーションサービス等の多様なサービス展開を行います。 その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 会計・税務リスクに対しては、グローバル理財本部を中心に、グローバルで、財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムを含む会計・税務の適正性を担保するための体制・オムロングループルールを整備、運用し、外部専門家も活用しながら、各地域統括会社とも連携し対策を進めています。 税務については、「オムロングループサステナブル行動ポリシー・オムロングループ倫理行動ルール」において、税法などの法令を遵守し、適正な納税を行うことを定めています。2021年度には、「基本方針」、「適正な納税」、「移転価格税制への対応」、「タックスヘイブン対策税制」、「税務コンプライアンスの取組み」、および「税務当局との関係」について具体化した「税務方針」を取締役会で承認し、運用を行っております。 [主な取組み] ・現地法人と共に各国・地域における税制や当局の執行状況の変化への対応 ・OECDの各種報告書や新しい国際課税ルールの整備状況などを踏まえた国際税務に係る方針の見直しを適宜実施 ・関税コンプライアンス体制およびモニタリングの強化 ・外部専門家等を活用した会計基準の定期的な情報収集と影響等の調査・対応 |
| ⑨ A 人財・労務 |
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| 外部環境とリスクシナリオ 社会課題を解決するため企業が多様な人財の活躍によりイノベーションを創出することで、持続的な企業価値の向上につながることが期待されています。 一方で、高齢化に伴う労働人口の減少や、人財の獲得に向けた企業間の競争激化による専門人財の供給不足、さらには、個人のキャリアや働き方に対する価値観の多様化がより一層進み、人財の流動化が加速することが見込まれています。 そのような中、人財施策や人事制度の設計・運用が不十分である場合、適所適財で必要な人財を確保することが困難となることや、従業員のエンゲージメントの低下、更には労務トラブルの発生といったリスクが生じる可能性があります。 |
| 当社グループの事業と対策 当社グループは、グローバルでの事業展開の加速、新事業・新技術におけるイノベーション創出のために、変化を先導するリーダーの獲得と育成、並びに各分野で必要とする高度な専門人財の獲得を行っています。長期ビジョン「SF2030」においては、人財戦略を策定し、DX等の重点分野や新規事業創造における専門人財獲得など、優秀な人財の獲得を強化し、人的創造性の向上を進めます。 その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 人財・労務リスクに対しては、グローバル人財総務本部が中心となり、「VOICE」(注)を通じて、グループ全体でのエンゲージメント調査を実施し、従業員の声に耳を傾け、組織課題を把握・特定し、課題解決のためのアクションを起こす取組みを実施しております。また、グローバルレベルで適所適財の配置を実施し、現場での意思決定を迅速に行うため、海外における重要ポジションの現地化推進などに取り組んできました。さらに、当社グループでは、企業倫理の浸透をモニタリングする仕組みの一つとして、内部通報制度を整備し運用しております。 長期ビジョン「SF2030」においては、事業戦略を実現するため、適正なポジションに適正な能力を持った人財を必要な人数配置する状態を目指す「人財ポートフォリオマネジメント」の導入や成長意欲ある人財への積極的な投資、市場競争力あるフェアな報酬を目指し、中期業績連動株式報酬のグローバル全マネジャーへの導入等を進めていきます。 [主な取組み] ・「VOICE」によるグループ全体でのエンゲージメント調査の実施と改善 ・グローバルレベルで適所適財の配置 ・海外における重要ポジションの現地化推進 ・内部通報制度の運用 |
| ⑩ A M&A・投資 |
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| 外部環境とリスクシナリオ 社会課題を解決する手段として、IoT、ビッグデータ、ロボット、AI等のテクノロジーの進化が求められる中、スタートアップ企業を始めとする技術力のある企業とのアライアンス、M&A、出資を通じたイノベーションの加速が期待されています。 一方で、デューディリジェンスが不十分であったり、想定した十分なシナジー効果や資本業務提携の取組が計画通り進まない場合や、PMI(Post Merger Integration)やガバナンスが適切に行われなかった場合に多額ののれんや投資の減損が発生する可能性があります。また、経済安全保障政策による投資規制やIT分野における独占禁止法の運用が強化される中、M&A、出資実行の長期化や計画の大幅な見直しが必要となる可能性もあります。 |
| 当社グループの事業と対策 当社グループでは、M&A・投資を将来の成長に必要な戦略と考えており、ポートフォリオマネジメント(注)のもとアライアンスや事業売却も進めながら、当社グループの企業価値向上を推進しています。 長期ビジョン「SF2030」においても、新規事業の創出等を行っていくため、オムロンが捉える社会的課題に共感・共鳴しあえるパートナーとの共創を重視し、積極的に実行して参ります。 なお、2021年度においては、“人と機械が協調するモノづくり現場”を創造し、製造現場における人手不足を解決するため、協調ロボットメーカーのテックマン・ロボット社への出資を実行しました。 また、ヘルスデータプラットフォームをコアに、イベントゼロをはじめとする健康増進・重症化予防ソリューションを社会実装するため、レセプト・健診などの医療データを保有するJMDC社との資本業務提携契約を締結しております。 その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 M&A・投資リスクに対しては、事業部門と本社部門および外部専門家から構成されるプロジェクトチームを組成し、対象企業の財務内容や契約内容の確認、経営陣との面談を通した詳細な事前審査等をもとに、当社グループとの協業によるシナジー効果とリスクを考慮した投資判断を行っています。また、買収や出資後も事業部門と本社部門が連携し、事業戦略とリスクを踏まえた計画を策定、実行しています。加えて、対象事業の業績、事業戦略の進捗、事業価値評価を取締役会において定期的にレビューしています。 [主な取組み] ・事業戦略に基づいたM&A・投資候補の探索、評価 ・M&A・投資案件に応じた、デューデリジェンスや事業計画の策定 ・取締役会における、買収や出資後の経済効果の具体的目標進捗のレビュー (少なくとも年に1回) (注)ポートフォリオマネジメント:現在約60ある事業ユニットに対して、経済価値の評価と市場価値の評価に基づいて事業を評価する取組み |
| ⑪ A 知的財産 |
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| 外部環境とリスクシナリオ 社会課題を解決する手段として、カーボンニュートラルやデジタル社会の実現が求められる中、オープンイノベーションを推進し、国際競争力の源泉となる知的財産・無形資産の活用が期待されています。 一方で、AI・IoT・ロボットなどの開発競争が激しい分野の研究を進める中で、第三者から知的財産権の侵害に対する主張を受け、事業の停止や巨額の損害賠償請求、和解のための解決金、知的財産権を使用するためのロイヤリティの支払が発生する可能性があります。 さらに、アライアンス先を含む第三者による当社の知的財産権の不正使用や侵害、またノウハウの流出を適切に防ぐことが出来なかった場合、競争力を喪失する可能性があります。 その他、ブランド管理については、第三者が当社グループのブランド名を不当に使用し、当社商品と類似した商品を製造・販売することにより損害を受ける可能性があります。 |
| 当社グループの事業と対策 当社グループは、近未来デザインを起点としたソーシャルニーズの創造のため、知財ポリシーを定め、知財戦略を実行しています。長期ビジョン「SF2030」において、「慢性疾患の予防医療支援」、「1次・3次産業の自動化」、「カーボンニュートラルを実現するエネルギーソリューション」、「製造現場の高度化」といった新規事業創造を目指しており、その中で、他社と差異化できる技術について戦略的に特許化を行います。 また、モノ視点からコト視点への事業変化によって発明者の裾野が拡大していることから、技術者のみならず企画部門やプロダクトマネージャも対象に、顧客課題・社会課題を解決するコトビジネスの発明創出も推進しています。 その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 知的財産リスクに対しては、知財センタが中心となり、社内の全技術者向けの知財教育の実施や、研究開発および設計にあたって第三者の知的財産権の調査を実施しています。また、既存製品に関しても、当社グループ製品と第三者が保有する知的財産権、および第三者の製品と当社グループが保有する知的財産権との関係について分析・評価を実施しています。 一方、近年海外にて増加している、第三者による当社グループのブランド名の不当使用に対しては、定期的に模倣品摘発活動を市場やECサイトなどで実施しています。さらに、悪意を持った当社グループのブランド名と類似した商標権の取得を阻止する対応も行っています。 [主な取組み] ・第三者が保有する知的財産権への侵害調査 ・当社グループ製品への第三者による知的財産権侵害の分析・評価 ・模倣品のモニタリング ・類似した商標権の取得の阻止 |
| ⑫ A 新興国における事業展開 |
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| 外部環境とリスクシナリオ インド等の新興国市場においては、人口増加によって消費拡大が見込まれ、各種産業が成長している中、様々な社会課題も顕在化しています。 一方で、一部の新興国、地域においては法による統治機能が脆弱であったり、政情が不安定であることから、汚職や腐敗等が社会問題化する場合があります。これらの国、地域における事業運営において、ガバナンス不全や社内管理の不備により、法規制・コンプライアンス違反、不法行為、不正会計などが発生する可能性があります。 |
| 当社グループの事業と対策 当社グループは、グローバルに事業展開をしており、各国・地域にグループ会社を有しています。長期ビジョン「SF2030」においては、例えばヘルスケア事業において成長ポテンシャルの高いインドでの販売力強化等さらに需要の高い地域に密着した事業の拡大を推進します。 その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、オムロングループ共通の法人運営、会計、IT統制等のルール(「オムロングループルール」)に基づくグループ会社におけるガバナンス体制の構築と運用を行っています。また、各機能主管部門におけるグローバルでの牽制とモニタリング、内部監査における改善指導等により、実効性の向上に努めております。さらに、地域統括会社毎のリスクマネジメントにより、エリア特性に応じた重要リスクへの対応を行っています。 |
これらのリスクは、経営・事業環境の変化が大きく、現在当社グループとして重点的に取り組んでいるテーマであり、投資家の皆様の判断にも重要な影響を及ぼす可能性がある事項と考えています。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月24日)現在において当社グループが判断したものです。
(5)TCFD提言に沿った情報開示
気候変動への対応
世界各地で異常気象による大規模な自然災害が多発する中、気候変動は当社が取り組むべき最重要課題であると捉え、2022年度からスタートした長期ビジョン「SF2030」において、「Shaping The Future 2030」というビジョンのもと、社会的課題「カーボンニュートラル社会の実現」に挑みます。
2019年2月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明以降、株主・投資家などのステークホルダーと当社の気候変動取組みについてのエンゲージメントを強化するため、TCFDのフレームワークに基づいた情報開示を進めています。
TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿った情報開示
TCFD提言は、すべての企業に対し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しています。当社グループは、TCFD提言の4つの開示項目に沿って、当社の気候関連への取組みを開示します。
①気候変動に関するガバナンス
・取締役会の役割・監視体制
当社グループでは、「オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシー」において、TCFD等の枠組みに基づく気候変動リスクへの取組みを含むサステナビリティ方針・重要課題および目標について、取締役会が決定・開示することを明確に定めています。
気候変動に関するリスクや事業機会、目標や具体的な取組み施策については、執行会議およびサステナビリティ委員会で協議・決定・進捗管理・モニタリングを定期的に実施し、必要に応じて是正策を検討します。取締役会は、執行会議で協議・決定された内容の報告を定期的に受け、論議・監督を行っています。
また、2021年度から2024年度を対象とする社内取締役および執行役員の中長期業績連動報酬(株式報酬)(注)の評価指標の一部として、温室効果ガス排出量の削減目標、気候変動対応を含む第三者機関によるサステナビリティ指標(気候変動対応への評価含む)に基づく評価を組み込んでいます。
(注)詳細は「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」参照
②気候変動に関する戦略
・短期・中期・長期の気候関連リスク・機会および対応
長期ビジョン「SF2030」および中期経営計画では、サステナビリティ重要課題「脱炭素・環境負荷低減の実現」を設定し、気候変動を「機会」と「リスク」の二側面で捉え、企業としての社会的責任の実践と更なる競争優位性の構築を図ります。
そして、気候変動による生態系および人間社会に対する深刻な影響の拡大を抑止するため、当社は「脱炭素に向けた製品・サービスの提供」、「モノとサービスを組み合わせたビジネスモデルの進化」、「パートナーとの共創」、「エネルギー効率の改善」、「再生可能エネルギーの使用拡大」などによりバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量削減に取り組んでいきます。
その中で、当社グループは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などが発表する「世界の平均気温が4℃以上上昇する」「世界の平均気温がパリ協定で合意した2℃未満の上昇に抑えられる(一部1.5℃以内)」の2つのシナリオで、リスクと機会を分析し、気候変動問題解決にはオムロンの対応が必要であると再確認しました。具体的には、インダストリアルオートメーションの分野において、i-Automation!を進化させ、地球環境との共存と、働く人々の働きがいも両立させるサステナブルな未来を支える製造現場を構築し、生産性とエネルギー効率を高めるオートメーションの実現を行います。また、ソーシャルソリューションの分野において、これまで太陽光発電や蓄電池の普及に貢献してきましたが、今後は、進化したエネルギー制御技術で発電の不安定さを解消し、再生可能エネルギーのさらなる普及に貢献します。またデバイス&モジュールソリューション分野では、製品の環境性能向上、およびカーボンフットプリント削減に係る関心の高まりによる電子部品事業部品の開発・提供も加速させます。その他にも社会と様々な接点を持つ当社グループは、社会の多くの場面でカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。シナリオ分析結果については、長期ビジョン「SF2030」および中期経営計画の戦略に反映し、対応を具体的に計画しています。
・想定期間 :SF2030期間(2030年度まで)
・採用シナリオ :・4℃シナリオ :IPCC/RCP8.5, IEA/STEPS
・1.5/2℃シナリオ:IPCC/RCP2.6, IEA/SDS(一部IEA/NZE)
・時間軸の定義 :短期:3年未満、中期:3年~10年未満、長期:10年~30年
・シナリオ分析対象:既存事業
<当社グループの気候変動のリスク・機会の概要と対応>
③気候変動に関するリスク管理
・リスクを評価・識別・管理するプロセス
当社グループは、当事業年度に各事業のシナリオ分析を実施し、気候変動影響による「移行リスク」「物理リスク」を網羅的に抽出しました。そして、抽出した気候変動に伴うリスクについて、採用シナリオごとに「顕在時期」「事業および財務への影響額」を可視化し、事業および財務への影響度を評価しました。評価を基に当社にとって重要な気候変動に伴うリスクを特定し、対応策を立案しました。リスクの特定、対応策の立案にあたっての重要事項は、取締役会へ報告しています。
また、2022年度以降も定期的にシナリオ分析を行い、リスク・対応策を更新していくとともに対応策の進捗状況のモニタリングを実施していきます。
・全社リスクマネジメントへの統合状況
当社グループは、リスクを全社的に管理する体制を構築することが重要であることを踏まえ、グループ共通のフレームワークで統合リスクマネジメントの取組みを行っています。気候変動リスクをグループ重要リスクと識別・評価し、シナリオ分析によるリスクと整合させ、取組みのモニタリングを行っています。
④気候変動に関する指標と目標
・気候変動のリスク・機会に関する指標
当社グループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope1・2・3(注1)の温室効果ガス排出量、および事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギーに関する指標を定めています。
・温室効果ガス排出量に関する目標及び実績(Scope1・2・3)
当社グループは、環境分野において、持続可能な社会をつくることが企業理念にある「よりよい社会をつくる」ことと捉え、2018年7月に、2050年にScope1・2について温室効果ガス排出量ゼロを目指す「オムロン カーボンゼロ」を設定しました。
そして2022年3月、オムロンはカーボンニュートラル社会の実現に向けて取組みを進化させ、Scope1・2については、削減シナリオを2℃シナリオからより積極的な1.5℃シナリオに変更しました 。また、Scope3カテゴリー11について、2030年に18%削減(2016年度比)という目標を新たに設定しました。これらの目標はSBTイニシアチブ(注2)の認定を受けています。
また、目標達成に向けて、オムロンは、引き続きエネルギー効率の改善を進めるとともに、自社のエネルギーソリューション事業が提供する再エネ由来のJ-クレジット(注3)や自己託送(注4)などを活用することで、2024年度にScope2についてオムロンの国内拠点のカーボンゼロ(注5)の実現を目指します。
(注)1 Scope1・2:自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス
Scope3カテゴリー11:Scope3は自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出。
そのうち、カテゴリー11は製造・販売した製品・サービス等の使用に伴う排出。
2 SBTイニシアチブ:Science Based Targets イニシアチブ:科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減の
中長期目標設定を推奨している国際的イニシアチブ
3 J-クレジット:環境価値 (CO2を排出しない効果)を国が認証する制度
4 自己託送:自家発電設備を保有する事業者が当該設備を用いて発電した電力を、一般送配電事業者の
送電網を介して遠隔地にある自社工場や事業所などに送電・供給し、電力を使用することが
可能となる電力供給制度
5 生産13拠点、非生産(本社・研究開発・販売)63拠点における自社の電力使用により排出される
GHG(Scope2)が対象
6 温室効果ガス排出量(Scope1・2)の2021年度の実績は、オムロンコーポレートサイトに掲載し、
ビューローベリタスジャパン株式会社による限定的保証業務により第三者保証を受ける予定です。
当該限定的保証業務は、いずれも国際監査・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000「過去
財務情報の監査又はレビュー以外の保証業務」に準拠した業務です。
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 事業環境、経営成績等の状況・分析・検討
①当社グループの経営成績の実績及び見通し
2021年度実績
2021年度は、「変化対応力の最大発揮」と「変革の加速」を方針に掲げ、事業運営をスタートしました。当社グループを取り巻く事業環境は、中華圏・アジア・米州を中心としたデジタル業界の旺盛な需要が継続したことに加えて、地球環境保護への社会的な要請を背景としたカーボンニュートラルや脱プラスチック関連投資も拡大し、総じて好調に推移しました。また、コロナ禍により、慢性疾患の重症化予防の重要性が消費者に再認識されて、家庭用医療機器の需要が拡大しました。一方で、第2四半期以降に顕在化したサプライチェーンの混乱が継続する中で、第4四半期でのロシア・ウクライナ情勢の悪化や上海ロックダウンなど、当社グループを取り巻く事業環境は、さまざまな要因により不確実性が継続する1年となりました。
このような事業環境の中で、制御機器事業では、拡大する半導体、電気自動車、二次電池、食品包装機械などの設備投資需要に応えるため、ソリューション提案力の強化を継続し、部材確保や増産にも取り組みました。ヘルスケア事業では、グローバルで血圧計需要が拡大する中、薬局チャネルやオンラインチャネルでのプロモーションを強化するとともに、部材確保や物流改善に取り組みました。
これらの結果、売上高は7,629億円(前期比16.4%増)、営業利益は893億円(同43.0%増)、売上総利益率は前期比でほぼ横ばいの45.5%(同0.1ポイント減)となりました。これまで培ってきた強い収益構造に、売上高の伸びが掛け算で効いてきた結果、営業利益は前期比で大きく増加し、過去最高となりました。
2022年度見通し
SF 1st Stageの1年目である2022年度は、「新たな価値創造へのギアチェンジ」を方針に掲げました。これまで培ってきた資産を活用し、成長を加速するとともに、将来の成長に向けた投資を着実に実行していきます。製品供給制約の継続、インフレの進行、世界秩序が混乱する中でも、変化対応力を発揮し、グローバルで総じて旺盛な需要を捉えることで注力事業を中心に成長を目指します。また、長期ビジョン「SF2030」・中期経営計画を成功に導くために、価値創造のあり方を、もう一段高いステージへとギアチェンジし、進化させていきます。2022年2月に発表したJMDC社との資本業務提携は、ヘルスケア事業においてデータベース基盤に立脚した「健康増進・重症化予防ソリューション」のビジネスを展開していくことを狙いとしています。今後は、データを基軸としたサービスビジネスの事業構想・価値開発・事業運営をJMDC社と進めるとともに、得たナレッジを制御機器事業、社会システム事業へ展開することで、当社グループのデータドリブンのビジネスを加速させていきます。
当社グループは、2022年度から長期ビジョン「SF2030」および最初の中期経営計画(SF 1st Stage)をスタートしています。これまでに培ってきた顧客資産をベースに、新たに表出する事業機会を捉えてソリューションを提供するとともに、将来の成長に向けた投資を着実に実行します。アフターコロナに向けて社会・経済システムへの転換が加速する中、中長期的視点でビジネスモデル変革と新事業創出に取り組み、持続的な成長を実現します。
2022年度の事業環境は、地政学リスクの拡大、サプライチェーン混乱、インフレ加速、コロナ禍再拡大に伴う都市ロックダウンの影響など、不確実性が継続する一方で、当社グループがアドレスする領域では、グローバルで総じて、好調な需要が継続すると見ています。具体的には、DX機器の普及、生産地分散の進行、地球環境保護に対する社会的な要請の高まりなどにより、半導体製造、電気自動車、脱プラスチック対応、再生可能エネルギー関連などでの設備投資需要が拡大し、また、高齢化の進行や健康意識の高まりにより血圧計などの健康機器への需要が引き続き堅調に推移すると見ています。
当社グループは、このような不確実性が高い事業環境を踏まえ、全社業績変動リスク(売上高100億円減・営業利益40億円減)を織り込みながらも、培ってきた変化対応力を発揮し続け、社会の変化がもたらす事業機会を着実に捉えた力強い成長を実現します。また、長期ビジョン「SF2030」の新たな価値創造に向けて、制御機器事業やヘルスケア事業を中心とした成長投資を積極的に実行します。
これらの結果、2022年度は、売上高は8,500億円(当期比11.4%増)、営業利益930億円(同4.1%増)、売上総利益率は過去最高の45.6%(同0.1ポイント増)を計画しています。2期連続で増収増益となり、営業利益は過去最高を更新する見通しです。
<売上高・営業利益・売上総利益率の推移>
(注)2019年度に車載事業を非継続事業に分類したことに伴い、2017年度および2018年度の売上高、営業利益は非継続
事業を除いた継続事業の数値に組み替えて表示しています。
②各事業セグメントの実績及び見通し
a.インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業、IAB)
2021年度における事業環境認識と価値創造の取組み
製造業を取り巻く環境は、大きな変革期の真只中にあります。それは、製品の高度化や地産地消、個作りなどに代表される「作るモノ」「作り方」「作る場所」「作るヒト」の変化と、AI、IoTやロボティクスに代表される技術革新、シーズの変化です。オムロンは、この変化をいち早く捉え、製造現場が直面する課題をイノベーションで解決するべく「i-Automation!」を提唱し、近未来のモノづくりを目指してきました。
i-Automation!は、「integrated(制御進化)」、「intelligent(知能化)」、「interactive(ヒトと機械の新しい協調)」という3つのイノベーション(innovation)により構成されています。この3つの“i”をキーワードに、20万点以上に及ぶ商品ラインナップと、ソフトウェアやサービスを擦り合わせて200を超える革新的な制御アプリケーション(以下、アプリケーション)を創出し、多くのお客様の製造現場のイノベーションに貢献してきました。「制御進化」では、熟練技能者の高齢化や後継者不足といった課題に着目し、“匠の技”を再現するアプリケーションを生み出してきました。例えば、二次電池の製造工程では、フィルム状製品の高速・高精度の巻き取りやシート状製品の超高精度の積層を可能にしました。「知能化」では、AI・画像処理技術を活用し、自らが学習しヒトの五感を超える機械や不良品を作らないモノづくりを実現しています。「ヒトと機械の新しい協調」では、自律型モバイルロボットや協調ロボットでヒトと機械の持ち味を引き出し、相互に協力し合う新しいオートメーションを実現しました。
お客様の課題解決を促進するインフラや人財も拡充してきました。最新のアプリケーションを使って製造現場の装置や生産ラインを実機モデルにより再現する「オートメーションセンタ(ATC)」は、37拠点にまで拡充しました。ATCは、お客様とともにモノづくり課題の解決策を検証・実証する共創拠点として年間何千人ものお客様に来場いただいています。また、オムロンの制御技術・商品に精通し生産現場を熟知するセールスエンジニア(SE)も増強し、お客様固有の課題に応じたアプリケーションや新たな解決策を提案する技術コンサルテーション力を強化してきました。現在、1,000名を超えるSEがお客様の製造現場で新たなモノづくり課題の解決にチャレンジしています。
2021年度業績と2022年度見通し
2021年度は、製造業の設備投資需要はグローバル全エリアにおいて拡大しました。デジタル業界においては、中華圏・アジア・米州を中心に半導体や二次電池の設備投資需要が好調に推移し、日本の装置メーカーにおける需要も増加しました。また、自動車業界では、電気自動車に関連する設備投資需要が引き続き増加しました。さらに、食品・日用品業界においても、包装機械などの需要が堅調に推移しました。これまで強化してきたソリューション提案型営業で、これらの需要の高まりを的確に捉える一方で、増産対応などに取り組んだ結果、売上高は前期比で大きく増加し、過去最高となりました。売上高の大幅な増加などにより、営業利益は前期比で大きく増加し、過去最高となりました。この結果、2021年度の売上高は、4,326億円(前期比24.9%増)、営業利益は、781億円(前期比32.8%増)となりました。
2022年度は、半導体・電子部品の設備投資需要は、DXの進行によって堅調が継続すると見ています。食品や医療関連の設備投資需要は、脱プラスチックや安全・安心・省人化の取組みによって、拡大が継続すると見ています。また、カーボンニュートラルに対応した設備投資も進むことから、製造業全般に、グローバルで旺盛な需要が継続すると見ています。現地営業・SE人財の活用強化と革新的な制御アプリケーションの創出・提供の加速によって、これらの需要を的確に捉え、売上高は当期比で大幅な増加を見込みます。売上高の増加や生産性の向上により、営業利益は当期比で大幅な増加を見込みます。この結果、2022年度の売上高は、4,830億円(当期比15.5%増)、営業利益は、900億円(当期比18.0%増)となる見通しです。
<制御機器事業の売上高・営業利益・売上総利益率の推移>
(注)経営管理区分の見直しにより、2022年度より、IABの一部をDMBに含めて開示しています。
これに伴い2021年度を新管理区分に組み替えて表示しています。
b.ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業、HCB)
2021年度における事業環境認識と価値創造の取組み
コロナ禍の世界的な広がりにより、人々の意識や生活様式、社会インフラなど、大きな変化がグローバルに起こり、今ではそれらが「ニューノーマル」として人々の日常生活の中に浸透してきています。オムロンは、ニューノーマルの1つである「検温ニーズ」の高まりに応えるため、各地の生産工場で増産体制を強化し、商品供給量の拡大や安定供給に努めました。
一方、コロナ禍は、通院による感染リスクの拡大やコロナ患者の増加による医療関係者の負荷増大など、新たな課題を生み出しました。特に、継続的な治療が必要な高血圧や糖尿病など慢性疾患患者は、新型コロナウイルスの罹患による重症化リスクが高いと言われており、通院控えによる重症化が新たな課題として顕著になりました。
これらの新たな社会変化は、オムロンが2015年より循環器疾患事業の事業ビジョンに掲げ、取り組んでいる「脳卒中や心不全などの脳・心血管疾患の発症ゼロ(ゼロイベント)」の実現の重要性をさらに高めています。ゼロイベント実現には、脳・心血管疾患の主な要因である高血圧等の早期発見・早期治療により、適切な血圧コントロールが必要です。この事業ビジョンの実現に向け、医療認証を取得した腕時計サイズのウェアラブル血圧計を北米・日本・欧州で発売しました。また、血圧測定と同時に家庭で心電図を記録できる心電計付き上腕血圧計を北米でリリースしました。オムロンのチャレンジは、グローバルに遠隔診療サービスへの取組みへとその領域を広げています。2020年9月に北米で遠隔患者モニタリングサービス「バイタルサイト(VitalSight)」をスタートし、2021年4月に英国で高血圧患者向け遠隔診療サービス「ハイパーテンション プラス(Hypertension Plus)」の提供を開始しています。
SDGsや環境対応などサステナビリティへの関心がグローバルで高まっています。オムロンは、事業を通じて世界中の人々の健康に貢献するとともに、紙パッケージ導入によるプラスチック削減、パッケージ小型化による紙資源保護、カーボンニュートラルの製造ライン導入検討など環境に優しいものづくりに取り組んでいます。また、太陽光発電の利用など環境に優しいオフィスづくりも積極的におこない、サステナビリティの取組みを推進しています。
オムロンは、これからも革新的デバイスを世界中の人たちに届け、また、個人に最適な遠隔診療サービスの創出やAIを活用した血圧管理方法の技術確立、脳・心血管疾病予兆解析アルゴリズムの開発など、新しい分野にもチャレンジしていきます。
2021年度業績と2022年度見通し
2021年度は、血圧計の需要は、コロナ禍による慢性疾患の重症化予防に対する意識の高まりを背景に、グローバルで拡大が継続しました。ネブライザーの需要は、患者の通院機会の増加に伴って回復基調で推移しました。前期において急増した体温計の需要は、反動で減少しました。上期にはコロナ禍影響による工場操業制限や、第3四半期以降にはサプライチェーン混乱があったものの、製品の設計変更や輸送ルートの切り替えなどを迅速に実施し、旺盛な需要を着実に捉えた結果、売上高は前期比で増加しました。固定費抑制や付加価値向上に取り組みましたが、部材価格や物流費の高騰により、営業利益は前期比で減少しました。この結果、2021年度の売上高は、1,329億円(前期比7.9%増)、営業利益は、185億円(前期比9.9%減)となりました。
2022年度は、慢性疾患の重症化予防に対する意識が高まり、血圧計の旺盛な需要が継続すると見ています。また、外出移動規制の緩和に伴って患者の通院機会が増加し、ネブライザーの需要が拡大すると見ています。伸長するオンラインチャネルでの販売強化などによって、これらの需要に的確に捉え、売上高は当期比で増加を見込みます。部材価格や物流費の高騰の影響が継続するものの、売上高の増加に加え、付加価値向上の取組みなどにより、営業利益は当期比で増加を見込みます。この結果、2022年度の売上高は、1,540億円(当期比15.9%増)、営業利益は、200億円(当期比7.9%増)となる見通しです。
<ヘルスケア事業の売上高・営業利益・売上総利益率の推移>
c.ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業、SSB)
2021年度における事業環境認識と価値創造の取組み
社会システム事業では、労働力不足を解決すべき社会的課題と捉え、さまざまなソリューションで暮らしの不都合の解消に取り組みました。また、さらなる社会的課題の解決と持続的成長に向けて、2018年にUPS事業、2020年に環境事業を統合し、住宅や流通、情報インフラ、自治体、製造業など新たな市場へのアクセスと提供価値を備えてきました。
次の10年を見据え、私たちが捉えた解決すべき社会的課題は「環境(カーボンニュートラル)」、「レジリエント」、「省力化」の3つです。CO2総排出量の増加や気候変動の加速、少子高齢化の加速による労働力不足といった社会的課題は深刻化し、私たちの生活にもさまざまな不都合や不安が生じます。企業各社では事業運営の効率化や省力化が進められると同時に、事業継続や環境配慮への対応が求められるなど経営課題は複雑化していきます。オムロンは、顧客のニーズに応えることに加え、プロアクティブに社会の変化を捉えて、これからの安心・安全・快適な社会の将来像を描き、これまでに培ってきたノウハウを活かしたソーシャルオートメーションで次世代の社会システムの実現を目指します。
エネルギー領域においては、カーボンニュートラルの達成に向けて、従来からの再生可能エネルギー普及の取組みはもちろんのこと、今後は各家庭・施設単位から地域(エリア)単位でエネルギー需給の最適制御を行う「エリアエネルギーマネジメント」の実現に取り組んでいきます。それぞれのエネルギーをつなぎ電力を融通し合うことで、災害時の電力確保といった地域単位のエネルギー利用最大化とカーボンニュートラルの達成に貢献します。
また、生活に必要なインフラを支えるさまざまな業種において、労働力不足が深刻化し、サービスを維持しながら運営を効率化することが課題となっています。従来、オムロンは、機器・システムの導入やシステムの安定稼働のための保守サービスを提供し、お客様の現場課題の解決と社会システムの維持に貢献してきました。今後は、システム導入や保守業務を通じて蓄積してきた現場知見を集約し、機器・システムの遠隔監視・運用や業務プロセス最適化にいたる包括的なサポート「マネジメントサービス」を提供することで、業務の省力化と運用の強靭化に貢献します。
2021年度業績と2022年度見通し
2021年度は、エネルギーソリューション事業では、カーボンニュートラルや防災・減災の需要の高まりに対して、部品の確保に取り組み、蓄電システムの売上高は大きく拡大しました。駅務システム事業では、長引くコロナ禍の影響を受けて、主要顧客の投資抑制が継続しました。これらの結果、売上高は前期比で減少しました。売上高減少の影響を受けましたが、固定費抑制や付加価値向上に取り組み、営業利益は前期比で大きく増加しました。この結果、2021年度の売上高は、877億円(前期比8.3%減)、営業利益は、65億円(前期比14.3%増)となりました。
2022年度は、駅務システム事業では、長引くコロナ禍の影響を受けて、主要顧客の投資抑制が継続すると見ています。エネルギーソリューション事業では、カーボンニュートラルや防災・減災ニーズの高まりによって、蓄電システムなどの需要の拡大が継続すると見ています。これらの需要に迅速に対応して、製品とサービスを組み合わせたソリューションを提供することによって、売上高は当期比で増加を見込みます。仕入製品コスト高騰の影響が継続するものの、売上高の増加や収益構造強化の取組みにより、営業利益は当期比で増加を見込みます。この結果、2022年度の売上高は、920億円(当期比4.9%増)、営業利益は、65億円(当期比0.0%増)となる見通しです。
<社会システム事業の売上高・営業利益・売上総利益率の推移>
(注)環境事業のSSBへの移管により、2020年度より「その他」の事業セグメントを「SSB」の事業セグメントに含めて開示しています。
これに伴い、2018年度および2019年度を新管理区分に組み替えて表示しています。
d.デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業、DMB)
2021年度における事業環境認識と価値創造の取組み
近年、社会・顧客・競合は大きく変化しています。顧客は、社会の変化と技術革新に対応できるパートナーを求めるようになっています。部品のコモディティ化が進み、新興国を中心とした競合も増えつつあります。このような市場環境の中で、オムロンは顧客のレイヤーで起きている課題を、高い品質と技術対応力で解決し続けていきます。
電子部品事業では、自らの力で持続的な成長を続けていくための土台作りとして、構造改革と品質強化、顧客のニーズに合わせた高付加価値のモジュール開発など価値提供に取り組んできました。構造改革では、生産の最適化を軸に生産拠点を11拠点から7拠点に見直し、グローバルで部品を安定して供給できる体制を整えました。部品の需要に合わせた生産体制の構築により、設備稼働率を向上させ、生産の効率化を実現しました。品質強化においては、ものづくりにおける開発・設計段階から生産・完成に至るまでのすべてのプロセスにおいて、「検証(ベリフィケーション)」と「妥当性確認(バリデーション)」の視点からの評価を徹底しました。品質基盤を進化させ、顧客製品の安全性を担保する部品の品質レベルをより高めてきました。また、自走的な成長エンジンを土台に、技術革新や環境対応で急速に進む「製品のスマート化」や「電源のバッテリー化や直流化」といったトレンド、変化する顧客のニーズを捉え、デバイスとモジュールを創出してきました。コロナ禍においては、パソコン周辺機器や電動工具の需要増加、高まる非接触のニーズをいち早く捉えて、関連機器向けの増産や顧客ニーズに応える新商品を創出しました。
現在、社会全体のデジタル化が加速し、電源のバッテリー化、5Gインフラ普及に向けた半導体や電子部品の需要は一段と高まっています。電子部品に求められる機能はライフスタイルの多様化や環境変化により変わっていく中で、オムロンが顧客製品の価値を高める機会は大きく増えていきます。変化の兆しを確実に捉え、開発スピードを加速し、新商品をタイムリーに生み出します。事業の基盤を支えるリレー、成長を牽引するスイッチやセンサーをグローバルに提供することで、人々の暮らしと社会の発展にこれからも貢献していきます。
少子高齢化による人手不足や、地球温暖化をはじめとして解決すべき社会的課題は深刻化しています。脱炭素社会の実現につながるEV化や地球上のすべての人が安心・安全に暮らせる通信インフラ、それらを実現する部品に求められる機能は高まっています。電子部品事業では、コアとなる「微細加工技術」と「組み合わせ技術」で、課題を解決するソリューションを確かなカタチにして、顧客にとって必要不可欠なキーデバイスを提供し続けていきます。
2021年度業績と2022年度見通し
2021年度は、民生業界向け部品は、家電や住宅設備、電動工具などの注力業界を中心に需要が堅調に増加しました。自動車向け部品は、コロナ禍の影響や顧客での半導体不足による生産調整の影響を受けたものの、需要が緩やかに回復しました。これらの需要を的確に捉え、増産などの製品供給量確保にも着実に対応した結果、売上高は前期比で大きく増加しました。原材料価格や物流費の高騰の影響を受けたものの、売上高の大幅な増加に加えて、付加価値向上の取組みや構造改革の成果により、営業利益は前期比で大きく増加しました。この結果、2021年度の売上高は、1,064億円(前期比23.7%増)、営業利益は、82億円(前期比178.2%増)となりました。
2022年度は、民生向けの需要は、コロナ禍からの回復に伴い、拡大が継続すると見ています。自動車向けの需要は、電動化ニーズの高まりにより、好調に推移すると見ています。高周波リレーの業界展開の加速や、DC機器向けリレーの顧客基盤の拡大と新アプリケーションの創出などによって、これらの拡大する需要を着実に取り込み、売上高は当期比で増加を見込みます。原材料価格や物流費の高騰の影響が継続するものの、付加価値向上の取組みの成果などにより、営業利益は当期比で増加を見込みます。この結果、2022年度の売上高は、1,280億円(当期比5.8%増)、営業利益は、105億円(当期比4.1%増)となる見通しです。
<電子部品事業の売上高・営業利益・売上総利益率の推移>
(注)経営管理区分の見直しにより、2022年度より、IABの一部をDMBに含めて開示しています。
これに伴い2021年度を新管理区分に組み替えて表示しています。
(2) 財政状態、キャッシュ・フローの状況・分析・検討
①財政状態
当年度末の資産の部は、好調な売上による営業債権の増加や部材確保による在庫の増加により前年度末に比べ1,103億円増加したことにより9,306億円となりました。また、負債の部は、外部借入を実施したことや、仕入債務、未払費用が増加したことにより、前年度末に比べ516億円増加の、2,627億円となりました。
純資産の部は当社株主に帰属する当期純利益を計上する一方、自己株式の取得の実行などにより、前年度末に比べ 586億円増加して、6,680億円となりました。
以上により、株主資本比率は71.5%となり、強固な財務基盤が維持されています。当年度末現在の手元現預金は1,555億円を保有しており、加えて金融機関との間で 300億円のコミットメントライン契約を締結しています。また、格付け機関から長期発行体格付けとして「安定的」の高格付けを獲得しており、高い資金調達力を維持しています。グローバルで金融機関との良好な関係を維持しながら、資金流動性と調達力を確保しています。
なお、重要な財務指標であるROE(株主資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)は当社グループの想定資本コストを上回る水準を維持しています。当年度末は当社グループが目標とするROIC水準10%を下回る9.6%となりましたが、一方で当年度末の手元現預金の対月商月数は、金融機関からの一時借入の影響もあり、2.5ヶ月と平時の目安としている1ヶ月~2ヶ月を上回っています。さらなる企業価値向上のためには、蓄積されたキャッシュと今後生み出すキャッシュを既存事業の強化と新たな成長機会に再投資し、成長を加速することが必要と認識しています。引き続き、経営資本の適正配分により、将来キャッシュ・フローの創出能力と資本効率を高めて企業価値向上を実現し、株主の皆さまの期待に応えてまいります。
当社グループでは、VG2020期間を通じて実行した変化対応力の強化や事業ポートフォリオの組み替え、さらにはサステナビリティ課題への取組みなどにより、株価の安定や資本コストの低減が見られます。これらを考慮し、2021年度以降の想定資本コストは、5.5%と設定しました。引き続きROICの改善と資本コストの低減により企業価値の向上につとめます。
| 2021年3月末 | 2022年3月末 | 増減 | |
|---|---|---|---|
| 資産合計(資産の部合計) | 8,204 億円 | 9,306 億円 | +1,103 億円 |
| 負債の部合計 | 2,110 億円 | 2,627 億円 | +516 億円 |
| 株主資本 | 6,069 億円 | 6,652 億円 | +584 億円 |
| 非支配持分 | 25 億円 | 27 億円 | +2 億円 |
| 純資産の部合計 | 6,094 億円 | 6,680 億円 | +586 億円 |
| 負債及び純資産合計 | 8,204 億円 | 9,306 億円 | +1,103 億円 |
<ROIC> <ROE>
(注)車載事業売却影響除くROIC、ROEは、当期純利益から車載事業売却益を控除して計算したものです。
<株主資本、株主資本比率>
②キャッシュ・フローの状況
キャッシュアロケーションの方針と状況
当社グループでは、SF 1st Stageにおけるキャッシュアロケーションポリシーと株主還元方針について、以下のとおりとしました。
<キャッシュアロケーションポリシー>
(ⅰ)長期ビジョン「SF2030」の実現による企業価値の最大化を目指し、中長期視点で新たな価値を創造するための投資を優先します。SF 1st Stageにおいては、社会的課題の解決やソーシャルニーズ創造のための人財や研究開発などへの投資、増産やDXなどの設備投資、M&A&A(買収・合併・提携)などの成長投資に加えて、脱炭素・環境負荷低減やバリューチェーンにおける人権尊重などのサステナビリティへの取組みに対する投資を優先します。その上で、安定的・継続的な株主還元を実行していきます。
(ⅱ)これら価値創造のための投資や株主還元の原資は内部留保や持続的に創出する営業キャッシュ・フローを基本とし、必要に応じて適切な資金調達手段を講じて充当します。なお、金融情勢によらず資金調達を可能とするため、引き続き財務健全性の維持に努めます。
<株主還元方針>
(ⅰ)中長期視点での価値創造に必要な投資を優先した上で、毎年の配当金については、「株主資本配当率(DOE)3%程度」を基準とします。そのうえで、過去の配当実績も勘案して、安定的、継続的な株主還元に努めます。
(ⅱ)上記の投資と利益配分を実施したうえで、さらに長期にわたり留保された余剰資金については、機動的に自己株式の買入れなどを行い、株主の皆さまに還元していきます。
VG2020の最終中期経営計画期間(2017年度~2020年度)および2021年度の営業キャッシュ・フローは、稼ぐ力の強化と運転資金の効率的な運営により、着実に増加しました。さらに、車載事業の事業譲渡収入もあり、営業キャッシュ・フローと合わせて、大幅なキャッシュ・インとなりました。一方で、注力するIAB(制御機器事業)、HCB(ヘルスケア事業)を中心に、将来の成長に向けた設備投資やM&A投資などの戦略的な投資を実行しています。特に2021年度は、JMDC社との資本業務提携を行い同社の株式の33.0%を1,119億円で取得しました。また、株主還元については、安定的な配当を継続するとともに資本効率を考慮した機動的な自己株式取得を実施しました。引き続き、将来の成長のための投資を実行して、資本コストを上回るリターンに結びつけることで企業価値を高め、株主の皆さまの期待に応えてまいります。
<キャッシュ・フローの推移>
(注)1 為替レートの影響は除いて表示しています。
2 投資キャッシュ・フローについては、事業売却・買収等による影響を分けて表示しています。
事業売却・買収等による収入・支出には、連結キャッシュ・フロー計算書の「事業売却(現金流出額との純額)」
「事業買収(現金取得額との純額)」および 「関連会社に対する投資の減少(△増加)」が含まれています。
2021年度のキャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は前年度のウィズ・コロナの環境からの事業環境改善による売上回復により、売上債権や棚卸資産等の運転資金が増加し、当期純利益の計上はあるものの674億円の収入(前期比264億円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
将来の成長に向け生産能力の増強などの設備投資を実行しました。また、医療統計データサービスの分野でJMDC社との資本業務提携を行い同社の株式の33.0%を1,119億円で取得しました。以上により、投資活動によるキャッシュ・フローは、1,502億円の支出(前期比1,354億円の支出増)となりました。
なお、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したフリーキャッシュ・フローは827億円の支出(前期比1,618億円の収入減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払いや自己株式の取得の一方でサプライチェーンの更なる混乱や地政学リスクの顕在化等、不測の事態への備えとして金融機関からの一時借入を実施したことなどにより、296億円の支出(前期比93億円の支出増)となりました。
以上の他、為替による増減の結果、当期末における現金及び現金同等物残高は、前年度末から953億円減少し、1,555億円となりました。
| 2021年3月期 | 2022年3月期 | 増減 | |
|---|---|---|---|
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 938 億円 | 674 億円 | △264 億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △148 億円 | △1,502 億円 | △1,354 億円 |
| フリーキャッシュ・フロー | 790 億円 | △827 億円 | △1,618 億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △204 億円 | △296 億円 | △93 億円 |
2022年度の財政、キャッシュ・フローの見通し
次年度(2022年度)においては、長期ビジョン「SF2030」の成長につながる設備投資・投融資を積極的に実施します。特に設備投資は全社グループのITシステム刷新を行うなど、当期比191億円の増加を見込んでいます。
財務活動では、金融情勢を鑑みながらグループ全体の効率的な資金配置を行い、柔軟な調達・運用を実施してまいります。
なお、重要な財務指標であるROE(株主資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)は当社株主に帰属する当期純利益の増加などによりいずれも当期比で改善を見込んでいます。
<次期の財政状態に関連する指標>
<次期のキャッシュ・フロー関連項目>
(注)資本的支出は、連結キャッシュ・フロー計算書記載の金額
資金調達、資本政策の方針
当社グループは、成長投資の実行と安定的な事業運営を行うため、資本効率を高めつつ、事業運営に必要な流動性と多様な調達手段を確保することを基本方針としています。そのための資金調達を含む資本政策については、以下の基本方針としています。
(ⅰ)株主価値を維持向上するために、投下資本利益率(ROIC)、株主資本利益率(ROE)および1株当たり利益(EPS)の目標水準を考慮した経営を行います。また、経済環境等の急激な変化に備え、金融情勢によらず資金調達が可能な高格付けを維持できる自己資本比率を目標とします。
(ⅱ)支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策については、取締役会において、上記の目標とする投下資本利益率(ROIC)、株主資本利益率(ROE)および1株当たり利益(EPS)等への影響を十分に考慮した上で合理的な判断を行います。
(ⅲ)大規模な希釈化をもたらす資本調達を実施する場合には、資金使途の内容と回収計画を取締役会において十分に審議のうえ決議するとともに、投資家・株主への説明を行います。
<格付情報>
<社債情報>
現在発行している社債はありません。
(参考)ROIC経営への取組み
当社グループはROICを重要な経営指標としています。全社一丸となってこの指標を持続的に向上させるため、「ROIC経営」を社内に広く浸透させています。2022年度からスタートする長期ビジョン「SF2030」においても、ROIC経営を推進し、今後も飛躍的な成長を実現していきます。
事業特性が異なる複数の事業部門を持つ当社グループにとって、ROICは各事業部門を公平に評価できる最適な指標です。営業利益の額や率などを指標とした場合、事業特性の違いや事業規模の大小で評価に差が出ますが、投下資本に対する利益を測るROICであれば、公平に評価することができます。独自の事業ポートフォリオを展開していく当社グループにとって、ROICは欠かすことができない指標です。当社グループのROIC経営は、「ROIC逆ツリー展開」、「ポートフォリオマネジメント」の2つで構成しています。
<ROIC逆ツリー展開>
ROIC逆ツリー展開により、事業戦略を起点にROICを各部門のKPIに分解して落とし込むことで、現場レベルでのROIC向上を可能にしています。ROICを単純に分解した「ROS」、「投下資本回転率」といった指標では、現場レベルの業務に直接関係しないことから、部門の担当者はROICを向上させるための取組みをイメージすることができません。例えば、ROICを自動化率や設備回転率といった製造部門のKPIにまで分解していくことで、初めて部門の担当者の目標とROIC向上の取組みが直接つながります。現場レベルで全社一丸となりROICを向上させているのが、当社グループの強みです。
<ポートフォリオマネジメント>
全社を約60の事業ユニットに分解し、ROICと売上高成長率の2軸で経済価値を評価するポートフォリオマネジメントを行っています。これにより新規参入、成長加速、構造改革、事業撤退などの経営判断を適切かつ迅速に行い、全社の価値向上をドライブしています。
また、限られた資源を最適に配分するために、「経済価値評価」だけではなく、「市場価値評価」も行っています。それにより、各事業ユニットの成長ポテンシャルを見極められ、より最適な資源配分を可能にしています。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当連結財務諸表は米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。連結財務諸表の作成にあたり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積もりや仮定を用いており、実際の結果はこれらの見積もりと異なる場合があります。長期性資産の減損、のれんおよび非償却性の無形資産の減損、および繰延税金資産の回収可能性等については、コロナ禍が及ぼす影響等を考慮して見積もりおよび判断を行っています。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 Ⅰ 重要な会計方針の概要 F 会計処理基準」に記載していますが、当社の経営戦略および連結財務諸表に与える影響から重要性があると考えられるものは以下のとおりです。
戦略投資等にかかるのれん等の評価
当社は将来に向けた成長力強化の一環として積極的な戦略投資を行っています。
IABにおいては、モノ作り現場の課題に対して、“i-Automation!”で革新を起こすアプリケーションを強化することを目的として、2015年にモーションコントローラーメーカーであるDelta Tau Systems, Inc. およびロボットメーカーであるAdept Technology, Inc.を、2017年にコードリーダーメーカーであるMicroscan Systems, Inc.をいずれも米国にて取得しました。
当期末連結貸借対照表において、IABについて、主にこれら一連の戦略投資に起因して株式取得時に識別したのれん37,459百万円を計上しています。
HCBにおいては、ブラジルにおける事業拡大を目的として、ブラジルのネブライザーメーカーであるNS Industria de Aparelhos Medicos LTDA.社株式の取得時に識別したのれんについて前期末時点において3,143百万円計上しておりましたが、ブラジル国内の事業環境の変化を受け、当期に減損損失を計上しました。HCBについて、当期末連結貸借対照表において、その他の株式取得時に識別したのれんを2,144 百万円計上しています。また脳・心血管疾患の重症化を防ぎ、治療をサポートする事業での協業を目的として、米国を中心に心疾患の診断と治療の支援サービスおよび商品を提供するAliveCor,Inc.へ2020年2月に出資を行いました。
長期ビジョン「SF2030」ではデータを基軸とした価値創造への収益構造転換が重要になると考えており、その先駆けとして、2022年2月に医療データサービス会社であるJMDC社との資本業務提携のために同社株式の取得を行いました。
当社では、投資管理プロセスを策定しており、買収案件の投資回収状況やのれん減損テストの結果、買収事業の進捗と今後の計画については年に1回、取締役会へ報告しています。
①のれん評価
当社は、のれんの評価について、のれんの償却は行わず、少なくとも年に1回又は減損の兆候が識別された場合に減損テストを実施しています。
IABにおいて取得した事業ののれんについては取得した事業が“i-Automation!”戦略と一体となってシナジー効果が創出されることから、シナジー効果の享受が期待される、検査装置事業を除いたIABをのれんの報告単位として決定しています。
HCBにおいて、NS Industria de Aparelhos Medicos LTDA.社の株式取得により識別したのれんについては、事業買収によるシナジー効果の享受が期待されるHCBの南米地域事業を報告単位として決定しています。
減損テストの実施に当たっては、当該報告単位の公正価値をディスカウント・キャッシュ・フロー法により算出し、対応する帳簿価額と比較して評価を行っています。公正価値は経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しています。事業計画は、マクロ経済状況、市場成長率、利益率、設備計画等の仮定を用いて策定し、事業計画予測期間以後のキャッシュ・フローは、各事業の所在国のインフレ率で永続的に成長するものと仮定して算出しています。
加重平均資本コストは、リスクフリーレート、所在国の経済や市場の状況を反映させるためのリスクプレミアム、インフレ率、負債コスト、類似企業の決定、類似企業に対してプレミアムもしくはディスカウントが適用されるべきかの決定等、多くの見積りを使用して算出しています。当年度の減損判定で使用した割引率は8.9%から12.0%の範囲です。
当年度の減損判定においては、HCBの南米事業においてブラジル国内の急速なインフレ進行を踏まえた事業環境、およびブラジルレアル安の影響等を勘案した今後の事業計画に基づいた公正価値再評価の結果、公正価値が帳簿価額を下回ったため、のれんの減損損失を認識しました。それ以外の報告単位については、公正価値が帳簿価額を超過していたため、のれんの減損損失は認識しておりません。
②関連会社に対する投資の評価
当年度末連結貸借対照表に計上されている関連会社に対する投資及び貸付金124,691百万円には、ヘルスケア事業のAliveCor,Inc.社に対する持分法による投資9,642百万円が含まれており、純資産に対する当社の持分相当額を上回る8,172百万円は、主に持分法適用開始時に識別したのれん相当額によるものです。
当社は、関連会社に対する投資について、投資先の超過収益力に基づく公正価値評価を行い、その価値の下落が一時的とは認められない場合には、持分の簿価が当該関連会社の公正価値の当社持分を超過した分について持分法損失を認識しています。同社についてはスタートアップ企業であるため将来事業計画の達成可能性の不確実性やのれん相当額の重要性を鑑み当該公正価値をのれんの評価と同じ方法で算出した結果、公正価値が投資簿価を上回ることから、評価損失の計上は不要と判断しています。当年度の公正価値の算出にあたっては将来事業計画の期間ごとの達成可能性の評価に応じ、割引率を12.5%から22.5%の範囲で使用しています。
また、関連会社に対する投資及び貸付金にはJMDC社に対する当社持分1,122億円が含まれております。当該投資には取得時に認識するべきのれんが含まれておりますが、取得原価配分の手続きは2022年度中に完了する見込みです。同社株式については、当年度末での市場価格による公正価値評価において持分法損失を認識するべき一時的でない価値の下落は発生しておりません。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当年度におけるセグメントごとの販売実績は、「(1) 事業環境、経営成績等の状況・分析・検討」に記載のとおりです。なお、当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額で示すことはしていません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しています。
4【経営上の重要な契約等】
当社は、2022年2月22日開催の取締役会において、JMDC社との間で資本業務提携を行うことを決議し、同日付けで同社の親会社であったノーリツ鋼機株式会社と株式譲渡契約を締結いたしました。この結果、2022年2月25日に同社の株式18,644,100株を取得しております。
5【研究開発活動】
当社グループは、技術の育成・強化を目的に中長期的視野に立った技術戦略を定め、研究開発を実行しています。自社の強み、コア技術として進化させ続けている「センシング&コントロール+Think」技術を技術戦略の核として、全社的視点から当社のコーポレート研究所である技術・知財本部が基盤的な技術開発を担い、各事業部門がその応用技術開発や商品開発を実施しています。主力事業である制御機器事業をはじめ、ヘルスケア事業、社会システム事業に重点的に研究開発費を割当て、製品開発およびものづくり技術の強化を実施しています。
当期の取組みとしては、ロボット技術、AI技術、センシング技術、パワーエレクトロニクス技術などの自社コア技術の継続的な高度化に加えて、学会等での社外発信を積極的に行い、「2021年度 システム制御情報学会 産業技術賞」を受賞いたしました。また、研究子会社であるオムロン サイニックエックスでは、世界最先端のロボット技術、AI技術の研究開発に取り組み、主要な国際会議でも論文が採択されています。
知的財産活動においては、技術者の特許に対するスキル向上のための社内研修を、コロナ禍においてもオンラインを活用して全技術者向けに実施すると共に、発明褒賞制度や知財表彰制度を活用することで、技術者の知財活動に対するモチベーションを向上させ、全社的に知財活動の底上げを図っています。また、モノ視点からコト視点への事業変化によって発明者の裾野が拡大していることから、技術者のみならず企画部門やプロダクトマネージャーも対象に、顧客課題・社会課題を解決するコトビジネスの発明創出も推進しています。併せて、知財を経営・事業へ積極的に生かすべく、事業や研究開発と連動させた知財戦略を策定・実行し、質・量の両側面で特許創出力を向上してきました。これらの活動の成果により、クラリベイト・アナリティクス社が知財動向の分析をもとに世界の革新企業/機関トップ100を選定する「Clarivate Top 100グローバル・イノベーター」に2017年から6年連続で選出されました。
グループ全体の研究開発に関する費用の総額は、前連結会計年度は431億84百万円、当連結会計年度は442億77百万円です。なお、研究開発費については、技術・知財本部で行っている技術開発費用52億24百万円が含まれています。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
| 金額(百万円) | |
| インダストリアルオートメーションビジネス | 22,559 |
| ヘルスケアビジネス | 7,852 |
| ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス | 3,466 |
| デバイス&モジュールソリューションズビジネス | 5,176 |
| 本社他 | 5,224 |
| 合計 | 44,277 |
(1) インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)
当セグメントは、製造業における省人化、安全性の向上、新工法による歩留りの改善に関して、様々な要素技術や生産技術を開発し、新商品や、商品を組合せた制御アプリケーションを通じて価値提供をおこなっています。
省人化については、制御コントローラーとロボットコントローラーを一体化した統合コントローラーを活用し、生産設備の全ての動作を再現できる統合シミュレータを開発し、遠隔地からロボットを含む生産設備全体を監視することを可能としました。これによりWith/Postコロナにおいて技術者が国や地域を超えて移動することなく、生産設備の調整、立上げを行うことが可能となりました。加えて、ロボットとロボットハンド、周辺機器を同時にOne Controllerで制御することで、人にしかできなかったフレキシブルケーブル挿入等の複雑な組立作業の自働化を実現しました。
安全性の向上では、国際規格に定められた8種の安全機能に対応したサーボモーターを開発し、生産現場における安全性と生産性の両立を実現可能としました。
新工法による歩留りの改善では、自由度ステージ制御により微細なマイクロLEDチップの超高精度の貼り合わせの新工法の技術を創出し、デジタルデバイス業界をはじめとする製造現場で歩留り向上を実現しました。
(2) ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)
当セグメントは、マーケティング部門と研究開発部門が一体となり、パーソナライズ医療の実現に向けて、真のユーザーニーズの把握・創出に努め、一層の開発スピードアップを目指しています。また研究開発部門は、一人ひとりの健康ですこやかな生活の実現に向け、脳・心血管疾患の発症ゼロを目指す「循環器事業」、喘息・COPD患者の重症化ゼロを目指す「呼吸器事業」、慢性痛による日常の活動制限ゼロを目指す「ペインマネジメント事業」の3事業領域において新しい価値を提供できる新商品の創出を目指しています。
当期の主な開発テーマとして、循環器事業においては、血圧、脈拍、心電計測技術を搭載した心機能低下を捉える新たな血圧計の開発を進め、遠隔診療サービスに向けたシステムの開発にも取り組んでいます。
呼吸器事業においては、喘息やCOPDの患者を対象に、発作の予兆や症状を計測する機器の開発に取り組んでいます。ペインマネジメント事業においては、新たな鎮痛技術を搭載した低周波治療器の開発に取り組んでいます。
(3) ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業)
当セグメントは、太陽光発電用パワーコンディショナー、蓄電システム、自動改札機や券売機などの駅務システム、交通管制システム、決済システム、UPSなどのネットワーク保護といった、多岐にわたる端末・システムに対するお客様のニーズに応える商品開発に取り組んでいます。
エネルギーソリューション事業では、再生可能エネルギーへの一層の関心の高まりに応えるため、蓄電システムおよび太陽光発電用パワーコンディショナーを中心に高効率化や小型軽量化などの技術開発並びに発電した電力の自家消費ニーズに応える商品創出などに継続して取り組んでいます。
駅務システム事業、交通管制システム事業においては駅や道路など、公共の場における利用者の安心・安全・快適に貢献する商品として、AI技術・IoT技術を組み込んだ人や車の動きを検知するセンサー・システムの開発に取り組んでいます。
また、近年、社会課題となっている労働人口減少に対し、社会インフラにおける労働生産性を向上させる技術が求められる中、データサイエンス分野の技術力強化を進めています。
(4) デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)
当セグメントは、エレクトロメカニカルコンポ商品(リレー、スイッチ、コネクタ)および顔認証等の組込画像ソフト技術、光技術、MEMS技術などを用いたセンシングコンポ商品、更にはモジュール化技術による高機能化を強みにお客様のニーズに応える新製品開発に取り組んでいます。
リレー技術において、従来の発熱対策であったヒートシンクなど放熱機構の簡素化による小型化軽量化や基盤の温度上昇を抑制し、機器の長寿命化に寄与すべく、業界トップクラスの超低接触抵抗値を実現し、従来の一般的な高容量リレーに比べ通電時の温度上昇を低くしました。また同程度の電流容量のコンタクタと比べ本体を低背化した高容量リレーを発売しました。
太陽光など再生可能エネルギーによる発電設備ではエネルギー変換の高効率化と共に更なる高容量化大電流化が進むことで機器の発熱によるエネルギーロス対策が社会的課題であり、機器が発熱する要因のひとつである機器内部の基板に搭載されているリレーの低接触抵抗による低発熱化の研究を進めており、太陽光発電システムのパワーコンディショナーや電源設備、関連機器の発熱課題を解決し、再生可能エネルギーの普及を促進し、脱炭素社会の実現に貢献します。
第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当社グループでは、将来の成長に向けた生産設備の増強および拠点投資、ならびにITインフラの刷新など必要な設備投資を厳選のうえ、積極的に行いました。その結果、当期の設備投資額は342億10百万円(前期比42.8%増)となりました。
部門別の設備投資金額はつぎのとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比増減(%) |
|---|---|---|
| インダストリアルオートメーションビジネス | 7,047 | 70.8 |
| ヘルスケアビジネス | 4,355 | 0.2 |
| ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス | 2,791 | △3.0 |
| デバイス&モジュールソリューションズビジネス | 6,079 | 49.9 |
| 消去調整他 | 13,938 | 62.9 |
| 合計 | 34,210 | 42.8 |
(注)「消去調整他」には、本社機能部門および上記各部門に属さない子会社などが含まれます。
2【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は次のとおりです。なお、帳簿価額は、提出会社又は子会社の財務諸表におけるものを記載しています。
(1) 提出会社
2022年3月31日現在
| 事業所名 (主な所在地) | セグメントの名称 | 設備の内容 | 帳簿価額(百万円) | 従業 員数 (人) | |||||
| 土地 (面積千㎡) | 建物及び構築物 | 機械装置及び運搬具 | ファイナンス・リース | その他 | 計 | ||||
| 草津事業所 (滋賀県草津市) | インダストリアルオートメーションビジネス デバイス&モジュールソリューションズビジネス | 制御機器の生産および研究開発設備 電子機器部品の研究開発設備 | 2,817 (69) | 3,730 | 1,690 | 105 | 827 | 9,169 | 912 |
| 綾部事業所 (京都府綾部市) | インダストリアルオートメーションビジネス | 制御機器の生産および研究開発設備 | 1,417 (163) | 1,578 | 350 | 328 | 350 | 4,023 | 272 |
| 野洲事業所 (滋賀県野洲市) | デバイス&モジュールソリューションズビジネス | 電子機器部品の生産および研究開発設備 | 807 (24) | 7,983 | 257 | 167 | 289 | 9,503 | 72 |
| 京都事業所(本社) (京都市下京区) | 本社他 | 全社管理業務用設備 | - | 1,125 | 51 | 67 | 801 | 2,044 | 1,135 |
| 京阪奈イノベー ションセンタ (京都府木津川市) | 本社他 | 新技術・新製品の開発、特許・技術情報関連施設 | 3,789 (72) | 3,237 | 376 | 1 | 177 | 7,580 | 274 |
| 桂川事業所 (京都府向日市) | 本社他 | 全社管理業務用設備 | - | 3,387 | - | 32 | 140 | 3,559 | 99 |
(注)1 帳簿価額のうちその他は、金型および建設仮勘定の合計です。
2 帳簿価額のうち土地は「土地の再評価に関する法律」(平成10年3月31日公布法律第34号)および「土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律」(平成13年6月29日公布法律第94号)の適用による再評価後の金額です。
3 帳簿価額のうち土地の面積については、自社所有分を( )で記載しています。
4 セグメントの名称は、主要なオペレーティング・セグメントを記載しています。
5 従業員数は就業人員数です。
6 連結会社以外からの主要な賃借設備の内容は下記のとおりです。
| 事業所名 (所在地) | セグメントの名称 | 設備の内容 | 賃借期間 | 年間賃借料 (百万円) |
|---|---|---|---|---|
| 京都事業所(本社) (京都市下京区) | 本社他 | 建物 | 2023年3月まで | 1,080 |
| 東京事業所 (東京都港区) | 本社他 | 建物 | 2030年12月まで | 1,209 |
(2) 国内子会社
2022年3月31日現在
| 会社名 | 事業所名 (主な所在地) | セグメントの名称 | 設備の内容 | 帳簿価額(百万円) | 従業 員数 (人) | ||||
| 土地 (面積千㎡) | 建物及び構築物 | 機械装置及び運搬具 | その他 | 合計 | |||||
| オムロンリレーアンドデバイス㈱ | (熊本県山鹿市) | デバイス&モジュールソリューションズビジネス | 電子機器部品の生産設備 | 1,046 (222) | 1,426 | 609 | 604 | 3,685 | 452 |
| オムロンヘルスケア㈱ | (京都府向日市) | ヘルスケアビジネス | 健康機器の研究・開発および販売・管理業務用施設ならびに生産設備 | 2,194 (34) | 4,331 | 800 | 319 | 7,644 | 670 |
| オムロン阿蘇㈱ | (熊本県阿蘇市) | ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス | 創エネ・省エネ機器の製造・販売・開発 | 218 (60) | 477 | 486 | 284 | 1,465 | 236 |
(注)1 帳簿価額のうちその他は、金型および建設仮勘定の合計です。
2 帳簿価額のうち土地の面積については、自社所有分を( )で記載しています。
3 セグメントの名称は、主要なオペレーティング・セグメントを記載しています。
4 従業員数は就業人員数です。
(3) 在外子会社
2022年3月31日現在
| 会社名 | 事業所名 (主な所在地) | セグメントの名称 | 設備の内容 | 帳簿価額(百万円) | 従業 員数 (人) | ||||
| 土地 (面積千㎡) | 建物及び構築物 | 機械装置及び運搬具 | その他 | 合計 | |||||
| OMRON (SHANGHAI) CO., LTD. | (中国 上海) | インダストリアルオートメーションビジネス | 制御機器の生産設備 | - [54] | 2,268 | 2,680 | 1,174 | 6,122 | 1,363 |
| OMRON ELECTRONICCOMPONENTS(SHENZHEN) LTD. | (中国 深圳) | デバイス&モジュールソリューションズビジネス | 電子機器部品の生産設備 | - [124] | 1,427 | 14,044 | 1,157 | 16,628 | 3,439 |
| OMRON DALIAN CO., LTD. | (中国 大連) | ヘルスケアビジネス | 健康機器の生産設備 | - [57] | 2,276 | 823 | 1,150 | 4,249 | 1,583 |
(注)1 帳簿価額のうちその他は、金型および建設仮勘定の合計です。
2 帳簿価額のうち土地の面積については、賃借分を[ ]で記載しています。
3 セグメントの名称は、主要なオペレーティング・セグメントを記載しています。
4 従業員数は就業人員数です。
3【設備の新設、除却等の計画】
当連結会計年度末現在における重要な設備の計画は次のとおりです。
(1) 新設
当社グループの設備投資については、将来の競争力強化等を目的に、経済状況・需要動向・投資効率等を総合的
に勘案し計画しています。当連結会計年度後1年間の設備投資予定額は52,500百万円であり、その所要資金については自己資金を充当する予定です。
(2) 重要な設備の除却等
該当事項はありません。
第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
| 種類 | 発行可能株式総数(株) |
|---|---|
| 普通株式 | 487,000,000 |
| 計 | 487,000,000 |
② 【発行済株式】
| 種類 | 事業年度末現在 発行数(株) (2022年3月31日) | 提出日現在 発行数(株) (2022年6月24日) | 上場金融商品取引所名 又は登録認可金融 商品取引業協会名 | 内容 |
|---|---|---|---|---|
| 普通株式 | 206,244,872 | 206,244,872 | 東京証券取引所 市場第一部(事業年度末現在) プライム市場(提出日現在) フランクフルト証券取引所 (フランクフルト証券取引所には、預託証券の形式による上場) | 完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式。 単元株式数 100株 |
| 計 | 206,244,872 | 206,244,872 | - | - |
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
| 年月日 | 発行済株式 総数増減数 (千株) | 発行済株式 総数残高 (千株) | 資本金増減額 (百万円) | 資本金残高 (百万円) | 資本準備金 増減額 (百万円) | 資本準備金 残高 (百万円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2019年11月29日 (注) | △7,713 | 206,245 | - | 64,100 | - | 88,771 |
(注)自己株式の消却による減少です。
(5) 【所有者別状況】
| 2022年3月31日現在 | |||||||||
| 区分 | 株式の状況(1単元の株式数 100株) | 単元未満 株式の状況 (株) | |||||||
| 政府及び地方公共団体 | 金融機関 | 金融商品 取引業者 | その他の 法人 | 外国法人等 | 個人その他 | 計 | |||
| 個人以外 | 個人 | ||||||||
| 株主数 (人) | - | 88 | 53 | 311 | 841 | 21 | 23,140 | 24,454 | - |
| 所有株式数 (単元) | - | 914,290 | 48,368 | 96,169 | 741,662 | 58 | 259,889 | 2,060,436 | 201,272 |
| 所有株式数の割合(%) | - | 44.37 | 2.35 | 4.67 | 36.00 | 0.00 | 12.61 | 100.00 | - |
(注)1 2022年3月31日現在における株主名簿中の自己株式残高6,447,213株のうち、64,472単元は「個人その他」の欄に、13株は「単元未満株式の状況」に含めています。
2 上記、「その他の法人」欄には、証券保管振替機構名義の株式が2単元含まれています。
(6) 【大株主の状況】
| 2022年3月31日現在 | |||
| 氏名又は名称 | 住所 | 所有株式数 (千株) | 発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
| 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 東京都港区浜松町2丁目11番3号 | 45,062 | 22.55 |
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 東京都中央区晴海1丁目8-12 | 14,429 | 7.22 |
| 株式会社京都銀行 (常任代理人 株式会社日本カストディ銀行) | 京都府京都市下京区烏丸通松原上る薬師前町700 (東京都中央区晴海1丁目8-12) | 7,069 | 3.53 |
| 株式会社三菱UFJ銀行 | 東京都千代田区丸の内2丁目7番1号 | 5,143 | 2.57 |
| SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT (常任代理人 香港上海銀行東京支店) | ONE LINCOLN STREET, BOSTON MA USA 02111 (東京都中央区日本橋3丁目11-1) | 4,678 | 2.34 |
| MOXLEY AND CO LLC (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) | 4 NEW YORK PLAZA, 13TH FLOOR, NEW YORK, NY 10004 U.S.A. (東京都千代田区丸の内2丁目7-1 決済事業部) | 4,031 | 2.01 |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | P. O. BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02101 U. S. A (東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟) | 4,029 | 2.01 |
| 日本生命保険相互会社 (常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社) | 東京都千代田区丸の内1丁目6番6号 日本生命証券管理部内 (東京都港区浜松町2丁目11番3号) | 3,640 | 1.82 |
| STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | 1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171, U. S. A (東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟) | 3,186 | 1.59 |
| 株式会社日本カストディ銀行(証券投資信託口) | 東京都中央区晴海1丁目8-12 | 2,932 | 1.46 |
| 計 | - | 94,199 | 47.10 |
(注)1 当社は、自己株式6,447千株(発行済株式総数に対する割合3.12%)を保有していますが、上記大株主から除外しています。
2 2019年4月1日付で、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループから提出され、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2019年3月25日現在の同社グループ4社が保有する当社株式は18,749千株(発行済株式総数に対する割合8.76%)である旨が記載されています。ただし、当社として同社の実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主に含めていません。
3 2020年5月21日付で、三井住友信託銀行株式会社から提出され、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2020年5月15日現在の同社グループ2社が保有する当社株式は14,731千株(発行済株式総数に対する割合7.14%)である旨が記載されています。ただし、当社として同社の実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主に含めていません。
4 2020年7月20日付で、野村證券株式会社から提出され、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2020年7月15日現在の同社グループ1社が保有する当社株式は16,272千株(発行済株式総数に対する割合7.89%)である旨が記載されています。ただし、当社として同社の実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主に含めていません。
5 2022年3月22日付で、ブラックロック・ジャパン株式会社から提出され、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2022年3月15日現在の同社グループ12社が保有する当社株式は16,217千株(発行済株式総数に対する割合7.86%)である旨が記載されています。ただし、当社として同社の実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主に含めていません。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
| 2022年3月31日現在 | ||||
| 区分 | 株式数(株) | 議決権の数(個) | 内容 | |
| 無議決権株式 | - | - | - | |
| 議決権制限株式(自己株式等) | - | - | - | |
| 議決権制限株式(その他) | - | - | - | |
| 完全議決権株式(自己株式等) | 普通株式 | 6,447,200 | - | 権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式 |
| 完全議決権株式(その他) | 普通株式 | 199,596,400 | 1,995,964 | 同上 |
| 単元未満株式 | 普通株式 | 201,272 | - | 同上 |
| 発行済株式総数 | 206,244,872 | - | - | |
| 総株主の議決権 | - | 1,995,964 | - | |
(注)1「完全議決権株式(その他)」の「株式数」および「議決権の数」の中には、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ200株および2個含まれています。
2「完全議決権株式(その他)」の「株式数」および「議決権の数」の中には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託として保有する当社株式がそれぞれ606,400株および6,064個含まれています。
② 【自己株式等】
| 2022年3月31日現在 | |||||
| 所有者の氏名又は名称 | 所有者の住所 | 自己名義 所有株式数(株) | 他人名義 所有株式数(株) | 所有株式数の合計 (株) | 発行済株式総数に対する所有 株式数の割合(%) |
| (自己保有株式) オムロン株式会社 | 京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地 | 6,447,200 | - | 6,447,200 | 3.12 |
| 計 | - | 6,447,200 | - | 6,447,200 | 3.12 |
(8)【役員・従業員株式所有制度の内容】
① 取締役等に対する業績連動型株式付与制度
当社は、2021年5月14日開催の当社取締役会において、2017年度より導入している社外取締役を除く当社取締役および当社執行役員ならびに当社執行役員の地位を有する当社子会社取締役(以下あわせて「取締役等」という。)を対象とした業績連動型株式付与制度(以下「本制度」という。)の継続および一部改定を決議し、本制度の一部改定に関する議案を2021年6月開催の第84期定時株主総会において決議しました。
中期経営計画の実現に向けて、取締役等の報酬等と当社の株式価値との連動性をより明確にし、中期経営計画における業績目標達成の意欲を高めることおよび、取締役等による自社株保有の促進を通じて持続的な企業価値(株式価値)向上への貢献意欲を高めることを目的に、取締役等へのインセンティブプランとして、本制度を継続するものです。
当社取締役および当社執行役員の地位を有する当社子会社取締役(以下あわせて「対象取締役」という。)を対象とした本制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」という。)の仕組みを採用しています。また、当社執行役員(BIP信託の対象となる者を除く。以下「対象執行役員」という。)を対象とした本制度は、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下「ESOP信託」という。)の仕組みを採用しています。
1. BIP信託
1)制度の概要
BIP信託とは、欧米の業績連動型株式報酬(Performance Share)制度および譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)制度と同様に、役位および業績目標達成度等に応じて取締役に当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)を交付および給付(以下「交付等」という。)する、役員向けの株式報酬制度です。当社は、当社の掲げる中期経営計画の対象となる事業年度を対象として、受益者要件を充足する対象取締役を受益者とするBIP信託を設定しています。なお、以下の各制度対象者に応じて、2つのBIP信託(以下BIP信託ⅠおよびBIP信託Ⅱをあわせて「本信託」という。)を設定しています。
BIP信託Ⅰ:当社取締役
BIP信託Ⅱ:当社執行役員の地位を有する当社子会社取締役
本信託は、対象取締役の役位および中期経営計画の業績目標の達成度等に応じて、役員報酬として当社株式等について交付等を行う株式報酬制度です。なお、本信託は、当社株式等の交付等を中期経営計画終了後に行う「業績連動部分」と、対象取締役の退任後に行う「非業績連動部分」から構成されています。「業績連動部分」は当社中期経営計画の達成に向けた対象取締役の動機付けおよび中長期の業績と取締役報酬の連動強化を、「非業績連動部分」は対象取締役の株式保有を通じた株主との利害共有の強化を目的とし、「業績連動部分」と「非業績連動部分」の構成割合は、それぞれ60%と40%としています。
2)信託契約の内容
| ・信託の種類 | 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託) | |
|---|---|---|
| ・信託の目的 | 対象取締役に対するインセンティブの付与 | |
| ・委託者 | 当社 | |
| ・受託者 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 (共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社) | |
| ・受益者 | 対象取締役のうち受益者要件を満たす者 | |
| ・信託管理人 | 当社と利害関係のない第三者(公認会計士) | |
| ・信託契約日 | 2017年8月1日 | |
| ・信託の期間 | 2017年8月1日~2025年8月31日 | |
| ・制度開始日 | 2017年8月1日 | |
| ・議決権行使 | 行使しないものとする。 | |
| ・取得株式の種類 | 当社普通株式 | |
| ・信託金の金額 | BIP信託Ⅰ:9.2億円(信託報酬・信託費用を含む。) BIP信託Ⅱ:0.3億円(信託報酬・信託費用を含む。) | |
| ・株式の取得時期 | 2021年8月 | |
| ・株式の取得方法 | 株式市場から取得 | |
| ・帰属権利者 | 当社 | |
| ・残余財産 | 帰属権利者である当社が受領できる残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金等の範囲内とします。 |
3)対象取締役に取得させることができる株式上限総数
BIP信託Ⅰ:600,000株
BIP信託Ⅱ:200,000株
4)受益者の範囲
BIP信託Ⅰ:受益者要件を満たす当社取締役
BIP信託Ⅱ:受益者要件を満たす当社執行役員の地位を有する当社子会社取締役
2. ESOP信託
1)制度の概要
ESOP信託とは、米国のESOP制度を参考にした信託型インセンティブプランです。当社の掲げる中期経営計画の対象となる事業年度を対象として、受益者要件を充足する対象執行役員を受益者とするESOP信託を設定しています。ESOP信託は予め定める株式交付規程に基づき対象執行役員に交付すると見込まれる数の当社株式を株式市場から取得します。その後、ESOP信託は、株式交付規程に従い、対象執行役員の役位および中期経営計画の業績目標の達成度等に応じた当社株式等の交付等を行います。なお、ESOP信託は、BIP信託Ⅰ・Ⅱと同様に、当社株式等の交付等を中期経営計画終了後に行う「業績連動部分」と、対象執行役員の退任後に行う「非業績連動部分」から構成されています。「業績連動部分」は当社中期経営計画の達成に向けた対象執行役員の動機付けおよび中長期の業績と経済的利益の連動強化を、「非業績連動部分」は対象執行役員の株式保有を通じた株主との利害共有の強化を目的とし、「業績連動部分」と「非業績連動部分」の構成割合は、それぞれ60%と40%としています。
2)信託契約の内容
| ・信託の種類 | 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託) | |
|---|---|---|
| ・信託の目的 | 対象執行役員に対するインセンティブの付与 | |
| ・委託者 | 当社 | |
| ・受託者 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 (共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社) | |
| ・受益者 | 対象執行役員のうち受益者要件を満たす者 | |
| ・信託管理人 | 当社と利害関係のない第三者(公認会計士) | |
| ・信託契約日 | 2017年8月1日 | |
| ・信託の期間 | 2017年8月1日~2025年8月31日 | |
| ・制度開始日 | 2017年8月1日 | |
| ・議決権行使 | 行使しないものとする。 | |
| ・取得株式の種類 | 当社普通株式 | |
| ・信託金の金額 | 3.6億円(信託報酬・信託費用を含む。) | |
| ・株式の取得時期 | 2021年8月 | |
| ・株式の取得方法 | 株式市場から取得 | |
| ・帰属権利者 | 当社 | |
| ・残余財産 | 帰属権利者である当社が受領できる残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金等の範囲内とする。 |
3)受益者の範囲
受益者要件を満たす対象執行役員
② 従業員に対する株式付与制度
1.従業員持株会を通じた株式付与
当社は、2022年3月1日開催の当社取締役会において、当社および当社国内子会社(以下「当社子会社」といいます。)の従業員に対して、従業員持株会を通じた株式の付与(以下「本スキーム」といいます。)を決議しました。
本制度は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」の開始にあたり当社および当社子会社の従業員の企業価値への感度および企業価値向上への意識を高めることおよび、オムロン従業員持株会(以下、「本持株会」といいます。)へのさらなる入会を奨励することを企図して、当社の発行する普通株式(以下、「当社株式」といいます。)を、本持株会の会員(以下、「会員」といいます。)に対し、特別奨励金として付与するものです。
本スキームは、会員に特別奨励金を付与し、当該特別奨励金の拠出をもって本持株会に自己株式を処分するもので第三者割当の方法によるものです。
1)処分の概要
| ・処分期日 | 2022年5月17日 | |
|---|---|---|
| ・処分する株式の 種類及び数 | 当社普通株式 99,430株 | |
| ・処分価額 | 1株につき7,760円 | |
| ・処分総額 | 771,576,800円 | |
| ・処分方法 (割当予定先) | 第三者割当の方法による (オムロン従業員持株会 99,430株) (本スキームの対象となる人数である当社および当社子会社の従業員9,943名に対し、一律10株付与します。) |
2)受益者の範囲
2022年4月1日に在籍している当社および当社子会社の従業員のうち、本スキームに同意している2022年5月17日時点の本持株会会員
2.従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブプラン
当社は、2022年3月1日開催の当社取締役会において、当社および当社国内子会社(以下「当社子会社」といいます。)のマネージャー層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブプラン(以下「本制度」といいます。)の導入を決議しました。
本制度は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践していきます。その取組みの一つとして、本持株会に加入する当社および当社子会社のマネージャー層の従業員のうち本制度に同意する者(以下「対象従業員」といいます。)に対し、本持株会を通じた当社が発行又は処分する譲渡制限付株式(当社普通株式)の取得機会を創出することによって、対象従業員の財産形成の一助とすることに加え、当社の企業価値の持続的な向上を図る主体性と貢献意欲を高めることを目的とするものです。
本制度においては、対象従業員に対し、譲渡制限付株式付与のための特別奨励金として、金銭債権(以下「本特別奨励金」といいます。)が支給され、対象従業員は本特別奨励金を本持株会に対して拠出することとなります。そして、本持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けることとなります。
1)処分の概要
| ・処分期日 | 2022年5月31日 | |
|---|---|---|
| ・処分する株式の 種類及び数 | 当社普通株式 104,781株 | |
| ・処分価額 | 1株につき7,760円 | |
| ・処分総額 | 813,100,560円 | |
| ・処分方法 (割当予定先) | 第三者割当の方法による (オムロン従業員持株会 104,781株) |
2)受益者の範囲
2022年4月1日に在籍している当社および当社子会社のマネージャー層の従業員のうち、本制度に同意している2022年5月31日時点の本持株会会員
3.従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プラン
当社は、2022年3月1日開催の当社取締役会において、当社および当社国内子会社(以下「当社子会社」といいます。)の一般職層を対象として、従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プラン(以下「本制度」といいます。)の導入を決議しました。
本制度は、2022年3月1日に公表しました長期ビジョン「SF2030」を踏まえ、「企業価値(財務価値 & 非財務価値)の最大化」の実現に向けて経営層と社員が株主と一体となって企業価値の向上を目指し、その成果をともに分かち合う経営を実践していきます。その取組みの一つとして本持株会に加入する当社および当社子会社の一般職層の従業員のうち本制度に同意する者(以下「対象従業員」といいます。)に対し、本持株会を通じた当社が発行又は処分する譲渡制限付株式(当社普通株式)の取得機会を創出することによって、対象従業員の財産形成の一助とすることに加え、当社の企業価値への関心を高めるとともに、本持株会のさらなる活性化を図ることを目的とするものです。
本制度においては、対象従業員に対し、譲渡制限付株式付与のための特別奨励金として、金銭債権(以下「本特別奨励金」といいます。)が支給され、対象従業員は本特別奨励金を本持株会に対して拠出することとなります。そして、本持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けることとなります。
1)処分の概要
| ・処分期日 | 2022年5月31日 | |
|---|---|---|
| ・処分する株式の 種類及び数 | 当社普通株式 299,819株 | |
| ・処分価額 | 1株につき7,760円 | |
| ・処分総額 | 2,326,595,440円 | |
| ・処分方法 (割当予定先) | 第三者割当の方法による (オムロン従業員持株会 299,819株) |
2)受益者の範囲
2022年4月1日に在籍している当社および当社子会社の一般職層の従業員のうち、本制度に同意している2022年5月31日時点の本持株会会員
2【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】会社法第155条第3号による普通株式の取得および会社法第155条第7号による普通株式の取得
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
会社法第155条第3号による取得
| 区分 | 株式数(株) | 価額の総額(円) |
|---|---|---|
| 取締役会(2021年10月28日)での決議状況 (取得期間 2021年10月29日~2022年4月28日) | 3,300,000 | 30,000,000,000 |
| 当事業年度前における取得自己株式 | - | - |
| 当事業年度における取得自己株式 | 2,630,300 | 29,998,505,500 |
| 残存決議株式の総数および価額の総額 | - | - |
| 当事業年度の末日現在の未行使割合(%) | 20.3 | 0.0 |
| 当期間における取得自己株式 | - | - |
| 提出日現在の未行使割合(%) | 20.3 | 0.0 |
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
| 区分 | 株式数(株) | 価額の総額(円) |
|---|---|---|
| 当事業年度における取得自己株式 | 3,224 | 32,567,466 |
| 当期間における取得自己株式 | 218 | 1,633,891 |
(注)当期間における取得自己株式には、2022年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含まれていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
| 区分 | 当事業年度 | 当期間 | ||
| 株式数(株) | 処分価額の総額 (円) | 株式数(株) | 処分価額の総額 (円) | |
| 引き受ける者の募集を行った取得自己株式 | - | - | 504,030 | 3,911,272,800 |
| 消却の処分を行った取得自己株式 | - | - | - | - |
| 合併、株式交換、株式交付、会社分割に係る移転を行った取得自己株式 | - | - | - | - |
| その他(単元未満株式の売渡請求による売渡) | 37 | 342,990 | 13 | 92,105 |
| 保有自己株式数 | 6,447,213 | - | 5,943,388 | - |
(注)1 当期間における処理自己株式数および保有自己株式数には、2022年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りおよび売渡しによる株式数は含まれていません。
2 処理自己株式数および保有自己株式数には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式は含まれていません。
3【配当政策】
当社は、定款の定めに基づき取締役会決議によって行う中間配当を除き、剰余金の配当等の決定については株主総会に諮ります。
当社は、株主の皆さまへの還元を含む利益配分に関しては、次の基本方針を適用しています。
キャッシュアロケーションポリシー
(1) 長期ビジョン「SF2030」の実現による企業価値の最大化を目指し、中長期視点で新たな価値を創造するための投資を優先します。2022~2024年度の中期経営計画(呼称SF 1st Stage)においては、社会的課題の解決やソーシャルニーズ創造のための人財や研究開発などへの投資、増産やDXなどの設備投資、M&A&A(買収・合併・提携)などの成長投資に加えて、脱炭素・環境負荷低減やバリューチェーンにおける人権尊重などのサステナビリティへの取組みに対する投資を優先します。その上で、安定的・継続的な株主還元を実行していきます。
(2) これら価値創造のための投資や株主還元の原資は内部留保や持続的に創出する営業キャッシュ・フローを基本とし、必要に応じて適切な資金調達手段を講じて充当します。なお、金融情勢によらず資金調達を可能とするため、引き続き財務健全性の維持に努めます。
株主還元方針
(1) 中長期視点での価値創造に必要な投資を優先した上で、毎年の配当金については、「株主資本配当率(DOE)3%程度」を基準とします。そのうえで、過去の配当実績も勘案して、安定的、継続的な株主還元に努めます。
(2) 上記の投資と利益配分を実施したうえで、さらに長期にわたり留保された余剰資金については、機動的に自己株式の買入れなどを行い、株主の皆さまに還元していきます。
当期の期末配当金については、業績状況を鑑み、DOE基準(※)ならびに過去の配当額の水準も考慮したうえで安定的・継続的な配当とするため、46円としました。2021年12月2日に実施済みの中間配当金46円を加えると、年間配当金は92円となります。
次期の年間配当金については、上記の方針に沿ってDOE基準を適用し、98円とする予定です。なお、次期の中間(第2四半期末)および期末の配当金は未定です。
※次期より算定対象期間の期首および対象期間内の各四半期末における株主資本の平均値を基準として算定します。
<株主還元の推移>
(注)1 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本としています。
2 剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。
3 当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めています。
4 当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
| 決議年月日 | 配当金の総額 (百万円) | 1株当たり配当額 (円) |
| 2021年10月28日 | 9,312 | 46.00 |
| 取締役会決議 | ||
| 2022年6月23日 | 9,191 | 46.00 |
| 定時株主総会決議 |
4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
※コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスとは、「企業理念」および「経営のスタンス」に基づき、すべてのステークホルダーの支持を得て、持続的な企業価値の向上を実現するために、経営の透明性・公正性を高め、迅速な意思決定を行うとともに、監督から執行の現場までを有機的に連携させ、経営のスピードを速め、企業の競争力の強化を図るための仕組みであり、その仕組みを構築し機能させることです。
当社グループは、この基本的な考え方に基づき、オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシーを制定し、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実に取り組みます。
オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシーは、以下URLを参照
URL:https://www.omron.com/jp/ja/about/corporate/governance/policy/
<企業理念>
当社グループの「企業理念」および「経営のスタンス」は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
①コーポレート・ガバナンスの体制
1.コーポレート・ガバナンスの体制の概要
当社は、会社法上の機関設計として、監査役会設置会社を選択しています。また、取締役会の監督機能を強化するため、社長指名諮問委員会、人事諮問委員会、報酬諮問委員会、コーポレート・ガバナンス委員会を設置し、監査役会設置会社に指名委員会等設置会社の優れた面も取り入れたハイブリッド型の機関設計を構築するとともに機能させています。
取締役会は、取締役8名で構成しており、取締役・監査役・執行役員の選任、取締役・執行役員の報酬の決定、および重要な業務執行の決定等を通じて、経営全般に対する監督機能を発揮して経営の公正性・透明性を確保しています。また、監督機能を強化するため、監督と執行を分離し、取締役の過半数を業務執行を行わない取締役によって構成すると共に、独立社外取締役の割合を3分の1以上としています。取締役会議長は代表権を持たない取締役会長が務め、執行を行わずにステークホルダーの代表として監督を行っています。なお、独立社外取締役の専従スタッフは配置していませんが、「取締役室」「グローバル戦略本部」のスタッフが適宜対応しています。
監査役会は、監査役4名で構成しており、各監査役による監査の実効性を確保するための体制整備に努めています。監査役は、取締役の職務執行および取締役会の監督義務の履行状況について、適法性監査および妥当性監査を行っています。なお、独立社外監査役の専従スタッフは配置していませんが、「監査役室」のスタッフが適宜対応しています。
社長指名諮問委員会、人事諮問委員会、報酬諮問委員会の委員長はいずれも独立社外取締役とし、委員の過半数を独立社外取締役としています。コーポレート・ガバナンス委員会の委員長および委員は、独立社外取締役および独立社外監査役としています。いずれの委員会にも社長CEOは属していません。
社長指名諮問委員会は、社長の選定に特化して次年度の社長CEO候補者、緊急事態が生じた場合の継承プランおよび後継者計画(サクセッションプラン)を審議しています。人事諮問委員会は、取締役・監査役・執行役員の人事に関する選任基準・方針を策定し、候補者を審議しています。報酬諮問委員会は、取締役・執行役員の報酬に関する方針を策定し、報酬水準および報酬額を審議しています。コーポレート・ガバナンス委員会は、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実と、経営の透明性・公正性を高めるための施策について議論しています。
2.現状のコーポレート・ガバナンスの体制を採用する理由
前述の通り、当社は、監査役会設置会社を選択しています。
取締役会は、取締役・監査役・執行役員の選任、取締役・執行役員の報酬の決定、および重要な業務執行の決定等を通じて、経営全般に対する監督機能を発揮し、持続的な企業価値の向上に努めています。
監査役会および監査役は、取締役の職務執行および取締役会の監督義務の履行状況について、適法性監査および妥当性監査を行い、持続的な企業価値の向上に向けて企業の健全性を確保し株主共同の利益のために行動しています。また、監査役の独任制に基づき、各監査役が単独で権限を行使することが可能であり、内部統制を強化させる重要な役割を果たしていると考えています。
さらに、取締役会の監督機能を強化するため、取締役会の傘下に社長指名諮問委員会、人事諮問委員会、報酬諮問委員会を設置し、いずれの委員会も委員長は独立社外取締役とし、委員の過半数を独立社外取締役としています。特に、社長指名諮問委員会は監督機能上の最重要事項である社長の選任等に特化しています。加えてコーポレート・ガバナンスの向上を目的に、コーポレート・ガバナンス委員会を設置し、委員長および委員は独立社外取締役および独立社外監査役としています。これらの当社独自の工夫により、経営陣の意思決定に対する透明性と客観性を高める仕組みを構築し機能させています。
このように、監査役会設置会社として、指名委員会等設置会社のコーポレート・ガバナンス体制の優れた面を取りいれたハイブリッド型のコーポレート・ガバナンス体制は、当社にとって最適な体制であると考えています。
<オムロンのコーポレート・ガバナンス体制>
<諮問委員会等の構成>
(※)諮問委員会等の構成は2022年6月24日時点
<取締役・監査役の主たる経験分野・専門性>
3.取締役会の構成に関する考え方
当社は、取締役会の監督機能を強化するために、監督と執行を分離し、取締役の過半数を業務執行を行わない取締役によって構成しています。また、取締役会における社外取締役の割合を3分の1以上としています。社外取締役および社外監査役については、独立性の確保の観点から、当社の「社外役員の独立性要件」を基準に選任します。そのうえで、取締役会の構成員である取締役および監査役について、経営ビジョンを実現するために必要な経験・専門知識・知見を備える人財で構成し、取締役会における多様性を確保します。
4.内部統制システムの整備の状況
当社は、内部統制システムを整備し、持続的企業価値の向上を妨げるおそれのある内外のさまざまなリスクを常に明らかにして、的確な対応を実施しています。内部監査機能としては、社長の直轄部門であるグローバル監査室が、各本社機能部門および各ビジネスカンパニーの会計、業務、事業リスク、コンプライアンスなどの内部監査を定期的に実行しており、監視と業務改善に向けて、具体的な助言を行っています。
業務執行・経営の監視の仕組みおよび内部統制システムの整備状況の模式図は、<オムロンのコーポレート・ガバナンス体制>に記載のとおりです。
5.コンプライアンス・リスクマネジメントに対する取組みの状況
当社グループでは、企業倫理リスクマネジメント委員会を推進組織とし、コンプライアンスとリスクマネジメントを統合した対応を行っています。この対応は社長直轄部門が担当し、当該活動の推進と徹底により、当社グループの変化対応力の強化を行っています。
ア.コンプライアンス
当社グループの役員・従業員に対し行動指針を周知するとともに、必要な研修等を実施しています。また、企業倫理リスクマネジメント委員会を定期開催するとともに、10月を企業倫理月間と定め、国内外の役員・従業員に対するトップメッセージ配信、コンプライアンス教育、内部通報制度の周知などを行っています。内部通報窓口は国内および海外の主要拠点に設置し、運営しています。また、情報開示に関する正確性、適時性、網羅性を確保するため、情報開示実行委員会を定期開催するとともに、インサイダー取引防止の研修等を行っています。内部監査部門においては、当社グループの部門に対する業務監査をリスクベースで実施しています。
当期においては、グループ共通の経営基盤である「オムロングループルール」について、個人情報保護法や公益通報者保護法の改正等の環境変化を反映した見直しを行いました。また、内部通報制度については、消費者庁の内部通報認証制度(自己適合宣言登録制度)に登録し相談窓口の信頼性向上を図りました。
イ.リスクマネジメント
「オムロングループ統合リスクマネジメントルール」に基づき、毎年グローバル視点で当社グループに関わるリスクを洗い出し、分析を加え、執行会議において当社グループにとって重要なリスクを指定しています。リスク対策の進捗は、四半期ごとの企業倫理リスクマネジメント委員会にて確認し、計画的に取組みを推進しています。また、国内外のグループ会社において、「リスクマネージャ」を選任し、そのグローバルなネットワークを利用して、日常的なリスク情報の共有、対応の協議などを迅速に行い、社内外の環境変化に対応した対策を現場と経営が力を合わせて実施しています。
当期においては、引き続き新型コロナウイルス感染症対策に取り組み、従業員の健康・安全の確保と地域の感染拡大防止を最優先に、製品・サービス提供の継続を行いました。また、ロシアによるウクライナへの侵攻に起因する事業影響への対応を行うとともに、変化の激しい地政学リスクについて、各国動向をモニタリングする体制の強化に努めました。
6.責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役および社外監査役がその期待される役割を十分に発揮できるように、定款に社外取締役および社外監査役との責任限定契約に関する定めを設けています。当該定款の定めに基づき当社が社外取締役および社外監査役の全員と締結した責任限定契約の内容の概要は次のとおりです。
ア.社外取締役の責任限定契約
社外取締役は、本契約締結後、会社法第423条第1項の責任について、その職務を行うにつき善意であり、かつ重大な過失がなかったときは、1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度として損害賠償責任を負担するものとします。
イ.社外監査役の責任限定契約
社外監査役は、本契約締結後、会社法第423条第1項の責任について、その職務を行うにつき善意であり、かつ重大な過失がなかったときは、1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度として損害賠償責任を負担するものとします。
7.補償契約の内容の概要
当社は、取締役および監査役がその期待される役割を十分に発揮できるように、立石文雄氏、山田義仁氏、宮田喜一郎氏、日戸興史氏、安藤聡氏、上釜健宏氏、小林いずみ氏、鈴木善久氏、玉置秀司氏、吉川浄氏、内山英世氏および國廣正氏との間で会社法第430条の2第1項第1号の費用と同項第2号の損失を法令の定める範囲内で補償することを内容とする補償契約を締結しています。但し、法令違反の行為であることを認識して行った行為に起因して生じた損害は補償されないなど、一定の免責事由があります。
8.役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社および子会社のすべての取締役、監査役および執行役員を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、その保険料は当社が全額負担しています。当該保険契約の内容は、被保険者が株主や第三者から損害賠償請求がなされた場合において、被保険者が負担することとなる損害賠償金および争訟費用を補填するものであります。なお、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置として、被保険者における故意または犯罪行為等に起因して発生した損害賠償は、保険金支払の対象外としています。
9.取締役の定数等
当社は、定款において取締役の定数を定めています。また、取締役の選任においては、定款において選任決議の定足数を引下げています。定款の内容は次のとおりです。
ア.定数
当会社の取締役は、10名以内とする。
イ.選任の決議方法
・取締役は、株主総会において選任する。
・取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その
議決権の過半数をもって行う。
・取締役の選任決議は、累積投票によらない。
10.自己の株式の取得の決定機関
当社では、経済情勢の変化に対応した機動的な経営を遂行できるように、会社法第165条第2項の定めにより取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨、定款に定めています。
11.中間配当の決定機関
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨、定款に定めています。
12.株主総会の特別決議要件
当社では特別決議を機動的に行えるよう、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款に定めています。
(参考)取締役会の実効性向上の取組み
当社は、持続的な企業価値の向上を実現するために、経営の透明性・公正性を高め、迅速な意思決定を行うとともに、経営のスピードを速め、企業の競争力の強化を図ります。そのために、当社は、取締役会の実効性向上の取組みを通じ、取締役会の監督機能を強化しています。その取組みは、(1)「取締役会の実効性評価」、
(2)「取締役会運営方針および重点テーマの決定、年間計画の策定・実行」というサイクルで行っています。
(1)取締役会の実効性評価
当社の取締役会の実効性評価は、社外取締役を委員長とし、社外取締役および社外監査役(以下、社外役員)のみで構成するコーポレート・ガバナンス委員会が実施しています。社外役員は、株主をはじめとするすべてのステークホルダーの視点を持ちながら、取締役会構成メンバーとして活動しています。社外役員のみで構成するコーポレート・ガバナンス委員会が評価を行うことで、「客観性」と「実効性」の 両面を担保した評価を実現しています。
(2)取締役会運営方針および重点テーマの決定、年間計画の策定・実行
取締役会は、(1)のコーポレート・ガバナンス委員会による評価結果および事業環境等を踏まえた上で、次年度の取締役会運営方針および注力する重点テーマについて決定しています。取締役会は、その運営方針に基づき年間計画を策定し運営しています。当社は、上記の(1)(2)を事業年度単位で実行し、取締役会の実効性を向上し続けています。コーポレート・ガバナンス委員会は、この取組みについて、「客観性」と「実効性」を兼ね備えた当社独自の最適な取組みであると評価しています。なお、取締役会は、当社の取組みを、第三者評価より有効性が高いと認識しています。
取締役会の実効性向上の取組みの詳細は以下URLを参照
(2)【役員の状況】
① 役員一覧
男性11名 女性1名 (役員のうち女性の比率8.3%)
| 役職名 | 氏名 | 生年月日 | 略歴 | 任期 | 所有株式数(千株) (注)7 | ||||||||||||
| 取締役 会長 | 立石 文雄 | 1949年7月6日 | 1975年8月 当社 入社 1997年6月 当社 取締役に就任 1999年6月 当社 取締役退任、執行役員常務に就任 2001年6月 当社 グループ戦略室長に就任 2003年6月 当社 執行役員副社長、インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー社長に就任 2008年6月 2013年6月 当社 取締役副会長に就任 当社 取締役会長に就任(現任) | 1975年8月 | 当社 入社 | 1997年6月 | 当社 取締役に就任 | 1999年6月 | 当社 取締役退任、執行役員常務に就任 | 2001年6月 | 当社 グループ戦略室長に就任 | 2003年6月 | 当社 執行役員副社長、インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー社長に就任 | 2008年6月 2013年6月 | 当社 取締役副会長に就任 当社 取締役会長に就任(現任) | (注)6 | 1,195 |
| 1975年8月 | 当社 入社 | ||||||||||||||||
| 1997年6月 | 当社 取締役に就任 | ||||||||||||||||
| 1999年6月 | 当社 取締役退任、執行役員常務に就任 | ||||||||||||||||
| 2001年6月 | 当社 グループ戦略室長に就任 | ||||||||||||||||
| 2003年6月 | 当社 執行役員副社長、インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー社長に就任 | ||||||||||||||||
| 2008年6月 2013年6月 | 当社 取締役副会長に就任 当社 取締役会長に就任(現任) | ||||||||||||||||
| 代表取締役 社長 CEO | 山田 義仁 | 1961年11月30日 | 1984年4月 当社 入社 2008年6月 当社 執行役員、オムロンヘルスケア株式会社代表取締役社長に就任 2010年3月 2010年6月 当社 グループ戦略室長に就任 当社 執行役員常務に就任 2011年6月 当社 代表取締役社長に就任(現任) | 1984年4月 | 当社 入社 | 2008年6月 | 当社 執行役員、オムロンヘルスケア株式会社代表取締役社長に就任 | 2010年3月 2010年6月 | 当社 グループ戦略室長に就任 当社 執行役員常務に就任 | 2011年6月 | 当社 代表取締役社長に就任(現任) | (注)6 | 55 | ||||
| 1984年4月 | 当社 入社 | ||||||||||||||||
| 2008年6月 | 当社 執行役員、オムロンヘルスケア株式会社代表取締役社長に就任 | ||||||||||||||||
| 2010年3月 2010年6月 | 当社 グループ戦略室長に就任 当社 執行役員常務に就任 | ||||||||||||||||
| 2011年6月 | 当社 代表取締役社長に就任(現任) | ||||||||||||||||
| 代表取締役 執行役員専務 CTO | 宮田 喜一郎 | 1960年7月24日 | 1985年4月 株式会社立石ライフサイエンス研究所(現オムロンヘルスケア株式会社)入社 2010年3月 オムロンヘルスケア株式会社代表取締役社長に就任(2015年3月退任) 2010年6月 当社 執行役員に就任 2012年6月 当社 執行役員常務に就任 2015年4月 当社 CTO に就任(現任) 当社 技術・知財本部長に就任 2017年4月2017年6月2018年3月 当社 執行役員専務に就任(現任) 当社 代表取締役に就任(現任) 当社 イノベーション推進本部長に就任 | 1985年4月 | 株式会社立石ライフサイエンス研究所(現オムロンヘルスケア株式会社)入社 | 2010年3月 | オムロンヘルスケア株式会社代表取締役社長に就任(2015年3月退任) | 2010年6月 | 当社 執行役員に就任 | 2012年6月 | 当社 執行役員常務に就任 | 2015年4月 | 当社 CTO に就任(現任) 当社 技術・知財本部長に就任 | 2017年4月2017年6月2018年3月 | 当社 執行役員専務に就任(現任) 当社 代表取締役に就任(現任) 当社 イノベーション推進本部長に就任 | (注)6 | 23 |
| 1985年4月 | 株式会社立石ライフサイエンス研究所(現オムロンヘルスケア株式会社)入社 | ||||||||||||||||
| 2010年3月 | オムロンヘルスケア株式会社代表取締役社長に就任(2015年3月退任) | ||||||||||||||||
| 2010年6月 | 当社 執行役員に就任 | ||||||||||||||||
| 2012年6月 | 当社 執行役員常務に就任 | ||||||||||||||||
| 2015年4月 | 当社 CTO に就任(現任) 当社 技術・知財本部長に就任 | ||||||||||||||||
| 2017年4月2017年6月2018年3月 | 当社 執行役員専務に就任(現任) 当社 代表取締役に就任(現任) 当社 イノベーション推進本部長に就任 | ||||||||||||||||
| 取締役 執行役員専務 CFO 兼 グローバル 戦略本部長 | 日戸 興史 | 1961年2月1日 | 1983年4月 当社 入社 2011年3月 当社 グローバルリソースマネジメント本部長に就任 2011年6月 2013年3月 当社 執行役員に就任 当社 グローバルSCM&IT革新本部長に就任 2013年4月 当社 執行役員常務に就任 2014年3月 2014年4月 当社 グローバル戦略本部長に就任(現任) 当社 執行役員専務に就任(現任) 2014年6月2017年4月 当社 取締役に就任(現任) 当社 CFOに就任(現任) | 1983年4月 | 当社 入社 | 2011年3月 | 当社 グローバルリソースマネジメント本部長に就任 | 2011年6月 2013年3月 | 当社 執行役員に就任 当社 グローバルSCM&IT革新本部長に就任 | 2013年4月 | 当社 執行役員常務に就任 | 2014年3月 2014年4月 | 当社 グローバル戦略本部長に就任(現任) 当社 執行役員専務に就任(現任) | 2014年6月2017年4月 | 当社 取締役に就任(現任) 当社 CFOに就任(現任) | (注)6 | 25 |
| 1983年4月 | 当社 入社 | ||||||||||||||||
| 2011年3月 | 当社 グローバルリソースマネジメント本部長に就任 | ||||||||||||||||
| 2011年6月 2013年3月 | 当社 執行役員に就任 当社 グローバルSCM&IT革新本部長に就任 | ||||||||||||||||
| 2013年4月 | 当社 執行役員常務に就任 | ||||||||||||||||
| 2014年3月 2014年4月 | 当社 グローバル戦略本部長に就任(現任) 当社 執行役員専務に就任(現任) | ||||||||||||||||
| 2014年6月2017年4月 | 当社 取締役に就任(現任) 当社 CFOに就任(現任) | ||||||||||||||||
| 取締役 | 安藤 聡 | 1955年1月27日 | 1977年4月 株式会社東京銀行(現株式会社三菱UFJ銀行)入行 2003年7月 同行 ジャカルタ支店長に就任(2007年6月同行退社) 2007年6月 2011年6月 当社 社外監査役に就任 当社 執行役員、経営IR室長に就任 2015年3月 当社 グローバルIR・コーポレートコミュニケーション本部長に就任 2015年4月 2017年6月 当社 執行役員常務に就任 当社 取締役に就任(現任) | 1977年4月 | 株式会社東京銀行(現株式会社三菱UFJ銀行)入行 | 2003年7月 | 同行 ジャカルタ支店長に就任(2007年6月同行退社) | 2007年6月 2011年6月 | 当社 社外監査役に就任 当社 執行役員、経営IR室長に就任 | 2015年3月 | 当社 グローバルIR・コーポレートコミュニケーション本部長に就任 | 2015年4月 2017年6月 | 当社 執行役員常務に就任 当社 取締役に就任(現任) | (注)6 | 24 | ||
| 1977年4月 | 株式会社東京銀行(現株式会社三菱UFJ銀行)入行 | ||||||||||||||||
| 2003年7月 | 同行 ジャカルタ支店長に就任(2007年6月同行退社) | ||||||||||||||||
| 2007年6月 2011年6月 | 当社 社外監査役に就任 当社 執行役員、経営IR室長に就任 | ||||||||||||||||
| 2015年3月 | 当社 グローバルIR・コーポレートコミュニケーション本部長に就任 | ||||||||||||||||
| 2015年4月 2017年6月 | 当社 執行役員常務に就任 当社 取締役に就任(現任) | ||||||||||||||||
| 社外 取締役 | 上釜 健宏 | 1958年1月12日 | 1981年4月 2002年6月 2003年6月 2004年6月 2006年6月 2016年6月 2017年6月 2018年6月 2021年7月 TDK株式会社入社 同社 執行役員に就任 同社 常務執行役員に就任 同社 取締役専務執行役員に就任 同社 代表取締役社長に就任 同社 代表取締役会長に就任 当社 社外取締役に就任(現任) TDK株式会社 ミッションエグゼクティブに就任 コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・ジャパン株式会社 Chief Consultantに就任(現任) | 1981年4月 2002年6月 2003年6月 2004年6月 2006年6月 2016年6月 2017年6月 2018年6月 2021年7月 | TDK株式会社入社 同社 執行役員に就任 同社 常務執行役員に就任 同社 取締役専務執行役員に就任 同社 代表取締役社長に就任 同社 代表取締役会長に就任 当社 社外取締役に就任(現任) TDK株式会社 ミッションエグゼクティブに就任 コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・ジャパン株式会社 Chief Consultantに就任(現任) | (注)6 | - | ||||||||||
| 1981年4月 2002年6月 2003年6月 2004年6月 2006年6月 2016年6月 2017年6月 2018年6月 2021年7月 | TDK株式会社入社 同社 執行役員に就任 同社 常務執行役員に就任 同社 取締役専務執行役員に就任 同社 代表取締役社長に就任 同社 代表取締役会長に就任 当社 社外取締役に就任(現任) TDK株式会社 ミッションエグゼクティブに就任 コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・ジャパン株式会社 Chief Consultantに就任(現任) |
| 役職名 | 氏名 | 生年月日 | 略歴 | 任期 | 所有株式数(千株) (注)7 | ||||||||||||||||||||||
| 社外 取締役 | 小林 いずみ | 1959年1月18日 | 1981年4月 三菱化成工業株式会社(現三菱ケミカル株式会社)入社 1985年6月 メリルリンチ・フューチャーズ・ジャパン株式会社入社 2001年12月 メリルリンチ日本証券株式会社(現BofA 証券株式会社)代表取締役社長に就任 2008年11月 世界銀行グループ多数国間投資保証機関長官に就任 2015年4月 公益社団法人経済同友会副代表幹事に就任 2016年6月 日本放送協会経営委員会委員に就任 2020年6月 当社 社外取締役に就任(現任) | 1981年4月 | 三菱化成工業株式会社(現三菱ケミカル株式会社)入社 | 1985年6月 | メリルリンチ・フューチャーズ・ジャパン株式会社入社 | 2001年12月 | メリルリンチ日本証券株式会社(現BofA 証券株式会社)代表取締役社長に就任 | 2008年11月 | 世界銀行グループ多数国間投資保証機関長官に就任 | 2015年4月 | 公益社団法人経済同友会副代表幹事に就任 | 2016年6月 | 日本放送協会経営委員会委員に就任 | 2020年6月 | 当社 社外取締役に就任(現任) | (注)6 | 1 | ||||||||
| 1981年4月 | 三菱化成工業株式会社(現三菱ケミカル株式会社)入社 | ||||||||||||||||||||||||||
| 1985年6月 | メリルリンチ・フューチャーズ・ジャパン株式会社入社 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2001年12月 | メリルリンチ日本証券株式会社(現BofA 証券株式会社)代表取締役社長に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2008年11月 | 世界銀行グループ多数国間投資保証機関長官に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2015年4月 | 公益社団法人経済同友会副代表幹事に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2016年6月 | 日本放送協会経営委員会委員に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2020年6月 | 当社 社外取締役に就任(現任) | ||||||||||||||||||||||||||
| 社外 取締役 | 鈴木 善久 | 1955年6月21日 | 1979年4月 伊藤忠商事株式会社入社 2003年6月 同社 執行役員に就任 2006年4月 同社 常務執行役員に就任 2007年4月 伊藤忠インターナショナル会社社長(CEO)に就任 2012年6月 株式会社ジャムコ代表取締役社長に就任 2016年6月 伊藤忠商事株式会社代表取締役 専務執行役員に就任 2018年4月 同社 代表取締役社長COOに就任 2020年4月 同社 代表取締役社長COO 兼 CDO・CIO に就任 2021年4月 同社 取締役副会長に就任 2022年4月 同社 副会長に就任(現任) 2022年6月 当社 社外取締役に就任(現任) | 1979年4月 | 伊藤忠商事株式会社入社 | 2003年6月 | 同社 執行役員に就任 | 2006年4月 | 同社 常務執行役員に就任 | 2007年4月 | 伊藤忠インターナショナル会社社長(CEO)に就任 | 2012年6月 | 株式会社ジャムコ代表取締役社長に就任 | 2016年6月 | 伊藤忠商事株式会社代表取締役 専務執行役員に就任 | 2018年4月 | 同社 代表取締役社長COOに就任 | 2020年4月 | 同社 代表取締役社長COO 兼 CDO・CIO に就任 | 2021年4月 | 同社 取締役副会長に就任 | 2022年4月 | 同社 副会長に就任(現任) | 2022年6月 | 当社 社外取締役に就任(現任) | (注)6 | 1 |
| 1979年4月 | 伊藤忠商事株式会社入社 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2003年6月 | 同社 執行役員に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2006年4月 | 同社 常務執行役員に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2007年4月 | 伊藤忠インターナショナル会社社長(CEO)に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2012年6月 | 株式会社ジャムコ代表取締役社長に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2016年6月 | 伊藤忠商事株式会社代表取締役 専務執行役員に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2018年4月 | 同社 代表取締役社長COOに就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2020年4月 | 同社 代表取締役社長COO 兼 CDO・CIO に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2021年4月 | 同社 取締役副会長に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2022年4月 | 同社 副会長に就任(現任) | ||||||||||||||||||||||||||
| 2022年6月 | 当社 社外取締役に就任(現任) | ||||||||||||||||||||||||||
| 常勤監査役 | 玉置 秀司 | 1961年12月3日 | 1985年4月 当社 入社 2008年3月 2015年3月 当社 経営資源革新本部法務センタ長に就任 当社 グローバルリスクマネジメント・法務本部長に就任 2015年4月 当社 執行役員に就任 2021年6月 当社 常勤監査役に就任(現任) | 1985年4月 | 当社 入社 | 2008年3月 2015年3月 | 当社 経営資源革新本部法務センタ長に就任 当社 グローバルリスクマネジメント・法務本部長に就任 | 2015年4月 | 当社 執行役員に就任 | 2021年6月 | 当社 常勤監査役に就任(現任) | (注)5 | 8 | ||||||||||||||
| 1985年4月 | 当社 入社 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2008年3月 2015年3月 | 当社 経営資源革新本部法務センタ長に就任 当社 グローバルリスクマネジメント・法務本部長に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2015年4月 | 当社 執行役員に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2021年6月 | 当社 常勤監査役に就任(現任) | ||||||||||||||||||||||||||
| 常勤監査役 | 吉川 浄 | 1960年10月12日 | 1983年4月 2010年3月 当社 入社 当社 ものづくり革新本部長に就任 2010年6月 当社 執行役員に就任 2016年4月 当社 執行役員常務に就任 2019年6月 当社 常勤監査役に就任(現任) | 1983年4月 2010年3月 | 当社 入社 当社 ものづくり革新本部長に就任 | 2010年6月 | 当社 執行役員に就任 | 2016年4月 | 当社 執行役員常務に就任 | 2019年6月 | 当社 常勤監査役に就任(現任) | (注)3 | 11 | ||||||||||||||
| 1983年4月 2010年3月 | 当社 入社 当社 ものづくり革新本部長に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2010年6月 | 当社 執行役員に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2016年4月 | 当社 執行役員常務に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2019年6月 | 当社 常勤監査役に就任(現任) | ||||||||||||||||||||||||||
| 社外 監査役 | 内山 英世 | 1953年3月30日 | 1975年11月 アーサーヤング会計事務所入所 1979年12月 監査法人朝日会計社(現有限責任あずさ監査法人)入社 1980年3月 公認会計士登録 1999年7月 同監査法人代表社員に就任 2002年5月 同監査法人本部理事に就任 2006年6月 同監査法人専務理事に就任 2010年6月 同監査法人理事長、KPMGジャパン チェアマンに就任 2011年9月 KPMGアジア太平洋地域 チェアマンに就任 2013年10月 KPMGジャパン CEOに就任 2015年9月 朝日税理士法人 顧問に就任(現任) 2016年6月 当社 社外監査役に就任(現任) | 1975年11月 | アーサーヤング会計事務所入所 | 1979年12月 | 監査法人朝日会計社(現有限責任あずさ監査法人)入社 | 1980年3月 | 公認会計士登録 | 1999年7月 | 同監査法人代表社員に就任 | 2002年5月 | 同監査法人本部理事に就任 | 2006年6月 | 同監査法人専務理事に就任 | 2010年6月 | 同監査法人理事長、KPMGジャパン チェアマンに就任 | 2011年9月 | KPMGアジア太平洋地域 チェアマンに就任 | 2013年10月 | KPMGジャパン CEOに就任 | 2015年9月 | 朝日税理士法人 顧問に就任(現任) | 2016年6月 | 当社 社外監査役に就任(現任) | (注)4 | 1 |
| 1975年11月 | アーサーヤング会計事務所入所 | ||||||||||||||||||||||||||
| 1979年12月 | 監査法人朝日会計社(現有限責任あずさ監査法人)入社 | ||||||||||||||||||||||||||
| 1980年3月 | 公認会計士登録 | ||||||||||||||||||||||||||
| 1999年7月 | 同監査法人代表社員に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2002年5月 | 同監査法人本部理事に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2006年6月 | 同監査法人専務理事に就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2010年6月 | 同監査法人理事長、KPMGジャパン チェアマンに就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2011年9月 | KPMGアジア太平洋地域 チェアマンに就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2013年10月 | KPMGジャパン CEOに就任 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2015年9月 | 朝日税理士法人 顧問に就任(現任) | ||||||||||||||||||||||||||
| 2016年6月 | 当社 社外監査役に就任(現任) | ||||||||||||||||||||||||||
| 社外 監査役 | 國廣 正 | 1955年11月29日 | 1986年4月 弁護士登録・第二東京弁護士会 所属 那須・井口法律事務所 入所 1994年1月 國廣法律事務所(現国広総合法律事務 所)開設 2017年6月 当社 社外監査役に就任(現任) | 1986年4月 | 弁護士登録・第二東京弁護士会 所属 那須・井口法律事務所 入所 | 1994年1月 | 國廣法律事務所(現国広総合法律事務 所)開設 | 2017年6月 | 当社 社外監査役に就任(現任) | (注)5 | 1 | ||||||||||||||||
| 1986年4月 | 弁護士登録・第二東京弁護士会 所属 那須・井口法律事務所 入所 | ||||||||||||||||||||||||||
| 1994年1月 | 國廣法律事務所(現国広総合法律事務 所)開設 | ||||||||||||||||||||||||||
| 2017年6月 | 当社 社外監査役に就任(現任) | ||||||||||||||||||||||||||
| 計 | 1,345 | ||||||||||||||||||||||||||
(注)1 取締役 上釜健宏、小林いずみおよび鈴木義久は、社外取締役です。
2 監査役 内山英世および國廣正は、社外監査役です。
3 任期は、第82期に係る定時株主総会終結の時から第86期に係る定時株主総会終結の時までです。
4 任期は、第83期に係る定時株主総会終結の時から第87期に係る定時株主総会終結の時までです。
5 任期は、第84期に係る定時株主総会終結の時から第88期に係る定時株主総会終結の時までです。
6 任期は、第85期に係る定時株主総会終結の時から第86期に係る定時株主総会終結の時までです。
7 上記所有株式数には、オムロン役員持株会名義の実質所有株式数が含まれています。
なお、2022年6月分の持株会による取得株式数については、提出日(2022年6月24日)現在確認ができないため、2022年5月31日現在の実質所有株式数を記載しています。
8 当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選出しています。補欠監査役の略歴は以下のとおりです。
| 氏名 | 生年月日 | 略歴 | 所有株式数(千株) | ||||||
| 渡辺 徹 | 1966年2月2日 | 1993年4月 弁護士登録・大阪弁護士会 所属 北浜法律事務所(現北浜法律事務所・外国法共同事業)入所 1998年1月 同事務所パートナーに就任(現任) 2020年1月 弁護士法人北浜法律事務所 代表社員に就任(現任) | 1993年4月 | 弁護士登録・大阪弁護士会 所属 北浜法律事務所(現北浜法律事務所・外国法共同事業)入所 | 1998年1月 | 同事務所パートナーに就任(現任) | 2020年1月 | 弁護士法人北浜法律事務所 代表社員に就任(現任) | - |
| 1993年4月 | 弁護士登録・大阪弁護士会 所属 北浜法律事務所(現北浜法律事務所・外国法共同事業)入所 | ||||||||
| 1998年1月 | 同事務所パートナーに就任(現任) | ||||||||
| 2020年1月 | 弁護士法人北浜法律事務所 代表社員に就任(現任) |
② 社外役員の状況
当社は、監督機能を強化するために取締役会における独立社外取締役の割合を3分の1以上とします。
現在の当社の独立社外取締役は3名、独立社外監査役は2名です。
1.社外取締役および社外監査役と当社との人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係
鈴木善久氏は、伊藤忠商事株式会社の副会長であり、当社グループと同社グループとの間には製品の販売等の取引関係がありますが、2021年度における取引額の割合は当社グループおよび同社グループの連結売上高の1%未満であり、同氏の独立性に問題はありません。その他の社外役員の重要な兼職先と当社との間に記載すべき特別な関係はありません。
当社の社外役員は、当社が独自に定める「社外役員の独立性要件」(注)を満たしており、一般株主と利益相反が生じるおそれがないことから、社外役員全員を独立役員として届け出ています。
(注)当社の「社外役員の独立性要件」については、「3.社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準および選任状況に関する当社の考え方」に記載。
2.社外取締役および社外監査役が当社のコーポレート・ガバナンスにおいて果たす機能および役割
[独立社外取締役の機能・役割]
・独立社外取締役は、その独立性の立場を踏まえ、執行の監督機能、助言機能、利益相反の監督機能を果たすとともに、ステークホルダーの意見を取締役会に反映します。
・独立社外取締役は、監査役会と当社の経営について意見交換を行います。
・独立社外取締役は、その役割を果たすために、必要に応じて、当社に対し情報提供を求めます。
[独立社外監査役の機能・役割]
・独立社外監査役は、その独立性の立場を踏まえ、社長および取締役会に対し適切に意見を述べます。
・独立社外監査役は、法令に基づく調査権限を行使することを含め、積極的に監査環境の整備に努めます。
3.社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準および選任状況に関する当社の考え方
[社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準]
当社は会社法上の要件に加え独自の「社外役員の独立性要件」を策定し、この独立性要件を基準に社外役員を選任しているため、社外役員の独立性は十分に保たれていると判断し、社外役員全員を独立役員として届け出ています。社外役員全員を独立役員とすることについては、社外役員で構成するコーポレート・ガバナンス委員会に諮問し、独自に定める「社外役員の独立性要件」が社外役員の独立性の判断基準として問題ないことを確認し、取締役会において決議しています。
「社外役員の独立性要件」(2014年12月25日改訂)
社外役員候補者本人および本人が帰属する企業・団体とオムロングループとの間に、下記の独立性要件を設けます。なお、社外役員は、下記に定める独立性要件を就任後も維持し、主要な役職に就任した場合は、本独立性要件に基づき、人事諮問委員会において独立性について検証します。
ア. 現在オムロングループ(注)の取締役(社外取締役を除く)・監査役(社外監査役を除く)・執行役員または使用人でなく、過去においてもオムロングループの取締役(社外取締役を除く)・監査役(社外監査役を除く)・執行役員または使用人であったことがないこと
イ. 過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの大株主(*)もしくはオムロングループが大株主の取締役・監査役・執行役員または使用人であったことはないこと
(*)大株主とは、総議決権の10%以上の株式を保有する企業等をいいます。
ウ. オムロングループの主要な取引先企業(*)の取締役・監査役・執行役員または使用人でないこと
(*)主要な取引先とは、直前事業年度および過去3事業年度におけるオムロングループとの取引の支払額または受取額が、オムロングループまたは取引先(その親会社および重要な子会社を含む)の連結売上高の2%以上を占めている企業をいいます。
エ. オムロングループから多額の寄付(*)を受けている法人・団体等の理事その他の取締役・監査役・執行役員または使用人でないこと
(*)多額の寄付とは、過去3事業年度の平均で年間1,000万円または寄付先の連結売上高もしくは総収入の2%のいずれか大きい額を超えることをいいます。
オ. オムロングループとの間で、取締役・監査役または執行役員を相互に派遣していないこと
カ. 過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの会計監査人の代表社員、社員、パートナーまたは従業員であったことがないこと
キ. オムロングループから役員報酬以外に、多額の金銭(*)その他財産を得ている弁護士、公認会計士、コンサルタント等でないこと
(*)多額の金銭とは、過去3事業年度の平均で、個人の場合は年間1,000万円以上、団体の場合は当該団体の連結売上高の2%以上を超えることをいいます。
ク. 以下に該当する者の配偶者、2親等内の親族、同居の親族または生計を一にする者ではないこと
(1)オムロングループの取締役・監査役・執行役員または重要な使用人(*)
(2)過去5年間のいずれかの事業年度において、オムロングループの取締役・監査役・執行役員または重
要な使用人であった者
(3)上記イ.からキ.で就任を制限している対象者
(*)重要な使用人とは、事業本部長職以上の使用人をいいます。
ケ. その他、社外役員としての職務を遂行する上で独立性に疑いがないこと
(注)オムロングループとは、オムロン株式会社およびオムロン株式会社の子会社とします。
[社外取締役および社外監査役の選任状況および選任理由]
独立社外取締役 上釜健宏氏は、グローバルに事業を展開する企業の経営に携わり、豊富な経営実績とイノベーション・技術に関する高い見識を有しており、社外取締役として長期ビジョン「SF2030」および中期経営計画SF 1st Stageの実現に向けて、経営を適切に監督いただいています。また、経営の専門家としての経験・見識をもとに、報酬諮問委員会の委員長、コーポレート・ガバナンス委員会の副委員長および社長指名諮問委員会、人事諮問委員会の委員として、当社の経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言いただいています。これらのことから、当社の持続的な企業価値の向上に向けて経営の監督を行っていただくことを期待し、独立社外取締役として選任しています。
独立社外取締役小林いずみ氏は、民間金融機関および国際開発金融機関の代表として培われた豊富な経験と国際的な見識を有するとともに、サステナビリティ・ESGにも精通しており、社外取締役として長期ビジョン「SF2030」および中期経営計画SF 1st Stage の実現に向けて、経営を適切に監督いただいています。 また、経営の専門家としての経験・見識をもとに、人事諮問委員会の委員長および社長指名諮問委員会、報酬諮問委員会、コーポレート・ガバナンス委員会の委員として、当社の経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言いただいています。これらのことから、当社の持続的な企業価値の向上に向けて経営の監督を行っていただくことを期待し、独立社外取締役として選任しています。
独立社外取締役鈴木善久氏は、グローバルに事業を展開する総合商社の経営に携わり、長期ビジョン「SF2030」および中期経営計画SF 1st Stageの実現に向けて、必要となる国際的で豊富な経営実績とイノベーションや技術に関する高い見識を有しています。これらのことから、当社の持続的な企業価値の向上に向けて経営の監督を行っていただくことを期待し、独立社外取締役として選任しています。
独立社外監査役 内山英世氏は、公認会計士として監査法人での長年の勤務経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有しているとともに、監査法人のトップおよびグローバル・コンサルティングファームの経営者としての豊富な経験と高い見識を有しています。独立社外監査役として、取締役会その他重要な会議へ出席し、適法性監査・妥当性監査の観点から積極的に発言し、取締役の職務執行を監査する役割を適切に果たしています。また、コーポレート・ガバナンス委員会の委員として、当社の経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言いただいています。これらの実績と豊富な経験に基づき、監査役に適切な人材と判断し、独立社外監査役として選任しています。
独立社外監査役 國廣正氏は、弁護士であり、特にコーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、会社法を専門分野としています。また、企業の危機管理(クライシス・マネジメント)にも精通しており、内閣府および消費者庁の顧問などの要職を歴任しています。独立社外監査役として、取締役会その他重要な会議へ出席し、適法性監査・妥当性監査の観点から積極的に発言し、取締役の職務執行を監査する役割を適切に果たしています。また、コーポレート・ガバナンス委員会の委員として、当社の経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言いただいています。これらの実績と豊富な経験に基づき、監査役に適切な人材と判断し、独立社外監査役として選任しています。
独立社外監査役は、取締役会に出席するとともに、毎月の監査役会で取締役の業務執行状況を常勤監査役から聴取し、必要に応じて主要な事業場を往査するなどにより、取締役の業務執行状況を監査しています。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査および会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、前述のとおり毎月開催の取締役会、各委員会に出席し、経営の監督を行っている他に、年1回監査役会によるヒアリングを受けており、当社の経営について意見交換を行っています。
社外監査役は、会計監査人の監査計画を把握し、会計監査人の監査体制および監査の方法ならびに国内外の子会社などの内部統制状況等について、定期的に説明を受けています。また、内部監査部門へのヒアリングを行い、内部統制の実行状況を確認しています。
(3)【監査の状況】
①監査役監査の状況
1.組織・人員
1) 監査役会の構成
当社の監査役会は4名で、次のような構成を取っています。
・常勤監査役2名、社外監査役2名
・最低1名は、財務および会計に関して相当程度の知見を有する者を含める
・監査役会の半数以上は、法律もしくは財務・会計に関する高度な専門性を有する弁護士・会計士等の
社外監査役を選定する
| 氏名 | 役職 | 就任 | 専門的な知見 |
|---|---|---|---|
| 玉置 秀司 | 常勤監査役 | 2021年 | 法務、コンプライアンス、内部統制、リスクマネジメント |
| 吉川 浄 | 常勤監査役 | 2019年 | グローバルでの品質管理・生産体制の構築 |
| 内山 英世 | 社外監査役 | 2016年 | 財務・会計、グローバル・コンサルティングファームの経営 |
| 國廣 正 | 社外監査役 | 2017年 | コーポレート・ガバナンス、内部統制、企業のリスク管理等 |
(注)監査役の略歴は、「4[コーポレート・ガバナンスの状況等](2)[役員の状況]① 役員一覧」の項目で、記載しています。
玉置秀司は監査役会議長です。
2)監査役スタッフ
監査役の職務遂行を補佐するため、必要な知識、能力を有するスタッフを監査役室に配置しています。
・人数: 4名
・人事: 監査役の同意を得る
2.監査役会の活動状況
監査役会は、後述の「監査役の活動状況」に記載の活動を踏まえ、法令・定款および監査役会規程の定めるところにより、監査に関する重要な事項について決議、審議、報告および協議を行っています。当事業年度において、監査役会は次のとおり活動を行いました。
| 頻度 | 取締役会開催に先立ち、月次に開催される他、必要に応じて随時開催 | |||
| 開催 | 13 回 (1回あたり、平均約2時間) | |||
| 出席率 | 役職名 | 氏名 | 当事業年度の出席率 | |
| 監査役会 | 取締役会 | |||
| 常勤監査役 | 近藤 喜一郎 | 100%(3回/3回) | 100%(3回/3回) | |
| 常勤監査役 | 玉置 秀司 | 100%(10回/10回) | 100%(10回/10回) | |
| 常勤監査役 | 吉川 浄 | 100%(13回/13回) | 100%(13回/13回) | |
| 社外監査役 | 内山 英世 | 100%(13回/13回) | 100%(13回/13回) | |
| 社外監査役 | 國廣 正 | 100%(13回/13回) | 100%(13回/13回) | |
| 主な付議事項 | ・監査役監査方針と計画、監査役会の監査報告書、会計監査人に対する評価および選任、会計監査人の監査報酬、監査役報酬配分、監査役人事等 ・取締役会上程議案の事前審議 ・常勤監査役が出席する執行会議等の重要会議および常勤監査役による往査等の報告 ・グローバル監査室長より社内各部門および国内外関係会社の業務監査と内部統制監査に関する報告 ・グローバルリスクマネジメント・法務本部長による内部通報制度運用状況の報告 | |||
| 重点監査項目 | ・取締役会重点テーマ: 次期長期ビジョンの完成と中期経営計画の決定 地政学リスクの高まりに対する対応 コーポレートITシステムの構築に向けた進捗確認 ・グループガバナンスの進化の状況 ・その他監査役会が重要と考える個別テーマ | |||
| 監査での確認 | ・グループガバナンス: 新型コロナウイルス感染症や地政学リスクに対し、社員の安全確保や事業継続にグループ一丸で取り組み、グローバルでリスクマネジメントは着実に実行された。 ・次期長期ビジョン・中期経営計画等: 本社とビジネスカンパニーが執行会議等で議論を重ね、事業を通じた社会価値創出とサステナビリティが一体となった、企業価値向上のシナリオが明確に示された。今後は、変化対応力をさらに発揮し、タイムリーで柔軟な実行運営が重要となる。 | |||
*2021年6月24日付で近藤喜一郎は監査役を退任し、新たに玉置秀司が監査役に就任しました。
3.監査役の活動状況
当事業年度において、監査役は、次のとおり監査を実施しました。
| 監査の実施方針 | 「三現主義」(現場・現物・現実)をベースにして判断の根拠を広く社会に求めるとともに、被監査部門の課題を共有し、問題解決に寄与するよう努める。 |
|---|---|
| 活動の概要 | ・取締役会に出席し、議事運営、決議内容等を監査し、必要により適宜意見を表明 ・執行会議やビジネスカンパニーの戦略会議や予算会議等の重要な会議に出席 ・社外監査役2名は、コーポレート・ガバナンス委員会に委員として出席 ・監査役会議長は、人事諮問委員会と報酬諮問委員会にオブザーバー出席 ・各取締役へのヒアリング(8回) : 経営課題に関する議論 ・代表取締役社長との意見交換会(2回): 監査所見にもとづく提言 経営課題に関する議論 ・主要執行部門長へのヒアリング(22回): 内部統制システムの運用状況の確認 経営・事業課題に関する議論や助言 |
| 監査の方法 | ・新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の子会社の往査はオンライン会議システム等を利用 ・各子会社のトップとのヒアリングを通して確認した各社事業状況や経営課題、内部統制状況の内容は、定期的に監査役会で共有し、監査役会として必要に応じて議論 |
4.内部監査部門との連携状況
グローバル監査室が、オムロングループ全社の内部統制の整備・運用状況を「業務の有効性および効率性」「財務報告の信頼性」「事業活動に関わる法令などの遵守」「資産の保全」の観点から検証するとともに、リスクマネジメントの妥当性・有効性を評価し、改善に向けた助言・提言をしています。監査役会は、毎月の監査役会にグローバル監査室長を招聘し、全社の業務監査・内部統制監査の状況確認と意見交換をしています。
当事業年度は、監査役会の重点項目に「グループガバナンスの進化の状況」を掲げ、内部監査部門との連携強化の下、内部監査の進化・高度化について議論を深めました。
また、国内関係会社26社の監査役に就任しているグローバル監査室のスタッフと、グループ監査役連絡会(年2回)を開催しました。法改正や決算監査に関する留意事項等を共有し、関係会社監査役業務の改善を図りました。さらに、グループ監査役個別連絡会(年1回)を開催し、監査役は各関係会社の監査役から経営状況や課題等の報告を受けるとともに、グループでの組織的・効率的監査体制を構築・維持のために意見交換をしました。
5.会計監査人との連携状況
監査役会は、会計監査人との定例会議をはじめとした会合(年5回以上)を設け、グローバル理財本部長やグローバル監査室長の同席のもと、四半期レビューの他、財務報告に係る内部統制システムの監査状況等について情報交換を行っています。特にKAM(監査上の主要な検討事項(Key Audit Matters))の検討については、定期的に会計監査人からの報告を受け、その内容をレビューし、当社の事業リスクとの整合性の有無や、より多角的な視点の検討の要否について議論を深めてきました。
また当事業年度は、会計監査人との間でディスカッションの時間を拡大し、活発な意見交換を行いながら情報を共有し、有効かつ効率的な監査のための連携のあり方等を具体的に検討しました。当事業年度に係る財務諸表監査等における主な報告・検討事項は次の通りです。
| 主な報告・検討事項 | 月 | |||||||||||
| 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| 監査基本方針と監査スケジュール | ■ | |||||||||||
| 四半期レビュー・トピックス | ■ | ■ | ■ | |||||||||
| 監査重点領域およびKAMの検討 | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | |||||
| J-SOX監査・内部統制状況 | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ | ||||||
| 会計監査人の職務の遂行に関する事項 | ■ | ■ | ■ | ■ | ||||||||
| 会計監査人監査報告書 | ■ | ■ | ||||||||||
| 三様監査会議 | ■ | ■ | ||||||||||
| グループ会社における課題・発見事項 | ■ | ■ | ■ | |||||||||
6.監査役会の実効性評価
監査役会は毎年、監査役会の実効性評価を質問票(無記名)への回答方式で実施しています。当事業年度についての自己評価の結果と翌事業年度に向けての課題は次のとおりです。
| 自己評価 | ・監査役会審議の運営効率化と、監査役間の議論時間の充実をはかることで、社内・社外監査役が多面的な意見交換のできる環境整備に努めた。 |
|---|---|
| 課題 | ・監査役と社外取締役との間で、よりオープンな議論の機会を充実させる。 ・不確実性が増す事業環境の下、新しい監査のあり方を考え、監査役会を変革する。 ・内部監査部門のさらなる充実に向けた同部門との連携を強化する。 |
②内部監査の状況
当社の内部監査機能は、当社社長指示のもと、本社グローバル監査室(25名)が担っており、海外の北米、欧州、中華圏、アジア・パシフィックの地域統轄会社に設置した内部監査室を統括し、リスクマネジメントの観点から、会計・業務・遵法などに関する内部監査を、グローバル視点でかつ定期的に実施しています。
内部監査、監査役監査および会計監査の相互連携については、月1回の監査役会に本社グローバル監査室長が出席し、逐次、監査結果の報告を行っています。監査役は会計監査人と定期的会合を持ち、会計監査人の監査計画を把握し、会計監査人の監査の体制および監査の手法ならびに国内外の子会社等の内部統制状況などについて説明を受けています。また、必要に応じて会計監査人の往査および監査講評に立会うほか、監査役自らが調査を行っています。
内部監査、監査役監査および会計監査と内部統制部門との関係については、法務、経理・財務部門等の内部統制部門が必要に応じて内部監査部門や監査役会、会計監査人に対してリスクの評価、管理体制等の状況等に関して報告を行っています。報告を受けた内部監査部門や監査役会は、適宜会計監査人と連携し、適切なリスクマネジメントの機能と強化を図っています。
③会計監査の状況
1.監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
当社は、会社法に基づく会計監査および金融商品取引法に基づく会計監査を有限責任監査法人トーマツに依頼していますが、同監査法人および当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社の間には、特別の利害関係はありません。また、同監査法人は業務執行社員について、当社の会計監査に一定期間を超えて関与することのないよう措置をとっています。当社は、同監査法人との間で会社法監査と金融商品取引法監査について監査契約書を締結し、それに基づき報酬を支払っています。
2.継続監査期間
54年間
3.業務を執行した公認会計士の氏名
指定有限責任社員 業務執行社員 : 佐藤 嘉雄、酒井 宏彰、池畑 憲二郎
4.監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 31名、公認会計士試験合格者 14名、その他 20名
5.監査法人の選定方針と理由
現会計監査人を選定した理由は、当社の会計監査人に求められる専門性、独立性および内部管理体制、さらに当社のグローバルな活動を一元的に監査できる体制を有していると判断したためです。
監査役会は、会計監査人の職務の執行に支障がある場合等その必要性に応じて、株主総会に提出する会計監査人の解任または不再任に関する議案の内容を決定します。また、監査役会は会計監査人について会社法第340条第1項各号のいずれかに該当すると判断した場合には、監査役全員の同意によって、会計監査人を解任します。
6.監査役及び監査役会による監査法人の評価
監査役会は、会計監査人の監査の独立性と適正性を監視しながら、監査計画とその結果報告を受領のうえ、情報交換・意見交換を行う等の連携を密にしています。監査役会は年に一回、会計監査人の評価項目を定め、内部監査部門、経理部門の評価を参考に総合的に評価しています。
④監査報酬の内容等
1.監査公認会計士等に対する報酬
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 監査証明業務に基づく報酬(百万円) | 非監査業務に基づく報酬(百万円) | 監査証明業務に基づく報酬(百万円) | 非監査業務に基づく報酬(百万円) | |
| 提出会社 | 192 | - | 210 | 15 |
| 連結子会社 | 58 | - | 56 | - |
| 計 | 250 | - | 266 | 15 |
提出会社における非監査業務の内容は、主として財務報告に関する助言業務です。なお、会計監査人の独立性を担保するため、当社独自の規定により非監査報酬額に一定の制限を設けています。
2.監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイトトウシュトーマツおよびそのメンバーファーム)に対する報酬(1.を除く)
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 監査証明業務に基づく報酬(百万円) | 非監査業務に基づく報酬(百万円) | 監査証明業務に基づく報酬(百万円) | 非監査業務に基づく報酬(百万円) | |
| 提出会社 | - | - | - | 6 |
| 連結子会社 | 356 | 39 | 392 | 2 |
| 計 | 356 | 39 | 392 | 8 |
提出会社における非監査業務の内容は、主として社内研修業務です。また連結子会社における非監査業務の内容は、主として税務関連業務です。なお、会計監査人の独立性を担保するため、当社独自の規定により非監査報酬額に一定の制限を設けています。
3.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
4.監査報酬の決定方針
当社の監査公認会計士等に対する監査報酬は、年間の監査計画に組み込まれている監査陣容、往査内容、監査日数などの監査内容をもとに監査公認会計士等と折衝し、会社法第399条の定め等に基づき監査役会の同意を得た上で決定しています。
5.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人および社内関係部門から説明を受けた当期の会計監査計画や、前期の監査実績、会計監査人の監査の遂行状況、報酬見積もりの算出根拠を確認し、審議した結果、適切であると判断し、会計監査人の報酬等の額について同意を行っています。
(4)【役員の報酬等】
①役員報酬等の内容
当事業年度に係る役員報酬等の内容は以下のとおりです。
ア.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
| 役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる 役員の員数 (名) | ||
| 基本報酬 | 短期業績 連動報酬 (賞与) | 中長期業績連動報酬 (株式報酬) | |||
| 取締役 (社外取締役を除く) | 844 [245] | 300 | 299 | 245 [245] | 5 |
| 監査役 (社外監査役を除く) | 68 | 68 | - | - | 3 |
| 社外取締役 | 48 | 48 | - | - | 3 |
| 社外監査役 | 30 | 30 | - | - | 2 |
(注)
1 基本報酬
取締役の基本報酬総額の上限は、月額3,500万円(2000年6月27日 第63期定時株主総会決議、当該決議に係る取締役の員数は7名)です。取締役の基本報酬の額は、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定しています。監査役の基本報酬総額の上限は、月額1,100万円(2018年6月19日 第81期定時株主総会決議、当該決議に係る監査役の員数は4名)です。監査役の基本報酬の額は、監査役会における監査役の協議により決定しています。
2 賞与
取締役の賞与総額の上限は、年額6億円(2018年6月19日 第81期定時株主総会決議、当該決議に係る取締役の員数は5名)です。各取締役の賞与の額は、第85期(2022年3月期)の営業利益、当社株主に帰属する当期純利益、ROICの目標および実績を基に算定し、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定しています。各指標の目標値および実績値については、下表をご参照ください。
| 目標値 | 実績値 | |
|---|---|---|
| 営業利益(億円) | 700 | 893 |
| 当社株主に帰属する当期純利益(億円) | 480 | 614 |
| 投下資本利益率(ROIC)(%) | 10.0 | 9.6 |
3 株式報酬
株式報酬は、2017年6月22日開催の第80期定時株主総会において、中期経営計画の対象となる4事業年度において当社が拠出する金員の上限を24億円、対象者に対して交付およびその売却代金が給付(以下「交付等」という。)される株式数の上限を600,000株として決議されています。当該決議に係る取締役の員数は5名です。株式報酬は、所定の算定式で算出するポイントを取締役に対して付与し、予め定められた一定の時期に、付与されたポイント数に相当する当社株式の交付等を信託から行うものでありますが、上記株式報酬の額は当事業年度中に付与されたポイントに係る費用計上額です。各取締役の株式報酬の額は、2021年度から2024年度までの財務目標評価(EPS、ROE)、サステナビリティ評価(温室効果ガス排出量の削減、エンゲージメントサーベイにおけるSustainable Engagement Index (SEI)のスコア、Dow Jones Sustainability Indices)の目標および実績、並びに企業価値評価(相対TSR)を基に算定し、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定されます。各指標の目標値については、下表をご参照ください。なお、株式報酬に係る評価指標の実績は、現中期経営計画の最終年度終了後に確定するため、記載していません。
| 評価 ウエイト | 評価指標 | 目標値 | |
| 財務目標評価 | 60% | 基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益(EPS) | 400円 |
| 株主資本当社株主に帰属する当期純利益率(ROE) | 10% | ||
| 企業価値評価 | 20% | 相対TSR(注1) | 100% |
| サステナビリティ評価 | 20% | 温室効果ガス排出量の削減(Scope1・2) | 2016年度比▲53% |
| エンゲージメントサーベイ(注2)におけるSustainable Engagement Inde(SEI)(注3)のスコア | 70点 | ||
| Dow Jones Sustainability Indices | DJSI World |
(注)1 対象期間における当社のTSR(株主総利回り)と配当込みTOPIXの増減率を比較した指標(相対TSR=TSR÷配当込みTOPIX増減率)
2 組織の目指すゴールに対する社員の自発的な貢献意欲を測定する調査
3 心身の健康などによって維持される目標達成に向けた高い貢献意欲や組織に対する強い帰属意識、生産的な職場環境を示す指標
4 非金銭報酬等
[ ]内は、報酬等のうち非金銭報酬等の金額です。
イ.報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等
| 氏名 (役員区分) | 報酬等の総額 (百万円) | 会社区分 | 報酬等の種類別の総額(百万円) | ||
| 基本報酬 | 短期業績 連動報酬 (賞与) | 中長期業績 連動報酬 (株式報酬) | |||
| 立石 文雄 (取締役) | 178 [55] | オムロン株式会社 | 75 | 48 | 55 [55] |
| 山田 義仁 (取締役) | 296 [88] | オムロン株式会社 | 80 | 128 | 88 [88] |
| 宮田 喜一郎 (取締役) | 149 [40] | オムロン株式会社 | 57 | 52 | 40 [40] |
| 日戸 興史 (取締役) | 141 [38] | オムロン株式会社 | 54 | 49 | 38 [38] |
(注)1 中長期業績連動型株式報酬の額は当事業年度中に付与されたポイントに係る費用計上額です。
2 [ ]内は、報酬等のうち非金銭報酬等の金額です。
②役員の報酬等の額またはその算定方法に係る決定に関する方針
当社は取締役の報酬等について、判断の客観性と透明性を高めるため、社外取締役を委員長とし、委員の過半数を社外取締役で構成する報酬諮問委員会を設置しています。当社は「取締役報酬の方針」について、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により定めています。
各取締役の報酬等の額は、株主総会の決議により決定した取締役報酬等の総額の範囲内で、当該方針等に基づく報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定しています。
また、各監査役の報酬等の額は、監査役の協議により定めた「監査役報酬の方針」に基づき、株主総会の決議により決定した監査役報酬等の総額の範囲内で、監査役の協議により決定しています。
当社の「取締役報酬の方針」、「取締役報酬制度の概要」および「監査役報酬の方針」は次のとおりです。
[取締役報酬の方針]
1)基本方針
・企業理念を実践する優秀な人材を取締役として登用できる報酬とする。
・持続的な企業価値の向上を動機づける報酬体系とする。
・株主をはじめとするステークホルダーに対して説明責任を果たせる、「透明性」「公正性」「合理性」の
高い報酬体系とする。
2)報酬構成
・取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬と、業績に応じて変動する業績連動報酬で構成する。
・基本報酬に対する業績連動報酬の報酬構成比率は、役割に応じて決定する。
・社外取締役の報酬は、その役割と独立性の観点から、基本報酬のみで構成する。
3)基本報酬
・基本報酬額は、外部専門機関の調査に基づく他社水準を考慮し役割に応じて決定し毎月支給する。
4)業績連動報酬
・短期業績連動報酬として、単年度の業績や目標達成度に連動する賞与を事業年度終了後に一括支給する。
・中長期業績連動報酬として、中期経営計画の達成度や企業価値(株式価値)の向上に連動する株式報酬を支給
する。
・株式報酬の業績連動部分は中期経営計画終了後に、非業績連動部分は退任後に支給する。
・短期業績連動報酬および中長期業績連動報酬の基準額は、役割に応じて定める報酬構成比率により決定する。
5)報酬ガバナンス
・報酬構成および報酬構成比率、基本報酬の水準ならびに業績連動報酬の業績指標および評価方法は、報酬諮問
委員会の審議、答申を踏まえ決定する。
・各取締役の報酬の額は、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定する。
[取締役報酬制度の概要]
1)報酬構成比率
取締役の報酬は、固定報酬である「基本報酬」と、業績に応じて変動する「短期業績連動報酬(賞与)」
および「中長期業績連動報酬(株式報酬)で構成しています。各業績連動報酬の基本報酬に対する報酬構成比
率は、役割に応じて決定しています。
* 代表取締役社長 CEOの場合、各業績連動報酬の目標達成度等が全て100%と仮定した場合の比率。
2)基本報酬
取締役に対して、固定報酬である基本報酬を毎月支給します。基本報酬額は、外部専門機関の調査に基づく
同輩企業(報酬諮問委員会が定める同業種、同規模等のベンチマーク対象企業群)の役員の基本報酬水準を参
考に、役割に応じて決定しています。
3)短期業績連動報酬(賞与)
社外取締役を除く取締役に対して、短期業績連動報酬として、単年度の業績指標や目標達成度に連動する
賞与を事業年度終了後に一括支給します。取締役賞与は、年間計画に基づき設定した営業利益、当期純利益
およびROICの目標値に対する達成度等に応じ、0%~200%の範囲で変動します。
4)中長期業績連動報酬(株式報酬)
社外取締役を除く取締役に対して、中長期業績連動報酬として、株式報酬を支給します。株式報酬は、中期
経営計画の達成度等に連動する業績連動部分(60%)と、中長期の株価向上への動機づけとリテンションを目的
に一定期間の在籍を条件に支給する非業績連動部分(40%)により構成します。業績連動部分は中期経営計画
終了後に、非業績連動部分は退任後に支給します。
業績連動部分は、中期経営計画における業績目標等の達成度に応じて0%〜200%の範囲で変動します。
(注)財務目標評価・企業価値評価・サステナビリティ評価の各評価指標および目標値については、
「①役員報酬等の内容 ア.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象
となる役員の員数 (注)3 株式報酬」に記載のとおりです。
5)業績連動報酬の業績指標
・短期業績連動報酬(賞与)の評価指標は、中期経営計画SF 1st Stage(2022~2024年度)に基づく短期経営
計画の実現に向けて、短期経営計画の財務目標の指標から設定しています。
・中長期業績連動報酬(株式報酬)の評価指標は、中期経営計画SF 1st Stage(2022~2024年度)の実現に向けて、中期経営計画の財務目標・非財務目標・戦略目標の指標から設定しています。また、2030年に向けた長期ビジョン「SF2030」では企業価値の最大化を目指しており、企業価値を直接評価する指標についても設定しています。
[監査役報酬の方針]
1)基本方針
・株主の負託を受けた監査役の職務遂行が可能な優秀な人材を登用できる報酬とする。
・株主をはじめとするステークホルダーに対して説明責任を果たせる、「透明性」「公正性」「合理性」の
高い報酬体系とする。
2)報酬構成
・監査役の報酬は、その役割と独立性の観点から、基本報酬のみで構成する。
3)基本報酬
・基本報酬額は、外部専門機関の調査に基づく他社水準を考慮し役割に応じて決定し毎月支給する。
4)報酬ガバナンス
・各監査役の報酬の額は、監査役会における監査役の協議により決定する。
(5)【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準及び考え方
当社は純投資目的である株式は保有しておらず、全て純投資目的以外の目的である株式投資に区分しています。なお、純投資目的とは株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることのみを目的とする場合とし、それ以外の目的で保有する株式は全て純投資目的以外の株式としています。
②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
1.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内
容
当社は、持続的な企業価値向上のため、更なる社会的価値創造の協働を目的とする場合に限り株式を保有します。
なお、純投資目的以外の株式のうち特定投資株式については、保有目的および合理性について中長期的な観点から精査し、保有の適否を毎年、取締役会において検証します。保有の適否検証においては、投資先企業との協働の状況、事業への影響、投資先企業のROE、取引による当社利益への寄与度等を考慮します。検証の結果、保有目的および合理性が希薄となった株式については、事業や市場への影響に配慮しつつ売却を進めます。
2.銘柄数及び貸借対照表計上額
| 銘柄数 (銘柄) | 貸借対照表計上額の 合計額(百万円) | |
|---|---|---|
| 非上場株式 | 40 | 2,059 |
| 非上場株式以外の株式 | 5 | 26,997 |
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
| 銘柄数 (銘柄) | 株式数の増加に係る取得 価額の合計額(百万円) | 株式数の増加の理由 | |
|---|---|---|---|
| 非上場株式 | - | - | 該当なし |
| 非上場株式以外の株式 | - | - | 該当なし |
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
| 銘柄数 (銘柄) | 株式数の減少に係る売却 価額の合計額(百万円) | |
|---|---|---|
| 非上場株式 | - | - |
| 非上場株式以外の株式 | 1 | 874 |
3.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
| 銘柄 | 当事業年度 | 前事業年度 | 保有目的、定量的な保有効果 および株式数が増加した理由 | 当社の株式の 保有の有無 |
| 株式数(株) | 株式数(株) | |||
| 貸借対照表計上額 (百万円) | 貸借対照表計上額 (百万円) | |||
| トヨタ自動車㈱ | 8,090,035 | 1,618,007 | ・主として制御機器事業において社会的価値の向上を協働することを目的とし、保有しています。 ・定量的な保有効果(注)3 ・株式分割による増加 | 有 |
| 17,980 | 13,941 | |||
| ダイキン工業㈱ | 236,200 | 236,200 | ・主として電子部品事業において社会的価値の向上を協働することを目的とし、保有しています。 ・定量的な保有効果(注)3 | 有 |
| 5,293 | 5,272 | |||
| スズデン㈱ | 1,329,710 | 1,329,710 | ・制御機器事業の主要販売代理店としてお客様への提供価値を拡大することを目的とし、保有しています。 ・定量的な保有効果(注)3 | 有 |
| 2,915 | 1,725 | |||
| サンワテクノス㈱ | 355,080 | 355,080 | ・制御機器事業の主要販売代理店としてお客様への提供価値を拡大することを目的とし、保有しています。 ・定量的な保有効果(注)3 | 有 |
| 479 | 384 | |||
| 明治電機工業㈱ | 320,000 | 320,000 | ・制御機器事業の主要販売代理店としてお客様への提供価値を拡大することを目的とし、保有しています。 ・定量的な保有効果(注)3 | 有 |
| 330 | 477 | |||
| 因幡電機産業㈱ | - | 330,582 | ・全株式を売却しています。 | 無 |
| - | 882 |
みなし保有株式
| 銘柄 | 当事業年度 | 前事業年度 | 保有目的、定量的な保有効果 および株式数が増加した理由 | 当社の株式の 保有の有無 |
| 株式数(株) | 株式数(株) | |||
| 貸借対照表計上額 (百万円) | 貸借対照表計上額 (百万円) | |||
| ㈱村田製作所 | 1,313,055 | 1,313,055 | ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4 | 有 |
| 10,658 | 11,610 | |||
| ㈱京都銀行 | 1,528,092 | 1,528,092 | ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4 | 有 |
| 8,175 | 10,406 | |||
| ローム㈱ | 468,000 | 468,000 | ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4 | 有 |
| 4,488 | 5,059 | |||
| ㈱SCREENホールディングス | 255,867 | 255,867 | ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4 | 有 |
| 3,163 | 2,492 | |||
| ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ | 3,349,000 | 3,349,000 | ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4 | 有 |
| 2,546 | 1,982 | |||
| コニカミノルタ㈱ | 621,000 | 621,000 | ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4 | 無 |
| 320 | 373 | |||
| ㈱三井住友フィナンシャルグループ | 68,600 | 68,600 | ・退職給付信託に拠出しており、当社が議決権行使の指図権を有しています。 ・定量的な保有効果(注)4 | 有 |
| 268 | 275 | |||
| スズキ㈱ | - | 367,700 | ・全株式を売却しています。 | 有 |
| - | 1,848 |
(注)1 貸借対照表計上額の上位銘柄を算定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していません。
2 保有する特定投資株式およびみなし保有株式を合わせて60銘柄に満たないため、全銘柄を記載しています。
3 特定投資株式の定量的な保有効果については事業上の理由から記載していませんが、保有合理性は上記1の方法に基づき検証を行っており、十分な保有合理性があると判断しています。
4 みなし保有株式の定量的な保有効果については事業上の理由から記載していませんが、特定投資株式に準じた方法で検証を行っており、十分な保有合理性があると判断しています。
③保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
第5【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
① 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)附則(平成14年内閣府令第11号)第3項の規定により、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。
② 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の連結財務諸表および事業年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けています。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っています。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、連結財務諸表等の適正性を確保できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入しており、企業会計基準委員会の行う研修に参加しています。
1【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結貸借対照表】
| 第84期 (2021年3月31日) | 第85期 (2022年3月31日) | ||||
| 区分 | 注記 番号 | 金額(百万円) | 構成比 (%) | 金額(百万円) | 構成比 (%) |
| 資産の部 | |||||
| 流動資産 | |||||
| 現金及び現金同等物 | (注記Ⅰ-F) | 250,755 | 155,484 | ||
| 受取手形及び売掛金 | (注記Ⅱ-A, E) | 135,161 | 151,820 | ||
| 貸倒引当金 | (注記Ⅰ-F) | △756 | △798 | ||
| 棚卸資産 | (注記Ⅰ-F,Ⅱ-B) | 103,265 | 141,935 | ||
| 売却予定資産 | - | 363 | |||
| その他の流動資産 | (注記Ⅱ-A,Q,R,T) | 26,007 | 34,101 | ||
| 流動資産合計 | 514,432 | 62.7 | 482,905 | 51.9 | |
| 有形固定資産 | (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-G,T) | ||||
| 土地 | 19,778 | 20,926 | |||
| 建物及び構築物 | 124,404 | 130,863 | |||
| 機械その他 | 153,142 | 174,184 | |||
| 建設仮勘定 | 3,281 | 4,748 | |||
| 減価償却累計額 | △187,577 | △208,623 | |||
| 有形固定資産合計 | 113,028 | 13.8 | 122,098 | 13.1 | |
| 投資その他の資産 | |||||
| オペレーティング・リース使用権資産 | (注記Ⅰ-F,Ⅱ-I) | 38,153 | 39,746 | ||
| のれん | (注記Ⅰ-B,F,G,Ⅱ-F,T) | 39,160 | 39,718 | ||
| 関連会社に対する投資及び貸付金 | (注記Ⅰ-D,Ⅱ-D) | 13,159 | 124,691 | ||
| 投資有価証券 | (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-C,T) | 33,423 | 43,757 | ||
| 施設借用保証金 | 7,675 | 7,815 | |||
| 前払年金費用 | (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-J) | 6,736 | 14,391 | ||
| 繰延税金 | (注記Ⅰ-F,Ⅱ-M) | 24,179 | 18,116 | ||
| その他の資産 | (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-F,G,T) | 30,434 | 37,392 | ||
| 投資その他の資産合計 | 192,919 | 23.5 | 325,626 | 35.0 | |
| 資産合計 | 820,379 | 100.0 | 930,629 | 100.0 | |
| 第84期 (2021年3月31日) | 第85期 (2022年3月31日) | ||||||||||||
| 区分 | 注記 番号 | 金額(百万円) | 構成比 (%) | 金額(百万円) | 構成比 (%) | ||||||||
| 負債の部 | |||||||||||||
| 流動負債 | |||||||||||||
| 支払手形及び買掛金・未払金 | 69,561 | 86,827 | |||||||||||
| 短期借入金 | (注記Ⅱ-H) | - | 20,000 | ||||||||||
| 未払費用 | 44,441 | 48,365 | |||||||||||
| 未払税金 | 3,504 | 5,657 | |||||||||||
| 短期オペレーティング・リース負債 | (注記Ⅰ-F,Ⅱ-I) | 11,179 | 11,549 | ||||||||||
| その他の流動負債 | (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-A、M,Q,R、S,T) | 32,685 | 39,274 | ||||||||||
| 流動負債合計 | 161,370 | 19.7 | 211,672 | 22.7 | |||||||||
| 繰延税金 | (注記Ⅰ-F,Ⅱ-M) | 1,671 | 0.2 | 2,177 | 0.2 | ||||||||
| 退職給付引当金 | (注記Ⅰ-B,F,Ⅱ-J) | 7,598 | 0.9 | 8,194 | 0.9 | ||||||||
| 長期オペレーティング・リース負債 | (注記Ⅰ-F,Ⅱ-I) | 27,709 | 3.4 | 28,567 | 3.1 | ||||||||
| その他の固定負債 | (注記Ⅱ-A,S) | 12,673 | 1.5 | 12,048 | 1.3 | ||||||||
| 負債合計 | 211,021 | 25.7 | 262,658 | 28.2 | |||||||||
| 純資産の部 | (注記Ⅰ-B,F,K) | ||||||||||||
| 株主資本 | |||||||||||||
| 資本金 | 64,100 | 7.8 | 64,100 | 6.9 | |||||||||
| 普通株式 授権株式数 | |||||||||||||
| 第84期 487,000,000株 第85期 487,000,000株 | 第84期 | 487,000,000株 | 第85期 | 487,000,000株 | |||||||||
| 第84期 | |||||||||||||
| 487,000,000株 | |||||||||||||
| 第85期 | |||||||||||||
| 487,000,000株 | |||||||||||||
| 発行済株式数 | |||||||||||||
| 第84期 206,244,872株 第85期 206,244,872株 | 第84期 | 206,244,872株 | 第85期 | 206,244,872株 | |||||||||
| 第84期 | |||||||||||||
| 206,244,872株 | |||||||||||||
| 第85期 | |||||||||||||
| 206,244,872株 | |||||||||||||
| 資本剰余金 | 101,403 | 12.4 | 100,652 | 10.8 | |||||||||
| 利益準備金 | 22,931 | 2.8 | 24,503 | 2.6 | |||||||||
| その他の剰余金 | 476,185 | 58.0 | 517,566 | 55.6 | |||||||||
| その他の包括利益(△損失)累計額 | (注記Ⅰ-F,Ⅱ-P) | △32,945 | △4.0 | 13,013 | 1.4 | ||||||||
| 自己株式 | (注記Ⅰ-C) | △24,816 | △3.0 | △54,607 | △5.8 | ||||||||
| 第84期 4,574,294株 第85期 7,053,647株 | 第84期 | 4,574,294株 | 第85期 | 7,053,647株 | |||||||||
| 第84期 | |||||||||||||
| 4,574,294株 | |||||||||||||
| 第85期 | |||||||||||||
| 7,053,647株 | |||||||||||||
| 株主資本合計 | 606,858 | 74.0 | 665,227 | 71.5 | |||||||||
| 非支配持分 | 2,500 | 0.3 | 2,744 | 0.3 | |||||||||
| 純資産合計 | 609,358 | 74.3 | 667,971 | 71.8 | |||||||||
| 負債及び純資産合計 | 820,379 | 100.0 | 930,629 | 100.0 | |||||||||
② 【連結損益計算書】
| 第84期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||||||
| 区分 | 注記 番号 | 金額(百万円) | 百分比 (%) | 金額(百万円) | 百分比 (%) | ||
| 売上高 | (注記Ⅰ-F,Ⅱ-A) | 655,529 | 100.0 | 762,927 | 100.0 | ||
| 売上原価及び費用 | (注記Ⅱ-I,N) | ||||||
| 売上原価 | 357,178 | 416,100 | |||||
| 販売費及び一般管理費 | (注記Ⅰ-F,Ⅱ-I) | 192,687 | 213,234 | ||||
| 試験研究開発費 | 43,184 | 44,277 | |||||
| その他費用(△収益)―純額― | (注記Ⅱ-C,F,G,L,W) | △2,609 | 590,440 | 90.1 | 2,602 | 676,213 | 88.6 |
| 法人税等、持分法投資損益控除前当期純利益 | 65,089 | 9.9 | 86,714 | 11.4 | |||
| 法人税等 | (注記Ⅰ-F,Ⅱ-M) | 15,093 | 2.3 | 23,046 | 3.1 | ||
| 持分法投資損益(△利益) | (注記Ⅰ-D,Ⅱ-D) | 6,098 | 0.9 | 1,624 | 0.2 | ||
| 当期純利益 | 43,898 | 6.7 | 62,044 | 8.1 | |||
| 非支配持分帰属損益 | 591 | 0.1 | 644 | 0.1 | |||
| 当社株主に帰属する 当期純利益 | 43,307 | 6.6 | 61,400 | 8.0 | |||
| 1株当たり利益 | (注記Ⅱ-O) | ||||||
| 基本的 | |||||||
| 当社株主に帰属する 当期純利益 | 214.72円 | 305.65円 | |||||
| 希薄化後 | |||||||
| 当社株主に帰属する 当期純利益 | - | - | |||||
③ 【連結包括利益計算書】
| 第84期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||||
| 区分 | 注記 番号 | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 当期純利益 | 43,898 | 62,044 | |||
| その他の包括利益(△損失) ―税効果考慮後 | (注記Ⅱ-P) | ||||
| 為替換算調整額 | |||||
| 当期発生為替換算調整額 | 23,138 | 40,078 | |||
| 実現額の当期損益への組替修正額 | 310 | 23,448 | 2,029 | 42,107 | |
| 退職年金債務調整額 | |||||
| 当期発生退職年金債務調整額 | 24,630 | 1,625 | |||
| 実現額の当期損益への組替修正額 | 3,053 | 27,683 | 3,012 | 4,637 | |
| デリバティブ純損益 | |||||
| 未実現利益(△損失)当期発生額 | △629 | △1,066 | |||
| 実現額の当期損益への組替修正額 | 295 | △334 | 383 | △683 | |
| その他の包括利益(△損失)計 | 50,797 | 46,061 | |||
| 包括利益 | 94,695 | 108,105 | |||
| 非支配持分に帰属する包括利益 | 727 | 747 | |||
| 当社株主に帰属する包括利益 | (注記Ⅰ-F) | 93,968 | 107,358 | ||
④ 【連結株主持分計算書】
| 項目 | 資本金 (百万円) | 資本 剰余金 (百万円) | 利益 準備金 (百万円) | その他の剰余金 (百万円) | その他の包括利益(△損失)累計額 (百万円) | 自己株式 (百万円) | 株主資本 (百万円) | 非支配持分 (百万円) | 純資産合計 (百万円) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第83期末 現在 | 64,100 | 100,521 | 20,981 | 451,768 | △83,606 | △23,349 | 530,415 | 2,174 | 532,589 |
| 当期純利益 | 43,307 | 43,307 | 591 | 43,898 | |||||
| 当社株主への 配当金 (1株当たり 84円00銭) | △16,940 | △16,940 | △16,940 | ||||||
| 非支配株主への配当金 | - | △401 | △401 | ||||||
| 非支配株主との資本取引等 | 0 | 0 | 0 | ||||||
| 株式に基づく 報酬(注)1 | 882 | 882 | 882 | ||||||
| 利益準備金繰入 | 1,950 | △1,950 | - | - | |||||
| その他の包括利益(△損失) | 50,661 | 50,661 | 136 | 50,797 | |||||
| 自己株式の取得およびその他 | △1,467 | △1,467 | △1,467 | ||||||
| 第84期末 現在 | 64,100 | 101,403 | 22,931 | 476,185 | △32,945 | △24,816 | 606,858 | 2,500 | 609,358 |
| 当期純利益 | 61,400 | 61,400 | 644 | 62,044 | |||||
| 当社株主への配当金 (1株当たり92円00銭) | △18,447 | △18,447 | △18,447 | ||||||
| 非支配株主への配当金 | - | △503 | △503 | ||||||
| 株式に基づく報酬(注)2 | △751 | 1,639 | 888 | 888 | |||||
| 利益準備金繰入 | 1,572 | △1,572 | - | - | |||||
| その他の包括利益(△損失) | 45,958 | 45,958 | 103 | 46,061 | |||||
| 自己株式の取得およびその他 | △31,430 | △31,430 | △31,430 | ||||||
| 第85期末 現在 | 64,100 | 100,652 | 24,503 | 517,566 | 13,013 | △54,607 | 665,227 | 2,744 | 667,971 |
(注)1 株式に基づく報酬の見積り変更による資本剰余金の増加309百万円を含みます。
2 株式に基づく報酬の見積り変更による資本剰余金の増加19百万円を含みます。
⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
| 第84期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | |||
| 区分 | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー | ||||
| 1 当期純利益 | 43,898 | 62,044 | ||
| 2 営業活動によるキャッシュ・フローと 当期純利益の調整 | ||||
| (1)減価償却費 | 22,756 | 23,367 | ||
| (2)固定資産除売却損(△益)(純額) | △325 | 901 | ||
| (3)長期性資産の減損 | 1,976 | 410 | ||
| (4)のれんの減損 | - | 3,384 | ||
| (5)事業譲渡に関連する損失 | - | 1,116 | ||
| (6)投資有価証券評価益(純額) | △7,615 | △5,447 | ||
| (7)退職給付引当金及び前払年金費用 | △617 | △662 | ||
| (8)繰延税金 | 1,164 | 4,632 | ||
| (9)持分法投資損益 | 6,098 | 1,624 | ||
| (10)資産・負債の増減 | ||||
| ① 受取手形及び売掛金の減少(△増加) | 3,893 | △9,074 | ||
| ② 棚卸資産の減少(△増加) | 5,425 | △30,427 | ||
| ③ その他の資産の減少(△増加) | 955 | △3,178 | ||
| ④ 支払手形及び買掛金・未払金の増加 | 6,237 | 13,293 | ||
| ⑤ 未払税金の増加 | 833 | 1,749 | ||
| ⑥ 未払費用及びその他流動負債の増加 | 5,301 | 2,316 | ||
| (11)その他(純額) | 3,852 | 49,933 | 1,380 | 5,384 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 93,831 | 67,428 | ||
| Ⅱ 投資活動によるキャッシュ・フロー | ||||
| 1 投資有価証券の売却による収入 | 751 | 921 | ||
| 2 投資有価証券の取得 | △1,057 | △5,386 | ||
| 3 資本的支出 | △26,662 | △33,357 | ||
| 4 施設借用保証金の増加(純額) | △189 | △140 | ||
| 5 有形固定資産の売却による収入 | 2,069 | 748 | ||
| 6 関連会社に対する投資の減少(△増加) | 7,850 | △112,444 | ||
| 7 事業売却による収入(△支出) | 2,453 | △505 | ||
| 8 その他(純額) | 0 | 0 | ||
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △14,785 | △150,163 | ||
| Ⅲ 財務活動によるキャッシュ・フロー | ||||
| 1 短期債務の増加(△減少)(純額) | △1,587 | 20,000 | ||
| 2 親会社の支払配当金 | △16,952 | △17,754 | ||
| 3 非支配株主への支払配当金 | △352 | △504 | ||
| 4 自己株式の取得 | △1,471 | △31,430 | ||
| 5 その他(純額) | 10 | 85 | ||
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △20,352 | △29,603 | ||
| Ⅳ 換算レート変動の影響 | 6,528 | 17,067 | ||
| 現金及び現金同等物の増減額 | 65,222 | △95,271 | ||
| 期首現金及び現金同等物残高 | 185,533 | 250,755 | ||
| 期末現金及び現金同等物残高 | 250,755 | 155,484 | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フローの追記 | ||||
| 1 支払利息の支払額 | 187 | 223 | ||
| 2 当期税金の支払額 | 14,287 | 17,156 | ||
| キャッシュ・フローを伴わない投資及び財務活動の追記 | ||||
| 1 資本的支出に関連する債務 | 659 | 1,513 | ||
| 2 退職給付信託へ拠出した投資有価証券の公正価値 | 977 | - | ||
連結財務諸表注記事項
Ⅰ 重要な会計方針の概要
A 事業内容および連結財務諸表の作成基準
1 事業内容
当社は先進的なコンピュータ、コミュニケーションおよびコントロール技術により、自動化機器、部品、システムなどを国際的に製造・販売しています。当社の活動は世界130ヶ国以上に及んでおり、米国、オランダ、中国、シンガポール、韓国の5ヶ所にエリア統轄会社を設置しています。
当社の商品は、タイプおよび市場等により区分され、以下のとおりのオペレーティング・セグメントにて取り扱っています。
インダストリアルオートメーションビジネス(IAB)では、プログラマブルコントローラー、モーションコントロール機器、センサー機器、産業用カメラ・コードリーダー機器、検査装置、セーフティ用機器、産業用ロボットなど、「オートメーションでモノづくりを革新し、世界中の人々を豊かにする」をビジョンに、当社が歴史的に育んできたオートメーションを事業の中心におき、モノづくりを革新することで、世界の製造業の生産性向上に貢献してきました。独自のコンセプト“i-Automation!”を掲げ、業界髄一の幅広い制御機器を軸に技術とソリューションでお客様のモノづくり現場にイノベーションを起こし、世界中の人々を豊かにする世界を目指します。
ヘルスケアビジネス(HCB)では、電子血圧計、ネブライザー、低周波治療器、心電計、酸素発生器、電子体温計、体重体組成計、歩数計・活動量計、電動歯ブラシ、マッサージャ、血糖計、動脈硬化検査装置、内臓脂肪計など、「地球上の一人ひとりの健康ですこやかな生活への貢献」をミッションに、誰でも簡単・正確に測定できる使いやすさと、医療現場からも信頼される精度にこだわり、商品やサービスを開発しています。血圧計や体温計、喘息治療薬を吸入するための機器であるネブライザーなど、各国の医療機器認証を取得したデバイスや国ごとに異なる社会インフラや医療システムに対応したサービスを、世界110ヵ国以上で展開しています。サービスでは、医師が遠隔で患者をモニタリングし処方・治療支援を行う遠隔診療サービスの提供を主要国から進めています。
ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(SSB)では、エネルギーソリューション、駅務システム、交通管理・道路管理システム、カード決済ソリューション、安心・安全ソリューション、IoT(電源保護・データ保護)ソリューション、関連メンテナンス事業など、「世界中の人々が安全・安心・快適に生活し続ける豊かな社会を創造する」をミッションとしています。太陽光発電用パワーコンディショナー、蓄電池、自動改札機や券売機などの駅務システム、交通管制システム、決済システム、UPSなどのデータ・電源保護といった、多岐にわたる端末・システム、さらにソフトウェア開発、保守メンテナンスによるトータルソリューションを提供し、社会インフラを支えています。
デバイス&モジュールソリューションズビジネス(DMB)(注)では、リレー、スイッチ、コネクター、アミューズメント機器用部品・ユニット、汎用センサー、顔認識ソフトウェア、画像センシングコンポ、MEMSセンサーなど「我々のデバイスとモジュールで、顧客の価値を創造し、地球上の人と社会に貢献する」をミッションとしています。ファクトリーオートメーションから、モビリティ、エネルギーマネジメント、ヘルスケア、業務民生機器など、幅広い業界の顧客に対して、電気を切る、入れる、つなぐためのコア部品となる、リレー、スイッチ、コネクターや、さまざまな製品の目や耳になるセンサーなどのデバイスやモジュールを、全世界で提供するオムロンの基盤事業です。
(注) 2022年4月からの長期ビジョン「SF2030」の開始に伴い、2023年3月期よりEMC:エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツ ビジネス(電子部品事業)の名称をDMB:デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)へ変更しています。
2 連結財務諸表の作成基準
当連結財務諸表は、欧州において発行した預託証券にかかる要求に基づき、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。
当社は、欧州にて1970年2月7日、香港にて1973年10月13日、時価発行による公募増資を実施しました。この時の預託契約に基づき、1967年3月31日に終了した連結会計年度より米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成していたことを事由として、1978年3月30日に「連結財務諸表規則取扱要領第86に基づく承認申請書」を大蔵大臣へ提出し、同年3月31日付の蔵証第496号により、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成することにつき承認を受けています。そのため、連結財務諸表については1978年3月31日に終了した連結会計年度より継続して、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を開示しています。
なお、当社は米国証券取引委員会への登録は行っていません。
B 我国の連結財務諸表原則及び連結財務諸表規則に準拠して作成する場合との主要な相違の内容
1 投資
提出会社の財務諸表では、有価証券の評価について「金融商品に関する会計基準」を適用しています。当連結財務諸表では、財務会計基準審議会(FASB)会計基準書第321号「投資-持分証券」を適用しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第84期7,006百万円(利益)、第85期5,179百万円(利益)です。
2 退職給付引当金
提出会社の財務諸表では、「退職給付に係る会計基準」を適用しています。当連結財務諸表では、FASB会計基準書第715号「報酬-退職給付」の規定に従って計上しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第84期913百万円(損失)、第85期1,157百万円(損失)です。
3 有給休暇の処理
当連結財務諸表では、FASB会計基準書第710号-10-25「報酬-有給休暇」に基づいて従業員の未使用有給休暇に対応する人件費負担相当額を未払計上しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第84期347百万円(利益)、第85期607百万円(損失)です。
4 のれんおよびその他の無形資産
当連結財務諸表では、FASB会計基準書第350号「無形資産-のれん及びその他」により、のれんおよび耐用年数の特定できない無形資産については償却に替え少なくとも年1回の減損判定を実施しています。我国の連結財務諸表原則および連結財務諸表規則に準拠してのれんの償却期間を5年とした場合と比較して、法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第84期4,768百万円(利益)、第85期931百万円(損失)です。
5 長期性資産
提出会社の財務諸表では、土地は「土地の再評価に関する法律」(平成10年3月31日公布法律第34号)および「土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律」(平成13年6月29日公布法律第94号)を適用しています。また、固定資産の減損については、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準委員会 平成15年10月31日企業会計基準適用指針第6号)を適用しています。当連結財務諸表ではFASB会計基準書第360号「有形固定資産」に基づいて、長期性資産および特定の識別できる無形資産について帳簿価額を回収できない恐れのある事象または状況の変化が起きた場合には、減損についての検討を行い、減損が生じていると考えられる場合には、帳簿価額が公正価値を上回る額を減損額として認識しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第84期1百万円(損失)、第85期1百万円(利益)です。
6 株式報酬
提出会社の財務諸表では、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 平成25年12月25日、平成27年3月26日改正)を適用しています。
当連結財務諸表では、FASB会計基準書第718号「報酬-株式報酬」を適用しています。法人税等、持分法投資損益控除前当期純損益影響額は、第84期35百万円(損失)、第85期126百万円(損失)です。
7 1株当たり株主資本
我国の連結財務諸表規則において開示が要求されている1株当たり株主資本は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準では要求されていませんが、第84期末現在3,009円15銭、第85期末現在3,339円64銭です。
8 未認識税務ベネフィット
当連結財務諸表では、FASB会計基準書第740号「法人税」に基づき、税務調査を受けることを前提に50%超の可能性をもって認められない税務ベネフィットの影響を認識しています。また、未認識の税務ベネフィットに関連する利息および課徴金については、連結損益計算書の法人税等に含めています。
C 連結の方針および範囲
当連結財務諸表は、当社および子会社の勘定を含んでいます。当社および子会社間のすべての重要な取引ならびに債権債務は相殺消去されています。
関連会社(20%~50%所有会社)に対する投資は、持分法を適用し計上しています。
当連結財務諸表には、全ての子会社(第84期末126社、第85期末119社)が含まれています。
なお、第81期より当社および子会社は役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託を活用した株式報酬制度を導入しています。信託を通じて当社株式を株式市場から購入し、役位および業績目標達成度等に応じて取締役および執行役員に当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付および給付します。
当社および子会社は信託の制度設計を通じて信託に対して最も重要な影響を与える活動を指示する権限を有しています。また、必要に応じて信託に追加で金銭を信託し、本信託により当社株式を追加取得する可能性があることから潜在的に義務を有しています。従って、当社および子会社は当事業体の主たる受益者であると判断し、当事業体を変動持分事業体として連結範囲に含めていますが、連結子会社数に含めてはいません。
第84期末および第85期末の連結貸借対照表において、当事業体が保有する現金及び現金同等物をそれぞれ221百万円、66百万円、自己株式を4,161百万円、3,921百万円計上しています。
我国の連結財務諸表規則によった場合と比較して重要な差はありません。なお、主要な連結子会社の会社名、主要な事業内容、議決権に対する所有割合等は、「第1 企業の概況」の「4 関係会社の状況」に記載しています。
D 持分法の適用
全ての関連会社に対する投資額は、持分法によって計上しています。
| 持分法適用関連会社: | 第84期末…………… | AliveCor,Inc.ほか | 計6社 |
|---|---|---|---|
| 第85期末…………… | ㈱JMDC、AliveCor,Inc.ほか | 計36社 |
我国の連結財務諸表規則によった場合と比較して重要な差はありません。なお、主要な持分法適用関連会社の会社名、主要な事業内容、議決権に対する所有割合等は、「第1 企業の概況」の「4 関係会社の状況」に記載しています。
関連会社の取得日の資産、負債および偶発負債の正味の公正価値に対する持分を取得対価が超える額は持分法によるのれんとして計上し投資の帳簿価額に含めています。
当社は、関連会社に対する投資について、投資先の超過収益力に基づく公正価値評価および事業計画の進捗状況や事業環境などの定性的評価を行い、その価値の下落が一時的とは認められない場合には、持分の簿価が当該関連会社の公正価値の当社持分を超過した分について持分法損失を認識しています。
なお、関連会社に対する投資の公正価値は、経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しています。事業計画は、マクロ経済状況、市場成長率、利益率、設備計画等の仮定を用いて策定し、事業計画予測期間以後のキャッシュ・フローは、被投資会社の属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積もった成長率をもとに算定しています。なお、コロナ禍が及ぼす影響につきましても、事業計画策定の仮定に考慮しています。
当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定の前提が当連結会計年度末の状況から大きく乖離し、関連会社に対する投資の帳簿価額がその公正価値を超過する場合には、関連会社に対する投資の金額に重要な影響を与える可能性があります。
E 子会社の事業年度
事業年度の末日が連結決算日と異なる子会社は第85期23社(第84期27社)であり、これらのうち22社(第84期26社)については、連結決算日の財務諸表を用い、それ以外の子会社については子会社の決算日の財務諸表を用いて連結財務諸表を作成しています。第84期および第85期においてこの決算日の相違により生じた重要な取引の差異はありません。
F 会計処理基準
1 会計上の見積り
米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠した連結財務諸表作成に当たり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
長期性資産の減損、のれんおよび非償却性の無形資産の減損、関連会社に対する投資、および繰延税金資産の回収可能性等については、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して見積りおよび判断を行っています。
当社グループを取り巻く事業環境は緩やかに回復に向かうものの、新型コロナウイルス感染症は第85期末時点においても収束の見込は完全には立っておらず、見積りにあたっては、その影響は当期末から翌連結会計年度にかけて継続するものと仮定しています。これらの当連結会計年度末残高は、連結財務諸表および関連注記をご参照ください。
2 現金及び現金同等物
現金同等物は取得日から3ヶ月以内に満期日の到来する流動性の高い投資から成っており、定期預金、コマーシャル・ペーパー、現先短期貸付金および追加型公社債投資信託の受益証券等を含んでいます。
3 貸倒引当金
貸倒引当金は主として当社および子会社の過去の貸倒損失実績および債権残高に対する潜在的損失の評価に基づいて、妥当と判断される額を計上しています。
4 投資
当社および子会社の保有する市場性のある持分証券は、未実現損益を反映させた公正価値で評価し、未実現損益は「投資有価証券評価益」または「投資有価証券評価損」に表示しています。当社および子会社の保有する容易に算定可能な公正価値がない市場性のない持分証券は、減損による評価下げ後の帳簿価額に同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動を加減算する方法、その他の合理的な方法により評価し、未実現損益は「投資有価証券評価益」または「投資有価証券評価損」に表示しています。売却原価の算定は、移動平均法によっています。
5 棚卸資産
棚卸資産は国内では主として先入先出法による低価法、海外では主として移動平均法による低価法で計上しています。
6 有形固定資産
有形固定資産は取得原価で計上しています。減価償却費はその資産の見積耐用年数をもとに、主として定額法で算出しています。建物及び構築物の見積耐用年数は概ね3年から50年、機械その他の見積耐用年数は概ね2年から15年です。減価償却費の金額は、第84期16,660百万円、第85期16,578百万円です。
7 のれんおよびその他の無形資産
FASB会計基準書第350号「無形資産-のれん及びその他」を適用しています。当基準書は、のれんおよび認識された無形資産のうち耐用年数の特定できないものの会計処理について、償却は行わず、年1回およびその帳簿価額が公正価値を上回るような事象の発生または状況の変化が生じた場合に減損判定を行うことを要求しています。のれんの減損判定は報告単位で行われます。報告単位とは、オペレーティング・セグメントあるいはその一段階下のレベルを指し、減損判定においては報告単位の公正価値とのれんを含む帳簿価額を比較して行われます。公正価値は経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しています。事業計画は、マクロ経済状況、市場成長率、利益率、設備計画等の仮定を用いて策定し、事業計画予測期間以後のキャッシュ・フローは、報告単位が属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積もった成長率をもとに算定しています。公正価値の算出に用いた主要な仮定の前提が当連結会計年度末の状況から大きく乖離し、報告単位の帳簿価額がその公正価値を超過する場合には、のれんの金額に重要な影響を与える可能性があります。報告単位の公正価値がその帳簿価額を上回る場合、その報告単位ののれんについて減損損失は認識されません。報告単位の帳簿価額がその公正価値を上回る場合には、当該報告単位に割り当てられたのれん総額を上限として、その超過分をのれんの減損損失として測定します。また、認識された無形資産のうち耐用年数の特定できるものについては、それぞれの見積耐用年数で償却しています。
8 長期性資産
長期性資産、すなわち有形固定資産、使用権資産および償却対象無形資産について、当該資産の帳簿価額を回収できない恐れのある事象または状況の変化が起きた場合には、減損についての検討を行っています。長期性資産の減損判定は、資産グループで行われます。資産グループとはその他のグループの資産と負債のキャッシュ・フローから相当程度自立的である、識別可能なキャッシュ・フローを有する最小単位です。保有して使用する資産の回収可能性は、当該資産の帳簿価額を当該資産から生み出されると期待される現在価値への割引前のキャッシュ・フロー純額と比較することにより判断しています。減損が生じていると考えられる場合には、帳簿価額が公正価値を上回る額を減損額として認識することになります。公正価値の見積もりにおいて、事業計画に基づく見積もり将来キャッシュ・フローの現在価値、または比較可能な市場価格により算定しています。見積もり将来キャッシュ・フローの現在価値は、資産グループの主たる対象資産の耐用年数を基に算定を行います。売却以外の方法により処分する資産については、処分するまで保有かつ使用するとみなされます。売却により処分する資産については、帳簿価額または売却費用控除後の公正価値のいずれか低い価額で評価しています。
9 借手としてのリース
当社および子会社は、建物、倉庫、従業員社宅および車両等に係るオペレーティング・リースおよびファイナンス・リースを有しており、リース契約の開始時に使用権資産、リース負債を両建てで認識しています。
当社および子会社は、契約開始時に契約にリースが含まれるか決定しています。当社および子会社は、識別された資産が存在し、当該資産の使用を支配する権利を有している場合に、当該契約にリースが含まれると決定しています。一部のリース契約では、リース期間の延長又は解約オプションが含まれており、当社および子会社は、これらのオプション行使が合理的に確実である場合、オプションの対象期間を考慮し、リース期間を決定しています。当社および子会社のリース契約には、重要な残価保証または重要な財務制限条項はありません。当社および子会社のリースの大部分は、リースの計算利子率が明示されておらず、当社および子会社は、リース料総額の現在価値を算定する際に、リース開始時に入手可能な情報を基にした追加借入利子率を使用しています。当社および子会社のリース契約の一部には、リース要素および非リース要素を含むものがあり、それぞれを区分して会計処理しています。当社および子会社はリース要素と非リース要素の見積独立価格の比率に基づいて、契約の対価を按分しています。当社および子会社は、リース期間が12ヶ月以内の短期リースについて、使用権資産、リース負債を認識しないことを選択しています。オペレーティング・リースに係る費用は、そのリース期間にわたり定額法で計上されています。なお、当社および子会社は、第84期および第85期において、重要なファイナンス・リース契約は行っていません。
10 退職給付引当金
退職給付引当金は、FASB会計基準書第715号「報酬-退職給付」に準拠し、従業員の退職給付に備えるため、当期末における予測給付債務および年金資産の公正価値に基づき計上および開示しています。また、退職給付引当金には当社および子会社の取締役および監査役に対する退職給付に備える引当額を含んでいます。
11 収益の認識
顧客との契約から生じる収益は、次の5ステップアプローチに基づき、製品またはサービスの支配が顧客に移転した時点で、または移転するにつれて認識します。
ステップ1: 顧客との契約を識別する。
ステップ2: 契約における履行義務を識別する。
ステップ3: 取引価格を算定する。
ステップ4: 取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5: 履行義務の充足時に(または充足するにつれて)収益を認識する。
売上高は、顧客との契約により約束された対価で測定され、値引きや販売数量等に応じたリベート等を控除しています。変動対価は、過去、現在および将来の予測を含む利用可能なすべての情報を用いて合理的に見積もっています。
また、契約開始時に、製品またはサービスを顧客に移転する時点から、顧客が当該製品またはサービスの対価を支払う時点の間の期間が1年以内と見込まれる場合は、FASB会計基準書第606号「顧客との契約から生じる収益」に基づく実務的な簡便法を適用し、対価に係る金融要素の調整をしていません。
12 広告宣伝費
広告宣伝費は発生時に費用認識しており、「販売費及び一般管理費」に含めて表示しています。広告宣伝費の金額は、第84期8,084百万円、第85期10,055百万円です。
13 発送費および取扱手数料
発送費および取扱手数料は、「販売費及び一般管理費」に含めて表示しています。発送費および取扱手数料の金額は、第84期10,566百万円、第85期12,073百万円です。
14 法人税等
繰延税金は税務上と会計上との間の資産および負債の一時的差異、ならびに繰越欠損金および繰越税額控除に関連する将来の見積税効果を反映しています。繰延税金の帳簿価額は、入手可能な証拠にもとづいて50%超の可能性で回収可能性がないと考えられる場合、評価性引当金の計上により減額することが要求されており、繰延税金資産の回収可能性に関連するあらゆる肯定的および否定的証拠を適切に検討することにより、繰延税金資産にかかる評価性引当金計上の要否を定期的に評価しています。この評価に関する経営者の判断においては、それぞれの税務管轄ごとの当期および累積損失の性質、頻度および重要性、将来の収益予測、税務上の簿価を超える資産評価額、繰越欠損金の法定繰越可能期間、過去における繰越欠損金の法定繰越可能期間内の使用実績、繰越欠損金および繰越税額控除の将来における使用可能性を考慮します。当社および連結子会社においては、過去の課税所得水準および繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の予測に基づき、現在計上している繰延税金資産が回収される可能性は高いものと考えていますが、当社および連結会社を取りまく市場の動向や為替変動など、課税所得の予測に影響を与える要因が変化し、課税所得の予測の不確実性が増大した場合には繰延税金資産の回収可能性の見積もりに影響を与える場合があります。税率の変更に伴う繰延税金資産および負債への影響は、その税率変更に関する法律の制定日の属する連結会計年度において損益認識しています。
FASB会計基準書第740号「法人税等の不確実性に関する会計処理」を適用しています。税務ポジションに関連する税務ベネフィットは、決算日において入手可能な情報に基づき、50%超の可能性で実現が期待される金額を計上しています。
日本の税法において認められる連結納税制度を適用しています。当社および一部の国内子会社は、「所得税法等の一部を改正する法律」(令和2年法律第8号)において創設されたグループ通算制度への移行およびグループ通算制度への移行に合わせて単体納税制度の見直しが行われます。なお、当該見直しによる繰延税金資産および繰延税金負債への影響は軽微です。
15 製品保証
製品保証費の見積りによる負債は、収益認識がなされた時点で「その他の流動負債」として計上しています。この負債は、過去の実績、頻度、製品保証の平均費用に基づいています。
16 デリバティブ
FASB会計基準書第815号「デリバティブ及びヘッジ」を適用しています。当基準書は、デリバティブ商品およびヘッジに関する会計処理および開示の基準を規定しており、すべてのデリバティブ商品を公正価値で連結貸借対照表上、資産または負債として認識することを要求しています。
為替予約取引および商品スワップ取引について、デリバティブ契約締結時点において、当社および子会社では予定取引に対するヘッジあるいは認識された資産または負債に関する受取または支払のキャッシュ・フローに対するヘッジ(キャッシュ・フロー・ヘッジ)に指定します。当社および子会社では、リスクマネジメントの目的およびさまざまなヘッジ取引に対する戦略と同様に、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係も正式に文書化しています。この手順は、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたすべてのデリバティブ商品を連結貸借対照表上の特定の資産および負債または特定の確定契約あるいは予定取引に関連付けることを含んでいます。当社および子会社の方針によると、すべての為替予約取引および商品スワップ取引は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺することに対し、高度に有効でなくてはなりません。
ヘッジが高度に有効であり、かつ、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定および認定されたデリバティブ商品の公正価値の変動は、指定されたヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動が損益に影響を与えるまで、「その他の包括利益(△損失)累計額」に計上されます。これらの金額は、ヘッジ対象が収益または費用として認識された期において、ヘッジ対象と同様の損益区分に振り替えられます。
17 現金配当額
現金配当額は、翌事業年度の当初において開催される定時株主総会まで未承認であっても、それぞれの事業年度の利益処分として提示される額に従って連結財務諸表に計上しています。その結果、未払配当金は連結貸借対照表上、その他の流動負債に含めて表示しています。
18 株式報酬
株式に基づく報酬の会計処理について、FASB会計基準書第718号「報酬-株式報酬」を適用しています。当基準書に従い、株式に基づく報酬費用は付与日の公正価値法に基づいて測定しています。その費用は、権利確定期間にわたって認識しています。
19 海外子会社の財務諸表項目の本邦通貨への換算
海外子会社の財務諸表は、FASB会計基準書第830号「外貨に関する事項」に基づいて資産・負債項目は決算日の為替相場、損益項目は期中平均為替相場によって換算しています。なお、換算によって生じた換算差額は、為替換算調整額として「その他の包括利益(△損失)累計額」に計上しています。
20 包括利益
FASB会計基準書第220号「包括利益」を適用しています。包括利益は当社株主に帰属する当期純損益および、為替換算調整額の変動、退職年金債務調整額の変動ならびに、デリバティブ純損益の変動からなり、連結包括利益計算書に記載しています。
G 新会計基準
新たに適用した会計基準
当連結会計年度よりFASB会計基準更新第2017-04「のれん減損テストの簡便化」を早期適用しています。当会計基準更新は、従来ののれん減損テストの際に求められる2段階テストのステップ2を廃止し、報告単位の帳簿価額がその公正価値を上回る場合に、当該報告単位に割り当てられたのれん総額を上限として、その上回る額を減損額として認識することを要求しています。当会計基準更新の適用による当社および子会社への影響はありません。
Ⅱ 主な科目の内訳および内容の説明
A 収益
1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報
第84期および第85期の売上高の内訳については以下のとおりです。
| 第84期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | (単位:百万円) | ||||||
| セグメント | IAB | HCB | SSB | DMB | 計 | 消去 調整他 | 連結 |
| 売上高 | |||||||
| 外部顧客に対する売上高 | 346,446 | 123,087 | 95,663 | 86,028 | 651,224 | 4,305 | 655,529 |
| セグメント間の内部売上高 | 5,029 | 292 | 8,994 | 43,327 | 57,642 | △57,642 | - |
| 計 | 351,475 | 123,379 | 104,657 | 129,355 | 708,866 | △53,337 | 655,529 |
| 主たる地域市場(外部顧客) | |||||||
| 日本 | 126,805 | 29,610 | 95,414 | 20,885 | 272,714 | 3,898 | 276,612 |
| 米州 | 27,629 | 23,952 | - | 12,061 | 63,642 | - | 63,642 |
| 欧州 | 65,554 | 22,784 | - | 13,141 | 101,479 | - | 101,479 |
| 中華圏 | 87,824 | 34,160 | 174 | 28,668 | 150,826 | 341 | 151,167 |
| 東南アジア他 | 38,534 | 12,140 | - | 11,089 | 61,763 | - | 61,763 |
| 直接輸出 | 100 | 441 | 75 | 184 | 800 | 66 | 866 |
| 計 | 346,446 | 123,087 | 95,663 | 86,028 | 651,224 | 4,305 | 655,529 |
| 第85期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | (単位:百万円) | ||||||
| セグメント | IAB | HCB | SSB | DMB | 計 | 消去 調整他 | 連結 |
| 売上高 | |||||||
| 外部顧客に対する売上高 | 432,637 | 132,857 | 87,692 | 106,442 | 759,628 | 3,299 | 762,927 |
| セグメント間の内部売上高 | 6,483 | 160 | 10,779 | 53,594 | 71,016 | △71,016 | - |
| 計 | 439,120 | 133,017 | 98,471 | 160,036 | 830,644 | △67,717 | 762,927 |
| 主たる地域市場(外部顧客) | |||||||
| 日本 | 149,635 | 27,841 | 87,226 | 21,895 | 286,597 | 3,299 | 289,896 |
| 米州 | 38,224 | 22,651 | - | 17,421 | 78,296 | - | 78,296 |
| 欧州 | 81,157 | 23,012 | - | 16,254 | 120,423 | - | 120,423 |
| 中華圏 | 117,104 | 43,346 | 96 | 35,805 | 196,351 | - | 196,351 |
| 東南アジア他 | 46,487 | 15,542 | - | 14,895 | 76,924 | - | 76,924 |
| 直接輸出 | 30 | 465 | 370 | 172 | 1,037 | 0 | 1,037 |
| 計 | 432,637 | 132,857 | 87,692 | 106,442 | 759,628 | 3,299 | 762,927 |
(注)日本以外の区分に属する主な国または地域など
(1) 米州………………米国・カナダ・ブラジル
(2) 欧州………………オランダ・英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン
(3) 中華圏……………中国・香港・台湾
(4) 東南アジア他……シンガポール・韓国・インド・豪州
(5) 直接輸出…………直送輸出取引
2.収益を理解するための基礎となる情報
IAB、HCB、DMBについては、概ね同一国内における販売は、契約上別段の定めのない限り、顧客に製品が到着した時点、輸出販売は、インコタームズ等に定められた貿易条件に基づきリスク負担が顧客に移転する時点で履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しています。
据付および現地での調整作業を伴う製品およびサービスの提供については、製品の引渡しと当該製品の据付および現地での調整作業を単一の履行義務として識別し、製品の据付および現地での調整作業が完了した時点で履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しております。
一部の取引については、当社製品の販売促進を目的として、関連する製品の販売数量等に基づき顧客にリベートを支払うことがあります。これらリベートは対価から控除するため、対価の額に変動性があります。顧客に支払うリベートの額は合理的に見積り可能なことから、重大な戻し入れが生じることはなく、変動対価の見積りが制限されることはないと判断しています。また、当社グループの販売する製品には、顧客が返品権を有するものは含まれていません。
SSBは、概ね顧客の検収を得ることができた時点で、当該履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しております。一部の取引については、顧客に製品が到着した時点で履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しております。
また、長期にわたりサービスを提供することにより、履行義務の充足に応じて一定期間にわたり収益を認識している販売があります。取引の対価は、履行義務充足後、概ね3ヶ月以内に受領しており、契約によっては、顧客から契約期間全部または一部の前受金を受領することがあります。その場合は、契約負債としてその他の流動負債もしくはその他の固定負債に計上しています。契約資産は、主に一定の期間にわたり履行義務を充足する契約から生じる収益と交換に受け取る対価に対する権利のうち債権を除いたものであり、その他の流動資産に計上しています。
なお、約束された対価は履行義務の充足時点から概ね3ヶ月で支払いを受けており、対価の金額に重要な金融要素は含まれておりません。
3.当連結会計年度および翌連結会計年度以降の収益の金額を理解するための情報
(1) 契約資産および契約負債の残高等
第84期における期首および期末における契約残高は、以下のとおりです。
| 受取手形 及び売掛金 (百万円) | 契約資産 | 契約負債 | |||
| その他の 流動資産 (百万円) | その他の 流動負債 (百万円) | その他の 固定負債 (百万円) | 合計 (百万円) | ||
| 第84期首残高 | 134,786 | - | 2,248 | 8,903 | 11,151 |
| 第84期末残高 | 135,161 | - | 3,019 | 8,930 | 11,949 |
第84期において、期首の契約負債から認識した収益は、2,215百万円です。
第85期における期首および期末における契約残高は、以下のとおりです。
| 受取手形 及び売掛金 (百万円) | 契約資産 | 契約負債 | |||
| その他の 流動資産 (百万円) | その他の 流動負債 (百万円) | その他の 固定負債 (百万円) | 合計 (百万円) | ||
| 第85期首残高 | 135,161 | - | 3,019 | 8,930 | 11,949 |
| 第85期末残高 | 151,820 | 647 | 2,312 | 8,836 | 11,148 |
第85期において、期首の契約負債から認識した収益は、2,594百万円です。
(2) 未履行の履行義務に配分した取引価格
未履行あるいは一部未履行の履行義務は主としてSSBの取引から発生しており、その金額は10,536百万円です。これらは主として1年から15年で収益認識することを予定しており、このうち約7割は5年以内に、約3割は5年超10年以内に収益認識されると見込んでおります。なお、予想される当初の契約期間が1年以内である契約については、未履行の履行義務に関する注記を省略しています。
B 棚卸資産
棚卸資産の内訳は、次のとおりです。
| 第84期末(百万円) | 第85期末(百万円) | |
|---|---|---|
| 製品 | 62,007 | 68,296 |
| 仕掛品 | 12,421 | 18,385 |
| 材料・貯蔵品 | 28,837 | 55,254 |
| 合計 | 103,265 | 141,935 |
C 投資
第84期および第85期における、連結貸借対照表の投資有価証券に含めている持分証券に係る実現損益および未実現損益は以下のとおりです。
| 第84期末(百万円) | 第85期末(百万円) | |
|---|---|---|
| 持分証券の損(△益)合計 | △7,615 | △5,447 |
| 持分証券の売却による当期の実現損(△益) | 16 | △34 |
| 持分証券の未実現損(△益) | △7,631 | △5,413 |
市場性のない持分証券のうち、容易に算定可能な公正価値がない持分証券の一部について、減損による評価下げ後の帳簿価額に同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動を加減算する方法により測定しています。
第84期において当社および子会社は減損を計上しておらず、同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動として、第84期に利益を144百万円計上しています。なお、この金額は上記の表に含まれています。また、第84期末におけるこれらの投資の帳簿価額は2,932百万円です。
第85期において、当社および子会社は発行体より提示される観察不能なインプットに基づき算定した減損損失を71百万円および同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動として、利益を1,208百万円計上しています。なお、この金額は上記の表に含まれています。第85期末におけるこれらの投資の帳簿価額は7,282百万円です。
D 関連会社に対する投資
投資先である持分法適用関連会社から提供された財務情報にもとづく重要な持分法適用関連会社の合算・要約財務情報は次のとおりです。
| 貸借対照表 | ||
|---|---|---|
| 区分 | 第84期(百万円) | 第85期(百万円) |
| 流動資産 | 22,757 | 44,875 |
| 固定資産 | 8,555 | 45,886 |
| 流動負債 | 7,227 | 18,987 |
| 固定負債及び非支配持分 | 9,509 | 29,584 |
| 持分比率 | 29%-50% | 29%-50% |
| 損益計算書 | ||
| 区分 | 第84期(百万円) | 第85期(百万円) |
| 売上高及び営業収入 | 112,116 | 31,752 |
| 営業利益 | 2,121 | △3,124 |
| 株主に帰属する当期純利益(△損失) | 975 | △4,218 |
| 持分比率 | 29%-50% | 29%-50% |
第85期連結貸借対照表に計上されている関連会社に対する投資及び貸付金には、VG2020期間に実施したヘルスケア事業の成長戦略投資にかかる、米国にて心房細動の遠隔診断・モニタリングサービスを展開するAliveCor,Inc.社に対する持分法による投資9,642百万円が含まれており、AliveCor,Inc.社の純資産に対する当社の持分相当額を上回る8,172百万円は、主に持分法適用開始時に識別したのれん相当額によるものです。
また、関連会社に対する投資及び貸付金には、JMDC社に対する当社持分112,214百万円が含まれており、JMDC社の純資産に対する当社の持分相当額を101,926百万円上回っています。
当社は2021年3月29日に当社の保有する日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社の全株式を株式会社日立製作所に譲渡する株式譲渡契約を締結し、2021年3月31日に当該株式譲渡が完了しました。これらについて、第84期の連結損益計算書上、持分法投資損益に6,787百万円の損失が計上されています。
JMDC社は、株式市場に上場しています。当連結会計年度末における当該関連会社の帳簿価額および時価はそれぞれ112,214百万円および126,034百万円です。
E 受取手形及び売掛金
当社および子会社は、関連会社と通常の営業過程でさまざまな取引を行っています。第84期末および第85期末現在において、重要な債権残高はありません。
F のれんおよびその他の無形資産
のれんを除く無形資産は以下のとおりです。
| 第84期末(百万円) | 第85期末(百万円) | |||
| 取得原価 | 償却累計額 | 取得原価 | 償却累計額 | |
| 償却対象無形資産: | ||||
| ソフトウエア | 66,579 | 55,133 | 73,615 | 59,238 |
| 顧客関連資産 | 5,513 | 1,335 | 6,250 | 1,896 |
| 技術 | 6,804 | 2,722 | 7,086 | 3,523 |
| その他 | 3,930 | 464 | 4,257 | 858 |
| 合計 | 82,826 | 59,654 | 91,208 | 65,515 |
第85期に取得した償却対象無形資産のうち、主なものはソフトウェアの7,569百万円です。なお、その他の償却対象無形資産の取得に重要性はありません。ソフトウェアの加重平均償却年数は、約5年です。
第85期の償却費合計は6,789百万円(第84期6,096百万円)です。次期以降5年間における見積り償却費は、第86期6,678百万円、第87期5,480百万円、第88期4,372百万円、第89期3,236百万円、第90期2,007百万円です。
第84期末および第85期末現在における非償却無形資産の金額には重要性がありません。
第84期におけるオペレーティング・セグメント別のれんの帳簿価額の変動は次のとおりです。
| IAB (百万円) | HCB (百万円) | SSB (百万円) | DMB (百万円) | 消去調整他 (百万円) | 合計 (百万円) | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 期首残高 | ||||||
| のれん | 38,946 | 5,275 | - | 418 | 1,475 | 46,114 |
| 減損損失累計額 | △5,739 | - | - | △332 | △1,475 | △7,546 |
| 合計 | 33,207 | 5,275 | - | 86 | - | 38,568 |
| 当期取得 | - | - | - | - | - | - |
| 当期減損 | - | - | - | - | - | - |
| 事業売却 | - | - | - | - | - | - |
| 為替換算調整額等 | 731 | △154 | - | 15 | - | 592 |
| 期末残高 | ||||||
| のれん | 39,677 | 5,121 | - | 433 | 1,475 | 46,706 |
| 減損損失累計額 | △5,739 | - | - | △332 | △1,475 | △7,546 |
| 合計 | 33,938 | 5,121 | - | 101 | - | 39,160 |
第85期におけるオペレーティング・セグメント別のれんの帳簿価額の変動は次のとおりです。
| IAB (百万円) | HCB (百万円) | SSB (百万円) | DMB (百万円) | 消去調整他 (百万円) | 合計 (百万円) | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 期首残高 | ||||||
| のれん | 39,677 | 5,121 | - | 433 | 1,475 | 46,706 |
| 減損損失累計額 | △5,739 | - | - | △332 | △1,475 | △7,546 |
| 合計 | 33,938 | 5,121 | - | 101 | - | 39,160 |
| 当期取得 | - | - | - | - | - | - |
| 当期減損 | - | △3,384 | - | - | - | △3,384 |
| 事業売却 | - | - | - | - | - | - |
| 為替換算調整額等 | 3,521 | 407 | - | 14 | - | 3,942 |
| 期末残高 | ||||||
| のれん | 43,198 | 5,528 | - | 447 | 1,475 | 50,648 |
| 減損損失累計額 | △5,739 | △3,384 | - | △332 | △1,475 | △10,930 |
| 合計 | 37,459 | 2,144 | - | 115 | - | 39,718 |
FASB会計基準書第350号「無形資産-のれん及びその他」に基づき、第84期における減損損失はありません。
ヘルスケア事業におけるブラジルのネブライザーメーカーであるNS Indústria de Aparelhos Médicos LTDA.(現Omron Healthcare Brasil Indústria e Comércio de Produtos Médicos LTDA.)を取得した際に計上したのれんにつき、ブラジル国内の急速なインフレ進行を踏まえた事業環境、およびブラジルレアル安の影響等を勘案し、第85期第3四半期末に見直された今後の事業計画に基づいて当該報告単位の公正価値を再測定した結果、第85期において減損損失を3,384百万円計上しています。なお、報告単位の公正価値の測定方法については(注記Ⅱ-T)に記載しています。上記減損損失は連結損益計算書上、「その他費用(△収益)―純額―」に含まれています。
G 長期性資産の減損
第84期および第85期に、消去調整他において一部の半導体関連製品製造設備等の収益性低下により、それぞれ1,976百万円および410百万円の長期性資産にかかる減損損失を計上しました。なお、グルーピングした資産の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して測定しています。
上記減損損失は連結損益計算書上、「その他費用(△収益)―純額―」に含まれています。
H 短期借入金
短期借入金の残高等は、以下のとおりです。
| 第84期末 | 第85期末 | |
|---|---|---|
| 短期借入金 | - | 20,000百万円 |
| (加重平均利率) | - | (0.13%) |
第85期末における未使用コミットメントラインは30,000百万円です。
I リース
借手としてのリース
リースに係る連結損益計算書情報は以下のとおりです。
なお、リース費用は連結損益計算書の売上原価、販売費及び一般管理費に含まれています。
| 第84期 (百万円) | 第85期 (百万円) | |
|---|---|---|
| ファイナンス・リース当期償却額 | 2,156 | 1,597 |
| オペレーティング・リース費用 | 11,621 | 11,516 |
| 短期リース費用 | 643 | 986 |
| その他リース費用 | 952 | 1,070 |
| 合計 | 15,372 | 15,169 |
リースキャッシュ・フローの内訳
リースに係る連結キャッシュ・フロー計算書情報は以下のとおりです。
| 第84期 (百万円) | 第85期 (百万円) | |
|---|---|---|
| リース負債測定に含まれる現金支払総額 | ||
| オペレーティング・リースに係る営業キャッシュ・フロー | 11,482 | 11,491 |
| リース負債と交換で取得した使用権資産に係る非資金取引 | ||
| オペレーティング・リース | 9,572 | 11,794 |
将来リース料の年度別内訳
オペレーティング・リースに関する将来の最低支払リース料の年度別金額は以下のとおりです。
| 第85期末(百万円) | |
|---|---|
| 第86期 | 11,543 |
| 第87期 | 9,006 |
| 第88期 | 6,097 |
| 第89期 | 3,198 |
| 第90期 | 2,476 |
| 第91期以降 | 8,732 |
| 最低支払リース料計 | 41,052 |
| 利息費用 | △936 |
| 合計 | 40,116 |
残存リース期間および割引率の内訳
オペレーティング・リースに係る連結加重平均残存期間および割引率情報は以下のとおりです。
| 第84期 | 第85期 | |
|---|---|---|
| 加重平均残存期間 | 77ヶ月 | 68ヶ月 |
| 加重平均割引率 | 0.8% | 1.0% |
J 退職給付関連費用
当社および一部の国内子会社は、第83期第1四半期に、確定給付年金制度および退職一時金制度について、2019年7月1日以降の積立分(「将来分」)を確定拠出年金制度へ移行することを決定しました。また、2019年6月30日以前分(「過去分」)について、法令で要求される年数にわたり一部を確定拠出年金制度へ移管するとともに制度改定を行っています。
当該確定拠出年金制度への移管に伴う支出額に対応して減少する退職給付債務を「清算」に含めております。加えて、当該確定拠出年金制度への移管に伴う支出額と、移管に対応して減少する退職給付債務の差額を「清算による影響額」に含めております。
なお、当社および国内子会社は、当該制度移管実施以前までの期間について、大部分の国内従業員を対象として退職一時金および退職年金制度を採用していました(以下、日本における拠出型給付制度)。給付額は、主として担当職務およびその実績に基づいて毎年従業員に付与されるポイントの累計値によって計算されます。通常、退職一時金について、退職事由が会社都合の場合は、自己都合の場合に比べ増額されます。
当社および国内子会社は、これらの退職給付に備え一定部分について、年金制度への拠出を行っています。年金制度への拠出額は、日本の法人税法において認められる年金数理計算により算出されます。
(1) 予測給付債務と年金資産の状況
保険数理に基づいて計算された予測給付債務および年金資産の公正価額の期首残高と期末残高の調整表は、以下のとおりです。
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |
|---|---|---|
| 予測給付債務の変動: | ||
| 期首予測給付債務 | 209,200 | 197,713 |
| 利息費用 | 1,213 | 1,205 |
| 保険数理差異 | △582 | △1,693 |
| 給付支払 | △8,663 | △9,309 |
| 清算 | △3,455 | △2,892 |
| 連結範囲の異動 | - | △1,693 |
| 期末予測給付債務 | 197,713 | 183,331 |
| 年金資産の変動: | ||
| 期首年金資産公正価額 | 149,105 | 163,666 |
| 年金資産の実際収益 | 21,645 | 6,690 |
| 退職給付信託からの拠出 | 1,383 | 390 |
| 給付支払 | △6,013 | △7,251 |
| 清算 | △2,454 | △1,982 |
| 連結範囲の異動 | - | △1,381 |
| 期末年金資産公正価額 | 163,666 | 160,132 |
| 期首退職給付信託資産公正価額 | 24,660 | 40,783 |
| 信託資産の実際収益 | 16,529 | △2,803 |
| 年金資産への拠出 | △1,383 | △390 |
| 事業主拠出 | 977 | - |
| 期末退職給付信託資産公正価額 | 40,783 | 37,590 |
| 年金制度の財政状況 | 6,736 | 14,391 |
第84期末および第85期末現在の連結貸借対照表における認識額は次のとおりです。
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |
|---|---|---|
| 前払年金費用(△退職給付引当金) | 6,736 | 14,391 |
| 合計 | 6,736 | 14,391 |
第84期末および第85期末現在の連結貸借対照表におけるその他の包括利益(△損失)累計額(税効果考慮前)の認識額の内訳は次のとおりです。
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |
|---|---|---|
| 未認識保険数理差異 | 61,060 | 54,096 |
| 未認識過去勤務収益 | △14,813 | △14,264 |
| 合計 | 46,247 | 39,832 |
第84期末および第85期末現在の累積給付債務は次のとおりです。
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |
|---|---|---|
| 累積給付債務 | 197,713 | 183,331 |
(2) 期間純年金費用の構成
当該制度を採用している退職給付制度に係る期間退職給付費用は、次の項目により構成されています。
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |
|---|---|---|
| 予測給付債務に係る利息費用 | 1,213 | 1,205 |
| 年金資産の期待収益 | △3,624 | △3,497 |
| 償却費用 | 3,774 | 3,666 |
| 清算による影響額 | 1,643 | 1,373 |
| 合計 | 3,006 | 2,747 |
第83期における制度改定により発生した未認識過去勤務収益については、FASB会計基準書第715号「報酬-退職給付」に準拠し、平均残余余命年数である37年による定額法により費用処理しています。未認識保険数理差異は、予測給付債務と年金資産のいずれか多い額の10%を超える差異金額を15年による定額法により費用処理しています。
第86期において、その他の包括利益(△損失)累計額から期間純年金費用に計上されると見込まれる未認識保険数理差異および未認識過去勤務収益の償却額は、次のとおりです。
| 第86期(百万円) | ||
|---|---|---|
| 未認識保険数理差異 | 3,370 | |
| 未認識過去勤務収益 | △420 |
(3) 測定日
退職給付および年金制度の大部分を占める当社および一部の国内子会社は、3月31日を測定日としています。
(4) 前提条件
第84期末および第85期末時点での給付債務の数理計算に用いた基本的な前提条件は、以下のとおりです。
| 第84期 | 第85期 | |
|---|---|---|
| 割引率 | 0.63% | 0.74% |
第84期および第85期の退職給付費用の数理計算に用いた基本的な前提条件は、以下のとおりです。
| 第84期 | 第85期 | |
|---|---|---|
| 割引率 | 0.58% | 0.63% |
| 年金資産の長期期待収益率 | 2.20% | 2.20% |
当社は、将来収益に対する予測や過去の運用実績、経済動向に基づき長期期待収益率を設定しています。
また、第83期より将来分の退職給付を確定拠出年金制度へ移管したことに伴い、将来の昇給率は設定していません。
(5) 年金資産
当社の投資政策は、受給権者に対する将来の年金給付に対応できる十分な年金資産を確保すべく策定されています。また当社は、年金資産の長期期待収益率を考慮した上で、持分証券・負債証券・その他資産の最適な組み合わせからなる基本ポートフォリオを算定しています。
当社は、この基本ポートフォリオを修正する必要があるかどうかを判断するため、年金資産の長期期待収益と実際の運用収益との乖離幅を毎年検証しています。また、年金資産の長期期待収益率を達成する為に、基本ポートフォリオの見直しが必要だと考えられる場合は、必要な範囲で基本ポートフォリオを見直しています。
年金資産の目標配分割合は、持分証券が20%、負債証券および生保一般勘定が46%、その他が34%であり、持分証券は、主に証券取引所に上場している株式であり、投資対象企業の経営について精査し、業種・銘柄など適切な分散投資を行っています。負債証券は、主に国債・公債・社債から構成されており、格付・利率・償還日などの発行条件を精査し、適切な分散投資を行っています。その他資産は、オルタナティブを中心とした合同運用信託であり、適切な分散投資を行っています。また、生保一般勘定は、一定の予定利率と元本が保証されています。
第84期末における資産カテゴリー別の年金資産の公正価値の金額は次のとおりです。
| 公正価値による測定額 | ||||
| レベル1 (百万円) | レベル2 (百万円) | レベル3 (百万円) | 合計 (百万円) | |
| 持分証券 | ||||
| 国内株式(注)1、2 | 36,642 | - | - | 36,642 |
| 合同運用信託(注)3、4 | - | - | - | 34,803 |
| 負債証券 | ||||
| 合同運用信託(注)3、5 | - | - | - | 30,212 |
| その他資産 | ||||
| 生保一般勘定 | - | 32,172 | - | 32,172 |
| 合同運用信託(注)3 | - | - | - | 66,479 |
| その他 | 4,090 | 51 | - | 4,141 |
| 合計 | 40,732 | 32,223 | - | 204,449 |
(注)1 持分証券の国内株式に含まれる当社株式はありません。
2 退職給付信託です。
3 純資産価値(またはその同等物)で公正価値を測定する特定の投資は、公正価値ヒエラルキーに分類していません。この表の公正価値は、公正価値ヒエラルキーの金額を連結貸借対照表上の表示額に調整するために表示しています。
4 持分証券の合同運用信託は、上場株式を対象として、国内株式に約30%・外国株式に70%の割合で投資しています。
5 負債証券の合同運用信託は、日本国債に約30%・外国国債に約70%の割合で投資しています。
レベル1に該当する資産は、主に預金および株式であり、株式は活発な市場における修正されていない市 場価格で評価しています。
レベル2に該当する資産は、主に生保一般勘定であり予定利率と元本に基づき評価しています。
合同運用信託は運用機関により計算された純資産価値により評価しています。
第85期末における資産カテゴリー別の年金資産の公正価値の金額は次のとおりです。
| 公正価値による測定額 | ||||
| レベル1 (百万円) | レベル2 (百万円) | レベル3 (百万円) | 合計 (百万円) | |
| 持分証券 | ||||
| 国内株式(注)1、2 | 31,662 | - | - | 31,662 |
| 合同運用信託(注)3、4 | - | - | - | 34,142 |
| 負債証券 | ||||
| 合同運用信託(注)3、5 | - | - | - | 27,440 |
| その他資産 | ||||
| 生保一般勘定 | - | 29,387 | - | 29,387 |
| 合同運用信託(注)3 | - | - | - | 69,163 |
| その他 | 5,884 | 44 | - | 5,928 |
| 合計 | 37,546 | 29,431 | - | 197,722 |
(注)1 持分証券の国内株式に含まれる当社株式はありません。
2 退職給付信託です。
3 純資産価値(またはその同等物)で公正価値を測定する特定の投資は、公正価値ヒエラルキーに分類していません。この表の公正価値は、公正価値ヒエラルキーの金額を連結貸借対照表上の表示額に調整するために表示しています。
4 持分証券の合同運用信託は、上場株式を対象として、国内株式に約30%・外国株式に70%の割合で投資しています。
5 負債証券の合同運用信託は、国内債券に約30%・外国債券に約70%の割合で投資しています。
レベル1に該当する資産は、主に預金および株式であり、株式は活発な市場における修正されていない市 場価格で評価しています。
レベル2に該当する資産は、主に生保一般勘定であり予定利率と元本に基づき評価しています。
合同運用信託は運用機関により計算された純資産価値により評価しています。
(6) キャッシュ・フロー
拠出
当社および子会社は、第86期中に国内の退職給付および年金制度に対して、掛金を拠出する予定はありません。
給付
予想される将来の勤務を反映させた給付額の見込みは次のとおりです。
| (百万円) | ||
|---|---|---|
| 第86期 | 9,504 | |
| 第87期 | 9,480 | |
| 第88期 | 9,641 | |
| 第89期 | 9,177 | |
| 第90期 | 9,978 | |
| 第91期~第95期 | 38,439 |
オムロン企業年金制度以外の制度にかかる退職給付引当金の残高は、第84期末現在7,598百万円、第85期末現在8,194百万円です。また、これらの制度にかかる退職給付関連費用は、第84期342百万円、第85期257百万円です。
オムロン企業年金制度以外の制度には、欧州子会社の一部の従業員を対象とした確定給付型年金制度、ならびに当社および子会社のその他の退職給付制度が含まれます。確定給付型年金制度にかかる予測給付債務および年金資産の公正価額の残高は、第84期末現在、それぞれ11,485百万円、10,622百万円、第85期末現在、それぞれ10,413百万円、9,801百万円であり、その他の退職給付制度にかかる予測給付債務および年金資産の公正価額の残高に重要性はありません。その他の退職給付制度では、従業員の退職時に退職一時金が支給されます。
確定拠出制度
第84期および第85期における確定拠出年金費用は次のとおりです。
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |
|---|---|---|
| 確定拠出年金費用 | 7,714 | 8,076 |
K 資本
会社法では、すべての株式は無額面で発行され、払込価額の少なくとも50%を資本金に組み入れ、残りの額を資本剰余金の一部である資本準備金へ組み入れることを規定しています。また、取締役会の決議に基づき、株式分割を行い、既存株主に対し払込金無しで新株を割り当てることができます。このような株式分割による株主資本の総額の変化は、一般的にありません。
会社法では、支払配当金の10%を、利益準備金と資本準備金の合計額が資本金の25%に達するまで、利益準備金または資本準備金(資本剰余金の一部)に繰り入れることが規定されています。さらに、会社法の規定では、資本金、利益準備金、資本準備金、その他資本剰余金および利益剰余金について、株主総会の決議に基づいて、これらの科目間で振り替えることも可能です。
会社法では、取締役会の決議に基づいて自己株式の取得や処分を行うことが可能です。自己株式の買取額については、一定の計算式により算出される分配可能額を超えることはできません。
会社法では、株主総会決議に基づく期末配当に加え、事業年度内の任意の時期に配当を支払うことが可能です。一定の条件として、(1)取締役会があること、(2)独立監査人がいること、(3)監査役会があること、および(4)定款において取締役の任期を通常の2年ではなく1年と規定していることを満たす会社は、定款の規定により取締役会が配当支払(現物配当は除く)を決定することができます。当社はこの基準を満たしています。
会社法では、一定の制限および追加的要請を満たす場合、株主に対して現物(非現金資産)配当を行うことも可能です。
定款に規定していれば、取締役会の決議に基づいて、年1回の中間配当を支払うことも可能です。会社法には、配当可能額および自己株式の取得額については一定の制限があります。その制限は、株主への分配可能額として定義されていますが、配当支払後の純資産は3百万円を下回ることはできません。2022年3月31日現在、親会社の帳簿に基づき、会社法に規定される配当可能額は93,766百万円です。
L その他費用(△収益)―純額―
第84期および第85期のその他費用(△収益)―純額―の内訳は、次のとおりです。
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |
|---|---|---|
| 固定資産除売却損(△益)(純額) | △325 | 901 |
| 長期性資産の減損 | 1,976 | 410 |
| のれんの減損 | - | 3,384 |
| 投資有価証券評価益(純額) | △7,615 | △5,447 |
| 事業譲渡に関連する損失 | - | 1,116 |
| 受取利息(純額) | △813 | △827 |
| 為替差損(純額) | 1,238 | 194 |
| 海外投資の清算による為替差損 | - | 2,029 |
| 受取配当 | △552 | △769 |
| 退職給付費用 | 3,006 | 2,747 |
| 補助金 | △544 | △710 |
| 支払和解金 | 844 | - |
| その他(純額) | 176 | △426 |
| 合計 | △2,609 | 2,602 |
M 法人税等
第84期および第85期の法人税等の内訳は次のとおりです。
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |
|---|---|---|
| 当期税額 | 13,929 | 18,594 |
| 繰延税額(以下の項目を除く) | 2,177 | 3,104 |
| 評価性引当金の変更影響額 | △1,013 | 1,348 |
| 合計 | 15,093 | 23,046 |
当社および国内子会社は、利益に対してさまざまな税金が課せられます。日本の法定実効税率は、第84期において30.5%、第85期において30.5%です。当社および子会社の税効果会計適用後の法人税等の負担率は、次の事由により日本の法定実効税率とは異なっています。
| 第84期(%) | 第85期(%) | |
|---|---|---|
| 日本の法定実効税率 | 30.5 | 30.5 |
| 増加(△減少)理由 | ||
| 永久的損金不算入項目 | 0.5 | 1.3 |
| 税額控除試験研究費等 | △2.4 | △3.4 |
| 税効果が認識されていない子会社の当期損失 | 0.4 | 1.4 |
| 海外子会社の税率差 | △5.8 | △4.2 |
| 評価性引当金の変更影響 | △0.5 | 0.2 |
| 海外子会社の留保利益 | 1.4 | 3.2 |
| 子会社の投資に係る一時差異 | △0.1 | 0.5 |
| 未認識税務ベネフィットの影響 | 0.2 | △2.1 |
| その他(純額) | △1.0 | △0.8 |
| 税効果会計適用後の法人税等の負担率 | 23.2 | 26.6 |
第84期末および第85期末の繰延税金資産および負債計上の原因となった一時差異および繰越欠損金等の主なものは、次のとおりです。
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |||
| 繰延税金資産 | 繰延税金負債 | 繰延税金資産 | 繰延税金負債 | |
| 棚卸資産の評価 | 6,739 | - | 6,302 | - |
| 未払賞与及び有給休暇費用 | 6,566 | - | 7,204 | - |
| 退職給付引当金 | 4,124 | - | 3,659 | - |
| 市場性のある有価証券 | - | 5,341 | - | 7,185 |
| 有形固定資産 | 1,679 | - | 205 | - |
| 海外子会社の留保利益 | - | 6,482 | - | 10,323 |
| 前受収益 | 2,285 | - | 2,589 | - |
| その他の一時差異 | 9,635 | 1,290 | 10,130 | 866 |
| 繰越欠損金 | 7,695 | - | 6,868 | - |
| 計 | 38,723 | 13,113 | 36,957 | 18,374 |
| 評価性引当金 | △3,101 | - | △2,645 | - |
| 評価性引当金控除後計 | 35,621 | 13,113 | 34,312 | 18,374 |
評価性引当金は、第84期において8百万円増加し、第85期において456百万円減少しました。
当社および子会社が有している税務上、将来所得と相殺できる繰越欠損金は、第85期末現在、日本では27,689百万円、海外では23,327百万円です。その多くは日本では2028年までに控除期限が到来し、海外では2039年までに控除期限が到来します。
当社は、子会社の留保利益について、再投資を予定している限りにおいて、繰延税金負債を計上していません。この結果、繰延税金負債を計上していない海外子会社の留保利益は、第85期末現在で74,149百万円(第84期末現在61,242百万円)であり、対応する未認識の繰延税金負債は、第85期末現在で10,630百万円(第84期末現在9,383百万円)です。国内子会社から受け取る配当金については、概ね非課税です。
第84期および第85期における未認識税務ベネフィットの期首残高と期末残高の調整は次のとおりです。
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |
|---|---|---|
| 期首残高 | 1,326 | 1,584 |
| 当期の税務ポジションに関連する増加 | - | 159 |
| 過年度の税務ポジションに関連する増加 | 258 | 234 |
| 過年度の税務ポジションに関連する減少 | - | △1,584 |
| 期末残高 | 1,584 | 393 |
未認識税務ベネフィットのうち、認識された場合、実効税率に影響を与える金額は第84期は1,584百万円、第85期は393百万円です。
第85期末現在において、当社および子会社が入手可能な情報に基づく限り、今後12ヶ月以内の未認識税務ベネフィットの変動は当社の財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすことはありません。
未認識税務ベネフィットに関連する利息および課徴金については、連結損益計算書の法人税等に含めています。
当社および子会社は、日本および海外で税務申告を行っています。日本においては、いくつかの例外を除き、第82期以前の事業年度について税務調査が終了しています。また、海外においては、いくつかの例外を除き、第70期以前の事業年度について税務調査が終了しています。
N 株式報酬
業績連動型株式報酬制度の内容
第81期より、当社および子会社は取締役および執行役員を対象に業績連動型株式報酬制度を導入しています。
当該株式報酬制度として役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託を採用しています。役員報酬BIP信託とは、欧米の業績連動型株式報酬(Performance Share)制度および譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)制度と同様に、役位および業績目標達成度等に応じて取締役および執行役員に当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付および給付する、役員向けの株式報酬制度です。株式付与ESOP信託とは、米国のESOP制度を参考にした信託型インセンティブプランです。なお、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式は、自己株式として会計処理しています。
当該株式報酬制度では、当社の掲げる中期経営計画の対象となる各事業年度の末日に取締役等として在任していることなど所定の受益者要件を満たしていることを条件として、毎年、役位などに応じたポイント(1ポイント=1株)受給権が付与されます。なお、業績連動ポイントは対象期間終了後に、非業績連動ポイントは対象期間にわたって年度ごとに付与されます。これらのポイント数は、所定の受益者確定手続きを経た上で、相当する当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭の交付および給付を受けることができます。
権利未確定ポイントの変動および加重平均付与日公正価値は次のとおりです。
| 第84期 | 第85期 | |||
| ポイント数 | 加重平均 付与日公正価値(円) | ポイント数 | 加重平均 付与日公正価値(円) | |
| 期首権利未確定ポイント | 290,580 | 5,106 | 461,759 | 5,090 |
| 付与 | 115,228 | 4,840 | 56,014 | 9,865 |
| 権利確定 | - | - | △465,481 | 5,090 |
| 見積り変更 | 55,951 | 5,515 | 3,722 | 5,090 |
| 期末権利未確定ポイント | 461,759 | 5,090 | 56,014 | 9,865 |
(注) 加重平均付与日公正価値は、当社株式の市場価格に予想配当を考慮に入れて修正し、算出しています。
株式に基づく報酬費用
連結損益計算書に含まれている株式に基づく報酬費用として認識した額は、第84期は882百万円、第85期は553百万円です。
O 1株当たり情報
当社は1株当たり利益の算出にあたり、FASB会計基準書第260号「1株当たり利益」を適用しています。「当社株主に帰属する1株当たり当期純利益」算出における分子、分母は次のとおりです。
なお、第84期および第85期においては、潜在株式が存在しないため希薄化効果はありません。
分子
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |
|---|---|---|
| 当社株主に帰属する当期純利益 | 43,307 | 61,400 |
| 希薄化後当社株主に帰属する当期純利益 | - | - |
分母
| 第84期(株式数) | 第85期(株式数) | |
|---|---|---|
| 加重平均による期中平均発行済普通株式数 | 201,692,643 | 200,882,669 |
| 希薄化後発行済普通株式数 | - | - |
(注)役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託として保有する当社株式は、1株当たり情報の計算上、期中
平均株式数の算定において控除する自己株式に含めています。(第84期760,724株、第85期630,111株)
P その他の包括利益
第84期および第85期における非支配持分を含むその他の包括利益の項目別の税効果の影響額および組替修正額は、次のとおりです。
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |||||
| 税効果考慮前 | 税効果 | 税効果考慮後 | 税効果考慮前 | 税効果 | 税効果考慮後 | |
| 為替換算調整額 | ||||||
| 期首 | △31,398 | △10 | △31,408 | △8,030 | △66 | △8,096 |
| 当期発生為替換算調整額 | 23,194 | △56 | 23,138 | 39,958 | 120 | 40,078 |
| 実現額の当期損益への組替修正額 | 310 | - | 310 | 2,029 | - | 2,029 |
| 当期純変動額 | 23,504 | △56 | 23,448 | 41,987 | 120 | 42,107 |
| 控除:非支配持分に帰属するその他の包括利益(△損失) | 136 | - | 136 | 103 | - | 103 |
| 期末 | △8,030 | △66 | △8,096 | 33,854 | 54 | 33,908 |
| 退職年金債務調整額 | ||||||
| 期首 | △87,235 | 34,985 | △52,250 | △47,613 | 23,046 | △24,567 |
| 当期発生退職年金債務調整額 | 35,271 | △10,641 | 24,630 | 2,320 | △695 | 1,625 |
| 実現額の当期損益への組替修正額 | 4,351 | △1,298 | 3,053 | 4,333 | △1,321 | 3,012 |
| 当期純変動額 | 39,622 | △11,939 | 27,683 | 6,653 | △2,016 | 4,637 |
| 期末 | △47,613 | 23,046 | △24,567 | △40,960 | 21,030 | △19,930 |
| デリバティブ純損益 | ||||||
| 期首 | 91 | △39 | 52 | △389 | 107 | △282 |
| 未実現利益(△損失)当期発生額 | △904 | 275 | △629 | △1,533 | 467 | △1,066 |
| 実現額の当期損益への組替修正額 | 424 | △129 | 295 | 550 | △167 | 383 |
| 当期純変動額 | △480 | 146 | △334 | △983 | 300 | △683 |
| 期末 | △389 | 107 | △282 | △1,372 | 407 | △965 |
| 合計(その他の包括利益(△損失)累計額) | ||||||
| 期首 | △118,542 | 34,936 | △83,606 | △56,032 | 23,087 | △32,945 |
| 未実現利益(△損失)当期発生額 | 57,561 | △10,422 | 47,139 | 40,745 | △108 | 40,637 |
| 実現額の当期損益への組替修正額 | 5,085 | △1,427 | 3,658 | 6,912 | △1,488 | 5,424 |
| 当期純変動額 | 62,646 | △11,849 | 50,797 | 47,657 | △1,596 | 46,061 |
| 控除:非支配持分に帰属するその他の包括利益(△損失) | 136 | - | 136 | 103 | - | 103 |
| 期末 | △56,032 | 23,087 | △32,945 | △8,478 | 21,491 | 13,013 |
なお、為替換算調整額の実現額の当期損益への組替修正額は、「持分法投資損益(△利益)」および「その他費用(△収益)―純額―」に含まれています。退職年金債務調整額の実現額の当期損益への組替修正額は、「その他費用(△収益)―純額―」および「持分法投資損益(△利益)」に含まれています。デリバティブ純損益の実現額の当期損益への組替修正額は、「売上原価」および「その他費用(△収益)―純額―」に含まれています。
税効果については「法人税等」に含まれています。
Q 金融商品及びリスク管理
金融商品の公正価値
第84期末および第85期末現在、当社および子会社の有する金融商品の帳簿価額および見積公正価値は、次のとおりです。
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |||
| 帳簿価額 | 見積公正価値 | 帳簿価額 | 見積公正価値 | |
| (デリバティブ取引) | ||||
| 為替予約取引: | ||||
| その他の流動資産 | 6,781 | 6,781 | 10,012 | 10,012 |
| その他の流動負債 | △914 | △914 | △3,287 | △3,287 |
| 商品スワップ取引: | ||||
| その他の流動資産 | - | - | 10 | 10 |
| その他の流動負債 | △4 | △4 | - | - |
それぞれの金融商品の公正価値の見積りにあたって、実務的には次の方法および仮定を用いています。
なお、公正価値の階層分類である、レベル1・レベル2およびレベル3のそれぞれの定義については、(注記Ⅱ-T)に記載しています。
(デリバティブ取引)
デリバティブ取引の公正価値は、当該取引契約を連結会計年度末に解約した場合に当社および子会社が受領するまたは支払う見積り額を反映しており、この見積り額には未実現利益または損失が含まれています。当社および子会社のデリバティブ取引の大半については、ディーラー取引価格が利用可能ですが、そうでないものについては、公正価値の見積りに当たり評価モデルを使用しています。
なお、当社および子会社では、トレーディング目的のためのデリバティブ取引は行っていません。
また、デリバティブ取引の公正価値のレベル別情報は、(注記Ⅱ-T)に記載しています。
(デリバティブ取引以外)
(1) 現金及び現金同等物、受取手形及び売掛金、施設借用保証金、支払手形及び買掛金・未払金、短期借入
金、短期オペレーティング・リース負債、長期オペレーティング・リース負債
これらの公正価値は帳簿価額とほぼ等しいと見積っています。なお、これらの公正価値について、現金及び現金同等物はレベル1、それ以外はレベル2にそれぞれ分類しています。
(2) 投資有価証券
市場性のある持分証券の公正価値は時価で評価し、容易に算定可能な公正価値がない市場性のない持分証券については、減損による評価下げ後の帳簿価額に同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価額の変動を加減算する方法、その他の合理的な方法により見積り評価しています。なお、投資有価証券の公正価値およびレベル別情報は、(注記Ⅱ-T)に記載しています。
R 金融派生商品とヘッジ活動
当社および子会社は、為替変動(主に米ドル、ユーロ、中国元)をヘッジするために為替予約取引を、原材料価格変動(銅・銀)をヘッジするために商品スワップ取引を利用しています。なお、当社および子会社は、トレーディング目的のためのデリバティブ取引は行っていません。また、当社および子会社は、デリバティブの契約相手による契約不履行の場合に生じる信用リスクにさらされていますが、契約相手の信用度が高いため、そのような信用リスクは小さいと考えています。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定および認定された為替予約取引および商品スワップ取引の公正価値の変動は、「その他の包括利益(△損失)累計額」として報告しています。これらの金額は、ヘッジ対象資産・負債が損益に影響を与えるのと同一期間において、為替予約取引については「その他費用(△収益)―純額―」として、商品スワップ取引については「売上原価」として損益に組替えられます。第85期末現在、デリバティブ取引に関連して「その他の包括利益(△損失)累計額」に計上されたほぼ全額は今後12ヶ月以内に損益に組替えられると見込まれます。
第84期末および第85期末における為替予約取引等の残高(想定元本)は、次のとおりです。
| 第84期末(百万円) | 第85期末(百万円) | |
|---|---|---|
| 為替予約取引 | 131,133 | 202,122 |
| 商品スワップ取引 | 84 | 151 |
第84期末および第85期末におけるデリバティブの公正価値は次のとおりです。
ヘッジ指定のデリバティブ
資産
| 科目 | 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |
|---|---|---|---|
| 為替予約 | その他の流動資産 | 6,781 | 10,012 |
| 商品スワップ取引 | その他の流動資産 | - | 10 |
負債
| 科目 | 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | |
|---|---|---|---|
| 為替予約 | その他の流動負債 | △914 | △3,287 |
| 商品スワップ取引 | その他の流動負債 | △4 | - |
第84期におけるデリバティブの連結損益計算書への影響額(税効果考慮後)は次のとおりです。
ヘッジ指定のデリバティブ
キャッシュ・フロー・ヘッジ
| その他の包括利益(△損失) に計上された未実現損益 (百万円) (ヘッジ有効部分) | その他の包括利益(△損失)累計額 から損益への振替(百万円) (ヘッジ有効部分) | |
|---|---|---|
| 為替予約 | △605 | 295 |
| 商品スワップ | △24 | - |
なお、ヘッジ効果が有効でない金額に重要性はありません。
第85期におけるデリバティブの連結損益計算書への影響額(税効果考慮後)は次のとおりです。
ヘッジ指定のデリバティブ
キャッシュ・フロー・ヘッジ
| その他の包括利益(△損失) に計上された未実現損益 (百万円) (ヘッジ有効部分) | その他の包括利益(△損失)累計額 から損益への振替(百万円) (ヘッジ有効部分) | |
|---|---|---|
| 為替予約 | △1,057 | 372 |
| 商品スワップ | △9 | 11 |
なお、ヘッジ効果が有効でない金額に重要性はありません。
S コミットメントおよび偶発債務
コミットメント
当社および子会社におけるコミットメント残高は、主として情報処理運用業務における業務委託契約および部材の調達契約に関するものであり、その金額は第84期が1,588百万円、第85期が2,878百万円です。
信用リスクの集中
当社および子会社にとって、信用リスク集中の恐れがある金融商品は、主として短期投資および受取手形及び売掛金です。短期投資については、取引相手を信用度の高い金融機関としています。また、受取手形及び売掛金に関しては、売上高の約40%が日本国内に集中していますが、顧客の大半は優良で、業種も多岐にわたっているため、信用リスク集中の恐れは限られています。
環境対策費
当社および子会社は、環境対策に関する費用について、債務発生の可能性が確からしく、かつ金額を合理的に見積ることができる場合に負債に計上しています。第84期末現在および第85期末現在において該当する環境対策費としてそれぞれ261百万円および200百万円を負債に計上しています。
製品保証
当社および子会社は、ある一定期間において、提供した製品およびサービスに対する保証を行っています。第84期および第85期における製品保証引当金の変動は以下のとおりです。
| 第84期(百万円) | 第85期(百万円) | ||
|---|---|---|---|
| 期首残高 | 1,317 | 1,060 | |
| 繰入額 | 770 | 976 | |
| 取崩額(目的使用等) | △1,027 | △878 | |
| 期末残高 | 1,060 | 1,158 |
前受収益
当社および子会社は特定の製品について延長保証業務を提供しており、保証期間にわたって定額法により収益を認識しています。当該延長保証業務に関して発生した費用は、発生時に処理しています。第84期および第85期において繰延べた収益の残高はそれぞれ11,470百万円および11,007百万円であり、「その他の流動負債」および「その他の固定負債」に計上されています。
訴訟事項
当社および一部の子会社は、通常の事業活動から生じるいくつかの法的な申立ておよび訴訟を受けており、進展に応じた適切な会計処理をしています。なお、当社および当社の弁護人が現時点で入手しうる情報に基づくと、当社の取締役会はこれらの申立ておよび訴訟が連結財務諸表に重要な影響を与えることはないと考えています。
T 公正価値の測定
FASB会計基準書第820号「公正価値の測定と開示」は、公正価値を測定日において市場参加者の間の秩序のある取引により資産を売却して受け取るであろう価格、または負債を移転するために支払うであろう価格と定義しています。同基準書は、公正価値を測定するために使用するインプットを以下の3つのレベルに優先順位を付け、公正価値の階層を分類しています。
レベル1・・活発な市場における同一の資産または負債の市場価格。
レベル2・・活発な市場における類似資産または負債の市場価格。活発でない市場における同一または類似
の資産・負債の市場価格、観察可能な市場価格以外のインプットおよび相関関係またはその他
の方法により観察可能な市場データから主として得られた、または裏付けられたインプット。
レベル3・・資産または負債の公正価値測定に重要なインプットで、観察不能なインプット。
継続的に公正価値で測定される資産または負債
第84期末現在における継続的に公正価値で測定される資産および負債は以下のとおりです。
| 公正価値による測定額 | ||||
| レベル1(百万円) | レベル2(百万円) | レベル3(百万円) | 計(百万円) | |
| 資産 | ||||
| 投資有価証券 | ||||
| 持分証券 | 24,439 | - | 2,431 | 26,870 |
| 金融派生商品 | ||||
| 為替予約 | - | 6,781 | - | 6,781 |
| 負債 | ||||
| 金融派生商品 | ||||
| 為替予約 | - | 914 | - | 914 |
| 商品スワップ | - | 4 | - | 4 |
投資有価証券
投資有価証券は、株式です。市場性のある持分証券については活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を評価しており、観察可能であるためレベル1に分類しています。容易に算定可能な公正価値がない市場性のない有価証券のうち、主に投資先企業から入手したデータに非流動性を考慮して公正価値を評価しているものについては、観察不能なインプットに基づき評価しているためレベル3に分類しています。
金融派生商品
金融派生商品は、主に為替予約です。外国為替レートなど観察可能な市場データを利用して公正価値を評価しているためレベル2に分類しています。
レベル3に分類された継続的に公正価値により評価される資産の調整表は次のとおりです。
| 投資有価証券 持分証券(百万円) | |
|---|---|
| 期首残高 | 2,268 |
| 当期純利益に含まれる額 | |
| その他費用(△収益)-純額- | △217 |
| 購入 | 143 |
| 売却 | △5 |
| その他 | 242 |
| 期末残高 | 2,431 |
非継続的に公正価値で測定される資産または負債
第84期末現在における非継続的に公正価値で測定される資産および負債は以下のとおりです。
| 損益計上額(百万円) | 公正価値による測定額 | ||||
| レベル1(百万円) | レベル2(百万円) | レベル3(百万円) | 計(百万円) | ||
| 資産 | |||||
| 投資有価証券 | 144 | - | 584 | - | 584 |
| 長期性資産 | △1,976 | - | - | 0 | 0 |
第84期において、当社は、上記の投資有価証券の公正価値測定に当たり、減損による評価下げ後の帳簿価額に同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動を加減算する方法を用いており、当該資産をレベル2に分類しています。また、上記の長期性資産に係る減損損失の認識に伴い、大部分の資産を観察不能なインプットに基づき評価しているため、当該資産をレベル3に分類しています。これらのうち主な資産の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して評価しています。
継続的に公正価値で測定される資産または負債
第85期末現在における継続的に公正価値で測定される資産および負債は以下のとおりです。
| 公正価値による測定額 | ||||
| レベル1(百万円) | レベル2(百万円) | レベル3(百万円) | 計(百万円) | |
| 資産 | ||||
| 投資有価証券 | ||||
| 持分証券 | 27,816 | - | 2,869 | 30,685 |
| 金融派生商品 | ||||
| 為替予約 | - | 10,012 | - | 10,012 |
| 商品スワップ | - | 10 | - | 10 |
| 負債 | ||||
| 金融派生商品 | ||||
| 為替予約 | - | 3,287 | - | 3,287 |
投資有価証券
投資有価証券は、株式です。市場性のある持分証券については活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を評価しており、観察可能であるためレベル1に分類しています。容易に算定可能な公正価値がない市場性のない有価証券のうち、主に投資先企業から入手したデータに非流動性を考慮して公正価値を評価しているものについては、観察不能なインプットに基づき評価しているためレベル3に分類しています。
金融派生商品
金融派生商品は、主に為替予約です。外国為替レートなど観察可能な市場データを利用して公正価値を評価しているためレベル2に分類しています。
レベル3に分類された継続的に公正価値により評価される資産の調整表は次のとおりです。
| 投資有価証券 持分証券(百万円) | |
|---|---|
| 期首残高 | 2,431 |
| 当期純利益に含まれる額 | |
| その他費用(△収益)-純額- | 108 |
| 購入 | 298 |
| 売却 | △30 |
| その他 | 62 |
| 期末残高 | 2,869 |
非継続的に公正価値で測定される資産または負債
第85期末現在における非継続的に公正価値で測定される資産および負債は以下のとおりです。
| 損益計上額(百万円) | 公正価値による測定額 | ||||
| レベル1(百万円) | レベル2(百万円) | レベル3(百万円) | 計(百万円) | ||
| 資産 | |||||
| 投資有価証券 | 1,137 | - | 1,805 | 212 | 2,017 |
| 長期性資産 | △410 | - | - | 0 | 0 |
| のれん | △3,384 | - | - | - | - |
投資有価証券は、同一発行体の同一または類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格で評価したものをレベル2に、発行体より提示される観察不能なインプットを基に評価したものをレベル3に分類しています。
長期性資産に係る減損損失の認識に伴い大部分の資産を観察不能なインプットに基づき評価しているため、当該資産をレベル3に分類しています。これらのうち主な資産の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して評価しています。
のれんは、ヘルスケア事業に含まれるブラジルのネブライザーメーカーであるNS Indústria de Aparelhos Médicos LTDA.(現Omron Healthcare Brasil Indústria e Comércio de Produtos Médicos LTDA.)を取得した際に計上したのれんです。観察不能なインプットに基づき評価しているため、当該資産をレベル3に分類しています。当該報告単位の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用して評価しています。将来キャッシュ・フローは、ブラジル国内の急速なインフレ進行を踏まえた事業環境、およびブラジルレアル安の影響等を勘案し、第85期第3四半期末に見直された今後の事業計画に基づいて算定しています。
U セグメント情報
【オペレーティング・セグメント情報】
FASB会計基準書第280号は、企業のオペレーティング・セグメントに関する情報の開示を規定しています。オペレーティング・セグメントは、企業の最高経営意思決定者が経営資源の配分や業績評価を行うにあたり通常使用しており、財務情報が入手可能な企業の構成単位として定義されています。
当社は取扱製品の性質や社内における事業の位置付け等を考慮した上で、オペレーティング・セグメントに関する情報として、IAB、HCB、SSBおよびDMBの4つのオペレーティング・セグメントを区分して開示しています。
各セグメントの主要な製品は次のとおりです。
(1) IAB:インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)
……プログラマブルコントローラー、モーションコントロール機器、センサー機器、産業用カメラ・コードリーダー機器、検査装置、セーフティ用機器、産業用ロボット等
(2) HCB:ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)
……電子血圧計、ネブライザー、低周波治療器、心電計、酸素発生器、電子体温計、体重体組成計、歩数計・活動量計、電動歯ブラシ、マッサージャ、血糖計、動脈硬化検査装置、内臓脂肪計等
(3) SSB:ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業)
……エネルギーソリューション、駅務システム、交通管理・道路管理システム、カード決済ソリュー
ション、安心・安全ソリューション、IoT(電源保護・データ保護)ソリューション、関連メンテナンス事業等
(4) DMB:デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)(注1)
……リレー、スイッチ、コネクター、アミューズメント機器用部品・ユニット、汎用センサー、顔認識ソフトウェア、画像センシングコンポ、MEMS(注2)センサー等
(注1)2022年4月からの長期ビジョン「SF2030」の開始に伴い、2023年3月期よりEMC:エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツ ビジネス(電子部品事業)の名称をDMB:デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)へ変更しています。
(注2)MEMS:マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムズの略称
セグメント情報の会計方針は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従っています。
各オペレーティング・セグメントに直接関わる収益および費用は、それぞれのセグメントの業績数値に含め表示しています。特定のセグメントに直接帰属しない収益および費用は、経営者がセグメントの業績評価に用いる当社の配分方法に基づき、各オペレーティング・セグメントに配分されるかあるいは「消去調整他」に含めて表示しています。
なお、「セグメント利益またはセグメント損失(△)」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「試験研究開発費」を控除したものを表示しています。
第84期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) (単位:百万円)
| IAB | HCB | SSB | DMB | 計 | 消去 調整他 | 連結 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Ⅰ 売上高及びセグメント損益 | |||||||
| ① 外部顧客に対する売上高 | 346,446 | 123,087 | 95,663 | 86,028 | 651,224 | 4,305 | 655,529 |
| ② セグメント間の内部売上高 | 5,029 | 292 | 8,994 | 43,327 | 57,642 | △57,642 | - |
| 計 | 351,475 | 123,379 | 104,657 | 129,355 | 708,866 | △53,337 | 655,529 |
| セグメント利益 またはセグメント 損失(△) | 58,793 | 20,573 | 5,693 | 2,962 | 88,021 | △25,541 | 62,480 |
| Ⅱ 資産、減価償却費及び資本的支出 | |||||||
| 資産 | 461,395 | 127,936 | 114,784 | 136,417 | 840,532 | △20,153 | 820,379 |
| 減価償却費 | 6,394 | 2,923 | 2,071 | 6,664 | 18,052 | 4,704 | 22,756 |
| 資本的支出 | 4,125 | 4,348 | 2,877 | 4,055 | 15,405 | 8,554 | 23,959 |
(注)1 セグメント間の内部取引における価額は、外部顧客との取引価額に準じています。
2 「消去調整他」には、配賦不能費用、セグメント間の内部取引消去などが含まれています。
3 当社グループでは、有形固定資産の減価償却方法について、第84期より、当社および国内連結子会社につきまして、従来の定率法から定額法に変更しています。この変更によるセグメント利益の前期比増加額および減価償却費の前期比減少額(IAB 427百万円、HCB 311百万円、SSB 370百万円、DMB 418百万円、消去調整他594百万円、合計2,120百万円)につきましては、各事業セグメントに配賦せず、全額を消去調整他に計上しています。
第85期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (単位:百万円)
| IAB | HCB | SSB | DMB | 計 | 消去 調整他 | 連結 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Ⅰ 売上高及びセグメント損益 | |||||||
| ① 外部顧客に対する売上高 | 432,637 | 132,857 | 87,692 | 106,442 | 759,628 | 3,299 | 762,927 |
| ② セグメント間の内部売上高 | 6,483 | 160 | 10,779 | 53,594 | 71,016 | △71,016 | - |
| 計 | 439,120 | 133,017 | 98,471 | 160,036 | 830,644 | △67,717 | 762,927 |
| セグメント利益 またはセグメント 損失(△) | 78,103 | 18,544 | 6,505 | 8,240 | 111,392 | △22,076 | 89,316 |
| Ⅱ 資産、減価償却費及び資本的支出 | |||||||
| 資産 | 533,355 | 136,083 | 117,117 | 154,039 | 940,594 | △9,965 | 930,629 |
| 減価償却費 | 5,885 | 3,118 | 2,094 | 6,725 | 17,822 | 5,545 | 23,367 |
| 資本的支出 | 7,047 | 4,355 | 2,791 | 6,079 | 20,272 | 13,938 | 34,210 |
(注)1 セグメント間の内部取引における価額は、外部顧客との取引価額に準じています。
2 「消去調整他」には、配賦不能費用、セグメント間の内部取引消去などが含まれています。
第84期および第85期におけるセグメント利益の合計額と法人税等、持分法投資損益控除前当期純利益との調整表は次のとおりです。
| 第84期 (百万円) | 第85期 (百万円) | |
|---|---|---|
| セグメント利益の合計額 | 88,021 | 111,392 |
| その他費用(△収益)―純額― | △2,609 | 2,602 |
| 消去調整他 | △25,541 | △22,076 |
| 法人税等、持分法投資損益控除前 当期純利益 | 65,089 | 86,714 |
(注) 第85期の「その他費用(△収益)―純額―」には、ヘルスケアビジネスにかかるのれんの減損損失3,384百万円が含まれております。
【地域別情報】
第84期および第85期における当社および子会社の地域別に分類した外部顧客に対する売上高ならびに有形固定資産は次のとおりです。
第84期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) (単位:百万円)
| 日本 | 米州 | 欧州 | 中華圏 | 東南 アジア他 | 直接輸出 | 連結 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 外部顧客に対する売上高 | 276,612 | 63,642 | 101,479 | 151,167 | 61,763 | 866 | 655,529 |
| 有形固定資産 | 66,104 | 5,222 | 3,581 | 31,366 | 6,755 | - | 113,028 |
第85期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (単位:百万円)
| 日本 | 米州 | 欧州 | 中華圏 | 東南 アジア他 | 直接輸出 | 連結 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 外部顧客に対する売上高 | 289,896 | 78,296 | 120,423 | 196,351 | 76,924 | 1,037 | 762,927 |
| 有形固定資産 | 69,074 | 5,705 | 3,350 | 36,299 | 7,670 | - | 122,098 |
(注)1 国または地域の区分は、地理的近接度によります。
2 日本以外の区分に属する主な国または地域等
(1) 米州………………米国・カナダ・ブラジル
(2) 欧州………………オランダ・英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン
(3) 中華圏……………中国・香港・台湾
(4) 東南アジア他……シンガポール・韓国・インド・豪州
(5) 直接輸出…………直送輸出取引
3 売上高および有形固定資産において、日本および中国を除いて独立して開示すべき重要な国はありません。中国の第84期および第85期における売上高は、それぞれ127,972百万円、167,660百万円であります。また、有形固定資産は、それぞれ31,233百万円、36,169百万円であります。
4 第84期および第85期において、開示すべき重要な単一の外部顧客に対する売上高はありません。
V 企業結合等
第84期および第85期において重要な該当事項はありません。
W 事業売却
第84期において重要な該当事項はありません。
第85期における事業売却は次のとおりです。
半導体・MEMS工場およびMEMS開発・生産機能の譲渡
当社は2021年6月30日に当社が保有する半導体・MEMS(注)工場およびMEMS開発・生産機能(以下、対象事業)を設立する新会社に会社分割により承継し、新会社の全株式をミネベアミツミ株式会社の子会社であるミツミ電機株式会社に譲渡する契約を締結し、2021年10月1日に株式譲渡を完了しました。この譲渡により、第85期の連結損益計算書上、「その他費用(△収益)―純額―」に1,116百万円の事業譲渡に関連する損失が計上されています。なお、対象事業はセグメント情報の「消去調整他」に含まれていました。また、DMBのセグメント売上およびセグメント利益には、対象事業からMEMSセンサーを調達し、外部および他のセグメントへ販売する事業が含まれていますが、当該事業は対象事業の譲渡完了後も継続しています。
(注) MEMS:マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムズの略称
X 重要な後発事象
当社はFASB会計基準書第855号「後発事象」に基づき、後発事象の評価を行っています。
本有価証券報告書が発行可能な状態となった2022年6月24日現在、該当事項はありません。
⑥ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
該当事項はありません。
【借入金等明細表】
当該情報は連結財務諸表注記「Ⅱ 主な科目の内訳および内容の説明 H 短期借入金」に記載しています。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首および当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度期首および当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、連結財務諸表規則第92条の2の規定により記載を省略しています。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
| (累計期間) | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 当連結会計年度 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 188,193 | 369,351 | 558,609 | 762,927 |
| 法人税等、持分法投資損益控除前四半期(当期)純利益(百万円) | 26,601 | 46,217 | 63,731 | 86,714 |
| 当社株主に帰属する 四半期(当期)純利益 (百万円) | 20,178 | 32,531 | 44,815 | 61,400 |
| 基本的1株当たり当社株主に帰属する四半期(当期)純利益(円) | 100.04 | 161.22 | 222.53 | 305.65 |
| (会計期間) | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 |
|---|---|---|---|---|
| 基本的1株当たり当社株主に帰属する四半期純利益 (円) | 100.04 | 61.19 | 61.17 | 83.27 |
2【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
| (単位:百万円) | ||
|---|---|---|
| 前事業年度 第84期 (2021年3月31日) | 当事業年度 第85期 (2022年3月31日) | |
| 資産の部 | ||
| 流動資産 | ||
| 現金及び預金 | 135,621 | 72,914 |
| 受取手形 | 238 | 145 |
| 売掛金 | ※1 50,563 | ※1 60,679 |
| 商品及び製品 | 8,362 | 7,883 |
| 原材料 | 4,340 | 10,556 |
| 仕掛品 | 2,911 | 3,057 |
| 貯蔵品 | 419 | 254 |
| 関係会社短期貸付金 | ※1 11,560 | ※1 3,583 |
| 未収入金 | ※1 9,456 | ※1 12,020 |
| その他の未収入金 | ※1 4,408 | ※1 5,235 |
| その他 | 11,099 | 13,587 |
| 貸倒引当金 | △6,850 | △0 |
| 流動資産合計 | 232,127 | 189,913 |
| 固定資産 | ||
| 有形固定資産 | ||
| 建物 | 22,562 | 23,665 |
| 構築物 | 973 | 921 |
| 機械及び装置 | 2,971 | 4,268 |
| 車両運搬具 | 0 | 0 |
| 工具、器具及び備品 | 2,794 | 3,563 |
| 土地 | 10,980 | 12,025 |
| リース資産 | 1,629 | 889 |
| 建設仮勘定 | 563 | 520 |
| 有形固定資産合計 | 42,472 | 45,851 |
| 無形固定資産 | ||
| 借地権 | - | 480 |
| ソフトウエア | 4,492 | 5,966 |
| 施設利用権 | 64 | 57 |
| 技術資産 | 6,760 | 6,118 |
| ソフトウエア仮勘定 | 3,622 | 7,998 |
| その他 | 199 | 50 |
| 無形固定資産合計 | 15,137 | 20,669 |
| 投資その他の資産 | ||
| 投資有価証券 | ※2 27,329 | ※2 33,202 |
| 関係会社株式 | 168,165 | 259,737 |
| その他の関係会社有価証券 | - | 500 |
| 関係会社出資金 | 22,837 | 22,837 |
| 関係会社長期貸付金 | ※1 1,032 | ※1 3,091 |
| 破産更生債権等 | - | 6,441 |
| 敷金及び保証金 | 4,653 | 4,647 |
| 前払年金費用 | 15,746 | 17,463 |
| 繰延税金資産 | 6,355 | 6,172 |
| その他 | 1,903 | 1,683 |
| 貸倒引当金 | △14 | △5,724 |
| 投資その他の資産合計 | 248,006 | 350,049 |
| 固定資産合計 | 305,615 | 416,569 |
| 資産合計 | 537,742 | 606,482 |
| (単位:百万円) | ||
|---|---|---|
| 前事業年度 第84期 (2021年3月31日) | 当事業年度 第85期 (2022年3月31日) | |
| 負債の部 | ||
| 流動負債 | ||
| 支払手形 | ※1 4,590 | ※1 6,523 |
| 買掛金 | ※1 30,743 | ※1 37,373 |
| 短期借入金 | - | 20,000 |
| 関係会社短期借入金 | ※1 168,188 | ※1 220,563 |
| リース債務 | ※1 726 | ※1 895 |
| 未払金 | ※1 10,278 | ※1 12,879 |
| 未払費用 | 11,789 | 12,421 |
| 未払法人税等 | 606 | 1,774 |
| 前受金 | 55 | 17 |
| 預り金 | ※1 1,004 | ※1 1,147 |
| 役員賞与引当金 | 132 | 295 |
| 株式給付引当金 | - | 113 |
| その他 | 2,085 | 5,763 |
| 流動負債合計 | 230,196 | 319,763 |
| 固定負債 | ||
| リース債務 | ※1 914 | - |
| 株式給付引当金 | 2,111 | 1,113 |
| 再評価に係る繰延税金負債 | 957 | 957 |
| 長期前受金 | - | 2,649 |
| その他 | ※1 4,648 | 4,841 |
| 固定負債合計 | 8,630 | 9,560 |
| 負債合計 | 238,826 | 329,323 |
| 純資産の部 | ||
| 株主資本 | ||
| 資本金 | 64,100 | 64,100 |
| 資本剰余金 | ||
| 資本準備金 | 88,771 | 88,771 |
| その他資本剰余金 | 0 | 0 |
| 資本剰余金合計 | 88,771 | 88,771 |
| 利益剰余金 | ||
| 利益準備金 | 6,774 | 6,774 |
| その他利益剰余金 | ||
| 配当積立金 | 3,400 | 3,400 |
| 特別勘定積立金 | 1,177 | 1,177 |
| 別途積立金 | 73,500 | 73,500 |
| 繰越利益剰余金 | 78,333 | 83,770 |
| 利益剰余金合計 | 163,184 | 168,621 |
| 自己株式 | △24,814 | △54,605 |
| 株主資本合計 | 291,241 | 266,887 |
| 評価・換算差額等 | ||
| その他有価証券評価差額金 | 12,355 | 15,746 |
| 繰延ヘッジ損益 | △366 | △1,160 |
| 土地再評価差額金 | △4,314 | △4,314 |
| 評価・換算差額等合計 | 7,675 | 10,272 |
| 純資産合計 | 298,916 | 277,159 |
| 負債純資産合計 | 537,742 | 606,482 |
②【損益計算書】
| (単位:百万円) | ||
|---|---|---|
| 前事業年度 第84期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当事業年度 第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | |
| 売上高 | ※1,※2 258,494 | ※1,※2 310,989 |
| 売上原価 | ※2 158,231 | ※2 188,878 |
| 売上総利益 | 100,263 | 122,111 |
| 販売費及び一般管理費 | ※2,※3 93,997 | ※2,※3 101,499 |
| 営業利益 | 6,266 | 20,612 |
| 営業外収益 | ||
| 受取利息及び受取配当金 | ※2 17,384 | ※2 22,613 |
| 為替差益 | 1,018 | 549 |
| その他 | ※2 2,440 | ※2 2,537 |
| 営業外収益合計 | 20,842 | 25,699 |
| 営業外費用 | ||
| 支払利息 | ※2 1,496 | ※2 2,480 |
| 売上割引 | ※2 639 | - |
| 子会社有償減資払戻による為替差損 | - | 1,049 |
| 支払手数料 | 376 | 31 |
| 支払和解金 | 844 | - |
| その他 | ※2 191 | ※2 667 |
| 営業外費用合計 | 3,546 | 4,227 |
| 経常利益 | 23,562 | 42,084 |
| 特別利益 | ||
| 固定資産売却益 | ※4 34 | ※4 7 |
| 投資有価証券売却益 | 1 | 601 |
| 関係会社株式売却益 | 199 | - |
| 貸倒引当金戻入額 | - | ※2 1,140 |
| その他 | 8 | - |
| 特別利益合計 | 242 | 1,748 |
| 特別損失 | ||
| 固定資産除売却損 | ※5,※6 110 | ※5,※6 311 |
| 減損損失 | ※7 1,976 | ※7 407 |
| 関係会社株式売却損 | 4,222 | 592 |
| 関係会社株式評価損 | - | 16,811 |
| 貸倒引当金繰入額 | ※2 1,080 | - |
| その他 | 358 | 141 |
| 特別損失合計 | 7,746 | 18,262 |
| 税引前当期純利益 | 16,058 | 25,570 |
| 法人税、住民税及び事業税 | 162 | 3,276 |
| 法人税等還付税額 | △1,572 | - |
| 法人税等調整額 | △1,035 | △956 |
| 法人税等合計 | △2,445 | 2,320 |
| 当期純利益 | 18,503 | 23,250 |
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度 第84期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||||||
| 株主資本 | ||||||||||
| 資本金 | 資本剰余金 | 利益剰余金 | ||||||||
| 資本準備金 | その他資本剰余金 | 資本剰余金合計 | 利益準備金 | その他利益剰余金 | 利益剰余金合計 | |||||
| 配当積立金 | 特別勘定積立金 | 別途積立金 | 繰越利益剰余金 | |||||||
| 当期首残高 | 64,100 | 88,771 | - | 88,771 | 6,774 | 3,400 | - | 73,500 | 85,748 | 169,422 |
| 当期変動額 | ||||||||||
| 剰余金の配当 | - | △17,016 | △17,016 | |||||||
| 当期純利益 | - | 18,503 | 18,503 | |||||||
| 特別勘定積立金の積立 | - | 1,177 | △1,177 | - | ||||||
| 自己株式の取得 | - | - | ||||||||
| 自己株式の処分 | 0 | 0 | - | |||||||
| 会社分割による減少 | - | △7,725 | △7,725 | |||||||
| 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) | - | - | ||||||||
| 当期変動額合計 | - | - | 0 | 0 | - | - | 1,177 | - | △7,415 | △6,238 |
| 当期末残高 | 64,100 | 88,771 | 0 | 88,771 | 6,774 | 3,400 | 1,177 | 73,500 | 78,333 | 163,184 |
| 株主資本 | 評価・換算差額等 | 純資産合計 | |||||
| 自己株式 | 株主資本合計 | その他有価証券評価差額金 | 繰延ヘッジ損益 | 土地再評価差額金 | 評価・換算差額等合計 | ||
| 当期首残高 | △23,347 | 298,946 | 8,133 | 46 | △4,314 | 3,865 | 302,811 |
| 当期変動額 | |||||||
| 剰余金の配当 | △17,016 | - | △17,016 | ||||
| 当期純利益 | 18,503 | - | 18,503 | ||||
| 特別勘定積立金の積立 | - | - | - | ||||
| 自己株式の取得 | △1,471 | △1,471 | - | △1,471 | |||
| 自己株式の処分 | 4 | 4 | - | 4 | |||
| 会社分割による減少 | △7,725 | - | △7,725 | ||||
| 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) | - | 4,222 | △412 | - | 3,810 | 3,810 | |
| 当期変動額合計 | △1,467 | △7,705 | 4,222 | △412 | - | 3,810 | △3,895 |
| 当期末残高 | △24,814 | 291,241 | 12,355 | △366 | △4,314 | 7,675 | 298,916 |
当事業年度 第85期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||||||||
| 株主資本 | ||||||||||
| 資本金 | 資本剰余金 | 利益剰余金 | ||||||||
| 資本準備金 | その他資本剰余金 | 資本剰余金合計 | 利益準備金 | その他利益剰余金 | 利益剰余金合計 | |||||
| 配当積立金 | 特別勘定積立金 | 別途積立金 | 繰越利益剰余金 | |||||||
| 当期首残高 | 64,100 | 88,771 | 0 | 88,771 | 6,774 | 3,400 | 1,177 | 73,500 | 78,333 | 163,184 |
| 当期変動額 | ||||||||||
| 剰余金の配当 | - | △17,813 | △17,813 | |||||||
| 当期純利益 | - | 23,250 | 23,250 | |||||||
| 自己株式の取得 | - | - | ||||||||
| 自己株式の処分 | 0 | 0 | - | |||||||
| 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) | - | - | ||||||||
| 当期変動額合計 | - | - | 0 | 0 | - | - | - | - | 5,437 | 5,437 |
| 当期末残高 | 64,100 | 88,771 | 0 | 88,771 | 6,774 | 3,400 | 1,177 | 73,500 | 83,770 | 168,621 |
| 株主資本 | 評価・換算差額等 | 純資産合計 | |||||
| 自己株式 | 株主資本合計 | その他有価証券評価差額金 | 繰延ヘッジ損益 | 土地再評価差額金 | 評価・換算差額等合計 | ||
| 当期首残高 | △24,814 | 291,241 | 12,355 | △366 | △4,314 | 7,675 | 298,916 |
| 当期変動額 | |||||||
| 剰余金の配当 | △17,813 | - | △17,813 | ||||
| 当期純利益 | 23,250 | - | 23,250 | ||||
| 自己株式の取得 | △31,430 | △31,430 | - | △31,430 | |||
| 自己株式の処分 | 1,639 | 1,639 | - | 1,639 | |||
| 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) | - | 3,391 | △794 | - | 2,597 | 2,597 | |
| 当期変動額合計 | △29,791 | △24,354 | 3,391 | △794 | - | 2,597 | △21,757 |
| 当期末残高 | △54,605 | 266,887 | 15,746 | △1,160 | △4,314 | 10,272 | 277,159 |
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準および評価方法は、次のとおりです。
子会社株式および関連会社株式
……移動平均法による原価法
その他の関係会社有価証券
……投資事業有限責任組合等については、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を
基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
……時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
……移動平均法による原価法
2 デリバティブの評価方法は時価法を採用しています。
3 棚卸資産の評価基準および評価方法は、先入先出法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)によっています。
4 固定資産の減価償却の方法は次のとおりです。
有形固定資産(リース資産を除く)
……定額法(建物の耐用年数は主に15~50年)
無形固定資産(リース資産を除く)
……定額法(ソフトウエアの見込利用可能期間は3~10年)
リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
……リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法
5 繰延資産は、支出時または発生時に全額費用として処理しています。
6 貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権等については財務内容評価法により計上しています。
7 役員賞与引当金は、役員に対する賞与の支出に備えるため、期末日時点における支給見込額に基づき計上しています。
8 退職給付引当金は、従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しています。
過去勤務費用は、その発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による定額法により費用処理しています。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理しています。
当事業年度末においては、年金資産の額が退職給付債務に未認識過去勤務債務および未認識数理計算上の差異を加減した額を超えているため、前払年金費用として貸借対照表に計上しています。
9 株式給付引当金は、株式交付規程等に基づく取締役、執行役員および従業員に対する当社株式の交付に備えるため、当事業年度末における支給見込額に基づき計上しています。
10 収益および費用の計上基準は、次のとおりです。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、次の5ステップアプ
ローチに基づき、製品またはサービスの支配が顧客に移転した時点で、または移転するにつれて認識しています。
ステップ1: 顧客との契約を識別する
ステップ2: 契約における履行義務を識別する
ステップ3: 取引価格を算定する
ステップ4: 取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する
ステップ5: 履行義務の充足時に(または充足するにつれて)収益を認識する
概ね同一国内における販売は、契約上別段の定めのない限り、顧客に製品が到着した時点、輸出販売は、インコ
タームズ等に定められた貿易条件に基づきリスク負担が顧客に移転する時点で履行義務が充足されると判断し、当
該履行義務の充足時点で収益を認識しています。
据付および現地での調整作業を伴う製品およびサービスの提供については、製品の引渡しと当該製品の据付およ
び現地での調整作業を単一の履行義務として識別し、製品の据付および現地での調整作業が完了した時点で履行義
務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で収益を認識しています。
一部の取引については、当社製品の販売促進を目的として、関連する製品の販売数量等に基づき顧客にリベート
を支払うことがあります。これらリベートは対価から控除するため、対価の額に変動性があります。顧客に支払う
リベートの額は合理的に見積り可能なことから、重大な戻し入れが生じることはなく、変動対価の見積りが制限さ
れることはないと判断しています。また、当社の販売する製品には、顧客が返品権を有するものは含まれていませ
ん。
なお、約束された対価は履行義務の充足時点から概ね3ヶ月で支払いを受けており、対価の金額に重要な金融要
素は含まれていません。
11 外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。
12 ヘッジ会計の方法は繰延ヘッジ処理を採用しています。
13 連結納税制度を適用しています。
14 連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用
当社は、翌事業年度から、連結納税制度からグループ通算制度へ移行することとなります。ただし、「所得税法等
の一部を改正する法律」(令和2年法律第8号)において創設されたグループ通算制度への移行およびグループ通算
制度への移行にあわせて単体納税制度の見直しが行われた項目については、「連結納税制度からグループ通算制度へ
の移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い」(実務対応報告第39号 2020年3月31日)第3項の取扱いにより、
「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2018年2月16日)第44項の定めを適用せ
ず、繰延税金資産および繰延税金負債の額について、改正前の税法の規定に基づいています。
なお、翌事業年度の期首から、グループ通算制度を適用する場合における法人税および地方法人税並びに税効果会
計の会計処理および開示の取り扱いを定めた「グループ通算制度を適用する場合の会計処理および開示に関する取扱
い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)を適用する予定であります。
(重要な会計上の見積り)
(関係会社株式等の評価)
1 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
| 前事業年度 | 当事業年度 | |
|---|---|---|
| 関係会社株式 (うち、市場価格のある株式) | 168,165 (-) | 259,737 (112,214) |
| 関係会社出資金 | 22,837 | 22,837 |
| 関係会社株式評価損 | - | 16,811 |
2 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
① 当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出方法
関係会社株式および関係会社出資金のうち、市場価格のない株式等については、取得原価をもって貸借対照表価
額としています。当該株式等の評価においては、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したとき
は、相当の減額をなし、評価差額は当期の損失として処理することとしています。
財政状態の悪化とは、原則として、1株当たりの純資産額が当該株式を取得したときのそれと比較して50%以上
低下した場合と定義しています。ただし、市場価格のない株式等の実質価額について、回復可能性が十分な証拠に
よって裏付けられる場合には、評価差額を当期の損失として処理しないこととしています。
うち、OMRON ELETRONICA DO BRASIL LTDA.(以下、OBRといいます。)株式についても、時価評価を加味した財
政状態に基づき株式の実質価額を算定していますが、当事業年度において、OBRの事業子会社であるOMRON
HEALTHCARE BRASIL INDUSTRIA E COMERCIO DE PRODUTOS MEDICOS LTDA.(以下、OHBといいます。)に帰属するの
れんの評価を反映させた結果、実質価額が著しく低下し、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられないため、
相当の減額をなし、当該減少額16,811百万円を関係会社株式評価損として計上しています。
なお、VG2020期間に実施したヘルスケア事業成長戦略投資に係る、米国にて心房細動の確定診断・モニタリング
サービスを展開するAliveCor,Inc.社に対する投資10,687百万円については、会社の超過収益力等を反映した価額
を実質価額として評価しており、この場合の財政状態の悪化とは、当該実質価額が、取得したときのそれと比較し
て50%以上低下した場合と定義しています。
② 当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
1株当たりの純資産額を算定する際の基礎となる財政状態は、決算日までに入手し得る直近のものを使用し、そ
の後の状況で財政状態に重要な影響を及ぼす事項が判明していればその事項も加味しています。また、原則とし
て、株式等の実質価額について回復可能性を検討する上では、当該株式等の発行会社の事業計画書よりおおむね将
来5年以内に実質価額が簿価の100%まで回復する見込があることを考慮することとしています。
なお、OBR株式の実質価額の評価については、OHBの財政状態により大きな影響を受けています。OHBに帰属する
のれんの評価に関連する会計上の見積りについては連結財務諸表「注記事項 Ⅱ 主な科目の内訳および内容の説
明F のれんおよびその他の無形資産」に記載しています。
一方で、AliveCor,Inc.社に対する投資については、経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッ
シュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて、実質価額を算定
しています。また、事業計画は、マクロ経済状況、市場成長率、利益率、設備計画等の仮定を用いて策定し、事業
計画後のキャッシュ・フローは、当該関係会社が属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積もった成長率をもと
に算定しています。なお、コロナ禍が及ぼす影響につきましても、事業計画策定の仮定に考慮しています。
③ 翌事業年度の財務諸表に与える影響
当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定の前提が、当事業年度末の状況から大きく乖離する場合には、当該株式等の評価に影響を及ぼすため、当該株式等に関連する数値に重要な影響を与える可能性があります。
(会計方針の変更)
(収益認識に関する会計基準等の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用し、約束
した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、または移転するにつれて当該財又はサービスと交換に受け取る
と見込まれる金額で収益を認識しています。
これにより、営業外費用に計上していた売上割引については、売上高より控除しています。
この基準の適用による、期首の繰越利益剰余金への累積的影響並びに当期の財務諸表への影響はありません。
(追加情報)
(株式に関する事項)
1 取引の概要
当社は役員報酬の一部について、業績連動型株式付与制度を導入しています。
本制度は当社所定の基準によるポイントを、取締役等に付与し、中期経営計画終了後および退任時に、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託を通じて、ポイントに応じた当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付および給付するものです。
当該信託に関する会計処理については、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 平成25年12月25日、平成27年3月26日改正)に準じて、総額法を適用しています。
2 役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託に残存する自社の株式
役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託に残存する当社株式を、純資産の部に自己株式として計上しています。当該株式の株式数および帳簿価額は、前事業年度末は760,568株および4,161百万円、当事業年度末は606,434株および3,921百万円であり、当事業年度は当社株式を取締役等へ299,634株支給しています。また、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する自己株式に係る配当金は、前事業年度は64百万円、当事業年度は60百万円です。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権および金銭債務
| 第84期 (2021年3月31日) | 第85期 (2022年3月31日) | |
|---|---|---|
| 関係会社に対する短期金銭債権 関係会社に対する長期金銭債権 関係会社に対する短期金銭債務 関係会社に対する長期金銭債務 | 60,738百万円 1,032 191,623 998 | 61,891百万円 9,532 247,243 - |
※2 担保資産
| 第84期 (2021年3月31日) | 第85期 (2022年3月31日) | |
|---|---|---|
| 投資有価証券 | 200百万円 | 200百万円 |
3 保証債務
| 主な被保証先 | 第84期 (2021年3月31日) | 第85期 (2022年3月31日) |
|---|---|---|
| OMRON ELETRONICA DO BRASIL LTDA. OMRON MEXICO, S.A. DE C.V. | 6百万円 96 | 9百万円 64 |
| 計 | 102 | 73 |
(損益計算書関係)
※1 売上高の区分表示
| 第84期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||||
| 当社の売上品目の中には、同一品種の製品及び商品があ り、その区分が困難なため売上高には商品売上高を含めて います。 | 当社の売上品目の中には、同一品種の製品及び商品があ り、その区分が困難なため売上高には商品売上高を含めて います。 | ||||
※2 関係会社との取引高
| 第84期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||||
| 売上高 | 170,079百万円 | 203,431百万円 | |||
| 仕入高 その他の営業取引高 営業取引以外の取引高 | 107,600 17,750 21,487 | 132,533 19,145 27,789 | |||
※3 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度18%、当事業年度17%、一般管理費に属する費用のおおよそ
の割合は前事業年度82%、当事業年度83%です。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目および金額は次のとおりです。
| 第84期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | |
|---|---|---|
| 手数料 | 19,629百万円 | 22,264百万円 |
| 給与及び賞与手当 | 25,609 | 27,031 |
| 減価償却費 | 4,146 | 4,315 |
| 退職給付引当金繰入額 | 632 | △413 |
| 研究開発費 | 27,892 | 31,274 |
※4 固定資産売却益の主な内訳
| 第84期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||||
| 機械及び装置 車両運搬具 | 11百万円 0 | 1百万円 - | |||
| 工具、器具及び備品 ソフトウエア 技術資産 建設仮勘定 | 1 2 20 0 | 0 1 - 5 | |||
※5 固定資産売却損の主な内訳
| 第84期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||||
| 建物 機械及び装置 電話加入権 | -百万円 0 0 | 0百万円 - - | |||
※6 固定資産除却損の主な内訳
| 第84期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 第85期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||||
| 建物 | 19百万円 | 62百万円 | |||
| 構築物 | 1 | 2 | |||
| 機械及び装置 | 16 | 172 | |||
| 工具、器具及び備品 ソフトウエア 技術資産 施設利用権 建設仮勘定 リース資産 | 7 16 0 11 36 4 | 39 9 - 11 14 2 | |||
※7 減損損失
第84期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当社は、主としてビジネスカンパニー単位で資産のグルーピングを行っています。
事業用資産における収益性の低下により、半導体関連製品等の製造設備について、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失1,976百万円として特別損失に計上しています。
| 主な用途 | 種類 | 場所 |
|---|---|---|
| 事業用資産 | 建物、機械及び装置、リース資産等 | 滋賀県野洲市 |
※減損損失の金額
| 建物 構築物 機械及び装置 車両運搬具 工具、器具及び備品 土地 リース資産 建設仮勘定 ソフトウェア 施設利用権 | 577百万円 98 519 0 37 605 4 118 14 4 |
|---|---|
| 合計 | 1,976 |
なお、当資産グループの回収可能価額は使用価値により測定しています。使用価値は、将来キャッシュ・フローがマイナスのため、備忘価額により評価しています。
第85期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しています。
(有価証券関係)
第84期(2021年3月31日)
子会社株式および関連会社株式(貸借対照表計上額 子会社株式157,446百万円、関連会社株式10,719百万円)は、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められることから、時価を記載していません。
第85期(2022年3月31日)
子会社株式および関連会社株式等
| 貸借対照表計上額 (百万円) | 時価(百万円) | 差額(百万円) | |
|---|---|---|---|
| 関連会社株式 | 112,214 | 126,034 | 13,820 |
| 合計 | 112,214 | 126,034 | 13,820 |
(注)上記に含まれない市場価格のない子会社株式および関連会社株式等の貸借対照表計上額は次のとおりです。
| 貸借対照表計上額 (百万円) | |
|---|---|
| 子会社株式 | 136,804 |
| 関連会社株式 | 10,719 |
| その他の関係会社有価証券 | 500 |
| 合計 | 148,023 |
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
| 第84期 (2021年3月31日) | 第85期 (2022年3月31日) | ||
|---|---|---|---|
| 繰延税金資産 | |||
| 貸倒引当金 | 2,094百万円 | 1,746百万円 | |
| 棚卸資産 | 789 | 656 | |
| 未払賞与 | 2,506 | 2,574 | |
| 退職給付信託 | 5,831 | 6,131 | |
| 投資有価証券 | 1,050 | 1,029 | |
| 関係会社株式等 | 3,138 | 8,375 | |
| 未確定債務 | 2,088 | 2,244 | |
| 減価償却資産 | 2,362 | 1,639 | |
| その他 | 724 | 1,513 | |
| 繰延税金資産小計 | 20,582 | 25,907 | |
| 評価性引当額 | △ 3,948 | △6,945 | |
| 繰延税金資産合計 | 16,634 | 18,962 | |
| 繰延税金負債 | |||
| その他有価証券評価差額金 前払年金費用 | 5,422 4,802 | 6,910 5,326 | |
| その他 | 55 | 554 | |
| 繰延税金負債合計 | 10,279 | 12,790 | |
| 繰延税金資産の純額 | 6,355 | 6,172 |
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主要な項目別の内訳
| 第84期 (2021年3月31日) | 第85期 (2022年3月31日) | ||
|---|---|---|---|
| 法定実効税率 | 30.5% | 30.5% | |
| (調整) | |||
| 受取配当金 | △31.0 | △25.9 | |
| 評価性引当額 | △4.1 | 11.7 | |
| 交際費等の社外流出 | 2.1 | 1.8 | |
| 試験研究費に係る税額控除等 | △4.3 | △5.7 | |
| 所得控除 | △2.2 | - | |
| 法人税等還付税額 | △2.8 | - | |
| その他 | △3.4 | △3.3 | |
| 税効果会計適用後の法人税等の負担率 | △15.2 | 9.1 |
(企業結合等関係)
連結財務諸表「注記事項 Ⅱ 主な科目の内容および内容の説明 W 事業売却」に同一の内容を記載しているため、
注記を省略しています。
(収益認識関係)
収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表「注記事項Ⅱ 主な科目の内訳および内容の説明 A 収益 2.収益を理解するための基礎となる情報」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
| 区分 | 資産の種類 | 当期首残高 | 当期増加額 | 当期減少額 | 当期末残高 | 減価償却 累計額 | 当期償却額 | 差引当期 末残高 |
| 有形 固定資産 | 建物 | 66,234 | 3,064 | 5,682 | 63,616 | 39,951 | 1,890 (174) | 23,665 |
| 構築物 | 5,605 | 78 | 464 | 5,219 | 4,298 | 128 (18) | 921 | |
| 機械及び装置 | 13,405 | 2,148 | 4,676 | 10,877 | 6,609 | 650 (44) | 4,268 | |
| 車両運搬具 | 13 | - | 1 | 12 | 12 | 0 | 0 | |
| 工具、器具及び備品 | 11,970 | 1,636 | 818 | 12,788 | 9,225 | 808 (29) | 3,563 | |
| 土地 | [3,357] 10,980 | 1,045 | 0 | [3,357] 12,025 | - | - | [3,357] 12,025 | |
| リース資産 | 3,922 | - | 1,606 | 2,316 | 1,427 | 719 (2) | 889 | |
| 建設仮勘定 | 563 | 1,933 | 1,976 (8) | 520 | - | - | 520 | |
| 計 | 112,692 | 9,904 | 15,223 (8) | 107,373 | 61,522 | 4,195 (267) | 45,851 | |
| 無形 固定資産 | 借地権 | - | 480 | - | 480 | - | - | 480 |
| ソフトウエア | 33,233 | 3,318 | 833 | 35,718 | 29,752 | 1,835 (2) | 5,966 | |
| 施設利用権 | 351 | 26 | 47 | 330 | 273 | 23 | 57 | |
| 技術資産 | 7,797 | 38 | 0 | 7,835 | 1,717 | 681 | 6,118 | |
| ソフトウエア仮勘定 | 3,622 | 6,414 | 2,038 | 7,998 | - | - | 7,998 | |
| その他 | 260 | - | - | 260 | 210 | 147 (130) | 50 | |
| 計 | 45,263 | 10,276 | 2,918 | 52,621 | 31,952 | 2,686 (132) | 20,669 |
(注)1 「当期減少額」および「当期償却額」欄の( )内は内書きで減損損失の計上額です。
2 「減価償却累計額」の欄には、減損損失累計額を含めて記載しています。
3 [ ]内は、土地の再評価に関する法律(平成10年法律第34号)により行った土地の再評価実施前の帳簿価額との差額です。
4 ソフトウエアおよびソフトウエア仮勘定の当期増加額は、主としてコーポレート基幹システムの開発等に
よるものです。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
| 科目 | 当期首残高 | 当期増加額 | 当期減少額 | 当期末残高 |
|---|---|---|---|---|
| 貸倒引当金(流動) | 6,850 | - | 6,850 | 0 |
| 貸倒引当金(固定) | 14 | 6,850 | 1,140 | 5,724 |
| 役員賞与引当金(流動) | 132 | 295 | 132 | 295 |
| 株式給付引当金(流動) | - | 113 | - | 113 |
| 株式給付引当金(固定) | 2,111 | 382 | 1,380 | 1,113 |
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6【提出会社の株式事務の概要】
| 事業年度 | 4月1日から3月31日まで |
|---|---|
| 定時株主総会 | 6月中 |
| 基準日 | 3月31日 |
| 剰余金の配当の基準日 | 3月31日、9月30日 |
| 1単元の株式数 | 100株 |
| 単元未満株式の買取り・買増し | |
| 取扱場所 | (特別口座) 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号 三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部 |
| 株主名簿管理人 | (特別口座) 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
| 取次所 | ― |
| 買取・買増手数料 | 無料 |
| 公告掲載方法 | 当会社の公告方法は、電子公告としています。ただし、事故その他のやむをえない事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済新聞および京都市において発行する京都新聞に掲載して行います。 なお、公告を掲載するホームページのアドレス(URL)は https://www.omron.co.jp/です。 |
| 株主に対する特典 | 該当事項はありません。 |
(注) 当社定款の定めにより、単元未満株主は、会社法第189条第2項各号に掲げる権利、会社法第166条第1項の定めによる請求をする権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当ておよび募集新株予約権の割当てを受ける権利ならびに単元未満株式の売渡請求をする権利以外の権利を有していません。
第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
| (1) | 有価証券報告書 及びその添付書類 並びに確認書 | 事業年度 (第84期) | 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 | 2021年6月25日 関東財務局長に提出 | |||
| (2) | 内部統制報告書 及びその添付書類 | 2021年6月25日関東財務局長に提出 | |||||
| (3) | 四半期報告書 及び確認書 | 事業年度 (第85期第1 四半期) 事業年度 (第85期第2 四半期) 事業年度 (第85期第3 四半期) | 自 2021年4月1日 至 2021年6月30日 自 2021年7月1日 至 2021年9月30日 自 2021年10月1日 至 2021年12月31日 | 2021年8月6日 関東財務局長に提出 2021年11月12日 関東財務局長に提出 2022年2月10日 関東財務局長に提出 | |||
| (4) | 臨時報告書 | 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)に基づく臨時報告書です。 | 2021年6月25日関東財務局長に提出 | ||||
| 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号(提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象の発生)に基づく臨時報告書です。 | 2022年2月1日関東財務局長に提出 | ||||||
| (5) | 自己株券買付状況報告書 | 報告期間 | 自 2021年10月1日 至 2021年10月31日 | 2021年11月15日関東財務局長に提出 | |||
| 報告期間 | 自 2021年11月1日 至 2021年11月30日 | 2021年12月15日関東財務局長に提出 | |||||
| 報告期間 | 自 2021年12月1日 至 2021年12月31日 | 2022年1月14日関東財務局長に提出 | |||||
| 報告期間 | 自 2022年1月1日 至 2022年1月31日 | 2022年3月23日関東財務局長に提出 | |||||
| 報告期間 | 自 2022年2月1日 至 2022年2月28日 | 2022年3月23日関東財務局長に提出 | |||||
| 報告期間 | 自 2022年3月1日 至 2022年3月31日 | 2022年4月12日関東財務局長に提出 | |||||
| 報告期間 | 自 2022年4月1日 至 2022年4月30日 | 2022年5月12日関東財務局長に提出 | |||||
| (6) | 有価証券届出書 及びその添付書類 | 従業員持株会を通じた株式付与としての自己株式の処分に係る有価証券届出書です。 | 2022年3月1日関東財務局長に提出 | ||||
| 従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プランとしての自己株式の処分に係る有価証券届出書です。 | 2022年3月1日関東財務局長に提出 | ||||||
| 従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブ・プランとしての自己株式の処分に係る有価証券届出書です。 | 2022年3月1日関東財務局長に提出 | ||||||
| (7) | 有価証券届出書の 訂正届出書 | 2022年3月1日提出の従業員持株会を通じた株式付与としての自己株式の処分に係る有価証券届出書に係わる訂正報告書です。 | 2022年4月26日関東財務局長に提出 | ||||
| 2022年3月1日提出の従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた持株会活性化プランとしての自己株式の処分に係る有価証券届出書に係わる訂正報告書です。 | 2022年4月26日関東財務局長に提出 | ||||||
| 2022年3月1日提出の従業員持株会向け譲渡制限付株式を用いた中期インセンティブ・プランとしての自己株式の処分に係る有価証券届出書に係わる訂正報告書です。 | 2022年4月26日関東財務局長に提出 | ||||||
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
| 2022年6月24日 | |||
| オムロン株式会社 | |||
| 取締役会 御中 | |||
有限責任監査法人トーマツ 京都事務所
| 指定有限責任社員 業務執行社員 | 公認会計士 | 佐藤 嘉雄 |
|---|
| 指定有限責任社員 業務執行社員 | 公認会計士 | 酒井 宏彰 |
|---|
| 指定有限責任社員 業務執行社員 | 公認会計士 | 池畑 憲二郎 |
|---|
<財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているオムロン株式会社の2021年4月1日から2022年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主持分計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、注記及び連結附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則の一部を改正する内閣府令(平成14年内閣府令第11号)附則」第3項の規定により米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、オムロン株式会社及び連結子会社の2022年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
1.インダストリアルオートメーションビジネスに係る投資に伴うのれんの評価
会社は、長期ビジョン「Value Generation 2020(VG2020)」における戦略投資の一環として、インダストリアルオートメーションビジネス(以下、IAB)において、2015年にDelta Tau Data Systems, Inc.及びAdept Technology, Inc.、2017年にMicroscan Systems, Inc.の株式取得を行い連結子会社とした(以下、これらの取引を「企業結合取引」という。)。これらの連結子会社は、いずれも米国に本拠を構える会社である。
会社は、これらの重要な企業結合取引を通じて、のれんを連結貸借対照表に計上している。
(1) IABに係る投資に伴うのれんの評価
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
連結財務諸表注記Ⅱ-Fに記載のとおり、第85期連結貸借対照表には、主にこれら一連の戦略投資に起因した株式取得時に識別した、IABにおけるのれん37,459百万円が含まれる。
会社は、Financial Accounting Standards Board (以下、FASBという。)会計基準書第350号「無形資産-のれん及びその他」に準拠して、のれんの償却は行わず、少なくとも年に1回及びその帳簿価額が公正価値を上回るような事象の発生または状況の変化が生じた場合に減損テストを実施している。会社は、当該のれんが配分される報告単位を、事業買収によるシナジー効果の享受が期待される検査装置事業を除いたIABとして決定している。減損テストの実施に際しては、当該報告単位の公正価値をディスカウント・キャッシュ・フロー法により算出し、対応する帳簿価額と比較して評価を行っている。
結果、報告単位の公正価値は帳簿価額を大きく上回っているが、報告単位の設定範囲により、減損テストの結果が異なる可能性があり、当該のれん残高の金額的重要性を鑑みると、報告単位の決定が重要な要因となる。
したがって、当該のれんの減損テストにあたって、特に、報告単位の決定が米国会計基準の準拠性における重要な会計上の判断領域となるため、当監査法人は監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
監査上の対応
経営者により決定された報告単位の妥当性を検討するにあたり実施した監査手続には、以下が含まれる。
・ のれんの減損損失の認識の要否に係る判断に関連する内部統制の有効性を評価した。評価にあたっては、特に報告単位の決定に関する統制に焦点を当てた。
・ 会社が決定した報告単位が、FASB会計基準書第350号「無形資産-のれん及びその他」における報告単位の定義を充足しているかを検討するため、IABにおける、組織体制、財務報告体制、事業戦略について質問し、関連する社内報告資料を査閲し、オペレーティングセグメントの一階層下のビジネスであるか、個別の財務情報が利用可能であり、IABカンパニー長が定期的に業績をレビューしているかどうか評価した。
・ 加えて、事業買収により期待するシナジー効果を理解し、検査装置事業を除いたIABが、シナジー効果の享受が期待される報告単位に該当するかについての会社の分析資料を査閲した。
2.ヘルスケアビジネスに係る投資に伴うのれんの減損及び関連会社に対する投資の評価
会社は、長期ビジョン「Value Generation 2020(VG2020)」における戦略的投資の一環として、ヘルスケアビジネス(以下、HCB)において、2014年にブラジルのネブライザーメーカーであるNS Industria de Aparelhos Medicos LTDA.(現 Omron Healthcare Brasil Indústria e Comércio de Produtos Médicos LTDA.(以下、OHB))の株式取得を行い連結子会社とした。また、米国を中心に心疾患の診断と治療の支援サービス及び商品を提供するAliveCor, Inc.社の株式取得を2017年から段階的に行い、2020年に持分法適用会社とした。
会社は、これらの投資活動を通じて、連結貸借対照表においてのれんを計上するとともに、持分法によるのれんを含んだ関連会社に対する投資及び貸付金を計上している。
(1) HCBに係る投資に伴うのれんの減損
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
連結財務諸表注記Ⅱ-Fに記載のとおり、第85期連結損益計算書においてOHBを取得した際に計上したのれん3,384百万円について減損損失を計上している。
会社は、FASB会計基準書第350号「無形資産-のれん及びその他」に準拠して、のれんの償却は行わず、少なくとも年に1回及びその帳簿価額が公正価値を上回るような事象の発生または状況の変化が生じた場合に減損テストを実施している。会社は、OHBを取得した際に計上したのれんについて、当該のれんが配分される報告単位を、事業買収によるシナジー効果の享受が期待されるHCBの南米地域事業として決定している。当該減損テストの実施に際して、会社は当該報告単位の公正価値をディスカウント・キャッシュ・フロー法により算出し、対応する帳簿価額と比較して評価を行った結果、減損損失を計上している。
当該OHBののれんが配分される報告単位の公正価値の評価に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りには、売上高成長率や利益率の変動を含む将来事業計画、永久成長率及び加重平均資本コストをもとに算定した割引率といった重要な仮定が用いられている。
所在国であるブラジルの経済状況や市場環境が厳しい中で、これらの重要な仮定には不確実性があり、見積りに対して経営者の主観的な判断を伴うことから、当監査法人は、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
監査上の対応
経営者が用いた重要な仮定の妥当性を検討するにあたり実施した監査手続には、以下が含まれる。
・ のれんの減損損失の認識の要否に係る判断に関連する内部統制の有効性を評価した。評価にあたっては、減損テストに用いられる将来キャッシュ・フローの見積り、特にその基礎となる将来事業計画の合理性に対する評価に関する統制に焦点を当てた。
・ 当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、重要な評価の仮定である永久成長率及び加重平均資本コストをもとに算定した割引率について、算定方法を理解し、利用可能な外部データと比較することで、合理性を評価した。
・ 将来事業計画について、事業計画の作成責任者に、市場規模やマーケットシェアの拡大、利益率の変動について質問するとともに、利用可能な外部データとの比較や過去の実績による趨勢分析を実施した。
・ 前年度ののれんの減損テストにおいて使用した将来事業計画とその実績値とを比較し、当期末における経営者による見積の精度を評価した。
(2) 関係会社に対する投資の評価
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
連結財務諸表注記Ⅱ-Dに記載のとおり第85期連結貸借対照表に計上されている関連会社に対する投資及び貸付金には、AliveCor, Inc.社に係る投資9,642百万円が含まれており、AliveCor, Inc.社の純資産に対する当社の持分相当額を上回る8,172百万円は、主に持分法適用開始時に識別したのれん相当額によるものである。
FASB会計基準書第323号「投資-持分法及びジョイントベンチャー」では、一時的な下落とは認められない投資の価値の下落について損失を認識することを要求している。会社は、投資の価値の下落が一時的か否かを判断するにあたり、事業計画の進捗状況や事業環境のような定性的要素と、投資先の超過収益力に基づいたディスカウント・キャッシュ・フロー法により算出された公正価値と帳簿価額との比較のような定量的要素を総合的に勘案している。当該公正価値の評価に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りには、売上高成長率や利益率の変動に基づく将来事業計画、永久成長率及び加重平均資本コストをもとに算定した割引率といった重要な仮定が用いられている。
AliveCor, Inc.社 が属する市場は成長途上にあることから、これらの重要な仮定には不確実性があり、当該定性的かつ定量的評価には経営者の主観的な判断を伴うことから、当監査法人は、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
監査上の対応
経営者が用いた重要な仮定の妥当性を含め、投資価値の下落が一時的か否かの判断の妥当性を検討するにあたり実施した手続には、以下が含まれる。
・ 投資に対する損失計上要否に係る判断に関連する内部統制の有効性を評価した。
・ 事業計画の進捗状況や事業環境など定性的評価に関連する資料を閲覧し、下記定量的な評価と合わせて、判断の合理性を評価した。
・ 当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、重要な評価の仮定である加重平均資本コストをもとに算定した割引率について、算定方法を理解し、利用可能な外部データと比較することで、合理性を評価した。
・ 将来事業計画について、HCBの責任部署に、売上種別ごとの市場規模の拡大予測、各事業の成長率、利益率の変動といった重要な仮定について質問するとともに、利用可能な外部データとの比較や趨勢分析を実施することで合理性を評価した。
・ 前年度の公正価値の評価において使用した将来事業計画とその実績値を比較し、当期末における経営者による見積の精度を評価した。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、オムロン株式会社の2022年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、オムロン株式会社が2022年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。
内部統制監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。
・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていない。
独立監査人の監査報告書
| 2022年6月24日 | |||
| オムロン株式会社 | |||
| 取締役会 御中 | |||
有限責任監査法人トーマツ 京都事務所
| 指定有限責任社員 業務執行社員 | 公認会計士 | 佐藤 嘉雄 |
|---|
| 指定有限責任社員 業務執行社員 | 公認会計士 | 酒井 宏彰 |
|---|
| 指定有限責任社員 業務執行社員 | 公認会計士 | 池畑 憲二郎 |
|---|
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているオムロン株式会社の2021年4月1日から2022年3月31日までの第85期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、オムロン株式会社の2022年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
1.関係会社株式の評価
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
会社は、長期ビジョン「Value Generation 2020(VG2020)」における戦略的投資の一環として、米国を中心に心疾患の診断と治療の支援サービス及び商品を提供するAliveCor, Inc.社の株式を2017年から段階的に取得した。その結果、財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されている通り、第85期貸借対照表に計上されている関係会社株式には、AliveCor, Inc.社に係る株式が10,687百万円含まれている。
会社は、市場価格のない株式等の評価において、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下している場合には相当の減額をするが、実質価額の回復可能性が十分な証拠によって裏付けられている場合には、取得価額をもって貸借対照表価額としている。
会社は、AliveCor, Inc.社の株式について、経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積り額を現在価値に割り引いて実質価額を算定している。当該実質価額の評価に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りには、売上高成長率や利益率の変動に基づく将来事業計画、永久成長率及び加重平均資本コストをもとに算定した割引率といった重要な仮定が用いられている。
AliveCor, Inc.社が属する市場は成長途上にあることから、これらの重要な仮定には不確実性があり、経営者の主観的な判断を伴うことから、当監査法人は、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
監査上の対応
経営者が用いた重要な仮定の妥当性を検討するにあたり実施した手続には、以下が含まれる。
・ 投資に対する損失計上要否に係る判断に関連する内部統制の有効性を評価した。
・ 当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、重要な評価の仮定である加重平均資本コストをもとに算定した割引率について、算定方法を理解し、利用可能な外部データと比較することで、合理性を評価した。
・ 将来事業計画について、HCBの責任部署に、売上種別ごとの市場規模の拡大予測、各事業の成長率、利益率の変動といった重要な仮定について質問するとともに、利用可能な外部データとの比較や趨勢分析を実施することで合理性を評価した。
・ 前年度の実質価額の算定において使用した将来事業計画とその実績値を比較し、当期末における経営者による見積りの精度を評価した。
2.関係会社株式評価損
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されている通り、第85期損益計算書において、ブラジルにおける持株会社としての機能を有するとともに一部事業を営む非上場の子会社OMRON Eletronica do Brasil LTDA.(以下、OBR)に対する投資に関して、関係会社株式評価損16,811百万円計上している。
会社は、市場価格のない株式等の評価において、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下し、その回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には、相当の減額をし、 評価損を計上している。
会社は、OBRに対する投資の評価損の計上要否を検討するにあたり、同社の純資産額を基礎として、OBRのブラジル子会社であるOmron Healthcare Brasil Indústria e Comércio de Produtos Médicos LTDA.(以下、OHB)に帰属するのれんの評価を反映させて同社株式の実質価額を算定している。
当事業年度においてOHBにおいてのれんの減損損失を3,384百万円計上した結果、OHBの親会社であるOBR株式の実質価額が著しく低下し、会社はOBR株式に対して評価損を認識している。
のれんの減損テストの実施に際して、会社は報告単位の公正価値をディスカウント・キャッシュ・フロー法により算出し、対応する帳簿価額と比較して評価を行っている。
報告単位の公正価値の評価に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りには、売上高成長率や利益率の変動を含む将来事業計画、永久成長率及び加重平均資本コストをもとに算定した割引率といった重要な仮定が用いられている。
所在国であるブラジルの経済状況や市場環境が厳しい中で、これらの重要な仮定には不確実性があり、見積りに対して経営者の主観的な判断を伴うことから、当監査法人は、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
監査上の対応
当監査法人は、OBRの財政状態に基づく実質価額の算定および著しい低下の有無に対する評価の妥当性並びに評価損計上額の妥当性を検討した。これらの検討にあたっては、同社株式の実質価額の算定に重要な影響を与えるOHBにおけるのれんの減損損失計上額の妥当性について、連結財務諸表に係る監査報告書における監査上の主要な検討事項「2.(1) HCBに係る投資に伴うのれんの減損」に記載の監査上の対応を実施した。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていない。