| 【表紙】 | |
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| 【提出書類】 | 有価証券報告書 |
| 【根拠条文】 | 金融商品取引法第24条1項 |
| 【提出先】 | 関東財務局長 |
| 【提出日】 | 平成29年6月26日 |
| 【事業年度】 | 2016年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
| 【会社名】 | ゴールドマン・サックス・インターナショナル (Goldman Sachs International) |
| 【代表者の役職氏名】 | マネージング・ディレクター ステファン・ボリンジャー (Stefan Bollinger, Managing Director) |
| 【本店の所在の場所】 | 英国 ロンドン市 EC4A 2BB フリート・ストリート133、ピーターバラ・コート (Peterborough Court, 133 Fleet Street, London EC4A 2BB United Kingdom) |
| 【代理人の氏名又は名称】 | 弁 護 士 庭 野 議 隆 |
| 【代理人の住所又は所在地】 | 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 赤坂Kタワー アンダーソン・毛利・友常法律事務所 |
| 【電話番号】 | 03(6888)1000 |
| 【事務連絡者氏名】 | 弁 護 士 福 田 淳 同 栗 田 聡 同 牧 野 達 彦 同 柴 田 育 尚 同 沖 上 隼 仁 |
| 【連絡場所】 | 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 赤坂Kタワー アンダーソン・毛利・友常法律事務所 |
| 【電話番号】 | 03(6888)1000 |
| 【縦覧に供する場所】 | 該当なし |
(注1) 本書における「GSI」、「当社」、「発行会社」および「我々」との記載は、文脈上別段の解釈が必要な場合を除き、ゴールドマン・サックス・インターナショナルを指す。本書における「ゴールドマン・サックス」および「GSグループ」との記載は、文脈上別段の解釈が必要な場合を除き、ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インクおよびその連結子会社を指す。
(注2) 本書において、別段の記載がある場合または文脈により別意に解すべき場合を除き、「米ドル」、「ドル」または「$」とはアメリカ合衆国の法定通貨である米ドルを意味し、「円」または「¥」とは日本の法定通貨である日本円を意味する。
(注3) 本書において便宜上、一部の財務データは米ドルから日本円へと換算されている。別段の記載がある場合を除き、それらの換算は、2017年5月16日現在の株式会社三菱東京UFJ銀行による対顧客電信直物売買相場の仲値である、1ドル=113.77円の換算率で計算されている。当該換算は、当該日において当該換算率またはその他の換算率で米ドルが換算できた可能性があるか、または当該換算率が当該日以降変更されていないという表明ではない。
(注4) 本書中の表において計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
本書の提出日現在、当社に適用される主な法的枠組みは、2006年英国会社法(「2006年会社法」)である。2006年会社法は、2006年11月8日に国王の裁可を取得し、段階的に発効した。2006年会社法は、2009年10月1日から全面施行され、同法は1985年英国会社法(「1985年法」)に代わるものである。2009年10月1日より前に設立された会社については、一定の経過措置が設けられており、これらの会社に対しては、2006年会社法は異なる態様で適用される。
以下は、当社のような会社に適用される2006年会社法の一部の規定を要約したものである。本項は、英国において当社に適用されるその他の主な法律(たとえば、1986年倒産法、金融サービス法およびコモンロー等)については検討しておらず、また、2006年会社法の規定に関する包括的な説明を行うことを意図するものでもない。
会社の種類
英国の会社法は、他の形態の法人も認めているが、2006年会社法に基づき設立可能な会社の主な形態は以下のとおりである:(a)公開株式会社(public companies limited by shares)、(b)非公開株式会社(private companies limited by shares)、(c)非公開保証有限会社(private companies limited by guarantee)、および(d)無限責任会社(unlimited companies)。無限責任会社の会社形態は非公開のみが認められている。
当社は、1988年6月2日に、1985年法に基づく非公開株式会社として設立された。当社は、1994年2月25日、無限責任会社として再登記された。
1986年倒産法の重要な非適用事項に従うことを条件として、当社(無限責任会社である)が清算する場合、現存する株主および清算開始前の1年以内に株主であった人はすべて、当社の債務および負債ならびに清算の経費の支払、ならびに出資者間での権利の調整に十分な金額を当社の資産に出資する義務がある。
基本定款(Memorandum of Association)
各会社は、基本定款を制定しなければならない。2006年会社法においては、基本定款には、引受人が2006年会社法に基づき会社を設立することを希望し、そして会社の株主になること(株主資本を有する会社の場合は、少なくとも1株を引き受けること)に同意する旨が記載される。
2009年10月1日より前に設立された会社については、それらの基本定款の規定のうち、上記に該当しない商号、会社の責任、会社の目的、登録事務所が所在する国および株式資本の内容といった事項は、通常定款の規定として扱われている。2011年5月17日の書面による決議により、当社はその通常定款から、2006年会社法の効力発生以降、2011年5月17日まで通常定款の規定として扱われてきたすべての不必要な基本定款の規定を削除した。
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通常定款(Articles of Association)
各会社は、通常定款を制定しなければならない。2006年会社法の要件に従い、通常定款には、会社の社内的事項を規律する規則、およびその他広範にわたる事項について定める規則が含まれる。これらには、通常以下が含まれる。
(a)会社の株式に付随する権利および義務に関する事項(株主総会における議決権の行使および株主総会の開催に関する事項を含む)
(b)取締役に関する事項(取締役の員数、権限および職務(借入権限を含む)、報酬、費用および利益、利益相反の宣言および承認に係る手続、選任および解任の手続ならびにそれらの手続に関する事項を含む)
(c)配当の宣言および支払
定款は、会社とその各株主の間の契約を構成し、これらの変更は、株主の特別決議によってのみ行うことができる(2006年会社法、または定款中で固定化(entrenchment)について特別に規定している場合、それらを条件とする)。
2006年会社法に基づき制定された規則である、英国2008年モデル定款会社規則(SI 2008/3229)は、非公開株式会社、非公開保証有限会社および公開会社の通常定款のモデル様式を3つ定めている。これらは、2006年会社法に基づき設立されたこれらの形態の会社の通常定款の標準様式となるが、これらを全く採用せずに独自に策定した定款を使ってもよく、またはこれらに変更を加えて採用することもできる。無限責任会社についてはモデル定款は制定されていない。
報告書および財務書類
会社は、有限責任会社であるか無限責任会社であるかを問わず、会社の取引を表示および説明し、いかなる時にも会社の財政状態を合理的な正確さをもって開示し、かつ、作成を要求されるすべての財務書類が2006年会社法を遵守するものであることを取締役会が確保する上で、十分な会計帳簿を保持することを2006年会社法によって義務づけられている。会社の取締役会は、事業年度毎に、2006年会社法の規定に従って、貸借対照表、損益計算書および注記からなる財務書類を作成しなければならない。
会社の取締役会は、事業年度毎に、取締役報告書(directors’ report)を作成しなければならない。かかる報告書の内容は、とりわけ、2006年会社法の規定により定められている。2006年会社法の2013年戦略報告書(strategic report)および取締役報告書規則(SI 2013/1970)により、2013年9月30日以降に終了する事業年度に関して会社の取締役報告書の内容変更が導入された。その結果、事業に関する報告の作成の要件は同規則により廃止され、小会社を除く会社は、(取締役報告書だけでなく)単体で戦略報告書を作成することが必要となった。取締役報告書の内容もまた、会社の規模によって異なる。たとえば、小会社は、上場しているか否かを問わず、取締役報告書に関する小会社の免除の利益を受けることができる。
会社の監査人は、とりわけ2006年会社法に従った、会社の株主に対する会社の年次財務書類に関する報告書を作成しなければならない。監査人は、年次財務書類が、当該事業年度末現在の会社の(または(該当する場合)グループの)状況および当該事業年度の損益について真実かつ公正な概観を与えているかどうか、当該財務書類が関連する財務報告に係るフレームワークに従って適正に作成されているかどうか、ならびに2006年会社法の要件に従って作成されているかどうかについての自己の意見を同報告書に明確に記載しなければならない。監査人は、当該事業年度に係る取締役報告書に記載の情報が当該事業年度に係る財務書類と整合しているかどうかを検討し、その点に関する自己の意見をその報告書に記載しなければならない。
年次財務書類は、戦略報告書、取締役報告書、取締役報酬報告書(ただし、上場会社の場合であり、当社は該当しない)および当該財務書類に対する監査人の報告書と共に、株主総会において会社に提出されなければならず、当該財務書類等が会社に提出される株主総会の21日前までに、とりわけ会社の各株主に送付されなければならない。公開会社の場合(当社は該当しない)、財務書類は株主総会において会社に提出されなければならず、当該事業年度末から6ヶ月以内に会社登記官に送達されなければならない。発行する有価証券がロンドン証券取引所のメインマーケットまたは欧州経済領域(「EEA」)の他の規制市場において取引可能な会社の場合、財務書類は当該事業年度末から4ヶ月以内に公表されなければならない。
株式資本および種類株式
会社の発行済株式資本は、会社が発行し、実際に引き受けられた株式数である。たとえば保証有限会社のように、すべての会社が株式資本を有するとは限らない。会社の各種類株式に付随する権利は、会社の通常定款に規定される。種類株式の権利については制限はなく、無限の異なる形態をとることができる。慣例上の種類分けおよび通常使用される株式の種類は:(a)普通株式、(b)優先株式、(c)償還株式、(d)転換株式、および(e)後配株式である。会社の株式に付随する議決権は、通常、株主総会でその権利を行使する方法と共に、会社の通常定款に定められている。
株式の発行および新株引受権
株式資本の種類が1種類のみの非公開会社の取締役会は、同種の株式の割当を行うにあたり、株主による授権を必要としない。しかし、2種類以上の株式を発行している非公開会社および公開会社においては、取締役会は、2006年会社法に基づき、新株発行に関して会社の通常定款の規定または株主の通常決議により授権されていなければならない。2006年会社法はまた、現金の払い込みに対する新株発行に際し、株主の新株引受権を定めている(ただし、株式等その他の対価に対する新株発行の場合は認められない)。会社が現金と引き換えの新株割当を予定する場合、会社はまず第一に既存の株主に対して、それら株主が保有する株式数の割合に応じてこれら新株の割当を受ける権利を与えなければならない。しかし、新株引受権は、会社の株主の特別決議によって適用を排除することができ、非公開会社の場合には、通常定款の規定により適用を排除することができる。
株主:年次株主総会
公開会社は、その事業年度終了から6ヶ月以内に年次株主総会を開催しなければならない。株式が取引されている非公開会社(すなわち、EEAの規制市場においてその株式の取引が認められている会社)は、その各事業年度終了の翌日から起算して9ヶ月以内に年次株主総会を開催しなければならない。株式が取引されていない非公開会社については、当該会社の通常定款に別段の定めがない限り、年次株主総会の開催を義務づける法律上の要件はない。2006年会社法は、年次株主総会で取り扱われるべき議題を特定しておらず、また議題の制限もしてない。
年次株主総会の招集通知は、送達の日と総会の日の間が少なくとも中21日間となるように行われなければならないが、同総会に出席し、議決権を行使する権利を有する者全員がこれより短い期間の通知に同意する場合は、この限りではない。
株主:株主総会
年次株主総会を除くすべての株主の総会は、株主総会である。通常、株主総会の法定の最短の通知期間は、中14日間である。
株主総会に参加し、議決権を行使する権利が付与された全株式の額面価額の90パーセント以上(非公開会社の場合)または95パーセント以上(公開会社の場合)を保有する株主の同意があれば、株主総会の通知期間をさらに短くすることができる。通常定款によって、より長い通知期間を定めることもできる(ただし、通常定款によって、より短い通知期間を定めることはできない)。
株主:株主総会における議事の進行および議決権の行使
株主総会の定足数は、会社の通常定款において定められる。定足数を満たすためには各種類株式の株主の出席を必要とする特別の種類株式に関する権利が存在していない限り、あるいは会社が一人会社でない限り、通常、定足数は株主2人である。
2006年会社法の下では、株主総会に出席し議決権を行使する権限を有する株主はいずれも代理人(株主である必要はない)を選任し、当該代理人に当該株主に代わり株主総会において出席、発言および議決権の行使を行わせることができる。株主は、代理人を選任できる権限について知らされていなければならない。会社による総会の招集通知の発送と併せて、株主に対して委任状が提供される。委任状が有効となるためには、該当する総会(またはその延会)の少なくとも48時間前までに委任状が返送されていなければならない。
投票(すなわち投票用紙による投票であり、通常本人がまたは代理人により出席している各株主が保有株式1株につき1つの議決権を有する)が要求されていない限り、株主総会における決議に対する議決権の行使は、挙手により行われる。定款に別段の定めがない限り、本人が出席している各株主および株主が適式に選任した各出席代理人は、出席株主または委任した株主が保有している持分にかかわらず、挙手により1つの議決権を行使できる。
株主:株主による承認
2006年会社法が規定する決議方法は、出席株主(本人または代理人による)の過半数の同意および議決権行使を必要とする通常決議、ならびに出席株主(本人または代理人による)の75パーセント以上の同意および議決権行使を必要とする特別決議の2種類である。
2006年会社法は、株主総会開催に代わるものとして、非公開会社による書面による決議の手続について定めている。
2006年会社法は、書面による決議は、通常決議の場合は株主の50パーセント超が同意した場合、特別決議の場合は株主の75パーセント以上が同意した場合可決が可能であると定めている。書面による決議は、可決された場合、株主総会で可決された決議と同じ効力を有する。
2006年会社法は、公開会社が書面による決議を行うことを認めていない。
配当
配当とは、会社の税引後利益の株主への分配である。会社が行う配当支払のうち、最も一般的なものは、最終および中間配当である。最終配当は、1年に1度支払われ、年次財務書類が作成された後に計算される。一方、中間配当は年度を通じていつでも支払うことができ、会社の年次収益が確定される前に計算される。定款には会社による配当の宣言と支払に関する明確な規定が通常含まれているが、2006年会社法は配当の宣言は誰が行うのか規定しておらず、特に株主総会において株主が宣言する配当(最終および中間いずれについても)について要件を定めていない。したがって、会社の定款にこの点の定めがない場合、取締役会は、配当の宣言について株主総会で株主の承認を受けることなく、すべての配当(最終および中間)を宣言する権利を有することとなる。しかしながら、標準的な慣習においては、取締役会は中間配当を宣言し、支払うことができる一方で、最終配当については取締役会が提言を行うが、配当宣言は株主が株主総会において行うこととなっている。
配当の支払を提言または宣言するにあたり、取締役は、それらのコモンローおよび衡平法上の義務ならびに2006年会社法に基づく法令上の義務を考慮しなければならず、とりわけ、その権限の範囲で行為する義務、会社の成功を推進する義務ならびに相当な注意、能力発揮および努力を行う義務を考慮しなければならない。取締役は、会社の最善の利益を全般的に考慮しなければならず、仮に慎重さに欠けた方法で配当の支払を行った場合、責任を問われる可能性がある。取締役会は、将来の収益が少なかった年度の配当に充てるため、例として収益の一部を準備金として確保しておくことができる。さらに、配当を宣言するためには、会社は分配可能な準備金を有していなければならず、会社の分配可能な利益を上回る額の配当といった、2006年会社法に反する配当の支払を取締役が承認した場合、当該取締役は法律上およびコモンロー上の義務に違反している可能性があり、当該取締役が株主でなくても、会社に対して個人的に補填を行う義務を負う場合がある。
経営および運営
2006年会社法の下においては、非公開会社は少なくとも1名、公開会社は少なくとも2名の取締役を置かなければならない。この規定に従うことを条件として、定款には、取締役の最大または最低員数を定めることができる。取締役は業務執行取締役(任用契約に基づく)または非業務執行取締役のいずれかであり、様々な役務および義務を果たす。法人取締役も認められているが、取締役のうち少なくとも1名は個人でなくてはならない。会社の取締役の年齢の下限は16歳である。年齢の上限は定められていない。外国人取締役に関する制限は設けられていない。
取締役の義務
2006年会社法は、取締役が会社に対して負う義務に関する法定の規定をすべて列挙している。取締役の法定の義務は以下のとおりである。
(a)会社の設立憲章により付与された権限の範囲内で行為する義務
(b)株主全体の利益のために会社の成功を推進する義務
(c)独立して判断する義務
(d)相当の注意、能力発揮および努力を行う義務
(e)利益相反を回避する義務
(f)第三者から利益の供与を受けない義務
(g)予定されている会社との取引に対する利害関係を開示する義務
これらの義務は、会社の取締役全員に適用される。ただし、ここに列挙された法定の義務は、会社の取締役として取締役が負う可能性があるすべての義務を網羅してはいない。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
下記は、本書の日付現在において効力を有している当社の通常定款の規定の一部の要約である。下記は通常定款の一部の規定の要約にすぎず、詳細については当社の2017年2月20日付通常定款に定められている。
取締役
当社の取締役は、当社の日々の事業経営に責任を負う。この目的のため、取締役は当社のすべての権能を行使することができる。取締役は、自らに付与された権能を、取締役が適切と考える人または委員会に対して、取締役が適切と考えるあらゆる方法(委任状によるものを含む)および条件で委任することができる。取締役または取締役の授権に基づき行為する人は随時、取締役が随時決定する期間中、取締役が随時決定する条件で、取締役が随時決定する権能を付与して、1人または複数の当社の代表者を選任して当社の事業またはその1つまたは複数の部門の経営を支援させることができる。取締役会の決議または取締役会の授権に基づき行為する人の決定によって、付与された肩書きを有する人をいつでも解任することができる。
当社が株主総会において(通常決議により)別段の決定を下さない限り、取締役の員数は、1人以上とし、上限は設けない。いずれの取締役も、取締役に通知を行うことにより、または会社の秘書役(該当する場合)にかかる通知を行う権限を付与することにより、取締役会を招集することができる。取締役は、いずれの取締役会または取締役の委員会においても、そしていずれの決議に際しても議決権を行使することができると共に、定足数に参入され、いずれの意思決定にも参加することができる。これは、かかる意思決定に当該取締役が(直接・間接を問わず)利害または責務(種類を問わず、また、当社の利益に反するか否かにかかわらず)を有する事項に(形式を問わず)関係または関連するかどうかにかかわらない。取締役がかかる決議に際して議決権を行使する(またはかかる意思決定を行い、もしくは意思決定に参加する)場合、当該取締役の議決権は算入され、当該取締役は定足数に算入されるものとする。取締役会の決定により別段の定めがなされない限り、取締役会の定足数は1人とする。
取締役が自己の利害関係の性質および範囲を開示していることを条件として、またはかかる利害関係が定款に従い開示されたとみなされたことを条件として、取締役は、
(a)当社が当事者となるか、当社がその他の方法により利害関係を有する取引または取決めの当事者となるか、その他の方法により利害関係を有すること、
(b)当社が利害関係を有する法人もしくはグループ会社もしくはグループ会社が利害関係を有する法人の取締役、その他の役員もしくは従業員となること、または当社が利害関係を有する法人もしくはグループ会社もしくはグループ会社が利害関係を有する法人との間の取引もしくは取決めの当事者となること、または当社が利害関係を有する法人もしくはグループ会社もしくはグループ会社が利害関係を有する法人に対してその他の方法により利害関係を有すること、
(c)自ら、または自己が利害関係を有する企業を通じて、当社、グループ会社またはグループ会社が利害関係を有する法人のために、その専門能力において行為すること(ただし、監査人としての行為を除く)、ならびに
(d)取締役会が決定するところにより、取締役と兼務して当社における他の役職(監査人を除く)に就くこと
ができる。また、(ⅰ)当該取締役は、自己の役職またはそれによって生じた信認関係を理由として、当該取締役またはその他の人が、かかる役職もしくは雇用関係によって、かかる取引もしくは取決めによって、専門能力において行為することによって、またはかかる事業もしくは法人に対する利害関係によって得る報酬またはその他の利益について、当社に対し責任を負わないものとし、(ⅱ)かかる取引または取決めはいずれも、かかる利害関係または報酬もしくはその他の利益を理由として回避されなくてはならないものではなく、さらに(ⅲ)かかる報酬またはその他の利益を受領することは、2006年会社法第176条に基づく義務違反を構成しないものとする。
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株式および分配
取締役会は、新株引受権を付与しない形(すなわち、下記の割り当て等において既存株主にその持株数に応じて比例案分した株式先買権を付与しない形)で当社の株式を割り当て、またはそれらの株式を引き受ける権利を付与し、もしくはいずれかの有価証券をそれらの株式に転換する権利を付与するために、当社のあらゆる権限を行使することができる。定款の定めに従うことを条件として、ただし、既存の株式に付与された権利をさらに損なうことなく、当社は、当社の通常決議により決定される権利または制限を付した追加の種類株式を発行することができる。かかる決議が可決されていない場合、またはかかる決議によって特別の規定が設けられない場合は、取締役会の決定による。当社は、当社または保有者の選択により償還可能なまたは償還義務がある株式を発行することができる。取締役会は、かかる株式の償還の条件および方法を決定することができる。
取締役会は、以下のいずれかの条件が満たされない場合にのみ、当社における株式の譲渡の登録を拒否する裁量を有するものとする。
(a)当該譲渡が、関連する株券および譲渡人が当該譲渡を行う権利を有することを証明するための取締役会が合理的に要求することのある他の証拠と共に、当社の登録事務所または取締役会が指定する他の場所に申し出られること
(b)当該譲渡が1種類の株式のみに関すること
(c)当該譲渡が4人以内の譲受人に対するものであること
配当および分配
当社は、通常決議により配当を宣言することができる。取締役会は、自らが判断した場合、中間または最終配当を宣言し、支払う権限を有しており、かかる配当は、当該配当の宣言または支払の決議または決定がなされた日現在の各株主の保有株式を基準に支払われる。
支払期限後12年間請求されなかった配当の権利は失効し、当社に返還される。
定款の定めに従うことを条件とし、かつ、当社の通常決議により承認された場合、取締役会は、当社の利益のうち、優先配当の支払に使用しなくてもよい金額、または当社の資本剰余金もしくは資本償還準備金の残高を資本化することができ、当該金額を、配当によって分配されていたとしたら受け取る権利を有していたであろう者に割り当てることができる。
株主および総会
年次株主総会は、中21日間以上の通知期間を設けて招集される。その他すべての総会は、中14日間以上の通知期間を設けて招集される。当該招集通知には、総会が開催される場所、日時、および議題を記載するものとする。年次株主総会の招集通知には、年次株主総会である旨を記載するものとし、特別決議を行うための総会の招集通知には、当該決議を提案する意図および決議の文言を記載しなければならない。
2【外国為替管理制度】
随時効力を有する一定の経済的制裁および2009年英国銀行法(以下「銀行法」という)(および銀行法に基づく二次的法律)の規定を除き、現在、当社の債務証券の英国非居住者である保有者に対する利息および元本の支払を制限するような英国の外国為替管理制度は存在しない。
3【課税上の取扱い】
(1)【英国の租税制度】
以下は、当社のシリーズBプログラムに基づき発行される社債(「シリーズBプログラム社債」)の元利金の支払に関する本書の日付現在の英国の源泉徴収課税制度の概要である。以下においては、シリーズBプログラム社債の取得、保有、処分または放棄に係るその他の英国税務上の側面については触れていない。シリーズBプログラム社債の発行および引受、シリーズBプログラム社債の購入、処分または決済等のシリーズBプログラム社債に関する取引は、購入予定者に対して、英国税務上の影響(譲渡税およびシリーズBプログラム社債についてなされる支払からの英国の租税のためのまたは英国の租税を理由として行われる可能性のある源泉徴収または控除を含むが、これらに限定されない)を及ぼす可能性がある。かかる税務上の影響は、特に投資予定者の地位や、価格決定追補書類に定める特定の本社債に係る条件等に左右される。本項は、英国歳入関税庁(「歳入関税庁」)の現行の法律および実務に基づいており、これらは場合により遡及的効力をもって変更される可能性がある。以下の記述はもっぱらシリーズBプログラム社債の絶対的な受益権者である者の税務ポジションに関するものである。関連価格決定追補書類に定めるあるシリーズのシリーズBプログラム社債の特定の発行条件は、当該シリーズのまたはその他のシリーズのシリーズBプログラム社債の税務上の取扱いに影響を及ぼす可能性がある。以下の記述は一般的な指針であり、慎重な取扱いを要する。また、税務上の助言として記載されたものではなく、購入予定者に関係する可能性のある税務上の考慮事項を網羅することを意図したものでもない。
A. 社債-発行会社による利払いに対する英国源泉徴収税
1. 1年未満の満期期間にて発行された(かつ、シリーズBプログラム社債を合計で1年以上の期間に及ぶ借入れの一環とする旨の取決めに基づき発行されたのではない)シリーズBプログラム社債に係る利息は、英国所得税のためのまたは英国所得税を理由とする源泉徴収または控除を受けることなく当社より支払うことが可能である。
2. 1年以上の満期期間にて(または、シリーズBプログラム社債を合計で1年以上の期間に及ぶ借入れの一環とする旨の取決めに基づき)発行されたシリーズBプログラム社債に係る利息は、英国所得税のためのまたは英国所得税を理由とする源泉徴収または控除を受けることなく当社より支払うことが可能であるが、当社が2000年金融サービス市場法の趣旨において認可されており、今後も認可を維持し、当社の事業の全部または主要部分が、現在および今後も、本人として金融商品(2007年所得税法第885条に定めるところによる)を取引することによって構成され、かつ、当該支払がかかる事業の通常の営業過程において行われることを条件とする。同様の規定の文脈において歳入関税庁が公表した実務に基づき(かつ、歳入関税庁がかかる実務が本件にも適用されるべきであると認めることを前提として)、利息は、当該利息を生じる取引の特性が主に英国の租税を回避することを目的としている場合を除き、通常の営業過程において支払われたものと認められる。当該シリーズBプログラム社債が、英国の自己資本比率の特定のクラスとして認められるまたは認められている場合、第855条は不適用となる。ただし、そのような場合には、当該規則(SI 2013/3209)の下にある者に対して英国における税優遇措置を受けることが当該社債の発行の主要な目的またはその1つではない限り、源泉徴収義務の代替免税策が通常存在する。
3. 他のすべての場合においては、シリーズBプログラム社債に係る利息は、基本税率(現在20パーセント)の英国所得税を控除した上で支払われることとなるが、適用ある二重課税防止条約の規定に基づき歳入関税庁の指示に従い利用可能な減税措置または適用されるその他の免税措置に従うことを前提とする。
B. 捺印証書に基づく支払
当社が捺印証書に基づき行う支払は、上記の英国源泉徴収税の免除を受けることはできない。
C. 英国源泉徴収税に関するその他の規則
1. シリーズBプログラム社債が、プレミアムを上乗せした価格で償還されるか、またはその可能性がある場合、かかるプレミアム部分は利息の支払を構成する可能性がある。利息の支払は上記の英国源泉徴収税の適用を受ける。
2. 利息が英国所得税を控除された上で支払われた場合、英国の居住者でない社債権者は、適用ある二重課税防止条約に該当する規定がある場合、控除された租税の全部または一部の還付を受けることができる場合がある。
3. 本英国税制セクションにおいて「利息」という場合、英国税法上の理解に基づく「利息」を意味する(一定の場合は割引を含む)。上記の記述は、その他の法律に基づく「利息」もしくは「元本」の異なる定義またはシリーズBプログラム社債もしくは関連書類の条件により定められる異なる定義を考慮していない。本社債に係る支払が、英国の税務上利息を構成しない場合(または利息として取り扱われない場合)において、支払が英国を源泉とするときは、かかる支払が英国の税務上、たとえば年次支払金、マニュファクチャード・ペイメント、貸料または使用料を構成する(またはそのように取り扱われる)のであれば、かかる支払は英国源泉徴収税を課される可能性がある。ただし、上記A2およびA3に記載の免除はこの場合は適用されない。かかる支払が英国源泉徴収税の課税対象である場合、(特にプログラム証券の価格決定追補書類に定める条件等によって判断される)、かかる支払は、英国の租税の控除(源泉徴収税率は、支払の性質によって異なる)を受けた上でなされる可能性がある。ただし、適用される源泉徴収税の免税措置および適用ある二重課税防止条約の規定に基づき利用可能な減税措置に従うことを前提とする。
4. 上記の英国源泉徴収税の課税見解に関する記述は、当社の代位が行われないことを前提としており、かかる代位による税務上の影響については考慮していない。
(2)【日本の租税制度】
日本の租税
(a) 社債の利息に対する課税
日本国の居住者または日本国の法人が支払を受ける社債の利息は、日本国の租税に関する現行法令の定めるところにより一般的に課税対象となる。
日本の居住者が、日本国内における支払取扱者を通じて利息を受け取る場合には、当該利息金額(外国における当該利息の支払の際に外国の源泉徴収税が徴収される場合、当該控除後の金額)につき、以下の税率で源泉徴収が行われる。
| 利息の支払を受けるべき期間 | 日本国の居住者に対する課税率 | |
|---|---|---|
| 2016年1月1日~2037年12月31日 | 所得税15.315%* + 地方税5% | |
| 2038年1月1日以降 | 所得税15% + 地方税5% |
* 2011年の震災に関連する復興特別所得税を含む
さらに、日本国の居住者は、申告不要制度または申告分離課税を選択することができ、申告分離課税を選択した場合には以下の税率が適用される(ただし、外国で徴収された税額がある場合には、その金額は一定の範囲内で日本における課税額から控除される)。
| 利息の支払を受けるべき期間 | 日本国の法人の源泉徴収税率 | |
|---|---|---|
| 2013年1月1日~2037年12月31日 | 所得税15.315%* + 地方税5% | |
| 2038年1月1日以降 | 所得税15% + 地方税5% |
* 2011年の震災に関連する復興特別所得税を含む
日本国の法人が、日本国内における支払取扱者を通じて利息を受け取る場合には、当該利息金額(外国における当該利息の支払の際に外国の源泉徴収税が徴収される場合、当該控除後の金額)につき、以下の税率で源泉徴収が行われる。
| 利息の支払を受けるべき期間 | 日本国の法人の源泉徴収税率 |
|---|---|
| 2016年1月1日~2037年12月31日 | 所得税15.315%* |
| 2038年1月1日以降 | 所得税15% |
* 2011年の震災に関連する復興特別所得税を含む
日本国の法人の場合、源泉徴収された所得税の額は、それぞれ、当該年度にかかる法人税の額から控除することができる。
(b) 一定の振替社債等につき非居住者または外国法人が支払を受ける利息または償還差益に対する非課税措置
一定の振替社債等につき非居住者または外国法人が支払を受ける利息または償還差益については、一定の要件を満たす場合に、日本国の所得税および法人税が非課税とされる。
(c) 社債の譲渡によって生じる所得
社債の譲渡によって生じる所得については、その譲渡人が日本の法人である場合は益金となる。譲渡人が日本の居住者である場合には、社債の譲渡によって生じる所得については20.315パーセント(2038年1月1日以降は20パーセント)の税率による申告分離課税の対象となる。
4【法律意見】
当社の法律顧問であるアシャースト・ホンコンは、次の趣旨の法律意見書を提出している。
(1) 当社は、1985年英国会社法に基づき適法に設立され1994年2月25日に無限責任会社として再登記されています。
(2) 彼らの知りかつ信ずるところによれば、本有価証券報告書の「第一部 企業情報」の「第1 本国における法制等の概要」に含まれる、「1 会社制度等の概要」および「2 外国為替管理制度」と題する項の内容は、イングランド法に関する記述を構成する限り、すべての重要な点において真実かつ正確です。
(3) 本有価証券報告書の「第一部 企業情報」の「第1 本国における法制等の概要」に含まれる、「3 課税上の取扱い (1) 英国の租税制度」と題する項の内容は、それらの記述が英国の税法に関する事項の概要を述べる意図である限りにおいて、当該事項の適正な概略です。彼らは、本有価証券報告書の上記の項目に明確に記されているものを除き、いずれの英国の課税上の影響についても、いかなる意見も申し述べることを依頼されておらず、またいかなる意見も表明していません。
第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
| (単位:百万ドル) | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 2016年12月31日に 終了した 事業年度 | 2015年12月31日に 終了した 事業年度 | 2014年12月31日に 終了した 事業年度 | 2013年12月31日に 終了した 事業年度 | 2012年12月31日に 終了した 事業年度 | |
| 営業利益 | 2,280 | 2,939 | 2,275 | 618 | 1,112 |
| 税引前経常利益 | 1,943 | 2,661 | 2,060 | 298 | 828 |
| 当期経常利益 | 1,456 | 2,308 | 1,608 | 169 | 684 |
| 2016年12月31日現在 | 2015年12月31日現在 | 2014年12月31日現在 | 2013年12月31日現在 | 2012年12月31日現在 | |
| 固定資産 | 140 | 12 | 14 | 16 | 517 |
| 流動資産 | 934,129 | 850,219 | 967,411 | 816,203 | 891,300 |
| 株主持分合計 | 27,533 | 26,353 | 21,997 | 20,300 | 20,193 |
2【沿革】
沿革および発展
正式名称、登記地、登記番号および設立日
GSIは、「トラシェルフコー・リミテッド」(番号1266)の商号で1988年6月2日に設立された英国会社である。GSIは、1988年9月21日に「ゴールドマン・サックス・インターナショナル・リミテッド」に商号変更し、1994年2月25日、イングランドおよびウェールズの非公開の無限責任会社として英国の会社登記官に対して再登記された(登記番号02263951)。これ以前は、「ゴールドマン・サックス・インターナショナル・リミテッド(Goldman Sachs International Limited)」の商号で有限責任会社として登記されていた。GSIは、英国の健全性規制機構(「PRA」)により権限を付与され、英国の金融行為監督機構(「FCA」)およびPRAの規制対象となっており、また、英国の2000年金融サービス市場法(「FSMA」)に基づく認可業者(authorised person)であり、それらの規則に従わなくてはならない。GSIおよびその関係会社の一部は、様々な取引所の会員であり、ロンドン証券取引所およびロンドン国際金融先物取引所の規則等、それら取引所の規則に従わなくてはならない。GSIの関係会社の一部もまた、FCAおよびPRAの規制対象となっている。
登記上の事務所
GSIの登記上の事務所の所在地は英国 ロンドン市 EC4A 2BB フリート・ストリート133、ピーターバラ・コート(Peterborough Court, 133 Fleet Street, London EC4A 2BB United Kingdom)、電話番号:+44 20 7774 1000である。
正式名称および商号
GSIの正式名称および商号は、ゴールドマン・サックス・インターナショナル(Goldman Sachs International)である。
3【事業の内容】
以下は、ゴールドマン・サックス・インターナショナルの2016年度アニュアル・レポートの抄訳である。
はじめに
ゴールドマン・サックス・インターナショナル(「GSI」または「当社」)は、世界中の顧客を対象として幅広い金融サービスを提供している。当社はまた、ヨーロッパ、中東およびアフリカ(「EMEA」)地域の顧客に金融サービスを提供するために、これらの地域全体にわたり数多くの支店を有している。
当社の主要な規制機関は、健全性規制機構(「PRA」)および金融行為監督機構(「FCA」)である。
当社の支配事業体である最終親会社は、ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インク(「グループ・インク」)である。グループ・インクは、米国の連邦準備制度理事会(「連邦準備制度理事会」)の規制対象である銀行持株会社であり、金融持株会社である。グループ・インクは、その連結子会社と共に「GSグループ」または「グループ」を形成している。GSグループは、法人、金融機関、政府および個人等の広範かつ多様な顧客層を対象として幅広い金融サービスを提供している一流のグローバル投資銀行であり、証券会社であり、また投資運用会社でもある。GSグループは、GSIを含む数多くの子会社を通じてEMEAにおけるプレゼンスを有している。
GSIは、その顧客が選任するアドバイザーとなること、およびグローバル金融市場の主要な参加者となることを目指している。GSIはまた、GSグループの一員として、日常的な業務の過程において、そのマーケット・メイキング業務および通常業務の一部として関係会社との取引を行う。GSIは、GSグループと同様に、その業績を4つの事業セグメントにより報告している。それらの事業セグメントは、投資銀行業務、機関投資家向けクライアント・サービス、投資および貸付業務ならびに投資運用業務である。
GSIの活動および収益源は、有価証券の引受・販売業務、社債および株式ならびに米国以外のソブリン債およびモーゲージ証券の取引、スワップおよびデリバティブ商品の締結、M&A、再編、私募およびリースならびにプロジェクト・ファイナンスに対するファイナンシャル・アドバイザリー・サービス、不動産仲介および融資、ならびにマーチャント・バンキングおよび株式仲介およびリサーチを含み、これらに関して発生する。法人、金融機関、政府および個人投資家等世界中の広範かつ多様な顧客層を対象として金融サービスが提供されている。
自己資本管理および規制上の資本
自己資本適正度は、当社にとって非常に重要である。当社は、通常の業務状況とストレス下の状況の両者において、自己資本の適切な水準および構成を維持する上で有用となる枠組みを示し、目的を定め、指針を示す総合的な資本管理方針を定めている。
自己資本管理(監査済)
当社は、現在および将来における当社の規制上の資本要件、当社の資本計画およびストレス・テスト・プロセスの結果を含む複数の要因、さらに格付機関のガイドライン、事業環境や金融市況等その他の要因を考慮した上で、適正な自己資本の水準および構成を決定する。
当社の資本計画およびストレス・テスト・プロセスには、社内で策定されたストレス・テスト、およびPRAの自己資本充実度内部評価プロセス(「ICAAP」)に基づき要求されるストレス・テストが組み込まれている。またこれらは、市場リスク、信用リスク、オペレーションリスクおよびその他のリスク等の事業活動に関連する重大なリスクを特定および計測するよう設計されている。当社は、強いストレス事由が生じた後でも当社の自己資本比率が適正な水準に保たれるように、十分な資本を維持することを目標としている。当社の自己資本比率の評価は、流動性比率の評価と共に検討され、当社の全体的なリスク管理の体制、ガバナンスおよび方針の枠組みに統合される。
また、当社の総合的な資本管理方針の一環として、緊急時資本計画が維持されている。この緊急時資本計画は、認識された、または実際の資本不足を分析し、これに対処するための枠組みについて定めている。これには、資本不足の原因を特定することや、その緩和策および実行可能な方策を見極めることが含まれるが、これらに限定されない。また、緊急時資本計画は、危機発生期間中に従うべき適切な連絡手続(社内の情報伝達のほか、外部の利害関係者に対する適時の連絡等を含む)の概要も定めている。
規制上の資本(監査済)
当社は、EUの規制対象である金融機関向けの改訂後の枠組み(第4次EU資本要求指令およびEU資本要件規則。総称して「CRD Ⅳ」)の対象となっている。これらの資本規制は概ね、バーゼル銀行監督委員会(「バーゼル委員会」)による国際的な自己資本比率水準を強化した最終的な資本枠組み(「バーゼル3」)に基づいている。バーゼル委員会は、健全な銀行規制に係る国際基準を定める主要な機関であり、その加盟法域においては、同委員会の基準およびガイドラインに基づく規制が実施されている。
リスク・ベースの自己資本要件は、規制上の資本要件指標とリスク・ウェイト資産(「RWA」)を比較した自己資本比率である。普通株式等Tier 1(「CET1」)比率とは、CET1をRWAで除した値である。Tier 1自己資本は、Tier 1資本をRWAで除した値である。総自己資本比率は、総自己資本をRWAで除した値である。
CRD Ⅳに基づき、最低CET1、Tier 1自己資本および総自己資本比率(総称して「Pillar 1資本要件」)は、以下により補完される。
・CET1として認められる資本のみで構成され、2016年1月1日に段階的に導入を開始し、2019年1月1日にRWAの2.5パーセントに到達するまで年率0.625パーセントずつ上乗せされていく資本保全バッファー。
・過度の信用拡大に対抗することを目的とする最大2.5パーセントの(同じくCET1でのみ構成される)カウンターシクリカル資本バッファー。同バッファーは、カウンターシクリカルバッファーを通知した法域に拠点を置く特定の種類の取引先に対する当社のエクスポージャーにのみ適用する。これらのエクスポージャーは現時点では重大でないため、同バッファーはCET1比率に対し0.01パーセント以下の引上であり、当社の自己資本にはほぼ影響しない。当社に適用するカウンターシクリカル資本バッファーは将来変更される可能性があり、その結果、当社の最低自己資本比率が増加する可能性がある。
・Pillar 2Aに基づく個別資本ガイダンス(Pillar 1では十分に対応していないリスクをカバーするための追加額)。PRAは、監督当局として当社のICAAPを定期的に審査し、それに基づきPRAはPillar 2Aに基づく個別資本ガイダンスに関する最終決定を下す。同個別資本ガイダンスは、当社が保持しているべきとPRAが考える資本の最低額に関する基準点における評価である。
下表は、当社の最低自己資本比率要件を示している。
| 2016年12月 最低自己資本比率 | 2015年12月 最低自己資本比率 | |
|---|---|---|
| CET1比率 | 6.5% | 6.1% |
| Tier 1自己資本比率 | 8.5% | 8.2% |
| 総自己資本比率 | 11.1% | 10.9% |
これらの最低比率は、PRAから受領したPillar 2A自己資本ガイダンスを組み込んだものであり、将来的に変更される可能性がある。PRAは、Pillar 2A自己資本ガイダンスに加え、ストレス下の市況において損失を吸収するため当社に必要であるとみなす自己資本の額を示す、予測的自己資本ガイダンスを定義している。同予測的自己資本ガイダンスは、Pillar 2Bまたは「PRAバッファー」といい、上記の最低自己資本比率には反映されていない。上記のとおり、資本保全バッファーが段階的に導入を開始されると、PRAバッファーは完全にまたは部分的に置換される。
GSIは、2016年度および2015年度中、PRAにより設定された資本要件を満たしていた。
規制上の自己資本比率
下表は、CRD Ⅳに基づくGSIの自己資本比率を示すものである。
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | |
|---|---|---|
| CET1比率 | 12.9% | 12.9% |
| 総自己資本比率 | 17.2% | 17.6% |
2016年12月現在および2015年12月現在、GSIは追加Tier 1自己資本として認められる金融商品を保有しておらず、Tier 1自己資本比率は、上記のCET1比率と同一であった。
CRD Ⅳ規則の一部は、最終的な技術標準および明確化による変更を受けるが、これらの変更は、欧州銀行監督局(「EBA」)が発行し、欧州委員会およびPRAにより採用される。すべての資本、RWAおよび自己資本比率の見積りは、現在のCRD Ⅳの解釈、予測および理解に基づくものであり、当社の担当規制当局と解釈および適用について検討を行う中で変化する可能性がある。
資本資源(監査済)
下表は、CRD Ⅳに基づくGSIの自己資本構成を示すものである。
| (単位:百万米ドル) | 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||
| 払込済株式資本 | 582 | 582 | ||
| 資本準備金を含む資本剰余金 | 4,881 | 4,881 | ||
| 利益剰余金 | 22,070 | 20,890 | ||
| 総株主持分 | 27,533 | 26,353 | ||
| 税控除額 | (1,080 | ) | (1,412 | ) |
| CET1およびTier 1資本 | 26,453 | 24,941 | ||
| Tier 2および総資本 | ||||
| 長期劣後債 | 8,958 | 8,958 | ||
| 税控除額 | (48 | ) | - | |
| Tier 2資本 | 8,910 | 8,958 | ||
| 総資本 | 35,363 | 33,899 | ||
リスク・ウェイト資産
下表は、CRD Ⅳに基づくGSIの規制上の自己資本比率の内RWAの構成要素を示したものである。
| (単位:百万米ドル) | 2016年12月現在 | 2015年12月現在 |
|---|---|---|
| RWA | ||
| 信用RWA | 114,420 | 104,695 |
| 市場RWA | 77,367 | 75,795 |
| オペレーションRWA | 13,305 | 12,303 |
| RWA合計 | 205,092 | 192,793 |
信用リスク
信用RWAは、エクスポージャー指標に基づき計算されており、その後リスク加重される。エクスポージャー額は、一般に以下に基づく。
・オンバランスシート資産については、帳簿価額
・オフバランスシート・エクスポージャー(コミットメントおよび保証を含む)については、信用相当値のエクスポージャー額は、各エクスポージャーの名目上の金額に信用換算係数を乗じて得られた値に基づき計算される。
取引先信用リスクは、信用リスク合計の構成要素であり、デリバティブ、証券金融取引およびマージン・ローンから生じる信用エクスポージャーを含む。
PRAにより、GSIは、デリバティブ、証券金融取引およびマージン・ローンのエクスポージャーの測定に関しては内部モデル方式を使用することを認められている。これらの商品から生じるほぼすべての取引先信用リスクについて、デフォルト時エクスポージャー(「EAD」)を計算するため、内部モデルが使用される。EADとは、デフォルト時に当社が負担する可能性がある金額の見積りである。EADは、ネッティングおよび担保の影響を考慮に入れるが、経済的ヘッジの影響は含まれない。
すべてのエクスポージャーは、その後リスク加重を割り当てられる。PRAにより、GSIは、一部のエクスポージャーに関しては、先進的内部格付手法(「AIRB」)を使用してリスク加重を算出することが認められている。これには、取引先ごとの信用力の内部査定を使用する。
RWAは、EADと取引先リスク加重を乗ずることにより計算される。AIRB手法の下では、取引先のリスク加重は、デフォルト確率(「PD」)、デフォルト時損失率(「LGD」)および取引または取引のポートフォリオの満期からなる関数である。ここでいう、
・PDとは、1年間の期間中に債務者が不履行を引き起こす可能性の見積りである。PDは、外部の信用評価格付に相当する内部で決定された値を使用して算出される。
・LGDとは、不況時にデフォルトが発生した場合に被る可能性のある経済的損失率の見積りである。LGDは、業界データに基づき算出される。
誤方向リスクは、同一の取引先に関するEADとPDの間に正の相関関係が予測される場合に生じる。当社は、担保またはその他の軽減策によりかかるリスクを回避するかまたは適切に軽減するよう努めている。既存のポートフォリオにおける誤方向リスクを特定するためストレス・テストが用いられ、誤方向リスクが存在する場合、それに対応してリスク軽減策の実行および資本に対する調整が行われることがある。
下表は、信用リスクに係るRWAの構成要素に関する情報を示したものである。
| (単位:百万米ドル) | 2016年12月現在 | 2015年12月現在 |
|---|---|---|
| 信用RWA | ||
| デリバティブ | 95,836 | 88,282 |
| コミットメント、保証およびローン | 956 | 1,338 |
| 証券金融取引 | 6,310 | 4,735 |
| エクイティ投資 | 1,653 | 1,515 |
| その他 | 9,665 | 8,825 |
| 信用RWA合計 | 114,420 | 104,695 |
集中リスク
CRD Ⅳの下では、機関は、大口エクスポージャーを監視・監督することが要求される。大口エクスポージャーの枠組みは、単一の取引先または連結しているグループの取引先に過度の依存をするリスクを制限するよう設計されている。すべての機関に適用される、単一の取引先または連結しているグループの取引先へのエクスポージャーに関する一般的な限度額が存在し、それは適格資本の25パーセントに設定されている。枠組みには、報告義務、ハード・リミットおよびトレーディング勘定の大口エクスポージャーに対する付加的な集中資本コストが含まれる。2016年12月および2015年12月現在、当社は集中リスク自己資本要件を有していない。
市場リスク
トレーディング勘定のポジションは、市場リスクに関する資本水準の要件を満たさなければならない。この要件は、規制当局により予め設定された水準か、または内部モデルに基づくもののうちいずれかに基づいたものとなる。市場リスクに関する規制上の資本ルールは、会社がそのリスク・ベースの資本要件を算出するために内部モデルを使用する場合は、事前にその規制当局から書面による承認を受けなければならない、と定めている。
市場リスクに係るRWAは、エクスポージャー指標に基づき算出される。これには以下の内部モデルが含まれる。すなわち、バリュー・アット・リスク(「VaR」)、ストレス下におけるVaR(「SVaR」)、追加的リスクおよび包括的リスク指標(PRAにおける全価格リスク指標に該当し、最低水準が設定されている)である。加えて、CRD Ⅳに基づく標準ルールも、一定の証券化・非証券化ポジションに関する市場リスクに係るRWAを算定するために、適用あるネッティング後のかかるポジションに対し規制当局による所定のリスク加重要素を適用する方法で用いられる。市場リスクに係るRWAは、これら各指標の合計を12.5で乗じた値である。
・VaRは、特定の信頼水準のもとで一定期間中に市場が不利に推移した場合に、トレーディング商品のポジションならびにその他の特定の金融資産および金融負債に生じる潜在的な価値の損失を示すものである。当社は、リスク管理および規制上の資本の算出の両目的のために、金利、株価、為替相場およびコモディティ価格に関連するリスクを含むリスクを捉える単一のVaRモデルを使用する。しかし、規制上の資本要件のために使用されるVaR(「規制上のVaR」)は、対象期間と信頼水準の相違(規制上のVaRの場合は10日および99パーセントであり、リスク管理上のVaRの場合は1日および95パーセントである)、ならびにVaRが算出されるポジションの範囲の相違により、リスク管理上のVaRとは異なる。
・SVaRは、重大な市場ストレス時のトレーディング商品のポジションの価値の潜在的な損失である。
・追加的リスクは、1年間の観測期間中の金融商品発行体のデフォルトまたは格付遷移を原因とする非証券化トレーディング商品のポジションの価値の潜在的な損失である。
・全価格リスクは、価格リスクおよびデフォルトを原因とする、当社のクレジット相関トレーディングポジションの価値の潜在的な損失である。
下表は、市場リスクに係るRWAの構成要素に関する情報を示したものである。
| (単位:百万米ドル) | 2016年12月現在 | 2015年12月現在 |
|---|---|---|
| 市場RWA | ||
| VaRベースの資本要件 | 15,783 | 16,287 |
| ストレス下におけるVaR | 15,891 | 13,259 |
| 追加的リスク | 10,642 | 8,119 |
| 全価格リスク指標 | 2,223 | 2,725 |
| 標準化ルール | 22,939 | 20,747 |
| 証券化 | 9,889 | 14,658 |
| 市場RWA合計 | 77,367 | 75,795 |
オペレーションリスク
GSIのオペレーションリスクに係る資本要件は、現在、標準的手法に基づき計算されている。この標準的手法により、該当する会社はその活動を予め定められた8つの事業ラインまたは分類に分けることを要求されている。各事業ラインには、当該事業ラインの3年間の平均収益(ただし、特別利益といった一部の所定の項目は除外される)に適用されるベータ因子が割り当てられる。計算において、費用は含めない。個々の事業ラインの要件の合計を12.5で乗じることにより、オペレーションリスクに係るRWAの値が得られる。
レバレッジ比率
当社は、欧州委員会レバレッジ比率委任法により改訂されるCRD Ⅳの定義によるエクスポージャーを用いてそのレバレッジ比率をモニターおよび開示することを要求されている。このレバレッジ比率は、CRD Ⅳの定義によるTier 1資本を、レバレッジ・エクスポージャー(資産と、一定のオフバランスシート・エクスポージャー(デリバティブ・エクスポージャーの指標、証券金融取引およびコミットメントを含む)の合計額から、Tier 1資本からの控除項目を減じた額と定義される)の指標と比較するものである。2018年1月1日以降、何らかの最低比率の要件がGSIに対して適用されることが予想される。
下表は、CRD Ⅳに基づくGSIのレバレッジ比率を示したものである。
| (単位:百万米ドル) | 2016年12月現在 | 2015年12月現在 |
|---|---|---|
| Tier 1資本 | 26,453 | 24,941 |
| レバレッジ・エクスポージャー | 697,402 | 684,449 |
| レバレッジ比率 | 3.8% | 3.6% |
このレバレッジ率は、同規則についての当社の現時点における解釈および理解に基づいており、同規則の解釈および適用に関する当社とGSIの規制当局との協議次第で変更される可能性がある。
4【関係会社の状況】
(1) 親会社
ゴールドマン・サックスの概要
ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インク(「GSG」)は、世界有数の投資銀行・証券・投資顧問会社であり、企業、金融機関、政府および個人を含む大規模かつ多様な顧客層に金融サービスを提供している。1869年に設立されたGSGは、ニューヨーク州に本拠地を置いており、全世界の主要な金融中心地すべてに事務所を有している。
GSGの修正基本定款に基づくその授権株式資本は、1株当たり額面0.01ドルの4,350,000,000株から成り、その内訳は以下のとおりである。
(a)優先株式に指定された株式150,000,000株。うち、2017年3月現在420,282株が発行済であり、420,280株が社外流通している。
(b)普通株式に指定された株式4,000,000,000株。うち、2017年3月現在881,753,381株が発行済であり、394,791,563株が社外流通している。
(c)無議決権普通株式に指定された株式200,000,000株。これらは全株が未発行である。
GSG取締役の事務所住所および電話番号は、GSGの本店の住所および電話番号と同じ、ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インク(The Goldman Sachs Group, Inc.)、アメリカ合衆国10282ニューヨーク州ニューヨーク、ウェスト・ストリート200(200 West Street, New York, New York 10282, U.S.A.)、電話番号:+1(212)902-1000である。
**
**
下記の図表に示されるとおり、GSGは、デラウェア州法に基づき設立され、GSIの持分の100パーセントを間接的に保有している。
ゴールドマン・サックス・グループの持株構造
(2) 重要な子会社および関連会社
本書第一部第6 1「財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記12参照。
5【従業員の状況】
人件費の分析については、本書第一部第6 1「財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記7参照。2016年12月31日現在、従業員数合計は、5,903名であった。
社員の関与
当社の方針は、全社員と効果的な意思疎通を行うこと、そして、全社員が、実務的および商業的な事情を考慮された上で、現在の職務または将来の展望に影響を及ぼす決定に際して助言を求められ、それらの決定に関与することである。社員は、業績ベースの報奨制度に参加している。
障害者の雇用
障害者による採用への応募については、十分かつ公平な検討が各応募者の適性および能力面に関して行われる。雇用中に障害者となった社員については、同人らがGSグループ内で職務を継続できるよう努力が払われる。障害者の研修、キャリア開発および昇進は、可能な限り、障害を持たない他の社員と同一のものとなる。
第3【事業の状況】
1【業績等の概要】
下記7 「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」参照。
2【生産、受注及び販売の状況】
該当なし。
3【対処すべき課題】
下記4 「事業等のリスク」参照。
4【事業等のリスク】
以下は、GSIの2016年度アニュアル・レポートの抄訳である。
主なリスクおよび不確実性
GSIは、市場、流動性、信用、オペレーション、モデル、法規、および評判の各リスクならびに不確実性等、その事業にとって本質的であり、またその事業に内在する様々なリスクにさらされている。以下は、当社の事業に重大な影響を及ぼす可能性がある、より重要な要因の一部である。
経済情勢および市況
GSIの事業からの利益は、その性質上、予測不可能である。当社の事業は、一般的に、グローバル金融市況および経済情勢によって直接的に、かつ、それらが顧客の活動水準に及ぼす影響を通じて重大な影響を受ける。これらの状況は急速に変化し、そして悪化することがある。
当社の財務成績は、当社が事業を行う環境に大きく左右される。有利な事業環境は、通常、とりわけ以下のような特徴を備えている。それらは、世界的に国内総生産が大きく成長していること、規制状況および市況が資本市場の透明性、流動性および効率性をもたらしていること、インフレ率が低いこと、企業および投資家の景況感が良好なこと、地政学的情勢が安定していること、明確な規制ならびに企業収益が大きいこと等である。そして、①ソブリン債不履行の懸念、②米国連邦およびEUの財政政策または金融政策に関する不透明感、③規制改革の時期および内容の範囲ならびにそれらに関する不透明感、④経済成長、事業活動、または投資家もしくはビジネスにおける景況感の悪化、⑤信用もしくは資本の利用の制約またはコストの増加、⑥非流動的な市場、⑦インフレ率、金利、為替レート、または基本的コモディティ価格のボラティリティ、もしくは債務不履行率の増加、⑧紛争の勃発またはブレグジット等のその他の地政学的な不安定性もしくは不確実性、⑨投資家の資本市場に対する信頼を損なうような企業、政治もしくはその他の不祥事、⑩異常気象またはその他の自然災害もしくは流行病、あるいは⑪これらもしくはその他の要因の組み合わせにより、経済情勢および市況が不利または不確実な状態となる可能性がある。
金融サービス業界および証券市場は、過去に、ほぼすべての資産の種類における価値の大幅な下落および深刻な流動性の欠如により、重大な悪影響を被った。さらに、欧州ソブリン債リスクおよびその欧州銀行システムに対する影響、ブレグジットの影響、ならびに金利およびその他の市況の変動への懸念または中国の市況を含む実際の金利およびその他の市況の変動の結果、時に著しい不安定がもたらされ、顧客の活動水準に悪影響を与えた。
経済、政治および市場活動全般ならびに規制改革の範囲、時期およびその最終的な実施に関する不透明感、加えて主にそのような不透明感がもたらす消費者、投資家および主席経営執行役員(CEO)の景況感の冷え込みは、引き続き顧客の活動に悪影響を与えており、当社の事業の多くに悪影響を与えている。ボラティリティが低い期間およびボラティリティの高い期間に加え、流動性の欠如は時折、当社のマーケット・メイキング事業に悪影響を与えている。
当社および競合他社の収益および収益性は、引き続き自己資本に関連した要件、付加的な損失吸収能力、レバレッジ、最低流動性水準および長期的資金調達水準、破綻処理・再建計画に関連した要件、デリバティブ決済規則および委託保証金規則、ならびに規制上の監視水準に加え、金融機関により実施される一定の事業活動の許可、およびかかる許可を受けた場合、その方法の制限の影響を受けており、それは今後も持続する。金利が歴史的に低い水準にあるまたはそれに近い状態とはいえ、金融機関の利益率も、将来的な金融危機時においてかかる金融機関に対して行われることが予想される政府援助の中止を一因とする資金調達費用の増加により悪影響を受けている。また、金融市場内の流動性は、市場参加者ならびに市場慣行および構成が新たな規制に適合することにより悪影響を受けている。
金融危機によるこれらおよびその他の変化が、金融機関の収益性に長期的に与える影響の程度は、新たな規制の最終的な解釈および実施、市場、市場参加者および金融機関が新たな状況に対する適応の仕方、ならびに全般的な経済および金融市場の状況に依ることとなる。しかし、少なくとも短期的には、かかる変更が当社およびその他の金融機関の収益、収益性および株主資本利益率の絶対水準に引き続き悪影響を与える大きなリスクが存在する。
規制
当社は金融サービス業界の一員であり、そしてシステム上重要な金融機関の子会社であるため、主に英国およびEU全般、加えてGSグループの子会社として米国、そして一定のその他の法域における広範囲に及ぶ規制の対象となっている。当社は、当社が事業を行っているすべての法域における規制および課税機関による大幅な介入を受けるリスクにさらされている。多くの場合、当社の活動は、異なる法域において重複または相違する規制の対象である。とりわけ、規制当局または民間企業が当社の既存の法規制遵守に疑いを掛けた場合、当社には、罰金を課されたり、当社の事業活動の一部を行うことを禁止されたり、当社の事業活動に、資本要件の強化を含む、制限もしくは条件を付されたり、または当社の事業もしくは社員に関して新規もしくは大幅に増額された税もしくは政府によるその他の課金を課されたりする可能性がある。かかる制限または条件は、当社の事業活動を制限し、当社の利益率に悪影響を及ぼす可能性がある。
当社は、EUの直接的拘束力を有する規制および英国によるEU指令の実施に基づき、EUの法的および規制上の要件を満たす義務を負う。当社は現在、クロス・ボーダーの「パスポーティング(passporting)」協定やEUにおける支店開設に係る特別協定を含む、EU条約およびEU法に基づくEUの顧客およびインフラに対する非差別的アクセスによる恩恵を受けている。ブレグジット後の英国に対して適用される規制制度、ならびに残りのEU諸国における当社による取引および事業に対して適用される規制上の枠組みは、非常に不確実なものとなっている。
当社の事業活動の範囲および利益率への影響とは別に、既存の法規則、とりわけ2008年以降に採択された法規則の日常的な遵守には、これまでも、これからも、膨大な時間を要する。これには、当社のシニア・リーダーの時間ならびに増加中のコンプライアンスおよびその他の報告・オペレーションの専門スタッフの時間が含まれる。これらすべては、当社の利益率に悪影響を及ぼす可能性がある。
資本、流動性、レバレッジ、長期債、損失吸収能力および委託証拠金に係る要件、その他の商慣行の制限、報告要件、破綻処理・再建計画に関連した要件、税負担ならびに報酬に対する制限を含む、当社または当社の顧客の事業に適用される新しい法律もしくは規制または既存の法律もしくは規制の実施の変更が当社またはグループ・インクを含む可能性がある(規模、活動、地域またはその他の基準に基づいて)金融機関の一部に限定して課された場合、それらの新しい法律および規制または既存の法律もしくは規制の実施の変更の遵守により同様の影響を受けていないその他の機関と当社が効果的に競争する能力に悪影響が及ぶリスクもある。また、金融取引税のような金融機関または市場参加者一般に課される規制は、市場活動のレベルにより広範に悪影響を及ぼし、それにより当社の事業にも影響が及ぶ可能性がある。
これらの展開により、対象となる法域における当社の収益性が影響を受ける可能性があり、さらにはかかる法域において当社の事業の全部もしくは一部を継続することが非経済的となる可能性があり、あるいは、当社の商慣行の変更、当社の事業の再編、当社の事業および社員の全部もしくは一部を他の場所に移動すること、または、当社がその資金調達費用を不利に増加させるか、もしくはその他の形で当社の株主および債権者に悪影響を与える方法で、資産を流動化したり資金を調達すること等により適用される最低資本要件を満たすことに関連して、多額の費用負担を要することになる可能性がある。
規制の進展、特にMiFID Ⅱ、バーゼル3およびドッド・フランク・ウォール街改革および消費者保護法(「ドッド・フランク法」)は、当社が事業を行うに際しての規制枠組みを顕著に改変しており、当社の競争力および収益性に悪影響を及ぼす可能性がある。
EUおよび国の金融立法当局および規制当局は、当社の事業に影響を与えており、今後も影響を与える可能性がある、数多くの市場改革を提案または採択した。これらは、GSIに適用されるバーゼル3の要件を施行するための法律(「CRD Ⅳ」の形による)を含む、より厳格な資本および流動性要件を包含する。加えて、EUは2018年1月に効力を生じる予定であるMiFID Ⅱを最終決定した。
追加の市場改革には、EU金融機関の再建および破綻処理に関する規則、特定の取引活動の預金集めからの分離に関する規則、欧州経済地域外の国からのクロス・ボーダーのサービス提供に関する規則、規制当局がポジション制限を課すための承認、特定の取引を特定の規制取引場所のみで執行するための要件、報告義務(取引に関する情報を公表する要件を含む)、空売りおよびクレジット・デフォルト・スワップに関する制限、EUにおけるファンドの運用・マーケティングに関する追加的義務および制限、規定違反に対する制裁措置、ならびに一層修正された組織および市場構造、業務遂行基準ならびに市場における不正行為に関する規則も含まれる。これらの改革の実施は、かかる要件が当社の競合他社に適用されない、または平等に適用されない場合、もしくは法域を越えて一律に実施されない場合は特に、当社の収益性および競争力に悪影響を及ぼす可能性がある。資本要件の強化、流動性カバレッジ比率、安定調達比率、長期債および総損失吸収能力に関連した要件、ならびに自己勘定取引の禁止およびボルカー・ルールによるカバード・ファンドのスポンサーシップまたはそれらへの投資の禁止の実施もまた、かかる要件が当社の競合他社に平等に適用されない場合、もしくは法域を越えて一律に実施されない場合は特に、当社の収益性および競争力に悪影響を及ぼす可能性がある。
当社は、顧客、社員またはその他の者の情報のプライバシーに関する法規制の対象であり、これらの規制を遵守しない場合、当社は法的責任および/または評判被害にさらされる可能性がある。また、当社の事業は、監視、暗号化および当社が事業を行う法域内におけるデータのオンショア化に関する法規制のより一層の対象となっている。これらの法規制の遵守により、当社の情報セキュリティに関する方針、手続および技術の変更が必要となる可能性があり、これにより当社は、とりわけサイバー攻撃および不正使用、汚職または情報もしくは技術の紛失による影響を受けやすくなる。
規制当局および裁判所は、以前にも増して、金融機関の顧客による違法行為の責任を当該金融機関に負わせるようになっており、かかる規制当局および裁判所が、当該金融機関は顧客が不正行為を行っていると見抜くべきであったとみなす場合は、当該金融機関が顧客の関係している取引に関する直接的な知識を有していなかった場合にも責任が問われている。規制当局および裁判所はまた、以前にも増して、金融機関または金融機関により支配されたファンドが投資しているが積極的に管理していない事業体の活動の「コントロール・パーソン」の責任をより重くしている。さらに、規制当局および裁判所は引き続き、「信認」義務を、かかる義務の存在が想定されていなかった取引先との関係で生じさせようとしている。かかる取組みが成功する限度において、仲介、決済、マーケット・メイキング、プライム・ブローカレッジ、投資およびその他同様の業務の費用ならびに関係する債務は、大幅に増加する可能性がある。当社が、顧客である個人、機関、政府または投資ファンドのファイナンシャル・アドバイザー、投資アドバイザーまたはその他の役割に関連して信認義務を有していた場合にのみ、かかる義務の違反もしくは違反の疑いでさえ、法律、規制および評判に関する重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当社の事業が対象となっている広範囲にわたる規制に関する情報については、「規制の展開」参照。
市場のボラティリティ
マーケット・メイキング活動の一部は、トレーディングおよび裁定取引の機会を顧客に提供する市場のボラティリティに左右されており、そのためボラティリティの低下は、これらの機会を減少させる可能性があり、これらの活動の成績に悪影響を与える可能性がある。一方、ボラティリティの上昇は、取引高の増加およびスプレッドの拡大をもたらす可能性があるが、VaRにより測定したリスクも増大させ、マーケット・メイキング活動に関連したリスクの増大に当社をさらす可能性があり、またVaR値の上昇を避けるため、当社のマーケット・メイキングのトレーディング商品を当社が縮小することにつながる可能性がある。そのようにマーケット・メイキングのポジションの規模を限定することは、当社の収益性に悪影響を及ぼす可能性がある。ボラティリティが上昇しているが、資産価値が大幅に下落している時期には、資産をまったく売却できない可能性があり、または大幅な割引を行わない限り売却できない可能性がある。このような状況において、当社は、追加のリスクを取るか、または当社のVaR値を低下させるために損失を出すかどちらかを行う必要に迫られる可能性がある。また、ボラティリティ水準の上昇は、当社のRWAの水準を上昇させ、そして当社の資本要件を増大させる。
当社の事業は、資産価値の下落による悪影響を受けており、今後も同様の悪影響を受ける可能性がある。これは、当社がネットベースで「ロング」ポジションをとっている業務や、当社が運用している資産の価値に基づく手数料を受領する業務、または担保を受領したり差し入れたりする業務においてとりわけ顕著となる。当社の事業の多くは、債券、ローン、デリバティブ、モーゲージ、株式(プライベート・エクイティおよび不動産を含む)ならびにその他の大部分の資産の種類において、ネットベースで「ロング」ポジションをとっている。これらには、当社の取引所におけるマーケット・メイキング活動を含む、当社が当社の顧客の取引を円滑にするために行う自己勘定での取引、または当社が金利およびクレジット商品、そして為替、コモディティ、株式およびモーゲージ関連取引におけるポジションを維持するために、多額の資金を投入する際にとるポジションが含まれる。これらの投資およびマーケット・メイキング・ポジションの実質すべては、毎日時価評価されているため、資産価値の下落は、かかるリスクが効果的にヘッジできていない場合、直接そして直ちに当社の利益に影響を与える。
一定の状況下においては(特に、自由に取引できず、または確立され流動性のある取引市場を有しないクレジット商品およびプライベート・エクイティまたはその他の有価証券の場合)、当該リスクをヘッジすることが不可能または不経済な場合があり、当社がヘッジを行った場合でもその範囲においてヘッジが効果的でない場合や、資産価値の上昇から当社が利益を得る能力が大きく低下する可能性がある。資産価値の急激な下落および高いボラティリティは、一定の資産の取引市場を大幅に縮小しまたは廃止させる可能性があり、これにより、それらの資産を売却、ヘッジ、または評価することが困難になる可能性がある。資産を売却しまたは効果的にヘッジすることができない場合、それらのポジションにおける損失を抑える能力が低下し、また、資産の評価が困難な場合、当社の自己資本比率、流動性比率またはレバレッジ比率に悪影響を与え、当社の資金調達費用を増大させ、さらに、一般論として追加の資本を維持することが要求される可能性がある。
当社の取引所におけるマーケット・メイキング活動においては、当社は証券取引所の規則に基づき市場の秩序を保つ義務を課されており、それには下落しつつある市場において有価証券を購入することも含まれている。資産価値が下落している市場および不安定な市場においては、このことにより損失および流動性の必要性が増す。
資産ベースの運用手数料は、当社が運用している顧客のポートフォリオの価値に基づいて受領されており、場合によっては、成功報酬も、かかる投資の価値の上昇に基づき受領されている。資産価値の減少は、当社の顧客のポートフォリオの価値を減少させ、その結果かかる資産を運用して得る運用手数料が減少する。
担保の差入れは、顧客取引執行業務に関連して、当社の債務を裏付けるために行われ、また顧客および取引先の債務を裏付ける担保が受領される。担保として差し入れられた資産の価値またはかかる担保を差し入れた当事者の信用格付が下落した場合、かかる担保を差し入れた当事者は、追加の担保を提供しなければならない場合があり、また、可能な場合、そのトレーディング・ポジションを減少させなければならない場合がある。このような状況の一例として、委託売買口座に関する追い証の請求がある。したがって、担保として利用されている資産の種類の価値の下落は、ポジションの資金調達費用の上昇か、ポジションの規模の縮小を意味する。当社が担保を提供している当事者である場合、この状況は、費用を増加させ、収益性を低下させる可能性がある。また、当社が担保を受領している当事者である場合でも、顧客および取引先との事業活動水準の低下により、収益性が低下する可能性がある。加えて、不安定または流動性が低い市場は、資産の評価をより困難にし、これにより資産価値および必要な担保の水準に関する多額の費用と時間を要する紛争が起こる可能性があり、また、適切な担保を受領することの遅延による、受領者に係る信用リスクを増大させる可能性がある。当社が担保権を実行する場合、かかる担保権の実行が法律文書上許容されていなかった、不適切に行われた、または顧客もしくは取引先を倒産させた等の訴えを受ける可能性がある。
流動性
流動性は当社の事業に不可欠なものである。担保付・無担保債券市場を利用できない場合、グループ・インクもしくはその他の関係会社から資金を調達できない場合、資産を売却できない場合、投資を償還できない場合、または予測不可能な現金支出もしくは担保の流出を被った場合には、当社の流動性が損なわれるおそれがある。全般的な市場の混乱や第三者もしくは当社もしくはその関係会社に影響するオペレーション上の問題等の当社の支配が及ばない事由、または当社もしくはその他の市場参加者の流動性リスクが高まっているという認識が市場参加者の間に広まった場合でさえも、それらの事態の原因となる可能性がある。
当社は、当社の顧客に利益をもたらし、当社自身のリスクをヘッジするため仕組み商品を用いている。当社が保有している金融商品および当社が当事者となっている契約は、複雑であることが多い。これらの複雑な仕組商品は、多くの場合、流動性ストレス下においてすぐに利用できる市場を有しない。当社の投資活動により、それらの活動による持分が特定の市場の大部分を占めるという状況につながる可能性があり、これにより、当社のポジションの流動性が制限されるおそれがある。
さらに、かかる資産に対して全般的に流動性の高い市場がない場合、および他の市場参加者が当社と同時に同種の資産を売却しようとした場合(流動性やその他の市場の危機の際または規則もしくは規制の変更に反応して生じる可能性が高い)にも、当社の資産売却に支障が生じるおそれがある。また、当社がやり取りを行っている金融機関は、相殺権または厳しい市況における場合を含む追加担保を要求する権利を行使する可能性があり、ことができ、これにより当社の流動性にさらなる支障が生じるおそれがある。
当社は、グループ・インクの間接完全所有事業子会社であり、資本および資金調達についてグループ・インクに依存している。GSIおよびグループ・インクの信用格付は当社の流動性に重要な意味を持っている。GSIおよび/またはグループ・インクの信用格付が低下した場合には、当社の流動性や競争力に悪影響が及び、借入コストが増加し、資本市場の利用もしくはグループ・インクからの資金提供を制限され、または一部のトレーディング契約や担保付融資契約の規定上、何らかの義務を負う結果となる可能性がある。また、これらの規定に基づき、取引先にGSIもしくはグループ・インクとの契約を解除する権利または追加担保を要求する権利が生じる場合もあり得る。トレーディング契約や担保付融資契約を解除された場合には、グループ・インクもしくはGSIが他の資金調達源を確保する必要に迫られ、または多額の現金支払や有価証券の譲渡を要求される結果、損失が発生し、流動性が低下するおそれがある。
GSIおよびグループ・インクの長期かつ無担保の資金調達を行うための費用は、当社およびグループ・インク両方のクレジット・スプレッドに直接関連している。GSIおよび/またはグループ・インクのクレジット・スプレッドの拡大は、かかる方法での資金調達の費用を大幅に増加させる可能性がある。クレジット・スプレッドの変動は継続的で、市況に左右され、時に予測不可能かつ極めて不安定な動向に左右される。GSIおよび/またはグループ・インクのクレジット・スプレッドは、GSIおよび/またはグループ・インクの信用力に関する市場認識にも影響される。また、GSIおよび/またはグループ・インクのクレジット・スプレッドは、グループ・インクの長期債を参照するクレジット・デフォルト・スワップの購入者の費用の変動の影響を受ける可能性がある。クレジット・デフォルト・スワップの市場は、非常に不安定で、時折高度な透明性や流動性を有していない場合があったことが分かっている。
流動性に関係する規制上の変更も、当社の経営成績および競争力に悪影響を及ぼすことがある。最近、大手金融機関に対しより厳格な流動性要件を導入するための数多くの規制が提案または採用されており、また追加規制が検討されている。これらの規制およびその他検討中の規則は、とりわけ流動性ストレス・テスト、最低流動性要件、ホールセール資金調達、大手の持株会社により発行される短期債券および仕組債の発行に対する制限、ならびにクロス・デフォルトの対象である親会社保証の禁止を対象とする。これらは、最低長期債券要件およびTLAC、ブローカー預金の取扱いに関するガイダンス、ならびに大手金融機関に適用される資本、レバレッジおよび破綻処理・再建枠組みに関連する新たな規制を含む、その他の規制上の変更と重複していること、およびそれらの影響を受けることがある。これらの新たな規制と見込まれる規制との間の重複および複雑な相互作用を前提とすると、意図せぬ累積的影響が生じることがあり、その全影響は、金融危機以降の規制改革が完了するまで不明確である。
破綻処理・再建計画
破綻処理当局が、破綻した事業体の無担保債券の額面を引き下げるまたは無担保債券を株式に転換することにより資本注入を行う「ベイル・イン」権限を行使する状況は、不明確である。これらの権限がGSIに関して行使される場合(またはそれらが行使されうるとの示唆がある場合)、かかる行使は、GSIの債券価値に重大な悪影響(かかる投資の一部または全部の潜在的損失を含む)を与えることが予想される。さらに、かかる権限が行使されるとの示唆も、かかる投資に悪影響を与える可能性がある。
クレジット市場
当社またはグループ・インクのクレジット・スプレッドの拡大および信用枠の大幅な縮小は、過去において当社が担保付または無担保で借入を行う能力に悪影響を与えており、今後もそれらによる悪影響を受ける可能性がある。GSIは、その無担保の資金調達の大部分をグループ・インクから得ている。グループ・インクは、長期債の発行、その銀行子会社での預金の受入れ、ハイブリッド金融商品の発行または銀行ローンやクレジット・ラインからの融資により無担保ベースで資金を調達している。当社は、担保付ベースで、当社の資産の多くを取得するよう努めている。クレジット市場の混乱時には、事業のための資金を調達することがより困難になり、またその費用も増大する可能性がある。当社が利用可能な資金調達が限定されている場合、または当社がその事業のための資金調達をより多額の費用で行わなければならない場合、当社はその事業活動を縮小し、資金調達費用を増加させなければならない可能性がある。どちらの場合も、特に、投資およびマーケット・メイキングに関連する事業の収益性を低下させる可能性がある。
M&Aを行う顧客はしばしば、それらの取引の資金を調達するために担保付および無担保のクレジット市場の利用に頼っている。利用可能な信用枠がないこと、または信用コストの増加は、顧客によるM&A取引の規模、件数および時期に悪影響を与える可能性があり、それはとりわけ大規模な取引で顕著となり、また当社のファイナンシャル・アドバイザリーおよび引受業務に悪影響を与える可能性がある。
当社の信用事業は、信用市場の流動性の欠如による悪影響をこれまでも受けており、将来的にも受ける可能性がある。流動性の欠如は、価格の透明性を損ない、価格のボラティリティを引き上げ、さらに取引量および規模を引下げる。これらすべては、かかる事業の取引リスクを増加させ、または利益率を引き下げる可能性がある。
リスクの集中
リスクの集中は、マーケット・メイキング、引受および投資活動に対する重大な損失の可能性を増加させる。当該取引の件数および規模は、一定期間内での当社の経営成績に影響を及ぼす可能性がある。さらに、リスクが集中していることが原因で、当社は、経済情勢および市況が競合他社にとって一般に有利な場合であっても損失を被る可能性がある。クレジット市場の混乱は、これらの信用エクスポージャーを効果的または経済的にヘッジすることを困難にする可能性がある。
ドッド・フランク法に基づき採用された規則により、資産担保証券の発行体ならびに資産担保証券取引を組成および開始する者に対し、資産に対する経済的エクスポージャーの保持が要求されることとなる。このことにより、当社が証券化の活動に従事するためのコストが大幅に増加する可能性が高い。市場ストレス時を含めて、当社がこれらのポジションを売却、シンジケート、または証券化することによって当社の信用リスクを削減することができない場合、借主の支払不能または破産を含む、これらのポジションの公正価値の減少および当該有価証券または貸付の売却に関連する収益の損失により、当社の経営成績に悪影響が及ぶおそれがある。
通常の業務過程において、当社は特定の取引先、借主、発行体(ソブリン発行体を含む)または地理的地域もしくはEU等の関連国のグループに関する信用集中のリスクにさらされる可能性がある。そのような事業体に不履行もしくは格下げまたは債務不履行が生じた場合、おそらく当社の事業に重大な悪影響が及び、個々の事業体、業界および国に対する当社の信用エクスポージャーの水準の上限を設け、モニターしているシステムが、当社が予測していたように機能しない可能性がある。欧州市場インフラ規則の条項およびドッド・フランク法の規定により特定の決済機関、中央機関または取引所を通じての取引活動への集中の強化が生じており、このことは、これらの事業体に関する当社のリスクの集中を著しく増大させた。当社の活動により、当社は多くの異なる業界、取引先および国家と係わっているが、一方で当社は、ブローカーおよびディーラー、商業銀行、決済機関および取引所を含む金融サービス活動に従事する取引先と定期的に大量の取引を行っている。これにより、これらの取引先に関して高度な信用集中が起きている。
信用の質
当社は、当社から金銭、有価証券またはその他の資産を借りている第三者が当社に対する債務を履行しない可能性のリスクにさらされている。かかる不履行発生の原因としては、破産、流動性の欠如またはオペレーション障害またはその他の理由が考えられる。重要な市場参加者による債務不履行、またはそのような当事者が債務不履行を起こす懸念のみでさえ、他の機関の流動性に関わる重大な問題、損失または債務不履行の発生につながり、その結果、当社に悪影響が及ぶおそれがある。
当社はまた、あらゆる状況下でも第三者に対する権利を実行できるとは限らないというリスクも有している。さらに、当社がそれらにより発行された債権または有価証券を保有している第三者の信用の質が低下した場合(第三者が債務を保証するためにデリバティブ契約およびローン契約に基づき当社に差し入れた担保の価値の低下を含む)、損失が発生する可能性があり、および/または、再担保に供するか、その他の方法で当社がそれらの有価証券もしくは債権を、流動性を維持する目的で利用する能力に悪影響が及ぶ可能性がある。
また、当社の取引先の信用格付が大幅に引き下げられた場合も、当社の業績に悪影響が及ぶ可能性がある。多くの場合において当社は、財政難に直面している取引先に追加担保を要求することを認められているものの、当社が受領する権利を有している担保の額および担保資産の価額について紛争が生じる可能性がある。契約の解除および担保物件の差押により、当社は、当社の権利を不適切に行使したとの主張を受ける可能性がある。債務不履行率、格下げ、および担保物件の査定に関する取引先との紛争は、市場ストレスが発生している時や流動性が低下している時においては大幅に増加する。
デリバティブ取引
当社はクレジット・デリバティブを含む大量のデリバティブ取引の当事者である。これらデリバティブ商品の多くは、個別に交渉が行われ、標準化されていないものであるため、解約、譲渡またはポジションを決済することが困難となる場合がある。多くのクレジット・デリバティブにおいては、支払を受けるためには、相手方に対して、対象となる有価証券、ローンまたはその他の債務を提供しなければならない。多くの場合、当社は対象となる有価証券、ローンまたはその他の債務を保有しておらず、対象となる有価証券、ローンまたはその他の債務を得ることができない可能性がある。このことにより、これらの契約に基づき当社が支払を受ける権利が喪失する可能性があり、または、決済の遅延やそれらに付随した信用・オペレーションリスクにさらされる可能性があり、そして当社の費用が増大する可能性がある。
デリバティブ取引はまた、書類が適正に締結されていない、締結された契約が相手方に対して執行可能でない、またはかかる契約に基づく債務がかかる相手方のその他の債務と相殺されない可能性があるといったリスクを含んでいる可能性がある。さらに、取引先がかかる取引は適切でないまたは取引先に権限がなかったと主張する可能性がある。
ISDAプロトコルの締約国として、当社は取引先に対する是正措置を行使できない可能性があり、またこの新たな制度は検証されていないため、当社は、解約事由が発生した際に直ちに取引を手じまいすることが可能であれば予想しないであろうリスクまたは損失を被ることがある。多様な米国および米国以外の規制当局が、ISDAプロトコルにより検討された施行規則の導入を提案または実行しており、これらの施行規則により、取引先に対する是正措置を行使する能力にさらなる制限が課せられる可能性がある。ISDAプロトコルの影響は、とりわけそれがどのように施行されるかならびに施行規則下の市場慣行および構造の発展にかかる。
第三者と締結したデリバティブ契約やその他の取引は、常に時宜を得て他方当事者により約定確認または決裁がされているわけではない。取引が約定確認未了または決裁が遅延した状態であり続けると、当社の信用リスクおよびオペレーションリスクは増大し、債務不履行があった場合、当社の権利を行使することがより困難となる可能性がある。さらに、一連の広範な対象となるクレジットおよびその他の商品をカバーする、新しく、複雑なデリバティブ商品が作られるにつれ、対象となる契約の条件に関する紛争が生じるおそれがある。かかる紛争は、当社がこれらの商品によるリスク・エクスポージャーを有効に管理する能力を損ない、当社にコスト増を生じさせるおそれがある。クレジット・デリバティブおよびその他の店頭デリバティブの中央決済を要求する法律の規定が制定された場合や、標準化されたデリバティブへ市場がシフトした場合、これらの取引に関連したリスクの軽減につながる可能性があるが、一定の状況下では、顧客のニーズに最も合致するデリバティブを開発する当社の能力および当社のリスクをヘッジする能力を制限し、当社の収益性に悪影響を与え、そのようなプラットフォームに対する信用エクスポージャーを増大させる可能性もある。
執行基準の採用、ならびに店頭デリバティブのための清算、証拠金の預託および報告要件を含む、デリバティブ市場および取引に対する規制および制限を大幅に強化する規制が、様々な法域において提案または採択されている。EUは、欧州市場インフラ規制に基づき店頭デリバティブ取引に規制上の要件を確立した。これには、既に効力を発しているポートフォリオの調整および報告に関する要件に加え、未清算デリバティブの清算および証拠金手続に関する要件を包含するものである。加えて、ドッド・フランク法に基づき、米商品先物取引委員会はスワップ、スワップ・ディーラーおよび主なスワップ取引参加者に関する規則を提案または採択し、また、米国証券取引委員会は有価証券ベースのスワップ、有価証券ベースのスワップ・ディーラーおよび主な有価証券ベースのスワップ取引参加者に関する規則を提案または採択した。
オペレーション・インフラストラクチャー
当社の事業は、多数かつ多様な市場で様々な通貨による、多くの場合非常に複雑であり大きな規模で頻繁に発生する、大量の取引を日常的に処理およびモニターできるか否かによって大きく左右される。これらの取引は、顧客に提供されているITサービスと同様に、法規制に基づく基準および顧客毎の固有のガイドラインに従わなければならないことが多い。
世界中の多数の規則および規制は、当社の規制当局、取引所および投資家に取引およびその他の情報を報告する義務を監督している。これらの法的要件および報告要件の遵守は困難となり得、当社および他の金融機関は、適時、正確かつ完全な情報を報告しなかったことにより規制による罰金および罰則の適用を受けている。報告義務が拡大するに伴い、これらの規則および規制を遵守することはより一層困難となっている。
当社の顧客基盤および地理的範囲が拡大するにつれ、さらに、取引高、その速度、頻度および複雑性がとりわけ電子取引(かかる取引を顧客、規制当局および取引所に対して即時ベースで報告するようにとの要件も含む)において増すにつれ、オペレーション・システムおよびインフラの開発・維持は、ますます困難なものになっており、またかかる取引に関連したシステム上のまたは人為的なエラーのリスク、関係する取引の速度および取引高により生じるエラーから想定される影響、ならびに結果として生じる影響を限定的なものに留めるため当該エラーを早期発見することにつき想定される困難さは増加する。
財務、会計、データ処理またはその他のオペレーション・システムおよび設備は、全体または一部について当社が制御できる範囲を超える事態(取引高の急上昇等)が生じた場合、正しく機能しなかったり、障害が生じたりする可能性がある。その場合、当社のこれらの取引を処理する能力またはこれらのサービスを提供する能力に悪影響が及ぶ可能性がある。当社は、当社のオペレーションおよび成長を支援するため、また規制の変更および市場の変化に対応するために、これらのシステムを継続的に更新しなければならず、かかる取引が適用ある規則・規制に違反することがないよう、またかかる取引の処理場のエラーにより市場、顧客および取引先または当社に悪影響が及ぶことがないよう、システム上の統制およびトレーニングに重点的に投資しなければならない。
システム強化およびアップデートに加え、必要不可欠なトレーニング(新規事業の統合に関連したものを含む)には、多額の費用がかかり、また、新しいシステムを導入すること、そして既存のシステムと統合することに付随したリスクが生じる。
技術および技術ベースのリスク・管理システムが急増したとはいえ、当社の事業は、最終的には最も重要な資源として人員に依拠している。時折間違いは犯され、それらは常に当社の技術プロセスまたはかかる間違いを予防し検出することを目的とするその他の手順により、直ちに発見されるわけではない。これらの間違いには、計算ミス、電子メールアドレスの宛先間違い、ソフトウェアまたはモデルの開発もしく実装エラー、あるいは単純な判断間違いが含まれる。当社は、トレーニング、監督、技術および二重のまたは重複するプロセス・管理によりかかる人的ミスを削減するよう努める。人的ミスは、速やかに発見され是正された場合でさえ、当社に重大な損失および負債をもたらす可能性がある。
加えて、当社はまた、有価証券およびデリバティブの取引を円滑に行うために利用している決済代理機関、取引所、決済機関またはその他の金融仲介機関のいずれかのオペレーションの障害、取引終了または容量制約のリスクに直面している。当社と顧客との相互の接続性が拡大するにつれ、当社は、顧客のシステムにオペレーション障害が生じたことに関連するリスクにますます直面している。
近年、決済代理機関、取引所および決済機関の大規模な統合が行われ、より多くのデリバティブ取引が、現在または近い将来取引所で決済されることとなるだろう。これにより、当社が利用している特定の金融仲介機関のオペレーション障害、取引終了または容量制約のリスクに対するエクスポージャーが増大した。また、そのため、これらの障害、終了または制約が起きた場合に、当社が適切で費用効率が高い代替機関を見つける能力に影響が及ぶ可能性がある。市場の参加者同士または金融仲介機関同士いずれかにかかわらず、業界再編は、異なる複雑なシステムをしばしば急ぎで統合させなければならないため、オペレーション障害が生じるリスクを増大させる。
さらに、複数の金融機関と中央機関、取引所および決済機関との相互接続性、ならびにこれら機関の中心性の拡大は、1つの機関または事業体でのオペレーション障害が、業界全体のオペレーション障害を引き起こすリスクを増大させ、当社の事業遂行能力に著しい影響を与える可能性がある。このような障害、終了または制約は、当社の取引を達成し、顧客にサービスを提供し、リスクに対するエクスポージャーを管理し、もしくは当社の事業を拡大する能力に対して悪影響を及ぼす可能性があり、または当社に財務上の損失もしくは当社の顧客に対する負債が生じ、当社の流動性が損なわれ、業務が滞り、規制当局による介入が行われ、または評判の悪化が生じる結果となるおそれがある。
弾力性対策を講じ、そしてそのための設備を設置していたにもかかわらず、当社の事業やその所在地の地域社会を支えるインフラストラクチャーに不具合が生じた結果、当社が事業を遂行する能力に悪影響が及ぶ可能性がある。これには、当社やその取引先である第三者が使用する電気、衛星、海底ケーブル、またはその他の通信、インターネット、輸送もしくはその他のサービス・ファシリティ(クラウドサービス・プロバイダーを含む)の提供が途絶した場合等が含まれる。これらの途絶は、当社の社屋もしくはシステムまたはかかる第三者の社屋もしくはシステムのみに影響を与える事象の結果として生じるか、または、世界、地域規模で、またはそれらの社屋もしくはシステムが位置する都市に対して影響を与えるより広範に及ぶ事象(自然災害、戦争、社会不安、テロリズム、経済的または政治的進展、流行病および天気事象を含むがこれらに限定されない)の結果として生じる可能性がある。
テクノロジー
技術は、当社の事業および当社が参入している業界の基礎となるものである。電子商取引の発展や新しい技術の導入は、これらの事業を変化させており、当社に対して新たな課題を提供している。証券、先物、そしてオプション取引は、日増しに電子的な方法で、当社自身のシステムと、その他の代替的取引システム両方を通じて行われるようになってきており、代替的取引システムの利用の増加傾向は、継続するように見受けられる。これらの代替的取引システムの一部は、当社の事業、特に当社の取引所におけるマーケット・メイキング活動と競合しており、当社は、これらの分野およびその他の分野で引き続き競争圧力にさらされる可能性がある。さらに、顧客がより費用の低い電子取引システムの利用を増加させていること、そして取引市場を電子的な方法で直接利用するようになっていることは、当社の収受する手数料およびスプレッドの減少につながる可能性がある。顧客が市場において直接取引を行うためにますます当社のシステムを利用するようになるにつれて、当社は、顧客が当社システムの発注および注文執行機能を利用した結果、債務を負う可能性がある。当社は電子取引システムの開発に対して多額の資源を投資してきており、今後も同様の投資を行っていく予定である。しかし、とりわけ、電子取引から生じる手数料が一般的に低額であることから、これらのシステムがもたらす収益が、かかる投資に対して十分な利益を生み出せるかについての保証はない。
サイバー・セキュリティー
当社のオペレーションは、当社のコンピュータ・システムおよびネットワーク上の機密およびその他の情報の安全な処理、保存および送信に依存している。近年、金融サービス企業、大手の消費者ベースの企業およびその他の組織が顧客情報またはその他の機密情報の不正開示を報告した事例、ならびに企業情報のまたはその他の資産の流布、窃盗および損壊を伴うその他のサイバー攻撃の事例が複数発生し、それらが広く報道されており、これらは社員もしくは請負業者が手続に従わなかった結果、または第三者の行為(外国政府の行為を含む)の結果である。また、ハッカーが顧客情報を開示しないことを条件に「身代金」を要求した複数の事例が発生し、それらは広く報道された。
当社は、日常的にサービス妨害攻撃を含むサイバー攻撃の標的とされており、当社の技術インフラおよびデータを不正利用や改変から保護するため、継続的にシステムをモニターし開発しなければならない。また、当社と第三者ベンダー、中央機関、証券取引所、決済機関およびその他の金融機関との間に相互接続性があるため、これらのいずれかサイバー攻撃またはその他の情報セキュリティ事由の対象となり、それが成功した場合、当社は悪影響を受ける可能性がある。
当社は、当社のシステムおよび情報の完全性を確保するため努力を払っているが、あらゆるサイバー攻撃を予測、検出またはそれらに対する有効な防止手段を講じることができない可能性がある。これは、特に、使用される技術がますます洗練化され、頻繁に変更され、また多くの場合攻撃が開始されるまで認識されていないことを理由とする。サイバー攻撃は、様々な出所から発生する可能性があり、これには、外国政府と関係しているまたは組織犯罪もしくはテロリスト組織に関係している第三者が含まれる。第三者は、機密情報の開示または当社もしくは当社の顧客のデータへのアクセスを提供するため、当社内に個人を配置するまたは社員、顧客またはその他の当社システムの利用者を勧誘する可能性があるが、これらの種類のリスクは、検出または防止が困難である場合がある。
当社は、保護対策を講じており、状況に応じてそれらを変更するよう努力しているが、当社のコンピュータ・システム、ソフトウェアおよびネットワークは、不正アクセス、不正使用、コンピュータ・ウイルスまたはその他の悪質なコードおよびセキュリティに影響を与えるその他の事象に対して脆弱である可能性がある。当社のシステムの複雑さと連結性により、当社の保護対策を強化する過程そのものがシステムの混乱およびセキュリティの問題を引き起こす可能性がある。このような事象が1つまたは複数生じた場合、当社のコンピュータ・システムおよびネットワーク上で処理および保存され、そこから送信される当社の、または当社の顧客もしくは取引先の機密その他の情報を危険にさらす可能性があり、あるいは、当社、当社の顧客、当社の取引先、もしくは第三者のオペレーションに障害をもたらすか、それらの機能を損なう可能性があり、その結果、彼らが当社と取引を行う能力に影響を及ぼす、または当社が多大な損失を被り、当社の評判が悪化する可能性がある。
モバイルおよびクラウド技術の利用増加は、これらおよびその他のオペレーションリスクを高める可能性がある。当社の保護対策を変更するため、および脆弱性または起こり得るその他の障害を調査し修正するために多大な追加の資源を継続的に費やす予定であるが、これらの措置は有効でない場合があり、また、当社が、保険の対象となっていないか、当社が掛けている保険によっては完全に保護されない訴訟の対象となったり、財務的損失を被ったりする可能性がある。かかる技術のセキュリティの特定分野は、予測不可能または当社の制御が及ばず、モバイル技術およびクラウドサービス・プロバイダーが適切にシステムを保護し、サイバー攻撃を防止できない場合、当社のオペレーションに支障を来し、機密情報およびその他の情報の不正流用、破壊または喪失につながりかねない。また、暗号化およびその他の保護対策は洗練化されているものの、とりわけ新たなコンピューティング技術により利用可能なスピードおよびコンピューティング能力が大幅に向上する範囲において、打破されることがある。
当社は電子メールおよびその他の電子的手段により、日常的に個人および機密情報を送受信している。当社は、顧客、ベンダー、サービス・プロバイダー、取引先およびその他の第三者と協議し、共同して安全な伝送能力を確立しサイバー攻撃から保護しようとしてきているが、当社の顧客、ベンダー、サービス・プロバイダー、取引先およびその他の第三者すべてとの間では、安全な能力を確立できてはおらず、これを確立することができない可能性がある。そして、これらの第三者が、情報の機密を保持するために適切な管理体制を設置することを当社が確保できない可能性がある。顧客、ベンダー、サービス・プロバイダー、取引先およびその他の第三者に送信し、またはそれらから受信した個人もしくは機密情報の傍受、悪用または取扱いミスは、法的責任および規制措置の対象となる可能性があり、また、評判が損なわれる結果となるおそれがある。
リスク管理
当社は、様々な、別個の、しかし互いに補い合う財務、信用、オペレーション、コンプライアンスおよび法務に関する報告体系、内部統制、経営監査プロセス、ならびにその他の手段を網羅するリスク管理の枠組みにより、リスクに対するエクスポージャーをモニターし、管理しようと努めている。当社のリスク管理プロセスは、当社のマーケット・メイキング、投資または貸付ポジション、および引受業務により利益を得る能力を、潜在的な損失に対する当社のエクスポージャーで埋め合わせをしようとするものである。当社は、リスクのモニタリングおよびリスクの軽減に関わる幅広く多様な手法を採用しているが、これらの手法と、その適用により得られた判断によっても、すべての経済的および財務上の結果を予想することはできず、または、それらの結果についての詳細および時期も予想できない。したがって、当社は、その活動において損失を被る可能性がある。近年の市況は、未曾有の混乱状態にあり、リスクを管理する際に過去のデータを利用することに内在する限界を浮き彫りにした。
当社がリスクに対するエクスポージャーを評価し管理するために利用しているモデルは、様々な資産の種類の価格またはその他の市場の指標の間の相関関係の程度や有無を前提としたものとなっている。2008年中および2009年初めに、そして2011年以降にはある程度発生したような市場ストレス時やその他の予測不可能な状況下では、従前には相関関係がなかった指標の間に相関関係が生じる可能性があり、また逆に、従前には相関関係が存在していた指標が、異なる方向に進展する可能性がある。このような形の市場の動きは、時に当社のヘッジ戦略の有効性を制限し、多大な損害を負わせてきており、そして、これらは将来も起こる可能性がある。これらの相関関係の変化は、他の市場参加者が当社と同様の仮定またはアルゴリズムを伴うリスクまたは取引モデルを使用している場合には悪化する可能性がある。このような場合およびその他の場合、他の市場参加者の活動や、資産価値が大幅に減少し、または一部の資産に関して市場が存在しないといった状況を含む広範囲に及ぶ市場の混乱により、当社のリスク・ポジションを削減することが難しくなる可能性がある。
さらに、リスク管理およびその他の数多くの重要な活動に関連してモデルを用いることには、粗悪な設計により、または効果的でない検査、不適切もしくは欠陥のある入力データ、ならびに当該モデルを無許可で利用することにより、かかるモデルが効果を発揮しないというリスクを伴うものであり、その結果、当該モデルもしくは入力データへの未承認のまたは悪意ある変更が生じる可能性がある。
当社がそのマーケット・メイキングまたはオリジーネーション活動を通じたポジションをとる範囲において、あるいは確立された流動的な取引市場を持たないか、またはその他の理由で売却もしくはヘッジについて制限が課されているプライベート・エクイティを含む当社の投資活動により当社が直接投資を行う範囲においては、当社はそのポジションを縮小できない可能性があり、そのためかかるポジションに関連したリスクを削減できない可能性がある。さらに、適用ある法規制が許す範囲内において、当社は、当社の自己資本を当社が運用するプライベート・エクイティ、信用取引、不動産およびヘッジファンドに投資しており、当社がこれらのファンドに対する投資の一部またはすべてから引き揚げることが、法律上、評判上、またはその他の理由により制限された場合には、当社がこれらの投資に関するリスク・エクスポージャーを管理することがより困難になる可能性がある。
適切なリスク管理および規制上の制限により、当社の取引先、地域または市場に対するエクスポージャーが制限される可能性があり、これにより当社の事業機会が制限され、当社の資金調達またはヘッジ活動の費用が増加する可能性がある。
新規の事業イニシアティブ
新規の事業イニシアティブにより、当社はより多岐にわたる顧客および取引先と取引を行い、また新しい資産の種類および新しい市場にさらされることとなり、その結果当社はより多くのリスクにさらされている。当社の最近の、そして計画されている事業イニシアティブの多くおよび既存の事業の拡大により、当社は、当社の伝統的な顧客および取引先基盤に属していなかった個人および事業体に直接または間接的に係わっていき、そして新規の資産の種類や新規の市場にさらされる可能性がある。たとえば、当社は、(幅広い新興および成長市場を含む)新規の分野での事業活動および投資を継続している。
業務上の新しい取り組みは、政府事業体と取引を行うことに関連したリスク、専門知識の少ない顧客、取引先および投資家と取引を行うことによる評判低下の懸念、これらの活動に対する規制当局による監視の強化、信用関連、市場、ソブリンおよびオペレーションリスクの増大、事故またはテロリスト活動に起因するリスク、ならびにこれらの資産が運営もしくは所有される方法または当社が取引先と接触する方法に関する評判低下の懸念を含む、新しい、さらなるリスクに当社をさらしている。
複数の法域における営業
GSIの事業を行うに際し、また、その世界中での営業活動を維持し支援するにあたり、当社は、国有化、収用、価格統制、資本規制、為替管理およびその他の政府による制限的措置の可能性、ならびに敵対行為またはテロ行為の発生等のリスクにさらされている。たとえば、近年ロシアとウクライナ間で深刻な衝突の結果、米国およびEUからロシア内の特定の個人および企業に対し制裁措置が課されている。多くの国では、証券および金融サービス業界ならびに当社が関与している多くの取引に適用される法規制は不確定で変化を続けており、当社がすべての市場において現地の適用ある法律の要件を厳密に判断することは困難である可能性がある。当社が、ある特定の市場において現地の法律を遵守していないと現地の規制当局に判断された場合、または現地の規制当局と有効な関係を築けなかった場合、その市場におけるGSIの事業だけではなく、その全般的な評判に多大な悪影響が及ぶ可能性がある。さらに、一部の法域においては、法令を順守しない場合、当社および従業員に対し民事手続のみならず刑事手続が開始される可能性がある。当社はまた、当社が仕組を組成した取引が、すべての場合においては法的に実施可能であるとは限らないという、リスクの増大にもさらされている。
英国のEUからの脱退は、英国企業がEUにサービスを提供する上での取決めの変更を伴う可能性が高い。かかる変更は、当社が欧州において行う一部事業の営業方法に著しい悪影響を与え、一部の営業については再編成が必要となる可能性がある。ブレグジットに関する英国およびEUの間の交渉の結果は、非常に不確実である。かかる不確実性により、これまでも、また将来も市場のボラティリティを招き、投資家および顧客の景況感の欠如を促す可能性がある。
当社の事業および営業は、日増しに新興および成長市場を含む世界中に拡大していっており、今後もこの傾向は続くと予測されている。様々な新興および成長市場諸国が、著しい経済および金融の大きな混乱に直面してきた。それらには、それらの国々の通貨の大幅な切り下げ、ソブリン債の不履行またはそのおそれ、資本規制および為替管理、ならびにそれらの国々の経済の成長率の低下またはマイナス成長、そして軍事活動、社会不安またはテロ行為等が含まれる。これらの状況のいずれかが与え得る影響には、当社の事業への悪影響および全般的な金融市場におけるボラティリティの上昇が含まれる。
全世界の事業およびその他の慣行は異なっているが、当社は、その全世界における営業について、贈賄、不正支出、雇用慣行およびマネー・ロンダリングに関連する規則および規制、ならびに特定の個人、集団および国々と事業を行うことに関する法律の対象となっている。それらの法律には、米国海外汚職行為防止法、2001年米国愛国者法および英国贈収賄法が含まれる。当社は研修および法令遵守のモニタリングに対して多額の資源を投資しており、今後も続ける予定であるが、当社の事業、社員および顧客の地理的な多様性、ならびに当社が取引を行うベンダーおよびその他の第三者の地理的多様性は、当社が当該規則または規制に違反したとされる当社のリスクを大きく増加させる可能性があり、それらの違反により、当社に多額の罰金が課される可能性があり、または当社の評判に悪影響が及ぶ可能性がある。
加えて、近年、金融サービス業界における社員による詐欺やその他の不正行為(事実またはそのような主張をされているもの)に関わる多数の事件が世界中で大きく報道されており、当社は社員による不正行為が発生する可能性があるというリスクを負っている。不正行為には、当社が保有するソフトウェアを含む当社が保有する情報の窃盗が含まれ、今後もそのような行為が発生する可能性がある。社員の不正行為を発見・防止することは必ずしも可能ではなく、このような行為を防止し、発見するためにとられている予防措置は、すべての場合において効果的であるとは限らず、過去においても同様であった。
利益相反
利益相反を適切に特定し、かつ適切にそれに対処できなかった場合、当社の事業に悪影響が及ぶ可能性がある。GSグループの事業および顧客基盤が広範囲であるため、当社は潜在的な利益相反に定期的に対処している。それらには、特定の顧客に対する当社のサービスの提供もしくはGSグループの自己勘定による投資もしくはその他の利益がさらに別の顧客の利益と相反するか、または相反すると思われる状況、ならびに当社の1つまたは複数の事業が、GSグループ内のその他の事業とは共有してはならない重要な非公開の情報にアクセスできる状況、およびGSグループもまたそれらに対する助言者またはその他の関係にある事業体の債権者である状況等が含まれる。
利益相反の問題を特定し、かつ対処するためには、広範囲に及ぶ手続および統制が設けられている。それらには、複数の事業間での不適切な情報の共有を防止するために組み立てられたものも含まれる。しかし、利益相反を適切に特定し、かつ適切にそれに対処することは、複雑かつ困難であり、当社が利益相反を適切に特定・開示できず、かつ適切にそれに対処できなかった場合、または適切に特定・開示できず、かつ適切にそれに対処できなかったように見えた場合、当社の最も重要な資産の1つである評判が傷つく可能性があり、また顧客が、当社との取引に参加しようとする意欲に影響を与える可能性がある。加えて、潜在的な利益相反または利益相反と受け取られる事項により訴訟が提起されたり、規制上の強制措置が課されたりする可能性がある。
競争
金融サービス業界、そして当社のすべての事業は、激しい競争にさらされており、また今後もそうであろうと予測されている。当社は多くの要素をもって競争に挑んでいる。それらには、取引の実行、商品およびサービス、革新、評判、信用力ならびに価格が含まれる。金融サービス業界の会社間では、多くの合併や統合が行われてきた。また、この合併および統合は、証券およびその他の金融サービス市場のグローバル化を加速してきた。
当社が新規の事業分野および新規の地理的地域へと拡大していく範囲において、当社は、より多くの経験を持ち、当該市場における顧客、規制当局、業界関係者と、より確立した関係を持つ競争相手と対峙することとなり、このことにより、当社の事業拡大能力に悪影響が及ぶ可能性がある。政府および規制当局は、最近、一部またはすべての法域において費用効果の高い方法で、あるいはあらゆる方法で一定の事業を行う当社の能力に影響を与えたか、与える可能性がある規制を導入し、税を課し、報酬制限を導入し、またはその他の様々な提案を行った。それらには、金融機関が行うことを認められる活動の種別に対する制限に関する提案が含まれている。これらの規則またはその他同様の規則の多くは、当社の競争相手すべてには適用されず、当社が効果的に競争する能力に影響を与える可能性がある。
当社の事業における価格圧力およびその他の競争圧力は、引き続き増大している。これは、競合他社の一部が価格を引き下げることで市場シェアを拡大しようとする場合に特に顕著となっている。たとえば、当社は、投資銀行案件等について、当社が引き受けるリスクに常に必ずしも完全に見合うとは言えない水準の信用の供与や価格の設定を求める圧力を受けている。
金融サービス業界は、取引量の相当部分が業界内の限られた数の成員間で発生するため、高度に相関している。取引の多くは他の金融機関にシンジケートされており、金融機関はしばしば取引の取引先である。この結果として、その他の市場参加者および規制当局により、かかる機関は市場または市場価格を操作するために共謀を行ったとの訴えを起こされ、この訴えには反トラスト法に違反したとの申立てを含んでいる。当社は、かかる活動を特定し防止するための広範囲にわたる手続および統制を有しているものの、とりわけ規制当局によるかかる活動に対する申立ては、当社に評判上マイナスの影響を与える可能性や当社に巨額の罰金や和解金が課され、3倍損害賠償を含む非常に高額の損害賠償を課される可能性がある。
人員
当社が能力のある社員を採用し、つなぎ留めることができなかった場合、当社の事業に悪影響が及ぶ可能性がある。当社の業績は、高い能力を持つ人材の素質と努力に大きく依存している。したがって、当社が、その事業を行う際に引き続き効果的に競争し、事業を効果的に運営し、新規の事業分野および新規の地理的地域に拡大することができるかどうかは、能力が高く多様な新しい社員を惹き付け、既存の社員をつなぎ留め、意欲を上げる当社の能力に左右される。当社がそのような社員を惹き付け、つなぎ留める能力に影響を与える要因には、報酬および手当、ならびに当社の事業が成功しており、有能な社員の公正な採用、研修、そして昇進を行う文化を当社が有しているという評判が含まれる。当社が社員に支払う報酬の大部分は、年度末の自由裁量報酬の形態であり、その大部分は、繰延株式関連報奨の形態で支払われるため、GSグループの利益率または当社の将来的な利益率の見通しの低下に加え、報酬水準および条件の規制上の制限は、当社が能力の高い社員を採用し、つなぎ留める能力に影響を与える可能性がある。
金融サービス業界における、そして金融サービス業界以外の業界の、能力ある社員を獲得するための競争はしばしば熾烈である。近年、当社は新たな規制上の要件の需要に対応するための社員を採用し、つなぎ留めるための競争の激化を経験している。新興および成長市場においてもこれは顕著であり、当社は、当該地域において当社よりもはるかに大きなプレゼンスを有し、またはより幅広い経験を有している事業体との間で、しばしば能力ある社員の獲得争いをしている。
当社が事業を運営している法域における法令の変更が当社社員の収入に対する課税または報酬額もしくは報酬の構成に影響を与える場合、当社がそれらの法域で能力のある社員を採用しつなぎ留める当社の能力に悪影響が及ぶ可能性がある。
当社の報酬慣行は、PRAおよびFCAによる審査および基準の対象となっている。大手金融機関である当社の報酬慣行は、PRAおよびFCAならびに世界中のその他の規制当局による報酬慣行に対する制限(当社の競争相手に影響を与えるものとなるか否かは不明である)の対象である。これらの制限(今後、法律もしくは規制により、またはその結果として課される制限を含む)により、高い能力のある社員を惹き付け、つなぎ留める当社の能力に悪影響が及ぶ形で、当社が当社の報酬慣行を変更しなければならなくなる可能性がある。
法的責任
当社に多大な法的責任の負担が発生した場合または当社が重要な規制措置の対象とされた場合には、財務に重大な悪影響が及び、または評判が著しく悪化するおそれがあり、その結果、事業の見通しに重大な支障が生じるおそれがある。当社の事業をめぐる法的リスクは大きく、金融機関を相手方とする訴訟や規制手続の請求件数は増加し、賠償請求額や罰金の額は依然として高水準となっている。GSIは、随時、当社の事業および運営の様々な点に関して、様々な政府機関、規制機関および自主規制機関による、その他の数多くの調査および審査の対象となっており、一部の例においては、それらの機関から文書および情報提供の要請を受けている。当社の経験に基づくと、お客様および顧客による法的請求は、市場の低迷時に増加する。また、雇用関係の請求は、当社が従業員を削減した時期の後に増加する。加えて、政府事業体は、これまでも現在も、当社が関わっている一部の訴訟の原告であり、当社は同一またはその他の政府事業体による今後の措置または訴訟、加えてしばしば規制当局との和解後に開始される後続民事訴訟に直面する可能性がある。
最近、いくつかの大手金融機関が政府事業体と大規模な和解を行ったことが公表された。政府事業体との大規模な和解の傾向は、類似訴訟に関係する他の金融機関の結果に悪影響を及ぼす可能性があり、政府当局が大規模な和解がその他の和解の根拠またはひな形として利用されると発表している場合はとりわけその可能性が高い。未確定の規制執行環境により、見積損失額を推定することが困難となり、その結果として、法定準備金と事後の実際決算値または制裁金に大幅な不一致が生じる可能性がある。
予見不可能な大災害
エボラ出血熱もしくはジカ熱のような世界的流行病またはその他の広範囲にわたる保健衛生上の緊急事態(またはそのような緊急事態が発生する可能性に関する懸念)、テロ攻撃、地球上もしくは太陽に関係する異常気象またはその他の自然災害を含む、予見できない事象あるいは大災害が発生した場合、経済および金融の混乱が発生する可能性があり、それにより当社がその事業を運営する能力が損なわれる可能性があるオペレーション上の問題(移動の制限を含む)が発生する可能性がある。
5【経営上の重要な契約等】
該当なし。
6【研究開発活動】
該当なし。
7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
以下は、GSIの2016年度アニュアル・レポートの抄訳である。
概況
損益計算書
損益計算書は、本書第一部第6 1「財務書類」に記載されている。2016年度における当社の当期利益は14.6億ドルであり、2015年度と比較して37パーセント減少した。
2016年度の純収益は65.5億ドルであり、2015年度と比較して7パーセント減少した。これは、主として機関投資家向けクライアント・サービスにおける純収益の減少による。また、投資運用業務における純収益は大幅に減少し、投資銀行業務における純収益は減少した。これらの業績は、2016年度第1四半期における困難な事業環境(ただし、その後は改善した)の影響を反映している。これらの減少は、投資および貸付業務における純収益の大幅な増加により部分的に相殺された。
2016年度の一般管理費は42.7億ドルであり、2015年度と比較して5パーセント増加した。これは、主として、株式報酬の時価評価の影響が増大したことを反映している。両年度の株式報酬の時価評価の影響を除くと、2016年度の一般管理費は37.8億ドルであり、2015年度と比較して7パーセント減少した。
当社の純収益、セグメント別の報告および一般管理費に関する情報については、後記「業績」参照。
自己資本比率
当社は、堅調な自己資本比率を維持した。2016年12月現在の当社の普通株式等Tier 1比率は、(本書第一部第2 3「事業の内容-自己資本管理および規制上の資本-規制上の資本」において定義されるCRD Ⅳに基づき)12.9パーセントであった。
流動性
当社は、堅調な流動性を維持した。2016年12月現在の当社のグローバル・コア流動資産は、595.1億ドルであった。当社のグローバル・コア流動資産に関する詳細については、後記「流動性リスク管理」参照。
貸借対照表
貸借対照表は、本書第一部第6 1「財務書類」に記載されている。下記において、資産合計は、「固定資産」、「流動資産」および当社の「年金制度の積立余剰額」の合計である。負債合計は、「短期債務:1年以内に期日の到来する金額」と「長期債務:1年を超えて期日の到来する金額」の合計である。
2016年12月現在の資産合計は9,343.2億ドルであり、2015年12月と比較して838.3億ドル増加した。これは、保有金融商品が468.9億ドル、担保付契約が209.0億ドル、未収金が92.1億ドル、現金・預金が69.1億ドル増加したことを反映している。保有金融商品は、主としてデリバティブ商品の公正価値の金利変動の影響により増加した。担保付契約は、主として顧客の活動の変化により増加した。未収金は、主として取引先に対して差し入れる現金担保の増加により増加した。現金・預金は、主としてグローバル・コア流動資産として保有する現金預金の増加により増加した。
2016年12月現在の負債合計は9,067.9億ドルであり、2015年12月と比較して826.5億ドル増加した。これは、売却済未購入金融商品が582.6億ドル、担保付借入金が239.9億ドル増加したことを反映している。売却済未購入金融商品は、主としてデリバティブ商品の公正価値の金利変動の影響により増加した。担保付借入金は、主として顧客の活動の変化により増加した。
米国GAAPに基づく業績
当社は、米国で一般に公正妥当と認められている会計原則(「米国GAAP」)に基づいて財務書類を作成しており、これはGSグループの連結財務書類に含まれている。
米国GAAPに基づく当社の利益は、英国GAAPに基づくものとは異なる。これは、主として、一定の収益および費用の認識時期の差異による。米国GAAPの下では、当社の2016年度における利益は、英国GAAPに基づき報告されたものと大きく変わらなかった。
当社の米国GAAPに基づく資産合計および負債合計は、英国GAAPに基づくものとは異なっている。これは、主として、当社がデリバティブの残高について、それらが通常の業務の過程において決済されなかった場合に、それら残高について法的に強制執行可能な相殺権を有している場合であっても、英国GAAPに基づき総額で表示しているからである。米国GAAPに基づき、2016年12月現在で、資産合計は3,606.4億ドルであり、2015年12月と比較して227.9億ドル増加した。この増加は、主として、顧客の活動の変化による担保付契約の増加を反映している。負債合計は3,329.8億ドルであり、2015年12月と比較して215.7億ドル増加した。この増加は、主として、顧客の活動の変化による担保付借入金の増加を反映している。
今後の見通し
当社取締役会は、当社の当年度末の財務状況は満足のいくものであったと考えている。当社の主な事業活動に関する重大な変更は、現在のところ予測されていない。
事業環境
グローバル
2016年度の実質国内総生産(「GDP」)成長率は、2015年度と比較して、先進経済圏においては減速し、新興市場においては強弱まちまちであったとみられる。先進経済圏においては、米国、ユーロ圏、英国および日本の成長率が低下した。新興市場においては、中国の成長率が減速し、インドの成長率が引き続き安定した一方、ブラジルおよびロシアの成長率は2015年度と比較して小幅になったものとみられる。2016年度の金融政策は、米国連邦準備制度理事会が金利の誘導目標を再度引き上げる一方で、ヨーロッパおよび日本では金融緩和基調が続く等、各国で引き続き相違した。6月には、英国の欧州連合離脱(「ブレグジット」)を問う国民投票が可決され、11月には、米国の大統領選挙が実施された。双方の事象の結果に対する市場の反応は、総じて予想以上にポジティブなものであった。原油価格(WTI)が2016年度に45パーセント上昇し、第4四半期には、OPEC加盟国が石油減産の合意を発表した。投資銀行業務は、2016年度の業界全体のM&A活動が堅調を維持したが、2015年度と比べると低い活動水準となった。業界全体の株式引受業務の取引高は、堅調であった2015年度と比較して低迷した一方で、業界全体の債券引受業務の取引高は、前年度と比較して増加した。
ヨーロッパ
2016年度のユーロ圏における実質GDPは、2015年度は1.9パーセントの増加であったのに対して、1.7パーセントの増加となった。消費者支出の増加が減速する一方で、設備投資および政府支出の増加が加速した。インフレ指標は依然として低調であったため、欧州中央銀行(「ECB」)は、第1四半期において複数の緩和措置を発表し、預金金利を0.10パーセント引き下げてマイナス0.40パーセントとし、主要政策金利を0.05パーセント引き下げて0.00パーセントとすると共に、新たな一連の的を絞った長期資金供給オペを開始し、債券の月間買入額を拡大し、ECBの資産買入プログラムに基づき買い入れる債券のリストに投資適格の非金融機関社債を追加した。12月には、ECBは、買入れのペースは落とすが、少なくとも2017年末までECBによる資産買入プログラムを継続することを発表した。ユーロの対米ドル相場は、3パーセント下落した。英国の実質GDPは、2015年度の2.2パーセントの増加に対し、2016年度には1.8パーセント増加した。英国の国民投票可決後、イングランド銀行は、公定歩合の0.25パーセント引下げ、700億ポンドの資産買入れおよびターム・ファンディング・スキームから構成される金融緩和策を発表した。英ポンドの対米ドル相場は、2016年度に16パーセント下落し、対米ドル相場としては30年超来の低水準となった。この地域の10年国債の利回りは、当年度中総じて低下した。株式市場では、FTSE100指数、DAX指数、CAC40指数およびユーロストックス50指数が、2016年度にそれぞれ14パーセント、7パーセント、5パーセントおよび1パーセント上昇した。
重要な会計方針
公正価値
公正価値の階層
保有金融商品および売却済未購入金融商品(すなわち、トレーディング商品)、ならびにその他の一部の金融資産および金融負債は、公正価値にて貸借対照表に反映されており(すなわち、値洗いされており)、関連する損益は損益計算書上にて認識されている。金融商品の測定に公正価値を用いることは、当社のリスク管理上の基本的な要素であると共に、当社の最も重要な会計方針である。
金融商品の公正価値とは、測定日における市場参加者の秩序ある取引で、資産の売却により受領するあるいは負債の移転により支払われるであろう価額を表している。一定の金融資産および金融負債はポートフォリオとして(すなわち、市場および/または信用リスクに対する正味エクスポージャーを基準として)測定されている。公正価値の算定上、英国GAAPに基づく階層によれば、(ⅰ)同一の、制限のない資産または負債を対象とする活発な市場での未調整の取引価格は最も優先順位が高く(レベル1入力情報)、(ⅱ)レベル1入力情報以外の入力情報のうち直接または間接的に観測可能であるものは次に優先順位が高く(レベル2入力情報)、(ⅲ)市場活動において観測不能な入力情報は優先順位が最も低い(レベル3入力情報)。当社は、評価のための入力情報の重要性を評価するにあたり、特に、当該入力情報に対するポートフォリオの正味リスク・エクスポージャーを検討している。資産および負債の分類は全体的に、公正価値の測定に重要な意味を持つ優先順位の最も低い入力情報に基づいている。
経常的に公正価値で評価される実質上すべての当社の金融資産および金融負債の公正価値は、観測可能な価格および入力情報に基づいており、公正価値の階層上、レベル1およびレベル2に分類されている。レベル2およびレベル3の金融資産および金融負債の一部は、取引先およびGSグループの信用力、資金調達リスク、譲渡制限、流動性および呼び値スプレッド等の要因については、市場参加者が公正価値を実現するために必要とする適切な評価調整を行う必要がある場合がある。
公正価値の階層でレベル3に分類される商品は、1つ以上の観測不能な重要な入力情報を要する商品である。2016年12月現在および2015年12月現在、レベル3金融資産合計は、それぞれ51.5億ドルおよび60.4億ドルであった。レベル3金融資産に関する詳細(レベル3金融資産の変化および関連する公正価値の測定を含む)については、本書第一部第6 1「財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記24参照。相反する証拠が存在する場合を除き、公正価値の階層でレベル3に分類される商品は、当初は取引価格で評価される。これは、当初における最善の公正価値の見積りと考えられている。取引日以降は、公正価値を決定するためにはその他の方法が使用される。これらの方法は、商品の種類によって異なる。レベル3金融商品の公正価値の見積りには、以下を含む決定を行う必要がある。
・各種のレベル3の金融商品について適切な評価方法および/またはモデルの決定
・すべての関連する経験的市場データ(市場取引価格、金利、クレジット・スプレッド、ボラティリティおよび相関関係を含む)の評価に基づくモデルの入力情報の決定
・適切な評価調整(非流動性または相手方当事者の信用度に関するものを含む)の決定
いずれの方法においても、評価のための入力情報および仮定は、実質的な証拠に裏付けられている場合にのみ変更される。
金融商品評価の管理
当社の収益創出部門のマーケット・メイカーおよび投資専門家職員は、当社の金融商品の価格決定につき責任を負っている。当社の管理体制は、収益創出部門から独立しており、当社のすべての金融商品が市場決済水準で適切に評価されることを確保するための基礎となっている。金融商品の公正価値の見積りに判断力を要する状況(たとえば、下記の比較可能な市場取引に基づく調整、または取引の比較)において意見の相違があった場合、最終的な評価の決定は、管理・サポート部門を担当するシニア・マネージャーにより行われる。この独立した価格検証は、当社の金融商品の適正な評価を確保するために非常に重要である。
価格検証
公正価値の階層でレベル1、レベル2およびレベル3のすべての金融商品(公正価値)は、当社独自の価格検証手続を経ることとなる。価格検証の目的は、検討対象となる金融商品の評価について豊富な情報に基づく独立した意見を得ることである。1つ以上の重要な入力情報を有する商品で、外部の市場データによる裏付けを得ることができないものは、公正価値の階層でレベル3に分類される。独立した管理・サポート部門が価格検証のために用いる戦略は、以下のとおりである。
・取引の比較
最適な価格の入力情報および評価を決定するために取引データ(入手可能な社内外データ)の分析を行う。
・社外価格との比較
第三者(たとえば、ブローカーまたはディーラー、マークイット、ブルームバーグ)から入手した価格決定データと評価結果および価格とを比較する。一貫性および有効性を確保するために、様々な入手元からのデータを比較する。ブローカーもしくはディーラーの呼び値または第三者の価格決定ベンダーが評価または価格検証に利用された場合、通常、実行可能な呼び値に対して高い優先順位が与えられる。
・比較可能な市場取引に基づく調整
類似の性質、リスクおよび構成要素を有するポジションの評価を裏付けるために市場取引が利用される。
・相対価値分析
1つの商品と別の商品とを比較して、または1つの商品につきその満期別に比較して、リスク・流動性・利益率の観点から測定される類似性を判断するために市場取引が分析される。
・担保の分析
評価を裏付けるために用いられる内在価値を判断するためにデリバティブに係る追加証拠金請求を分析する。
・取引の実行
トレーディング・デスクは、適切な場合に、市場決済水準に対する証拠を提供するために取引を実行するよう指示を受ける。
・バックテスト
売却による実現利益と比較することにより、評価を裏付ける。
公正価値の測定に関する詳細については、本書第一部第6 1「財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記24参照。
純収益の審査
独立した管理・サポート部門は、日常業務手続の組み合わせを通じて当社の価格決定方針の遵守を確保する。これら日常業務手続には、純収益が生み出された基礎となる要因を考察し、説明することが含まれる。この手続を通じて、当社は、純収益の正当性を独自に確認し、公正価値または取引ブッキングに関する潜在的な問題を適時に特定および解決し、さらにリスクが適切に分類および定量化されていることを確保するよう努める。
評価モデルの検討
モデル開発者とは別の定量化業務の専門家職員から構成されるGSグループ独自のモデルリスク管理グループ(「モデルリスク管理部門」)は、GSグループの評価モデルに対する独自のモデル検討・検証手続を行う。新規モデルまたは改訂モデルは、実際に使用される前に検討の上承認される。商品の変更または市場の変動および市場の発展が価格決定理論に与える影響を査定するために、モデルは毎年評価され、再承認される。評価モデルの検討および検証に関する詳細については、後記「リスク管理-モデルリスク管理」参照。
業績
当社の純収益の構成は、長期的に見ると金融市場の推移と当社の事業範囲の変更に伴い変化している。経済情勢および市況の変動により、純収益の構成に短期的な変化が生じる場合もある。経済情勢および市況による当社の業績への影響に関する詳細については、本書第一部第3 4「事業等のリスク」参照。第三者との取引に加えて、当社はその通常の業務の過程において、マーケット・メイキング活動および一般業務の一部として関係会社との取引も行う。
純収益
純収益には、第三者および関係会社双方との有価証券、外国為替およびその他の金融商品の取引から生じる純利益ならびに手数料が含まれる。これには、関係する利息および配当が含まれる。詳細については、後記「セグメント別の報告」参照。
セグメント別の報告
下表は、当社の純収益をセグメント別に示したものである。
| (単位:百万ドル) | 2016年12月 終了年度 | 2015年12月 終了年度 |
|---|---|---|
| 投資銀行業務 | ||
| ファイナンシャル・アドバイザリー業務 | 563 | 590 |
| 引受業務 | 575 | 689 |
| 投資銀行業務合計 | 1,138 | 1,279 |
| 機関投資家向けクライアント・サービス | ||
| 顧客取引執行のための債券・為替・コモディティ取引 | 2,523 | 2,549 |
| 株式関連業務 | 2,066 | 2,353 |
| 機関投資家向けクライアント・サービス合計 | 4,589 | 4,902 |
| 投資および貸付業務 | 500 | 360 |
| 投資運用業務 | 322 | 475 |
| 純収益合計 | 6,549 | 7,016 |
投資銀行業務
投資銀行業務は、以下の業務から構成されている。
ファイナンシャル・アドバイザリー業務
M&A、事業部門の売却、企業防衛、リストラクチャリング、スピンオフおよびリスク管理に関する戦略的アドバイザリー案件、ならびにこれらの顧客アドバイザリー案件に直接関連するデリバティブ取引等。
引受業務
幅広い有価証券およびその他の金融商品(ローンを含む)の公募・私募等(国内・海外取引を含む)に係る株式および債券の引受、ならびに買収のための資金調達の引受および当該顧客向け引受業務に直接関連するデリバティブ取引等。
事業環境
2016年度中の欧州の業界全体のM&A完了案件は引き続き堅調であり、2015年度の活動水準と比較すると業界全体で増加した。また当年度の大半において欧州の業界全体の発表案件は引き続き安定したが、2015年度の活動水準と比較すると業界全体で減少した。引受業務では、株式市場が困難であったこととマクロ経済的懸念を背景に、2015年度と比較して欧州の業界全体の株式引受業務の取引高が大幅に減少した。これに対し、2015年度の取引水準は堅調であり、これは2015年度上半期中の有利な株式市況による恩恵を受けたものであった。2016年度における業界全体の債券引受業務の取引高は、欧州においては2015年度と比較して増加した。
2015年度中の投資銀行業務は、欧州の業界全体のM&A案件が堅調であったことを特徴とする事業環境にて行われた。業界全体の引受活動は、欧州における債券および株式両方において2014年度と比較して減少した。
2016年度と2015年度の比較
2016年度の投資銀行業務の純収益は11.4億ドルで、2015年度と比較して11パーセント減少した。
ファイナンシャル・アドバイザリー業務の純収益は563百万ドルで、2015年度と比較して5パーセント減少した。これは、顧客向けアドバイザリー活動の減少を反映している。引受業務の純収益は575百万ドルで、2015年度と比較して17パーセント減少した。これは、欧州における売出の減少を反映した株式引受業務の純収益の大幅減によるものであった。債券引受業務の純収益は、資産担保取引による純収益の大幅な増加を反映して増加したが、その他のストラクチャード・ファイナンスおよびレバレッジド・ファイナンス活動による純収益の大幅な減少により部分的に相殺された。
2016年12月現在の当社の投資銀行取引の受注残高は、2015年度期末の堅調な水準の受注残高と比較して減少した。これは、主としてM&A取引の減少を反映した潜在的なアドバイザリー取引の純収益の見積りの大幅減によるものであった。これらの減少は、潜在的な債券引受取引と株式引受取引双方の純収益の見積りの増加により、部分的に相殺された。
投資銀行取引の受注残高は、将来の収益が実現する可能性が高いと当社が考える投資銀行取引による将来の純収益の見積りを示している。当社は、当社の投資銀行取引の受注残高の変動が、純収益に対して長期にわたって影響を及ぼす顧客の活動水準についての有益な指標になるだろうと考えている。しかしながら、受注残高に係る取引の完結および対応する収益の認識までの概算時間は、一部の取引が長期にわたり受注残高に留まる一方、その他の取引が同一報告期間中に締結・解消される可能性があるため、案件の性質によって異なる。また、当社の取引受注残高は、将来において個々の顧客取引が生じる可能性についての仮定等の一定の制限に服している。取引は、中止または修正される可能性があり、また見積りに含まれていない取引が生じる可能性もある。
機関投資家向けクライアント・サービス
機関投資家向けクライアント・サービスは、下記の方法により収益を生み出している。
・大規模で流動性が高い市場において、当社は、顧客のために大量取引を執行している。
・流動性が低い市場において、当社は、一般により流動性の高い市場において請求されるよりもやや高めのスプレッドおよび手数料により顧客のために取引を執行している。
・当社は、顧客のリスク・エクスポージャー、投資目的、またはその他の複雑なニーズに対応するカスタマイズもしくはオーダーメイド商品を伴う取引も構築および執行している。
・当社は、当社の顧客に対して、証券貸借およびその他のプライム・ブローカレッジ・サービスを提供することに加えて、顧客の証券取引活動に対する融資を行っている。
機関投資家向けクライアント・サービスは次の業務から構成されている。
顧客取引執行のための債券・為替・コモディティ取引
金利商品、クレジット商品、モーゲージ、為替およびコモディティの現金およびデリバティブ商品の双方によるマーケット・メイキングに関連する顧客取引執行業務等。
・金利商品
様々な満期の国債(インフレ連動証券を含む)、その他の政府保証証券、買戻条件付有価証券(「買戻条件付契約」)、ならびに金利スワップ、オプションおよびその他のデリバティブ
・クレジット商品
投資適格社債、ハイイールド証券、クレジット・デリバティブ、上場ファンド、銀行ローンおよびブリッジ・ローン、地方自治体証券、新興市場債および不良債権ならびに倒産企業に対する債権
・モーゲージ
商業用モーゲージ関連証券、ローンおよびデリバティブ、住宅用モーゲージ関連証券、ローンおよびデリバティブ、ならびにその他の資産担保証券、ローンおよびデリバティブ
・為替
通貨オプション、直物・先物、ならびにG10通貨および新興市場商品に対するその他のデリバティブ
・コモディティ
コモディティ・デリバティブならびに、これよりは影響が少なかったものの、原油および石油製品、天然ガス、卑金属、貴金属およびその他の金属、電力、石炭、農産物ならびにその他のコモディティ商品を含む現物コモディティ
株式関連業務
株式商品を対象とするマーケット・メイキングに関連した顧客取引執行業務、ならびに株式、オプションおよび先物を扱う世界各地の主要取引所で機関投資家の取引を執行・決済することによる委託手数料、ならびに店頭取引等。また株式関連業務は、ヘッジファンド、ミューチュアル・ファンド、年金ファンドおよび財団を含む機関投資家を対象とした金融サービス、証券貸借サービスおよびその他のプライム・ブローカレッジ・サービスを提供する証券関連サービスを含んでおり、収益は主に金利スプレッドまたは手数料の形をとる。
当社はマーケット・メイカーとして、主として法人、金融機関、投資ファンドおよび政府等の機関投資家向けに、顧客がその投資目的を達成し、またリスクを管理することを支援するために流動性の高い市場と低い市場の双方において取引を促進している。かかる役割において、当社は、ある市場参加者が希望する当社への商品販売価格と別の市場参加者が希望する当社からの商品購入価格との差(その逆、すなわち買い呼び値/売り呼び値のスプレッドを含む)を生み出すべく努めている。加えて、当社は、顧客の要望に応えて、または顧客の要望を見込んで、通常は短期間にわたりトレーディング商品を維持している。当社はまた、これらのマーケット・メイキング活動により生じるリスク・エクスポージャーを積極的に管理するためにトレーディング商品を保有している。当社のマーケット・メイキング・トレーディング商品は、貸借対照表上の保有金融商品(ロングポジション)または売却済未購入金融商品(ショートポジション)に計上される。
当社の業績は、(ⅰ)顧客の取引水準および取引上の買い呼び値/売り呼び値のスプレッド(総称して「顧客の活動」)、ならびに(ⅱ)当社のトレーディング商品の公正価値の変動、ならびに当社のトレーディング商品の保有、ヘッジおよび資金調達に関連する受取利息および支払利息(総称して「マーケット・メイキング上のトレーディング商品の変動」)を含む相互に関連し合う様々な要因による影響を受ける。マーケット・メイキング活動の性質が統合的なものであることにより、純収益を顧客の活動とマーケット・メイキング上のトレーディング商品の変動とに分割することは判断により異なるところであり、固有の複雑性および制限を伴うものである。
当社の純収益の額および構成は、これらが経済および市況に影響を及ぼす、市場におけるボラティリティおよび流動性、金利、為替レート、クレジット・スプレッド、株価およびコモディティ価格の変動、投資家の信頼感、ならびにその他のマクロ経済的懸念および不確実性を含む相互に関連する様々な要因による影響を受けるものであるため徐々に変化する。
一般に、その他すべてのマーケット・メイキングの条件が一定のままであると仮定すると、顧客の取引水準または買い呼び値/売り呼び値のスプレッドが上昇した場合、純収益が増加する傾向にあり、また当該取引水準またはスプレッドが下落した場合は、純収益が減少する傾向にある。しかし、マーケット・メイキングの条件が変動した場合、顧客の取引水準および買い呼び値/売り呼び値のスプレッド、ならびに当社のトレーディング商品の公正価値に重大な影響を及ぼす可能性がある。たとえば、市場の流動性が低下した場合、(ⅰ)当社の買い呼び値/売り呼び値のスプレッドの上昇、(ⅱ)投資家の信頼感の低下とそれに伴う顧客の取引水準の低下、および(ⅲ)当社のトレーディング商品のポジションに対するクレジット・スプレッドの拡大という影響が及ぶおそれがある。
事業環境
2015年度下半期を通して存在していた機関投資家向けクライアント・サービス・セグメントの事業環境における厳しい情勢は、2016年度第1四半期においても継続した。こうした情勢には、グローバルな経済成長および中央銀行活動に対する懸念や不確実性が含まれる。これらの懸念は、株式市場および債券市場の双方における大幅な価格圧力の一因となった。ボラティリティは、2月に最高値に達し、VIX指数は28ポイントを超えた。またグローバル株式市場は、第1四半期前半において著しく衰退し、ユーロストックス50指数およびFTSE100指数の底値がそれぞれ18パーセントおよび11パーセント下落した。欧州におけるハイイールド商品発行体のクレジット・スプレッドは、エネルギー部門により牽引され、第1四半期初めにおいて1.7パーセント以上拡大した。また、石油価格および欧州における天然ガス価格は、2015年度中旬からの下落傾向が継続し、それぞれ底値が1バレル(WTI)当たり26ドルおよび1百万英サーマルユニット(「MWh」)当たり11.75ユーロに達した。グローバルな経済成長に対する懸念は、第2四半期初めに緩和されたが、市場は英国の欧州連合(「EU」)からの脱退の可能性を取り巻く政治不安と経済的な影響にますます重点を置くようになった。「離脱への投票(leave vote)」に呼応して、FTSE100指数は2日間で6パーセント下落し、取引高は全般に急増したが、その双方がその後すぐに大幅に反転した。また、2016年度上半期においてユーロストックス50指数は12パーセント下落した。低金利を含むこの困難な環境は、顧客の景気感およびリスク選好度に影響を及ぼし、マーケット・メイキングの条件は引き続き困難なものとなった。
2016年度下半期中、欧州株式市場が堅調に上向いたために事業環境が改善し、FTSE100指数が10パーセント上昇し、ユーロストックス50指数が15パーセント上昇した。株式市場における平均ボラティリティは、期首現在と比較して2016年度下半期中に低下した。クレジット市場およびコモディティ市場においては、2016年度下半期中に欧州の投資適格クレジット・スプレッドおよびハイイールド商品のクレジット・スプレッドがそれぞれ0.12パーセントおよび0.81パーセント縮小し、また石油価格および欧州における天然ガス価格は、それぞれ1バレル(WTI)当たり約54ドルおよび1MWh当たり18.50ユーロまで上昇した。これらの傾向が、2016年度下半期中の顧客の景気感およびマーケット・メイキングの条件の改善を牽引した。当年度中のグローバルな事業環境における経済状況および市況に関する詳細については、上記「事業環境」参照。
2015年度中、機関投資家向けクライアント・サービスの事業は、ボラティリティ水準の上昇が、為替、金利商品および株式商品における堅調な顧客取引水準に寄与し、マーケット・メイキング環境が改善されたため、第1四半期の米国およびユーロ圏における中央銀行の多様化した金融政策が追い風となった。しかし、2015年度の残存期間中、世界の経済成長に対する懸念および米国連邦準備制度理事会の金利政策の不透明感に加え、世界的な株価の下落、ハイイールド商品のクレジット・スプレッドの拡大およびコモディティ価格の低下が、とりわけモーゲージおよびクレジットにおける顧客取引水準の低下ならびに一層困難なマーケット・メイキング条件に寄与した。
2016年度と2015年度の比較
2016年度における機関投資家向けクライアント・サービスの純収益は45.9億ドルで、2015年度と比較して6パーセント減少した。
2016年度における顧客取引執行のための債券・為替・コモディティ取引の純収益は25.2億ドルで、2015年度と比較して実質的に増減なしであった。
2015年度の業績と比較した、顧客取引執行のための債券・為替・コモディティ取引の事業別の純収益を以下に詳述する。
・金利商品の純収益は、顧客取引水準が上昇したことを反映して大幅に増加した。
・コモディティおよびモーゲージの純収益は、2016年度第2四半期中にマーケット・メイキングの条件が改善したことを反映して大幅に増加した。
・通貨の純収益は、2015年度(堅調であった2015年度第1四半期を含んでいる)と比較して新興市場商品におけるマーケット・メイキングの条件が不利であったことを反映し、大幅に減少した。
・クレジット商品の純収益は、特に2016年度第1四半期中にマーケット・メイキングの条件が困難なものであったことを反映して、大幅に減少した。
2016年度における株式関連業務の純収益は20.7億ドルで、2015年度と比較して12パーセント減少した。これは、現金性商品およびデリバティブ双方における顧客取引執行のための株式取引の純収益が大幅に減少したことによるものであった。
投資および貸付業務
投資および貸付業務には、当社による直接投資が含まれ、これは通常長期的な性質である。また、他のGSグループ事業体に対する投資サービスの提供に関連した純収益も含まれる。
2016年度と2015年度の比較
2016年度における投資および貸付業務の純収益は500百万ドルで、2015年度と比較して39パーセント増加した。これは、主として2015年度と比較して市場の変動が概してより有利であったことによる。
投資運用業務
投資運用業務は、投資運用サービスおよびウェルス・アドバイザリー・サービス(ポートフォリオ管理および財務相談を含む)ならびに個人富裕層および家族を対象とした委託売買業務およびその他の取引サービスを提供している。投資運用業務は、GSグループが運用するファンドに対する投資サービスの提供に関連した収益も含む。
2016年度と2015年度の比較
2016年度における投資運用業務の純収益は322百万ドルで、2015年度と比較して32パーセント減少した。これは、資産運用手数料等が減少したことを反映している。この減少は、主としてGSグループが運用するファンドに対する投資サービスの提供による純収益の減少による。
地域別データ
地域別の当社の純収益の概要については、本書第一部第6 1「財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記4参照。
一般管理費
一般管理費は、主に報酬(グループ・インクの株価が株式報酬に与える影響を含む)、従業員数および事業活動の水準の影響を受ける。直接的従業員費用には、給与、手当、裁量報酬、株式報酬の償却および時価評価ならびに福利厚生といったその他の項目が含まれる。裁量報酬は、とりわけ純収益の水準、全般的な財政上の成績、労働市場の実勢、事業の構成、株式報酬制度の内容および外部環境等により著しい影響を受ける。
下表は、当社の一般管理費と従業員数合計(社員、顧問および派遣従業員を含む)を示したものである。
| (単位:百万ドル) | 2016年12月終了年度 | 2015年12月終了年度 |
|---|---|---|
| 直接的従業員費用 | 2,974 | 2,834 |
| 仲介、決済、取引および販売手数料 | 568 | 550 |
| 市場開拓費 | 61 | 95 |
| 通信およびテクノロジー費用 | 85 | 88 |
| 減価償却費 | 7 | 4 |
| 事務所関連費用 | 161 | 173 |
| 専門家報酬等 | 110 | 147 |
| その他費用 | 303 | 186 |
| 人件費以外の費用合計 | 1,295 | 1,243 |
| 一般管理費合計 | 4,269 | 4,077 |
| 期末現在の従業員数合計 | 5,903 | 6,458 |
上表において、直接的従業員費用には、2016年度は488百万ドルおよび2015年度は6百万ドルの株式報酬の時価評価に関連した引当金を含む。
2016年度と2015年度の比較
2016年度の一般管理費は42.7億ドルであり、2015年度と比較して5パーセント増加した。2016年度の直接的従業員費用は29.7億ドルであり、2015年度と比較して5パーセント増加した。両年度の株式報酬の時価評価の影響を除くと、2016年度の直接的従業員費用は24.9億ドルであり、2015年度と比較して12パーセント減少した。これは、純収益の減少を反映している。従業員数合計は、2016年度中に9パーセント減少した。
2016年度における人件費以外の費用は13.0億ドルであり、2015年度と比較して4パーセント増加した。
支払利息および類似の費用
支払利息および類似の費用は、親会社およびグループ会社からの長期劣後ローンに対する利息から成る。
2016年度と2015年度の比較
2016年度の支払利息および類似の費用は346百万ドルであり、2015年度と比較して21パーセント増加した。これは、平均長期劣後貸付債権残高の増加と平均金利の上昇を反映している。
経常利益に対する課税
2016年度の実効税率は25.1パーセントであり、これに対して2016年度中に当社に対して適用される英国の法人税率は28.0パーセントであった。実効税率は、当社の経常利益に対する課税額を税引前経常利益で除した値を示している。当社に対して適用される英国の法人税率は、2015年度通年の20.25パーセントから増加したが、これは、主として銀行業務からの利益に対する8パーセントのサーチャージの適用によるものであった。
2016年9月に、2020年4月1日付で英国法人税基準率を1ポイント引き下げる内容の予算が成立した。これに応じて、当社は、繰延法人税資産の再測定を行ったが、この変更は、2016年度の当社の実効税率に重大な影響を与えなかった。
貸借対照表および資金調達源
貸借対照表管理
当社のリスク管理統制上の課題の1つとして、貸借対照表の規模および構成を管理できるようにすることが挙げられる。GSIは、GSグループのレベルで行われている全社的な貸借対照表管理のプロセスをこれらの要素の管理に利用している。グループ・インクおよびその子会社の資産基盤は、顧客の活動、相場の変動および事業機会によって変動するが、当社の貸借対照表の規模および構成は、特に(ⅰ)GSグループの全体的なリスク許容度、(ⅱ)GSグループの自己資本の額および(ⅲ)GSグループの資金調達プロファイルを含む要素を反映する。当社の自己資本の管理手続に関する情報については、本書第一部第2 3「事業の内容-自己資本管理および規制上の資本-自己資本管理」参照。
GSIは、適切なリスク管理を行うため、十分に流動性の高い貸借対照表の維持に努め、GSグループの資産および負債の積極的な管理のための手続を利用しており、これには(ⅰ)貸借対照表計画、(ⅱ)事業別限度額、(ⅲ)主要指標のモニタリングおよび(ⅳ)シナリオ分析が含まれる。
貸借対照表計画
GSグループは、資産合計および資産構成の見積りと、1年間の計画対象期間において予定される資金調達源とを組み合わせた貸借対照表計画を作成する。この計画は半期ごとに見直され、事業上の必要性や市況の変化に応じて調整されることがある。この計画手続の目的は、以下のとおりである。
・金融市場の概況および事業取引の予想される水準ならびに規制要件を考慮に入れて、貸借対照表見積りを作成すること。
・ビジネス・リスク・マネージャーおよび独立した管理・サポート部門のマネージャーが、全体的な貸借対照表の制約(GSグループの負債プロファイルおよび自己資本の水準、ならびに主要指標を含む)の中で、貸借対照表上の限度額に関するビジネス・マネージャーからの要請を客観的に評価できるようにすること。
・見積資産および契約上の満期到来に基づき、目標とする資金調達の金額、期間および種類を通知すること。
GSグループの貸借対照表計画を作成するため、ビジネス・リスク・マネージャーおよびGSグループの独立した管理・サポート部門のマネージャーは、ビジネス・マネージャーらと会合を持ち、当期および前期の情報を検討し、次期の予想について協議する。検討される情報は具体的には、資産および負債の規模および構成、限度額の利用状況、リスクおよび業績の指標ならびに資本の利用状況等である。
事業別の貸借対照表、資金調達見積りおよび主要指標の見積り等の連結貸借対照表計画は、GSグループのファームワイド財務委員会(GSグループのファームワイド・リスク委員会の小委員会である)によって検討されかつ承認される。GSグループおよび当社のリスク管理体制の概要については、本書第一部第5 5(1)「コーポレート・ガバナンスの状況-④リスク管理-リスク管理の概要および体制」参照。
事業別限度額
GSグループのファームワイド財務委員会は、各事業について資産および負債の限度額を定めている。これらの限度額は、ビジネス・マネージャーと、独立した管理・サポート部門のマネージャーの間の迅速な上申および協議が日常的に確保されるように、GSグループの最大限のリスク選好度を反映したレベルではなく、実際の運用レベルに近い水準に設定されている。GSグループのファームワイド財務委員会は、半期ごとに貸借対照表上の限度額の検討および承認を行う。また事業上の必要性や市況の変化に応じて、より頻繁に限度額の変更を承認する場合がある。さらに、GSグループのリスク・ガバナンス委員会は、一定の金融商品について、トレーディング商品のより長期の保有を防ぐため、長期保有トレーディング商品限度額を定めている。限度額の変更要請は、GSグループの主要指標に与える影響を考慮して判断される。限度額の遵守状況は、ビジネス・リスク・マネージャーおよび独立した管理・サポート部門のマネージャーによって日々モニターされている。
主要指標のモニタリング
資産および負債の規模および構成、限度額の利用状況ならびにリスク指標等の主要な貸借対照表指標は、事業別に、またGSグループ・ベースでも日々モニターされている。資産は、各事業に配分され、新たな事業活動や相場変動により生じた動きが検討および分析されている。
シナリオ分析
GSグループは、貸借対照表の規模および構成の管理をいかにして行うかを判断するため、グループ・インクおよびその子会社のシナリオ分析を行う。これらのシナリオは、多岐にわたる経済シナリオに基づく様々なマクロ経済的な仮定およびGSグループ独自の仮定を用いて、短期および長期の対象期間を想定する。これらの分析は、資産、資金調達および自己資本の水準・構成を含む、長期的な貸借対照表の管理戦略を策定するための補助として活用される。さらに、これらのシナリオ分析は、重大なストレス環境下を含む様々な状況において、適切な資金調達、流動性および資本を維持する手法を策定する助けにもなる。
流動性および現金
当社は、ストレス環境下で現金支出および担保提供が必要となる様々な可能性に対応するために、グローバル・コア流動性資産(「GCLA」)と呼ばれる流動性を維持している。当社のGCLAの構成および規模の詳細については、後記「流動性リスク管理-流動性リスク管理原則-グローバル・コア流動資産」参照。
資金調達源
当社は、担保付融資、会社間無担保借入および外部無担保借入を主な資金調達手段としている。GSIは、以下を始めとする多様な商品を通じてこの資金を調達している。
・担保付借入金。これはすなわち、買戻条件付契約および貸付有価証券担保金である。
・グループ・インクおよびその他の関係会社からの会社間無担保ローン
・外部の取引先および関係会社双方に発行された債券。これには、担保付デリバティブ商品(ノート、証書およびワラントを含む)およびバニラ債、さらに売却ではなく資金調達として計上されていた資産の移転が含まれる。
一般にGSIは、様々なグローバル市場において、自社の資金調達のための商品を多数の多様な債権者に対して、当社自身の販売員および第三者販売業者を通じて販売している。当社は、外部債権者との関係は当社の流動性に重要な意味を持つと考えている。これらの債権者は、銀行、借入有価証券の貸付人、年金ファンド、保険会社、ミューチュアル・ファンドおよび個人等である。GSIは、その外部資金調達プログラムにおける債権者の集中をモニタリングするため、様々な社内ガイドラインを設定している。
担保付資金調達
当社は、買戻条件付契約、貸付有価証券担保金およびその他の担保付借入金等の形で、トレーディング商品の相当な部分について必要な資金を、外部の取引先および関係会社から担保付で調達する。当社はまた、証券貸借契約に基づき借り入れた有価証券の担保として、またはデリバティブ取引の担保として、当社のトレーディング商品を差し入れることがある。当社はまた、自らまたは顧客による(売却済未購入の)有価証券の売建て取引をカバーするために、自社のトレーディング商品を用いる。担保付資金調達は、貸し手に担保を提供するため、無担保資金調達の場合よりグループ・インクおよび/またはGSIの信用の質の変化の影響を受けにくい。とはいうものの、GSIは、取引満期、満期の構成、取引先の集中、担保の適格性および取引先のロールオーバーの可能性を考慮して、当社の担保付資金調達の借換リスクを継続的に分析する。GSIは、借換リスクの軽減を図るために、満期が分散化した期間取引、取引先の分散化、余剰の担保付資金調達、およびGCLAを通じた残余リスクへの事前の資金調達を実施している。
GSIは、資金調達源である資産の流動化に適切な期間が設定された担保付資金調達の実行に努めており、とりわけ市場ストレス時には担保付での資金調達がより困難となり得る種類の資産を担保とする担保付資金調達の場合に、長めの満期を設定することに努めている。これには、モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券、非投資適格社債、株式および転換社債ならびに新興市場証券が含まれる。GSIの外部からの担保付資金調達は、流動性の高い政府債を担保とする資金調達を除き、主として満期までの期間を1ヶ月以上に設定している。
GCLAに含めることができない有価証券を担保とする当社の担保付資金調達の過半は、短期買戻条件付契約および証券貸借取引を通じて実行している。当社は、債券も利用して資金を調達している。
下表は、貸借対照表上の「担保付借入金」および「その他未払金」に含まれるGSIの担保付資金調達を示している。
| (単位:百万ドル) | 2016年12月現在 | 2015年12月現在 |
|---|---|---|
| 買戻条件付契約 | 84,581 | 38,578 |
| 貸付有価証券担保金 | 53,060 | 77,807 |
| 債券の発行 | 2,747 | 2,350 |
| 短期の担保付資金調達 | 140,388 | 118,735 |
| 買戻条件付契約 | 5,734 | 3,502 |
| 貸付有価証券担保金 | 499 | - |
| 債券の発行 | 1,567 | 1,908 |
| 長期の担保付資金調達 | 7,800 | 5,410 |
| 担保付資金調達合計 | 148,188 | 124,145 |
上表において、
・2016年12月現在の短期の買戻条件付契約および貸付有価証券担保金は、2015年12月と比較して212.6億ドル増加した。これは、主として顧客の活動の変化による。また、当社は、会社間貸付有価証券担保金取引332.5億ドル分を打ち切り、これらをより高い営業効率を達成するために買戻条件付契約に振り替えた。
・外部の取引先からの担保付資金調達は、2016年12月現在および2015年12月現在でそれぞれ488.1億ドルおよび398.4億ドルとなった。関係会社からの担保付資金調達は、2016年12月現在および2015年12月現在でそれぞれ993.8億ドルおよび843.1億ドルとなった。
貸借対照表上の「担保付借入金」および「その他未払金」に含まれる当社の外部からの担保付資金調達(GCLAに含めることのできる、流動性の高い有価証券によってのみ担保可能な資金調達を除く)の加重平均満期は、2016年12月現在、120日間を超えていた。
会社間での無担保借入金
GSIは、グループ・インクおよびその他の関係会社から、会社間での無担保借入を通じて資金調達を行っている。GSグループの無担保での資金調達の過半は、グループ・インクが行っており、これにより、調達した資金の中からGSIを含む各子会社に対し、それぞれの資産担保融資需要、流動性要件または資本要件を満たす資金が供給される。このような子会社の資金調達方法には、GSIおよびその他の子会社の資金需要の管理を強化し、かかる需要により柔軟に対応できるという利点がある。また、会社間での無担保借入は、債券の発行も含む。
下表は、貸借対照表上の「その他未払金」に含まれるGSIの会社間での無担保借入金を示している。
| (単位:百万ドル) | 2016年12月現在 | 2015年12月現在 |
|---|---|---|
| 親会社およびグループ会社からの借入金-無担保借入金 | 18,922 | 27,195 |
| 債券の発行 | 2,080 | 1,778 |
| 短期の会社間無担保借入金 | 21,002 | 28,973 |
| 長期劣後ローン | 8,958 | 8,958 |
| 親会社およびグループ会社からの借入金-無担保借入金 | 16,882 | 14,316 |
| 債券の発行 | 886 | 671 |
| 長期の会社間無担保借入金 | 26,726 | 23,945 |
| 会社間無担保借入金合計 | 47,728 | 52,918 |
外部からの無担保借入金
外部からの無担保借入金は、債券の発行および銀行ローンならびに当座貸越を含む。
下表は、貸借対照表上の「その他未払金」に含まれるGSIの外部からの無担保借入金を示している。
| (単位:百万ドル) | 2016年12月現在 | 2015年12月現在 |
|---|---|---|
| 銀行ローン | 164 | 63 |
| 当座貸越 | 7 | 4 |
| 債券の発行 | 7,992 | 9,722 |
| 短期の外部からの無担保借入金 | 8,163 | 9,789 |
| 銀行ローン | - | 100 |
| 債券の発行 | 8,704 | 5,317 |
| 長期の外部からの無担保借入金 | 8,704 | 5,417 |
| 外部からの無担保借入金合計 | 16,867 | 15,206 |
株主資本合計
GSIの株主資本合計は、2016年12月および2015年12月現在で、それぞれ275.3億ドルおよび263.5億ドルであった。GSIの資本に関する詳細については、本書第一部第2 3「事業の内容-自己資本管理および規制上の資本-規制上の資本」参照。
流動性リスク管理
概要(監査済)
流動性リスクは、当社独自の、もしくは広く業界全体もしくは市場全体における流動性ストレス事由が生じた場合に当社が資金調達をできなくなり、または当社の流動性ニーズを満たすことができなくなるリスクである。金融機関が破綻するケースの大半は、概ね流動性の不足によるものであるため、流動性は当社にとって極めて重要な意味を持つ。そのため、当社は、流動性および資金調達に関する包括的かつ保守的な方針を策定している。その主な目的は、当社の資金需要を満たすと共に、中核事業が不利な状況下でも顧客に応え、収益力を維持できるようにすることにある。
トレジャリーは、流動性および資金調達戦略の評価、モニタリングおよび管理を行う一次的責任を負っている。トレジャリーは、収益創出部門から独立しており、GSグループの首席財務執行役員に対して報告を行う。
GSグループの流動性リスク管理部門は、独立したリスク管理部門であり、ストレス・テストおよびリミット・ガバナンスを含むGSグループの流動性リスク管理の枠組みの管理および監督に対して責任を負っている。流動性リスク管理は、収益創出部門およびトレジャリーから独立しており、GSグループの首席リスク担当役員に対して報告を行う。
流動性リスク管理原則(監査済)
GSIは、(ⅰ)ストレス下における流出を補填するためのGCLAの形での十分な超過流動性の保持、(ⅱ)適切な資産・負債管理の維持、および(ⅲ)実行可能な緊急時資金調達計画の維持という3つの原則に従い、流動性リスクを管理している。
グローバル・コア流動資産
GCLAは、ストレス環境下で現金支出および担保提供が必要となる様々な可能性に対応するために当社が維持している流動性である。流動性について当社が最も重視している方針は、流動性危機に陥った場合に必要と予想される当社の潜在的現金および担保提供の必要性に対して事前に資金手当を行い、その流動性を、非担保対象であり流動性の高い有価証券および現金の形で保持することである。当社は、買戻条件付契約の締結により、または売戻条件付有価証券(「売戻条件付契約」)の満期により、流動化を通じて、当社のGCLA上で保有する有価証券を数日以内に現金に換金することができるほか、当該現金により、当座の債務履行に際し、その他の資産を売却したり、または信用リスクに敏感な市場から追加融資を受けたりすることなく対応できると考えている。
GSIのGCLAは、以下の原則を反映している。
・流動性危機に陥った場合に当社が生き延びられるか否かは、最初の数日または数週間にかかっている。
・資金調達に支障が生じた場合のみならず、発生する可能性のあるあらゆる現金支出および担保流出に留意し続けなければならない。当社の事業は多角的であり、市場の動向、担保需要および顧客とのコミットメントを含む多くの要因が流動性に対するニーズを決定し、これらの要因はいずれも資金調達が困難な環境下では著しく変動する場合がある。
・流動性危機に陥った場合には、無担保社債および一部の担保付融資契約等の信用リスクに敏感な資金調達手段を利用できなくなり、その他の担保付融資契約についても条件(たとえば、金利、担保条項および期間)が変更されたり、その利用可能度が変化する可能性がある。
・GSIは、危機発生時に必要となる可能性があると判断した流動性に対し事前に資金手当をするという方針をとっているため、非担保対象有価証券の保有高および社債の残高を当社が本来必要な水準以上に維持している。GSIは、流動性の高い非担保対象有価証券の保有残高を引き上げることにより、たとえその結果、当社の総資産および資金コストが増加するとしても、流動性を強化する効果が現れていると判断している。
当社のGCLAは、資金調達が困難な環境下でも、すべての主要な市場において適時決済を確保する上で十分な営業上の流動性を提供するために、資産種類、発行体および清算機関にわたり配分されている。
当社は、GCLAにより、発生する可能性のある現金支出および担保の流出について事前に手当可能な弾力性のある資金源を確保することができ、資金難に直面した場合でも柔軟に対応できると考えている。
資産・負債管理
当社の流動性リスクの管理方針は、資金調達市場が長期的なストレスに晒されている場合であっても、十分な資金調達が確実に行えるよう構築されている。当社は、複数の市場、商品および取引先にわたる資金について、その満期および多様性を管理するほか、その資産の特徴および流動性プロファイルを考慮して、長期的かつ多様な外部資金調達プロファイルを維持するよう努めている。
GSIの資産・負債管理アプローチには以下が含まれる。
・現行の需要を上回る長期的で多様な資金の源泉を維持することに注力し、当社の資金調達のポートフォリオの全般的特徴について保守的な管理を行う。詳細は、上記「貸借対照表および資金調達源-資金調達源」参照。
・流動性、保有期間および担保付ベースで資産を借り入れる当社の能力に特に注力し、当社の資産基盤を積極的に管理およびモニタリングする。当社は、当社の資金調達要件およびストレス環境下において資産を流動化する能力を評価する一方で、適切にリスクを管理している。これにより、当社は、最も適切な資金調達のための商品および期間を決定することができる。当社の貸借対照表管理プロセスの詳細については、上記「貸借対照表および資金調達源-貸借対照表管理」参照。また、担保付ベースで資金を調達することが難しい資産クラスの詳細については、「-資金調達源-担保付資金調達」参照。
・当社資産の流動性プロファイルに比して満期までの期間が長い担保付および無担保の資金調達を行う。これにより、当社が資産の売却から流動性を生じさせる以前に債務の償還期限が到来するリスクを低下させることができる。GSIは流動性の高い貸借対照表を維持しているため、一定の資産の保有期間は、その契約上の満期日までの期間よりも実質的に短い可能性がある。
当社の目標は、平常時のみならず市場ストレス期にもその資産のための資金調達を行い、契約債務および偶発債務を履行するための十分な流動性を確保することである。動的な貸借対照表管理プロセスを通じて、実際の資産残高およびその予測を用いて担保付または無担保での資金調達の必要性が決定される。流動性危機が生じた場合には、資産の売却(当社のGCLAを除く)に依存しないようにするため、当社はGCLAをまず利用する。しかしながら、流動性危機が重大である場合または長期に及ぶ場合には、所定の方法で資産を売却することが賢明または必要な方法であると認識している。
緊急時資金調達計画
GSグループは、流動性危機や市場ストレス期間を分析し、対応するための枠組みを定めるために緊急時資金調達計画(GSI固有の補遺を含む)を整備している。当社の緊急時資金調達計画は、流動性危機および/または市場混乱の深刻さの評価およびそれらの管理を助けるために継続的に検討される一連の潜在的リスク要因、主要な報告や数的指標について概説している。また、緊急時資金調達計画には、当社が流動性危機に直面していると評価される場合に当社がとることのできる方策(これには、当社の潜在的現金需要および担保提供の必要性の見積額に対する事前の資金調達ならびに流動性の二次的源泉の利用が含まれる)についても記載されている。当該計画には、発生する可能性のある特定のリスクに対する緩和策および取組事項についても記載され、これらの実行責任者が定められている。
緊急時資金調達計画は、効率的な連携、管理および情報の流通を促進する人員の主要グループについて定めており、これらすべては危機発生時または市場ストレス下の管理において極めて重要である。また、緊急時資金調達計画は、これらのグループおよび人員の責任についても詳細に記載している。かかる責任には、重要な決断の実行および伝達、危機発生時または市場ストレス下における緊急時のあらゆる取組みの調整、流動性維持のための取組みの実施ならびに社内および社外とのコミュニケーションの管理が含まれる。
流動性ストレス・テスト
当社のGCLAの適切な規模を決定するため、当社の流動性リスクを認識し数値化する流動性流出モデルと称される社内的な流動性モデルが使用されている。また、その他の要因についても検討が行われている(日中流動性モデルと称される追加の社内的な流動性モデルを通じた日中流動性に対する潜在的ニーズの評価、長期ストレス・テスト・モデル結果、適用ある規制要件および金融市況や当社の経営状態に対する定性的評価を含むがこれらに限定されない)。流動性流出モデル、日中流動性モデルおよび長期ストレス・テスト・モデルの結果は、幹部経営陣に定期的に報告される。
流動性流出モデル
流動性流出モデルは、市場全体に及ぶストレスおよびGSグループに特有のストレスの組合せを含む複数のシナリオに基づくものであり、以下の定性的要素に特徴づけられる。
・消費者および企業の景況感の冷込み、金融および政治の不安定性ならびに市場価格の悪化(株式市場における潜在的な落込みおよびクレジット・スプレッドの拡大を含む)をはじめとする深刻で厳しい市場環境。
・重大な損失、評判被害、訴訟、幹部の辞任、および/または格付の引下げによってもたらされる可能性のあるGSグループに特有の危機。
以下は、流動性流出モデルにおいてモデル化されたパラメーターのうち重要なものである。
・30日間のシナリオにおける流動性に対するニーズ。
・グループ・インクおよびGSIを含むその格付対象子会社の長期的な優先無担保信用格付の2段階低下。
・無担保借入の満期到来等の契約上の流出および偶発的な流出(契約上要求されていないが、危機下において必要と考えられる行為等)の組合せ。GSIは、偶発的な流出の大部分は危機発生直後の数日または数週間以内に発生すると想定している。
・株式または無担保債券の不発行。
・GCLA以外の資産流動化の不存在。
流動性流出モデルが対象とする契約上および偶発的な現金支出および担保流出の可能性には以下が含まれる。
外部からの無担保資金調達
・契約上の流出:無担保長期債務およびその他の無担保資金調達商品すべての満期到来。GSIは、新たな無担保債券を発行できない事態や満期到来債券のロールオーバーを行うことができない事態を想定している。
・偶発的な流出:マーケット・メイカーとして通常の事業の枠内で行われる、未償還の長期債務およびハイブリッド金融商品の買戻し。
担保付資金調達
・契約上の流出:リファイナンスが不可能であるか、またはより広範囲のヘアカット(すなわち、当社にさらなる担保提供を要求する条件)によってのみリファイナンスが可能となるかのいずれかの要因のために、担保付資金調達取引の契約上の満期の一部が到来すること。これらの想定は、様々な要因の中で特に原担保の質、相手方との借換の可能性(相手方が取引満期時において担保付ベースで引き続き資金を提供するかどうかについての当社による評価)および相手方の集中を反映している。
・偶発的な流出:金融取引のための担保として差し入れられた金融資産価値の悪化。これは、当該金融取引に基づく追加担保の提供を必要とする。
店頭デリバティブ
・偶発的な流出:当社の店頭デリバティブ価値が悪化することによる相手方に対する担保の提供(セントラル・カウンターパーティーを通じて清算および決済されたもの(「店頭決済」)を除く)。
・偶発的な流出:取引終了、担保の置換、担保に関する紛争、再担保権の喪失、有担保コールまたはグループ・インクおよび/またはGSIの信用格付が2段階下がったことにより必要な解約金の影響、および相手方にコールされていないが相手方が利用することのできる担保を含む、店頭デリバティブに関連する現金または担保のその他の流出(店頭決済を除く)。
上場および店頭決済デリバティブ
・偶発的な流出:発行済上場および店頭決済デリバティブの価値が悪化することにより必要となる追加証拠金の差入れ。
・偶発的な流出:デリバティブ決済機関により要求される当初証拠金および保証金の増加。
顧客の現金および有価証券
・偶発的な流出:当社のプライム・ブローカレッジ業務に関連する流動性流出(顧客預金残高の引出しを含む)およびロングポジションの資金源となる可能性のある顧客のショートポジションの減少。
当社の有価証券
・偶発的な流出:ロングポジションの資金源となる可能性のある当社のショートポジションの減少または構成の変更に関連する流動性流出。
資金の手当がないコミットメント
・偶発的な流出:当社の資金の手当がないコミットメントに関する貸付の実行。貸付の実行に関する想定は、特にコミットメントおよび相手方の種類を反映している。
その他
・納税等の多額の現金支出の必要性。
日中流動性モデル
当社の日中流動性モデルは、流動性流出モデルと同じ定性的要素に特徴づけられるシナリオ分析を用いて当社の日中流動性に対するニーズを測定している。同モデルは、日中流動性の源泉の利用が制限されるというシナリオにおいて増加した日中流動性要件のリスクの評価を行う。
日中流動性モデルのモデル化された主要な要素は以下のとおりである。
・1日限りの決済期間における流動性に対するニーズ
・取引先からの現金支払の受領の遅延
・当社の第三者清算機関における日中貸出限度額の利用可能枠の減少
・活動の増加による受渡高の上昇
長期的ストレス・テスト
当社は、当社が厳しい流動性ストレスにさらされ、その後も継続的に困難に直面する環境の中で回復を図る長期ストレス期間における当社の流動性ポジションを見通すために、長期ストレス・テストを活用する。当社は、潜在的な長期ストレス期間に備えるために、保守的な資産・負債管理の確保に注力しており、当社の資産の特徴および流動性プロファイルを考慮して、長期的かつ多様な資金調達プロファイルを維持するよう努めている。
また当社は、当社の定例のリスク管理プロセスの一環としてストレス・テストを定期的に実施すると共に、市場の動向に応じて個別に作成した臨時のまたは商品別のストレス・テストを行う。
モデルの検討および検証
トレジャリーは、市況、経済状況および当社の事業構成の変化を反映させるために、当社の流動性流出モデル、日中流動性モデルおよびストレス・テスト・モデルを定期的に改良する。モデルの仮定を含む変化は、GSグループの流動性リスク管理部門によって評価および承認される。
モデルリスク管理部門は、当社の流動性モデルを独自に検討および検証する責任を負っている。当該モデルの検討および検証に関する詳細については、後記「モデルリスク管理」参照。
限度額
当社は、当社の様々なレベルおよび各種の流動性リスクでリスク限度額を使用し、当社の流動性エクスポージャーの規模を管理している。限度額は、当社の流動性リスク許容度を踏まえたリスクの許容レベルに関連して計測される。これらの限度額を設定する目的は、幹部経営陣による当社全体の流動性プロファイルのモニタリングおよび管理を支援することである。
GSIのリスク委員会は、当社の流動性リスクの限度額を設定している。限度額は頻繁に再検討され、必要な認可を取得した上で、変遷する市況または事業状況を反映するために恒久的または臨時的のうちいずれか該当する形式で変更される。
当社の流動性リスク限度額は、トレジャリーおよびGSグループの流動性リスク管理部門によってモニタリングされる。トレジャリーは、限度額を超過した事象を適時に認識し、かつその旨を上申する責任を負う。
GCLAおよび非担保対象指標
GCLA
種々の要因(当社の潜在的日中流動性ニーズの評価および金融市況や当社の経営状態の定性的な評価を含むがこれらに限定されない)の検討に加え、上記の当社の社内的な流動性リスクモデルの結果に基づき、当社は、2016年12月および2015年12月現在の当社の流動性ポジションが共に適切であったと考えている。2016年12月および2015年12月現在、GSIのGCLAに含まれる有価証券および一定の翌日物現金預金の公正価値は、それぞれ合計595.1億ドルおよび594.2億ドルとなり、これらの資産の公正価値の平均値は、2016年度が601.7億ドル、2015年度が572.2億ドルとなった。
下表は、当社のGCLAの公正価値の平均値を資産の種類別に示したものである。
| (単位:百万ドル) | 2016年12月 終了年度平均値 | 2015年12月 終了年度平均値 |
|---|---|---|
| 翌日物現金預金 | 12,144 | 3,412 |
| 米国政府債 | 25,222 | 19,308 |
| フランス政府債 | 7,240 | 10,769 |
| 英国政府債 | 8,750 | 13,425 |
| ドイツ政府債 | 4,610 | 7,488 |
| 日本政府債 | 2,208 | 2,813 |
| 合計 | 60,174 | 57,215 |
当社は、当社のGCLAの範囲を、資金調達が困難な環境下でも流動性が高いと当社が判断する、(ⅰ)非担保対象の米国政府債、(ⅱ)ドイツ、フランス、日本および英国の非担保対象政府債、ならびに(ⅲ)一定の翌日物米ドル現金預金および一定の翌日物現金預金の3種類の有価証券および現金のみに厳密に限定している。非担保対象有価証券の中でも流動性の低いものや約定済のクレジット・ファシリティー等も超過流動性の源泉となり得るが、当社はこれらをGCLAに含めていない。
当社は、現在および潜在的な流動性需要に対応できるよう、GCLAを維持している。流動性流出モデルおよび日中流動性モデルにより算出される最低GCLA要件は、当社が直接的に有しているものであり、GSIが流動性需要を満たすためにのみ利用することが意図されているものであって、グループ・インクはこれを利用することができないものと想定されている。GSIにおいて有しているGCLAに加え、GSグループがグループ・インクにおいてグローバルGCLAの一部を直接保有している。これは、場合によってはGSIまたはその他の主要な子会社に対して追加で提供されることがある。
その他の非担保対象資産
当社のGCLAに加えて、当社はその他の非担保対象現金および金融商品も大量に保有している。これらの資産には、当社のGCLAに含まれていないその他の政府債、マネー・マーケット優良証券、社債、マージン取引ができる株式、借入金および現金預金が含まれる。当社のその他の非担保対象資産の公正価値の平均値は、2016年度および2015年度において、それぞれ256.8億ドルおよび259.5億ドルであった。GSIは、これらの資産が、当社のGCLAに含めるのに適するほどの十分な流動性を有しているとは考えていない。
規制上の流動性枠組み
バーゼル委員会による流動性リスクの管理、水準およびモニタリングの国際的な枠組みの実施は、流動性カバレッジ比率(「LCR」)および安定調達比率(「NSFR」)の使用を要求している。
LCRは、事業体が、深刻な流動性ストレスの短期シナリオ下において予想される正味現金支出に相当する、またはこれを上回る額の無担保の高品質流動性資産を適切な水準に維持することを目的とするものである。欧州委員会により発表されたLCR規則は、2015年10月1日付で効力が発生した。PRAは、GSIを含む一定の金融機関が最初に最低比率80パーセントを達成し、これを2017年1月1日には90パーセント、2018年1月1日には100パーセントに引き上げる段階的期間を設定した。
NSFRは、満期1年以上の銀行機関の資産およびオフバランスシート取引に対する中長期的かつ安定した資金調達を促進することを目的とするものである。バーゼル委員会によるNSFRの枠組み上、銀行機関は、100パーセントの最低NSFRを維持しなければならない。なお、NSFRは2018年1月1日付で導入される予定である。2016年11月、欧州委員会は、GSIを含むEUの一定の金融機関に対してNSFRを実施する旨の規則案を発表した。この規則案は、金融機関に対し、満期を1年以上とする安定した資金調達を確保することを要求するものである。
当該規則の実施および適用ある規制当局が採択する修正は、今後、当社の流動性および資金調達の要件および体制に影響を及ぼす可能性がある。
信用格付
GSIは日常業務における資金需要の一部について、債券発行市場での資金調達に依拠しており、債券による資金調達の費用と当社がこの調達手段を利用できるか否かは、当社およびグループ・インクの信用格付によって影響される。信用格付はGSIにとって、一部市場での競争上(たとえば、店頭デリバティブ取引)、そして比較的長期にわたる取引を実行しようとする場合にも重要となる。GSIおよび/またはグループ・インクの信用格付が低下した場合のリスクに関する情報については、本書第一部第3 4「事業等のリスク―主なリスクおよび不確実性―流動性」参照。
下表は、フィッチ・インク(「フィッチ」)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス(「ムーディーズ」)およびスタンダード・アンド・プアーズ・レーティングズ・サービシズ(「S&P」)によるGSIおよびグループ・インクの無担保信用格付および今後の見通しを示したものである。
| 2016年12月現在 | |||
| フィッチ | ムーディーズ | S&P | |
| GSI | |||
| 短期債 | F1 | P-1 | A-1 |
| 長期債 | A | A1 | A+ |
| 格付見通し | 安定的 | 安定的 | 安定的 |
| グループ・インク | |||
| 短期債 | F1 | P-2 | A-2 |
| 長期債 | A | A3 | BBB+ |
| 劣後債 | A- | Baa2 | BBB- |
| 信託優先証券 | BBB- | Baa3 | BB |
| 優先株式 | BB+ | Ba1 | BB |
| 格付見通し | 安定的 | 安定的 | 安定的 |
2016年度第4四半期中、S&Pは、GSIの長期債格付をAからA+に引き上げ、見通しをウォッチ・ポジティブから安定的に変更した。さらに、フィッチは、GSIの見通しをポジティブから安定的に変更した。
当社は、信用格付機関が当社の格付を決定する際には主に、以下の事項が考慮されていると考えている。
・当社の流動性リスク、市場リスク、信用リスクおよびオペレーションリスクの管理体制
・当社の利益の水準および可変性
・当社の資本基盤
・GSIおよびGSグループのフランチャイズ、社会的評価および経営
・当社のコーポレート・ガバナンス
・外部的な営業および経済環境(場合に応じて、予想される政府支援その他の潜在的破綻等の体制上の理由の水準を含む)
・GSグループにおけるGSIの重要性
当社のデリバティブの一部は、GSIおよび/またはグループ・インクの信用格付の変動に基づいてGSIに担保の差入れを要求するか、または取引を中止することがある相手方との間の二者間契約の下で取引されている。当社は、すべての格付機関がグループ・インクおよびGSIの格付を両方同時にならびにそれぞれの格付を別々に引き下げた場合に生じるであろう担保の額または解約金を決定することにより、これらの二者間契約の影響を査定している。いずれか1つの格付機関の引下げも、引下げ時点における該当格付機関のグループ・インクおよびGSIに対する相対的格付によっては、すべての格付機関による引下げに匹敵する影響をもたらす可能性がある。当社は、取引先から追加の担保差入れを要求されていなくとも、グループ・インクおよび/またはGSIの長期信用格付が2段階低下した場合に要求され得る追加担保の差入れまたは解約金の支払のほか、取引先がその権利を有する担保をとりわけ確保できるよう、当社のGCLAを運用している。
下表は、グループ・インクおよび/またはGSIの信用格付が1段階および2段階低下した場合に報告日において取引先により要求される可能性のある二者間契約における当社の正味デリバティブ債務に関係した追加担保の差入れまたは解約金の支払額を示したものである。
| (単位:百万ドル) | 2016年12月現在 | 2015年12月現在 |
|---|---|---|
| 追加担保の差入れまたは解約金の支払額: | ||
| 信用格付が1段階低下した場合 | 491 | 401 |
| 信用格付が2段階低下した場合 | 1,811 | 1,457 |
キャッシュ・フロー
金融機関である当社のキャッシュ・フローは複雑であり、当社の利益性や純資産との関連性は薄い。そのため、当社はその流動性ポジションを評価する方法として、伝統的なキャッシュ・フロー分析は上記の流動性や資産・負債管理方針ほど意味のあるものではないと考えている。しかし、キャッシュ・フロー分析は、当社事業に関連する一定のマクロトレンドや戦略的取組みを際立たせるために有効な場合もある。
キャッシュ・フロー計算書は、本書第一部第6 1「財務書類」に記載されている。
2016年12月終了年度
2016年度末現在の現金および現金同等物は、79.0億ドル増の168.8億ドルであった。営業活動により生じた現金は正味83.4億ドルであった。
2015年12月終了年度
2015年度末現在の現金および現金同等物は、68.2億ドル増の99.7億ドルであった。営業活動により生じた現金は正味24.9億ドルであった。財務活動により生じた現金は正味43.3億ドルであり、これは、長期劣後貸付債権および普通株式資本の発行によるものであった。
金融負債の満期
当社の金融負債の満期分析については、本書第一部第6 1「財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記24参照。
市場リスク管理
概説(監査済)
市場リスクとは、市況の変動により、当社のトレーディング商品ならびにその他の一部の金融資産および金融負債の価値に損失が生じるリスクをいう。当社は、市場リスクをモニターするために様々なリスク指標を用いている。これらの指標の詳細は、下記の各項に記載されている。当社は、主として、当社の顧客のためのマーケット・メイキングのためにトレーディング商品を保有している。そのため、当社のトレーディング商品は、顧客の需要に基づき変動する。当社のトレーディング商品は公正価値にて計上されるため、日ごとに変動し、関連する利益および損失は純収益の項目に計上される。市場リスクの種類には、以下が含まれる。
・金利リスク:イールドカーブの水準、勾配および曲率、金利のボラティリティ、モーゲージの期限前返済速度ならびにクレジット・スプレッドの変動にさらされていることにより発生する。
・株価リスク:個別株式、株式バスケットおよび株式指標の価格やボラティリティの変動にさらされていることにより発生する。
・為替リスク:為替相場の直物価格、先物価格およびボラティリティの変動にさらされていることにより発生する。
・コモディティ価格リスクは、原油および金属等のコモディティの直物価格、先物価格およびボラティリティの変動にさらされていることにより発生する。
市場リスク管理部門は、収益創出部門から独立しており、GSグループの首席リスク担当役員に報告を行う。市場リスク管理部門は、市場リスクを評価、モニターおよび管理する主たる責任を負っている。強力な監督およびグローバル事業全体にわたる独立した管理・サポート部門を通じて、リスクのモニタリングおよび管理が行われている。
収益創出部門のマネージャーと市場リスク管理部門は、市場の情報、ポジションならびに想定されるリスクおよび損失シナリオについて、継続的に協議する。収益創出部門のマネージャーは、GSグループおよびGSIの双方のレベルについて予め定められた限度額にリスクを限定するよう管理する責任を負う。これらのマネージャーは、ポジション、市場およびリスクヘッジに利用できる商品について熟知している。
市場リスク管理プロセス(監査済)
当社は、エクスポージャーの多様化、ポジション規模の管理および関連する有価証券またはデリバティブの経済的ヘッジの構築を通じて、市場リスクの管理に努めている。このプロセスには、以下が含まれる。
・複数のリスク測定指標を組み込んだ、正確かつ適時なエクスポージャーに関する情報
・動的な限度額設定の枠組み
・収益創出部門、リスク・マネージャーおよび幹部経営陣間で常に連絡を取り合うこと
GSIの市場リスク管理の枠組みは、GSグループの枠組みに沿ったものであり、かつその一部である。そのため、業績の分析は事業ごとおよび全体について、GSグループのレベルおよびGSIのレベル両方について行われる。
リスク指標(監査済)
市場リスク管理部門は、リスク指標を作成し、設定された市場リスク限度額に照らしてそれらをモニターしている。これらの指標は、広範囲にわたるシナリオを反映しており、結果は商品、事業および全社レベルで集約される。
様々なリスク指標を使用し、中程度のものとより大きな市場の動き両方について、短期的および長期的な計測期間における潜在的な損失の規模を予測する。主要なリスク指標は、VaR(比較的短期の測定に使用される)およびストレス・テストである。GSIのリスク報告は、各事業に関する主なリスク、その要因および変化の詳細を記載しており、日々収益創出部門および独立した管理・サポート部門両方の幹部経営陣に配布される。
バリュー・アット・リスク(「VaR」)
VaRは、特定の信頼水準のもとで定義された計測期間に市場が不利に推移した場合に生じる潜在的な価値の損失を示すものである。通常、計測期間を1日とし、95パーセントの信頼水準が用いられる。VaRモデルは単一のモデルであり、そのモデルは、金利、株価、為替およびコモディティ価格を含むリスクを捉える。そのため、VaRは、異なるリスクの特徴を有するポートフォリオにわたる比較を容易にする。VaRはまた、GSI全体にわたって集約されたリスクの分散化も捉える。
VaRに内在する限界があるため、市場リスク管理プロセス上、様々なリスク指標が用いられる。VaRに内在する限界には、以下が含まれる。
・VaRは、極端な変動の可能性がある長期的な計測期間での潜在的な損失を予測することはできない。
・VaRは、異なるリスク・ポジションの相対的な流動性は考慮しない。
・市場リスク要因のそれまでの変動によって、将来におけるすべての市場の動きの正確な予測ができるとは限らない。
VaRの算定には、約70,000に及ぶ市場要素を完全に評価した過去の類似シミュレーションが利用される。VaRは、1つのポジションのレベルで、当該ポジションに関連した市場リスク要因に同時にショックを与えることにより算定される。5年分のヒストリカルデータをサンプルとし、VaRの算定に用いるシナリオが作成される。ヒストリカルデータには加重値が与えられ、データの相対的な重要性が時間の経過と共に減少するようになっている。これにより、より最近の測定値が重視され、現時点における資産価値のボラティリティが反映されるようになり、潜在的な損失の見積りの正確性が増す。そのため、VaRに含まれるポジションに変動がなくても、市場のボラティリティが上昇すればVaRは上昇し、また逆の場合もある。
ヒストリカルデータに依拠しているため、VaRは、市況に突然の根本的変化またはシフトが発生していない場合において、市場におけるリスク・エクスポージャーの見積りに最も効果的な方法である。
VaR指標には、以下は含まれない。
・感応度指標により最適な測定およびモニタリングができるポジション
・デリバティブに関する相手方およびGSグループのクレジット・スプレッドの変動ならびに損益を通じて公正価値で指定された無担保借入金に関するGSグループのクレジット・スプレッドの変動の影響
VaRモデルは、GSIを含むGSグループ全体にわたり一貫して適用されている。GSグループおよびGSIレベルで、またGSグループの各事業について、VaRモデルのバックテストが日々行われている(すなわち、1日のトレーディング純収益を、その前営業日に算出されたVaR指標と比較している)。
ストレス・テスト
ストレス・テストは、様々な仮定上のストレス・シナリオがGSグループに与える影響を測定する手法である。GSグループは、特定のポートフォリオのリスクおよびGSグループ全体にわたる重大なリスク・エクスポージャーの潜在的な影響およびGSIへの個別の影響を検証するためにストレス・テストを利用する。広範にわたる市場変動によるGSIのポートフォリオにおける潜在的な損失を算出するために、様々なストレス・テスト技術が利用されている。これらの技術には、感応度分析、シナリオ分析およびGSIのストレス・テストが含まれる。様々なストレス・テストの結果は総合して分析され、リスク管理に利用される。
感応度分析は、市場における1つのリスク要因の変化がすべてのポジション(たとえば、株価またはクレジット・スプレッド)にわたり及ぼす影響を定量化するために用いられる。このために、感応度分析は、予め定められた様々な市場ショック(1日だけのものと予想されるものから何ヶ月もかかって発生するものにまでわたる)を用いる。1事業体によるデフォルトの影響を定量化するためにも、感応度分析が用いられる。このことにより、大規模なエクスポージャーまたはエクスポージャーの集中を捉えることができる。
シナリオ分析は、特定の事象の影響を定量化するために用いられ、これにはかかる事象がどのように複数のリスク要因に同時に影響を与えるかも含まれる。たとえば、ソブリン債に対するストレス・テストとして、GSIは、そのソブリン・トレーディング商品に関連した潜在的かつ直接的なエクスポージャーならびにソブリン危機による影響を被る可能性があるその非ソブリン・トレーディング商品に関連した対応する債券、株式および通貨エクスポージャーを算出する。シナリオ分析を行う場合、通常、各シナリオについて起こり得る複数の結果が検討されるが、これには中程度のものから非常に不利なものまでにわたる市場への影響が含まれる。加えて、これらのストレス・テストは、過去の事象および予測的仮説に基づいたシナリオ両方を用いて構築される。
GSグループおよびGSI全体におけるストレス・テストでは、市場リスク、信用リスク、オペレーションリスクおよび流動性リスクを組み合わせ、1つのシナリオとしている。これらのストレス・テストは、主に資本計画およびストレス・テスト・プロセスの一環として自己資本適正度を評価するために用いられるが、同時に、ストレス・テストはリスク・ガバナンスの枠組みに確実に組み込まれるようにもされている。これには、資本計画およびストレス・テスト・プロセスに用いるのに適切なシナリオを選択することが含まれる。
VaRは特定の信頼水準で算定されるため、確率の要素を含んでいる。これに対して、GSグループのストレス・テストのシナリオには、通常、当該シナリオに該当する事象が発生する確率の要素は含まれていない。その代わり、ストレス・テストは、市場に内在する要因における中程度の変化およびより極端な変化の両方のモデル化に使用される。潜在的な損失を見積もるにあたり、通常、(当社の経験に基づけば通常可能であるにもかかわらず)ポジションが削減またはヘッジできないと仮定される。
ストレス・テストのシナリオは、定例のリスク管理プロセスの一環として定期的に、そして市場での事象または懸念に従い随時行われている。ストレス・テストは、リスク管理プロセスにとって重要である。なぜなら、それにより、当社がテールリスクに対する当社のエクスポージャーを定量化し、潜在的な損失の集中に着目し、リスク・リターン分析を行い、そして当社のリスク・ポジションを評価して軽減することができるからである。
限度額
様々なレベル(事業体、事業および商品を含む)においてリスク限度額が使用され、当社が晒される可能性がある市場リスクの規模を管理することを通じてリスク選好度が調整されている。GSIの限度額は、VaRおよび当社のエクスポージャーに関連する様々なストレス・テストの範囲に基づき定められる。それらの限度額は、頻繁に再検討され、変化を続ける市況、事業の状況またはリスク許容度を反映するため、恒久的または臨時的に改正される。
GSI取締役会のリスク委員会およびGSIリスク委員会は、当社のリスク選好度と一致する、全社、事業および商品のレベルで当社の市場リスク限度額を設定する。
全社的な限度額設定の目的は、幹部経営陣による全体的なリスク・プロファイルの管理の支援である。二次的限度額は、承認されたレベルでのリスク限度額より低く設定される。二次的限度額は、特定の事業について、幹部経営陣の追加の承認を得ることなく管理できる日々のリスクについて望ましい最大値を設定しており、事実上個々のデスク・マネージャーおよびトレーダーに日々の意思決定をゆだねている。このように、二次的限度額は、リスク許容度の最大値を設定することよりも、適切な上申態勢を確保するために設計された管理手段である。二次的限度額はまた、様々な事業にわたり、それらの活動水準や顧客の需要に合致した形で、そして各分野における相対的なパフォーマンスを考慮してリスクを分散化する。
市場リスク限度額は、市場リスク管理部門により毎日モニターされており、同部門は、限度額を超過した事象を適時に認識し、上申することについて責任を負う。
リスク限度額の超過があった場合(たとえば、ボラティリティの上昇または相関関係の変化等、ポジションまたは市況の変化によるもの)、その状況は市場リスク管理部門のシニア・マネージャーおよび適切なリスク委員会に上申され、トレーディング商品の削減、および/またはリスク限度額の一時的もしくは恒久的な増加によって超過が解消される。
モデルの検討および検証
VaRおよびストレス・テスト・モデルは、市場リスク管理部門により定期的に検討され、市場リスクの指標に含まれるポジションの構成における変化および市況の変化を組み込むために改良される。仮定および/またはモデルに重要な変更を行う場合は、モデルリスク管理部門はそれに先立ちモデルの検証を行う。VaRおよびストレス・テスト・モデルに対する重要な変更は、GSグループの首席リスク担当役員および首席財務執行役員による再検討を経て、GSグループのファームワイド・リスク委員会および必要に応じてGSIリスク委員会による承認を受ける。
これらのモデルの検討および検証に関する詳細については、後記「モデルリスク管理」参照。
システム
GSグループは、以下のような市場リスクのモニターを行うために、多額の技術投資を行った。
・VaRおよびストレス指標の独立した算定
・リスク指標の個々のポジション・レベルでの算定
・各ポジションの個々のリスク要因とリスク指標の結びつけ
・リスク指標について多くの異なる見解を報告する能力(たとえば、デスク、事業、商品の種別または法人ごとに)
・適時に臨時の分析を提供する能力
指標(監査済)
下表は、リスクの種類別に、1日の平均VaRおよび年度末現在のVaR、加えて期間中の最高・最低VaRを示したものである。下表の分散効果は、VaRの合計と4種類のリスク別VaRの合計の差額を示している。この効果は、4種類の市場リスクが完全相関にないために生じるものである。
下表は、1日の平均VaRを示したものである。
| (単位:百万ドル) | ||||
| リスクの種類 | 2016年12月終了年度 | 2015年12月終了年度 | ||
| 金利 | 25 | 22 | ||
| 株価 | 17 | 17 | ||
| 為替 | 10 | 8 | ||
| コモディティ価格 | 2 | 1 | ||
| 分散効果 | (23 | ) | (17 | ) |
| 合計 | 31 | 31 | ||
2016年度の当社の1日の平均VaRは31百万ドルであり、2015年度と比較して増減なしであった。
下表は、年度末現在のVaRを示したものである。
| (単位:百万ドル) | ||||
| リスクの種類 | 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||
| 金利 | 23 | 23 | ||
| 株価 | 16 | 14 | ||
| 為替 | 8 | 13 | ||
| コモディティ価格 | 3 | 1 | ||
| 分散効果 | (24 | ) | (23 | ) |
| 合計 | 26 | 28 | ||
当社の1日のVaRは、主としてエクスポージャーの減少に起因する為替のリスクが減少したことを反映し、2015年12月現在の28百万ドルから2016年12月には26百万ドルに減少した。この減少は、エクスポージャーの増加に起因する株価リスクの増加により、部分的に相殺された。
下表は、最高・最低VaRをリスクの種類別に示したものである。
| (単位:百万ドル) | 2016年12月終了年度 | |
| リスクの種類 | 最高 | 最低 |
| 金利 | 37 | 20 |
| 株価 | 52 | 13 |
| 為替 | 20 | 5 |
| コモディティ価格 | 5 | - |
2016年12月終了年度における最高および最低VaRの合計は、それぞれ59百万ドルおよび24百万ドルであった。
感応度指標(監査済)
一部のポートフォリオおよび個々のポジションは、VaRがそれらのポジションの最適なリスク指標とはいえないため、VaRの対象外となっている。
10%感応度指標
下表は、VaR対象外のポジションに伴う市場リスクを示したものである。これらのポジションに伴う市場リスクは、その対象となるポジションの価値が10パーセント下落した場合に純収益が減少する潜在的可能性を見積もる方法で計測している。
| (単位:百万ドル) | 2016年12月現在 | 2015年12月現在 |
|---|---|---|
| 資産の種類 | ||
| 持分証券 | 11.8 | 10.8 |
| 債務証券 | 0.1 | 0.3 |
| 合計 | 11.9 | 11.1 |
信用リスク管理
概要(監査済)
信用リスクは、取引先(たとえば店頭デリバティブの相手方もしくは借主)または当社が保有する有価証券等の商品の発行体が債務不履行に陥り、あるいはその信用状態が悪化した場合に当社が被るおそれのある損失を示すものである。信用リスクに対する当社のエクスポージャーは、主に店頭デリバティブにおける顧客取引において発生する。また、信用リスクは、銀行預金、証券金融取引(売戻条件付契約・買戻条件付契約および有価証券の借入・貸付)ならびに未収金からも発生する。
信用リスク管理部門は、収益創出部門から独立した、GSグループの首席リスク担当役員に対して報告を行う部門であり、信用リスクの評価、モニタリングおよび管理について主要な責任を負う。GSIの信用リスク管理の枠組みは、GSグループの同枠組みに沿ったものである。GSグループの与信方針委員会およびファームワイド・リスク委員会は、GSグループ全体の与信の方針およびパラメーターを設定し、審査する。当社はまた、信用リスクを発生させるその他のポジション(当社がトレーディング商品として保有する債券等)も保有している。これらの信用リスクは、市場リスク指標の一部として捉えられ、市場リスク管理部門が他のトレーディング商品の状況と併せてこれをモニターおよび管理する。当社はまた、市場リスク・エクスポージャーを管理するため、デリバティブを利用する。かかるデリバティブもまた、信用リスク管理部門によりモニターおよび管理される信用リスクを発生させる。
信用リスク管理プロセス(監査済)
信用リスクを効率的に管理するためには、正確かつ適時な情報ならびに顧客、国、業界および商品ごとの高水準のコミュニケーションおよび知識が必要とされる。信用リスクは、下記のようなプロセスを用いて管理されている。
・取引の承認ならびに信用エクスポージャー限度額の設定および伝達
・設定された信用エクスポージャー限度額が遵守されているかの監視
・取引先が支払義務の不履行に陥る可能性の評価
・当社の現在の信用エクスポージャーおよび潜在的信用エクスポージャーならびに取引先の不履行により生じる損失の測定
・幹部経営陣、GSI取締役会および規制当局への信用エクスポージャーの報告
・担保およびヘッジを含む信用リスク軽減策の利用
・他の独立した管理・サポート部門(オペレーション、法務およびコンプライアンス等)とのコミュニケーションおよび協力
信用リスク管理部門は、リスク評価プロセスの一環として、当社取引先の初期分析および継続的分析を含む信用審査を行っている。当社の信用エクスポージャーの大部分については、年次の取引先の信用審査が主要なプロセスとなる。信用審査は、取引先がその金融債務を履行する能力および意欲を有しているかの独自の分析であり、当社内で格付を行っている。社内信用格付を決定する際には、取引先の業界の性質および見通し、ならびに経済情勢に関する予測も加味される。信用リスク管理部門の幹部スタッフは、特定の業界に関する専門知識を駆使し、信用審査および社内信用格付を検査し、承認する。
グローバル信用リスク管理システムは、個々の取引先のみならず取引先とその子会社の全体(経済グループ)に対する信用エクスポージャーも捉えている。このシステムはさらに、商品別、社内信用格付別、業界別、国別および地域別の総合的な信用リスクに関する包括的な情報を管理する役割を果たしている。
リスク指標および限度額
信用リスクは、取引先が支払不能に陥った場合における潜在的な損失に基づき、現在のエクスポージャーおよび潜在的なエクスポージャーを用いて測定される。デリバティブおよび証券金融取引について、現在のエクスポージャーとは、適用あるネッティングおよび担保に関する契約を考慮後の当社に対する現在の債務額をいい、潜在的エクスポージャーとは、特定の信頼水準のもとで、市場の推移に基づき取引期間中に発生する可能性のある将来のエクスポージャーの予測であり、ネッティングおよび担保に関する契約も考慮したものをいう。
信用限度額は、信用エクスポージャーの規模および性質を管理するため、様々なレベル(たとえば、取引先別、経済グループ別、業界別または国別)で設定される。取引先および経済グループに関する限度額は定期的に審査され、当該取引先または取引先グループに対するリスク選好度の変化を反映する形で修正される。業界および国に関する限度額は、当社のリスク許容度に基づいており、信用リスク集中の定期的なモニタリング、審査、上申および管理を見越して設定されている。
GSIの取締役会のリスク委員会およびGSIリスク委員会は、当社のリスク選好度と一致する、全社レベル、事業レベルおよび商品レベルの当社の信用リスク限度額を承認する。さらに、GSIリスク委員会は、GSIレベルで二次的信用リスク限度額の設定を行うための枠組みを承認するが、この権限は、GSI信用委員会に対して委譲されている。信用リスク管理部門は(GSグループのリスク・ガバナンス委員会およびGSI信用委員会より委譲された権限を通じて)、個々の取引先別、経済グループ別、業界別および国別の信用限度額を設定する。GSグループのファームワイド・リスク委員会、リスク・ガバナンス委員会および与信方針委員会に認められた方針は、適用あるネッティング条項、担保またはその他の信用リスク軽減策を考慮の上、GSグループが取引先に対する信用エクスポージャーを負担する際に必要とされる全商品分野を通じた正式な承認のレベルを定めている。
ストレス・テスト
取引先の信用格付または信用リスク要因(たとえば、為替、金利、株価)にショックが及ぶことにより発生し得る潜在的集中等の信用エクスポージャーを算定するために、定期的にストレス・テストが実施されている。かかるショックには、緩やかな、またはより急激な市場の動きも幅広く含まれる。ストレス・テストには、市場または経済において深刻な事象が発生した場合に合わせて、複数のリスク要因にショックが及ぶよう設計されたものもある。ソブリン債の不履行の場合については、信用リスク管理部門は、不履行が当社の信用エクスポージャーに与える直接的影響、不履行に反応した市場の潜在的な動向から生じる当社の信用エクスポージャーの変動、ならびにソブリン債の不履行により生じ得るクレジット市場の悪化が融資先企業および取引先に与える影響を見積もっている。特定の信頼水準のもとで算定される潜在的エクスポージャーとは異なり、ストレス・テストに関しては、かかる事象が発生する確率に関して特に仮定を設けていない。
当社の日常的なリスク管理プロセスの一環として、定期的にストレス・テストが実施されており、また、当社は、市場の動向に応じて個別に作成した臨時のストレス・テストを行う。ストレス・テストは、当社の市場リスク部門および流動性リスク部門と合同で行われる。
モデルの検討および検証
当社の潜在的な信用エクスポージャーおよびストレス・テスト・モデル、ならびに当該モデルまたは仮定に関する変更は、モデルリスク管理部門により検討される。当該モデルの検討および検証に関する詳細については、「モデルリスク管理」参照。
リスク軽減策
当社は、デリバティブおよび証券金融取引に関する信用エクスポージャーを軽減するため、取引先との間で債権債務を相殺できるネッティング契約を締結する場合がある。当社はまた、取引先から事前に、または条件付で担保を徴求し、かつ/または当該取引先の信用格付が一定水準を下回った場合に取引を終了させることのできる契約を締結することにより、取引先との間で発生する信用リスクを軽減することができる。当社は、担保の公正価値を日々モニターすることにより、信用エクスポージャーに対して適切な担保が付されていることを確保する。当社は、取引先の信用度と受領した担保の市場価値の間に顕著な正の相関関係が存在する場合のエクスポージャーを最小化することを目指す。
取引先の財務能力を十分に見通すことができない場合、または取引先が親会社からの支援を必要としていると当社が判断する場合は、当社は当該取引先の債務について第三者の保証を受けることがある。当社はまた、クレジット・デリバティブを活用して信用リスクを軽減することもある。
信用エクスポージャー(監査済)
GSIの信用エクスポージャーについては、下記でさらに詳述する。
保有金融商品
保有金融商品には、現物商品およびデリバティブが含まれる。当社のデリバティブに関する信用エクスポージャーは、主としてマーケット・メイキング活動から生じる。当社はマーケット・メイカーとして、顧客に流動性を提供し、それらのリスクの移転およびヘッジを促進するためデリバティブ取引を行う。当社はまた、市場リスク・エクスポージャーを管理するためにもデリバティブを利用する。下表では、現物商品は、エクスポージャー総額に含まれているが、市場リスクに含まれている限度で正味信用エクスポージャーからは除外されている。適法な相殺権が存在している場合で、かつ純額ベースで決済を行う意図ではない限り、デリバティブは当社の財務書類において取引先別の公正価値の総額ベースで計上される。店頭デリバティブは、上記のリスク・プロセス、指標および限度額を用いてリスク管理されている。
担保付契約
当社は、取引先に対して前貸しされた現金が受領担保の価額を超える範囲内においてのみ、担保付契約に関連する信用リスクを負っている。したがって、これらの取引に関する当社の信用エクスポージャーは、受領担保を考慮する前の公正価値または約定価値である貸借対照表に計上されている金額よりも大幅に少ない。当社はまた、これらの取引のために取引先に対して設定した担保権の価額が受取現金または受取担保の価額を超える範囲内において、貸借対照表上負債となっている担保付借入金に対する信用エクスポージャーも有している。
未収金
当社は、ブローカー/ディーラーおよび顧客ならびに親会社およびグループ会社からの受取債権を通じた、その未収金に起因する信用リスクにもさらされている。これらの未収金は、主に、デリバティブ金融商品負債に関連して取引先および決済機関に支払われた現金担保に関連した受取債権から成る。未収金には、顧客との有価証券取引に係る担保付受取債権が含まれる。かかる受取債権に関する信用リスクは、一般に、受領担保の価額およびこれらの受取債権は短期のものが多いことの双方から、最低限に抑えられている。
現金・預金
現金・預金には、利付預金および無利息預金両方が含まれる。貸倒損失のリスクを軽減するため、当社はその預金の大部分を高格付の銀行および中央銀行に預け入れている。
下表はそれぞれ、経営陣が信用リスクを判断する際に考慮する、当社の金融資産に係る信用エクスポージャーの総額ならびに当社のリスク管理プロセスにおいて市場リスクに含まれる資産、取引先との相殺(すなわち、特定の取引先に関し、強制執行可能な相殺契約上適法な相殺権が存在している場合に金融資産および金融負債を相殺すること)、および信用補完契約に基づいて受け入れた現金担保・有価証券担保および信用補完契約に基づいて差し入れた現金担保を考慮後の正味信用エクスポージャーを示している。これは、金融資産の種類および信用格付相当値(内部で決定された格付機関の公表格付に相当する値)別に表示されている。
下表における現金担保および有価証券担保の金額は、本書第一部第6 1「財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記25にて開示されている金額よりもわずかに高くなっている。これは、下表にて開示されている数値には、経営陣が信用リスクを判断する際に考慮する追加的な現金および有価証券担保が含まれているためである。
| (単位:百万ドル) | エクスポージャー総額 | 市場リスクに 含まれる資産 | 取引先との相殺 | 現金担保 | 受領有価証券担保 | 正味信用エク スポージャー | ||||||
| 金融資産の種類 | ||||||||||||
| 2016年12月現在 | ||||||||||||
| 保有金融商品 | 662,945 | (58,759 | ) | (525,887 | ) | (42,921 | ) | (16,136 | ) | 19,242 | ||
| 担保付契約 | 184,600 | - | (85,692 | ) | - | (95,741 | ) | 3,167 | ||||
| 未収金 | 68,960 | - | (3,531 | ) | (37,476 | ) | (4,864 | ) | 23,089 | |||
| 現金・預金 | 16,888 | - | - | - | - | 16,888 | ||||||
| 合計 | 933,393 | (58,759 | ) | (615,110 | ) | (80,397 | ) | (116,741 | ) | 62,386 | ||
| 2015年12月現在 | ||||||||||||
| 保有金融商品 | 616,054 | (62,850 | ) | (474,519 | ) | (43,121 | ) | (13,946 | ) | 21,618 | ||
| 担保付契約 | 163,703 | - | (48,219 | ) | - | (112,523 | ) | 2,961 | ||||
| 未収金 | 59,874 | - | (542 | ) | (32,202 | ) | (7,900 | ) | 19,230 | |||
| 現金・預金 | 9,974 | - | - | - | - | 9,974 | ||||||
| 合計 | 849,605 | (62,850 | ) | (523,280 | ) | (75,323 | ) | (134,369 | ) | 53,783 | ||
| (単位:百万ドル) | エクスポージャー総額 | 市場リスクに 含まれる資産 | 取引先との相殺 | 現金担保 | 受領有価証券担保 | 正味信用エク スポージャー | ||||||
| 信用格付相当値 | ||||||||||||
| 2016年12月現在 | ||||||||||||
| AAA/Aaa | 14,117 | - | (2,633 | ) | (2,172 | ) | (235 | ) | 9,077 | |||
| AA/Aa2 | 124,593 | - | (56,064 | ) | (23,156 | ) | (26,761 | ) | 18,612 | |||
| A/A2 | 603,808 | - | (488,712 | ) | (30,600 | ) | (66,657 | ) | 17,839 | |||
| BBB/Baa2 | 91,020 | - | (56,285 | ) | (16,746 | ) | (9,573 | ) | 8,416 | |||
| BB/Ba2以下 | 37,809 | - | (11,315 | ) | (7,709 | ) | (12,966 | ) | 5,819 | |||
| 格付なし | 62,046 | (58,759 | ) | (101 | ) | (14 | ) | (549 | ) | 2,623 | ||
| 合計 | 933,393 | (58,759 | ) | (615,110 | ) | (80,397 | ) | (116,741 | ) | 62,386 | ||
| 2015年12月現在 | ||||||||||||
| AAA/Aaa | 15,024 | - | (2,944 | ) | (2,385 | ) | (2,195 | ) | 7,500 | |||
| AA/Aa2 | 120,851 | - | (53,752 | ) | (18,425 | ) | (33,236 | ) | 15,438 | |||
| A/A2 | 530,383 | - | (415,540 | ) | (30,443 | ) | (69,077 | ) | 15,323 | |||
| BBB/Baa2 | 77,943 | - | (41,552 | ) | (15,834 | ) | (11,334 | ) | 9,223 | |||
| BB/Ba2以下 | 38,302 | - | (9,386 | ) | (8,140 | ) | (17,536 | ) | 3,240 | |||
| 格付なし | 67,102 | (62,850 | ) | (106 | ) | (96 | ) | (991 | ) | 3,059 | ||
| 合計 | 849,605 | (62,850 | ) | (523,280 | ) | (75,323 | ) | (134,369 | ) | 53,783 | ||
2016年12月および2015年12月現在それぞれの格付なしの正味信用エクスポージャー26.2億ドルおよび30.6億ドルは、金融資産に関連している。当社は、当該金融資産に対して内部で決定された格付機関の公表格付に相当する値を付していない。
金融資産に係る信用リスクに加え、当社は、条件付およびフォワード・スタート売戻条件付契約および有価証券借入契約における信用エクスポージャーも有している。これらの取引に関係する当社の信用エクスポージャー総額は、2016年12月および2015年12月現在で、それぞれ436.0億ドルおよび292.8億ドルであった。しかし、これらのコミットメントが履行された場合、この数値は、2016年12月および2015年12月現在で、それぞれ約432.6億ドルおよび292.1億ドルの担保により軽減される。その結果、これらのコミットメントに対する当社の正味信用エクスポージャーは、2016年12月および2015年12月現在でそれぞれ340百万ドルおよび64百万ドルであった。
2016年12月および2015年12月現在において、期日超過金融資産または減損金融資産は、重要なものでなかった。
オペレーションリスク管理
概要(監査済)
オペレーションリスクは、社内の手続、人員およびシステムの不足もしくは不備または社外の事象に伴う損失のリスクをいう。オペレーションリスクへのエクスポージャーは、日常的な手続上の過誤および大規模システム障害のような突発的な事由、または法的事由および規制に関連する事由から発生する。社内外のオペレーションリスクに関連する損失を発生させ得る潜在的事由には、以下の種類が含まれる。
・顧客、商品および商慣行
・執行、引渡および処理の管理
・業務の混乱およびシステム障害
・雇用慣行および職場の安全
・有形資産への損害
・内部不正行為
・外部不正行為
GSIのオペレーションリスク管理の枠組みは、オペレーションリスクを最小限に抑えるため、管理の行き届いた環境を提供すべく策定された、GSグループの包括的な管理の枠組みに完全に統合されている。GSIにおいては、EMEAオペレーションリスク委員会が、この地域のオペレーションリスクの枠組みの構築ならびに実施の経過ならびに健全かつ全社的な統制環境の促進を監視している。オペレーションリスク管理部門は、リスク管理のための組織であり、収益創出部門からは独立しており、GSグループの首席リスク担当役員に対して報告を行い、オペレーションリスクに対する当社のエクスポージャーを最小化することを目標として、オペレーションリスク管理のための方針、方法および定式化された枠組みを策定し、実施する責任を負う。
オペレーションリスク管理プロセス(監査済)
オペレーションリスクの管理には、適時かつ正確な情報と共に、強固な管理風土が必要とされる。オペレーションリスクは、下記の方法で管理されている。
・従業員の研修、監督および啓発
・主要なオペレーションリスクの特定および軽減への幹部経営陣の積極的な参加
・日常的にオペレーションリスクをモニターする独立した管理・サポート部門、ならびにオペレーションリスク事由の発生を防止するための幅広い方針および手続の導入ならびに管理
・収益創出部門と、独立した管理・サポート部門との活発なコミュニケーション
・オペレーションリスク・エクスポージャーを分析および評価するためのデータを円滑に回収することを目的としたネットワーク・システム
トップダウン・アプローチおよびボトムアップ・アプローチを組み合わせることにより、オペレーションリスクの管理および測定が行われている。トップダウンの視点からは、幹部経営陣が全社的かつ事業レベルのオペレーションリスク・プロファイルを評価している。ボトムアップの視点からは、収益創出部門および独立した管理・サポート部門が、オペレーションリスクの幹部経営陣への上申を含む日常的なリスク特定およびリスク管理の責任を負っている。
オペレーションリスク管理の枠組みは、バーゼル3に基づくオペレーションリスク測定規則を遵守すべく策定された部分もあり、常に変化している当社の業務上のニーズおよび規制上のガイダンスに応じて進化している。オペレーションリスク管理の枠組みは、下記の手続から成る。
・リスクの特定および査定
・リスクの測定
・リスクのモニタリングおよび報告
内部監査部門は、主要な管理、プロセスおよびアプリケーションを含むオペレーションリスク管理の枠組みについて、その有効性を評価するため年に1度独立した審査を実施している。
リスクの特定および査定
オペレーションリスク管理の枠組みの核となるのは、リスクの特定および査定である。オペレーションリスク事由に関して、方針および手続を含む包括的なデータ回収プロセスが実施されている。
収益創出部門および独立した管理・サポート部門のマネージャーに、オペレーションリスク事由を報告および上申することを求める方針が実施されている。オペレーションリスク事由が特定された場合、当該事由について書面化し、これを分析した上で、将来の事由の発生リスクをさらに軽減するために制度および/またはプロセスを変更する必要性を判断することが、方針上求められる。
さらに制度により、社内のオペレーションリスク事由データ、取引規模等の主要指標、および業績の推移等の統計情報を捉えることができる。社内で開発されたオペレーションリスク管理アプリケーションを用いて、かかる情報が統合され整理される。当社の主要なリスクの特定および査定手段の一つは、収益創出部門および独立した管理・サポート部門両方のマネージャーによって実施されるオペレーションリスクおよび管理の自己査定プロセスである。かかるプロセスは、予測的なオペレーションリスクの特定および格付ならびに関連する管理から成る。かかるプロセスの結果は、オペレーションリスク・エクスポージャーの評価、およびオペレーションリスクのレベルが高まっている事業、活動または商品の特定を行うため、分析される。
リスクの測定
GSIの各事業について、オペレーションリスクの発生頻度およびオペレーションリスクにより発生し得る損失の程度に関する定性分析を伴う統計的モデリングおよびシナリオ分析の双方を行い、12ヶ月間の対象期間にわたりGSIのオペレーションリスク・エクスポージャーが測定される。オペレーションリスクの測定にあたっては、下記のような要因の定性的および定量的な評価が実施される。
・社内および社外のオペレーションリスク事由のデータ
・GSIの内部統制の評価
・GSIの事業活動の複雑性の評価
・GSIのプロセスの自動化の度合いおよび可能性
・新活動情報
・法律および規制の環境
・GSIの商品およびサービスに関する市場の変動(GSIの顧客および取引先の多様性および高度化を含む)
・資本市場の流動性および資本市場を支えるインフラストラクチャーの信頼性
かかるシナリオ分析の結果は、オペレーションリスクの変化のモニタリングおよびオペレーションリスクに対するエクスポージャーを高めてきた可能性のある事業ラインの特定に使用される。最終的には、当該分析結果は、保有すべきオペレーションリスク資本の適切な水準の決定に利用される。
リスクのモニタリングおよび報告
事業の組合せまたはGSIが事業活動を行う法域の変化等、GSIのオペレーションリスク・プロファイルの変化は、会社レベルで上記の要素をモニターすることにより評価されている。GSIは、防止目的および探知目的いずれの内部統制も実施しており、当該内部統制は、オペレーションリスクによる損失の頻度および重度ならびにオペレーションリスク事由の発生する可能性を軽減することを目的としている。当社は、かかる内部統制の評価および独立内部監査の結果をモニターしている。
幹部経営陣、GSIリスク委員会およびGSI取締役会に対して、定期的なオペレーションリスク報告が提供されている。さらに、当社は、12ヶ月間の期間における単発の損失事由および累積損失を含むオペレーションリスク事由のモニター基準と共に、上申に関するプロトコルを定めている。上申基準を超過した事由が発生した場合、幹部経営陣およびGSI取締役会のリスク委員会に対し、それぞれオペレーションリスク報告が提供される。
モデルの検討および検証
オペレーションリスク管理部門が使用する統計モデルは、モデルリスク管理部門が独自に検討および検証する。当該モデルの検討および検証に関する詳細については、後記「モデルリスク管理」参照。
モデルリスク管理
概要(監査済)
モデルリスクとは、不正確なまたは不適切に使用されたモデルの出力結果に基づく判断により悪影響が生じる潜在的可能性をいう。GSグループは、一定の金融資産・負債の査定、そのリスクのモニターおよび管理、ならびにその規制上の資本の計測およびモニターを主な目的として、事業活動全般にわたり定量的モデルに依拠している。
GSIのモデルリスク管理の枠組みは、GSグループの枠組みと一致していると共に、その一部を構成している。GSグループのモデルリスク管理の枠組みは、ガバナンス体制およびリスク管理統制を通じて管理されており、これは、リスク評価および分類、健全なモデル開発体制、独自の検討ならびにモデル別の使用統制を含む包括的なモデル構造を維持するために策定された基準を網羅する。GSグループのファームワイド・リスク委員会およびGSグループのファームワイド・モデルリスクコントロール委員会は、モデルリスク管理の枠組みを監視する。モデルリスク管理部門は、モデル開発者、モデルオーナーおよびモデルユーザーから独立し、GSグループの首席リスク担当役員に対して報告を行い、モデルに関係する重大なリスクを特定および報告する責任を負い、ならびに幹部経営陣、リスク関連の諸委員会およびGSグループの取締役会のリスク委員会に定期的な報告を行う。
モデルの検討および検証
モデルリスク管理部門は、モデルを独自に検討、検証および承認する定量化業務の専門家職員から構成される。当該検討には、モデル文書の分析、独自のテスト、使用方法の適切性に関する評価、ならびにモデル開発および実施基準の遵守の検証が含まれる。モデルリスク管理部門は、年に1回、一切の既存モデルを見直し、新規モデルまたはモデルへの重要な変更を検討する。
モデル検証手続には、以下を批判的観点から評価および検証するために、広範なシナリオ(極限条件を含む)において多岐にわたるモデル、取引のパラメーターおよびリスクパラメーターを採用している。
・モデルの仮定事項の合理性を含むモデルの理論上の健全性およびモデルの用途に照らした適切性
・モデルを用途どおりに確実に機能させるためにモデル開発者が使用するテスト戦略
・モデルに組み込まれている計算手法の適合性
・関連する商品の特徴および重大なリスクをモデルが正確に反映しているか否か
・あるモデルについて、類似の商品に対する他のモデルとの一貫性
・入力パラメーターおよび仮定に対するモデルの感応度
当該分野における当社によるモデルの使用に関する詳細については、「重要な会計方針-公正価値-評価モデルの検討」、「流動性リスク管理」、「市場リスク管理」、「信用リスク管理」および「オペレーションリスク管理」参照。
第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
本書第一部第6 1「財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記12「固定資産-固定資産投資」参照。
2【主要な設備の状況】
本書第一部第6 1「財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記12「固定資産-有形固定資産」参照。
3【設備の新設、除却等の計画】
該当なし。
第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
| (2016年12月31日現在) | |||||
| 株式数 | |||||
| 授権株数(株) | 発行済株式総数(株) | 未発行株式数(株) | |||
| 米ドル普通株式 (1株当たり額面1米ドル) | - | 581,964,161株 | - | ||
| 株式合計数 | - | 581,964,161株 | - | ||
②【発行済株式】
| (2016年12月31日現在) | ||||
| 記名・無記名の別 及び 額面・無額面の別 | 種類 | 発行数(株) | 上場金融商品取引所名又は 登録認可金融商品取引業協会名 | 内容 |
| 1株当たり額面1米ドルの 記名式普通株式 | 米ドル普通株式 | 581,964,161株 | 該当なし | 各米ドル普通株式は、その種類株式内で1議決権を有する。米ドル普通株式は、種類株式全体として株主総会における議決権の100%を有する。 |
| 計 | - | 581,964,161株 | - | - |
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし。
(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
① 普通株式
| 年月日 | 発行済株式 総数増減数(株) | 発行済株式 総数残高 (株) | 普通株式額面総額 (1株当たり額面1ドル)および追加払込済資本金増減額 (単位:米ドルおよび円) | 普通株式額面総額 (1株当たり額面1ドル) および追加払込済資本金残高 (単位:米ドルおよび円) | ||
| 2012年12月31日 | - | 533,447,150 | - | - | 533.4百万 米ドル | (607億円) |
| 2013年12月31日 | - | 533,447,150 | - | - | 533.4百万 米ドル | (607億円) |
| 2014年12月31日 | - | 533,447,150 | - | - | 533.4百万 米ドル | (607億円) |
| 2015年12月31日 | 48,517,011 | 581,964,161 | 49百万 米ドル | (56億円) | 582.0百万 米ドル | (662億円) |
| 2016年12月31日 | - | 581,964,161 | - | - | 582.0百万 米ドル | (662億円) |
② 優先株式
| 年月日 | 発行済株式 総数増減数(株) | 発行済株式 総数残高 (株) | 優先株式(クラスAおよびクラスB)額面総額 (1株当たり額面0.01ドル) 増減額 (単位:米ドルおよび円) | 優先株式(クラスAおよびクラスB)額面総額 (1株当たり額面0.01ドル) 残高 (単位:米ドルおよび円) | ||
| 2012年12月31日 | (1,186,566,340) (注) | - | (9.6百万 米ドル) (クラスA 優先株式) (2.3百万 米ドル) (クラスB 優先株式) | (11億円) (クラスA 優先株式) (3億円) (クラスB 優先株式) | - | - |
| 2013年12月31日 | - | - | - | - | - | - |
| 2014年12月31日 | - | - | - | - | - | - |
| 2015年12月31日 | - | - | - | - | - | - |
| 2016年12月31日 | - | - | - | - | - | - |
(注)2012年12月、当社はその資本構成を整備し、優先株式を普通株式に転換した。以降、当社の運営は普通株式のみで行われている。
(4)【所有者別状況】
下記「(5) 大株主の状況」参照。
(5)【大株主の状況】
| (2016年12月31日現在) | ||||
| 種類株式 | 氏名又は名称 | 住所 | 所有株式数(株) | 発行済株式総数に対する所有株式数の割合(各種類株式におけるもの)(%) |
| 米ドル普通株式 | ゴールドマン・サックス・グループ UKリミテッド | 英国 ロンドン市 EC4A 2BB フリート・ストリート133、ピーターバラ・コート | 581,964,161株 | 100% |
2【配当政策】
取締役会は、当年度に関して普通配当の支払を行わないことを提言している。当社は、ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インクの間接完全所有子会社であり、英国の健全性規制機構(「PRA」)により権限を付与され、PRAおよび英国の金融行為監督機構(「FCA」)の規制対象となっている。当社による当社株主に対する配当の支払は、当社取締役会の判断に基づき決定され、また、PRAおよびFCAの監督の対象となっている。
3【株価の推移】
該当なし。
4【役員の状況】
| (下表記載の情報は、6月16日現在の情報である) | |||
| 役職 | 氏名および生年月日 | 所有株式数(注) | 任期 |
| 首席経営執行役員 | リチャード・J・ノッド (1960年3月31日生) | 0株 | 自2006年10月23日 至現在 |
| 業務執行取締役 | イザベル・イーレット (1963年1月26日生) | 0株 | 自2016年6月28日 至現在 |
| 会長兼非業務執行取締役 | ジョゼ・マヌエル・バローゾ (1956年3月23日生) | 0株 | 自2016年7月8日 至現在 |
| 非業務執行取締役 | ブライアン・グリフィス (1941年12月27日生) | 0株 | 自2007年6月26日 至現在 |
| 非業務執行取締役(独立) | アンソニー・グラビナー (1945年3月21日生) | 0株 | 自2015年6月24日 至現在 |
| 非業務執行取締役(独立) | スーザン・キルスビー (1958年9月25日生) | 0株 | 自2016年5月5日 至現在 |
| 非業務執行取締役 | マーク・ウィンケルマン (1946年5月21日生) | 0株 | 自2016年6月10日 至現在 |
| 非業務執行取締役 | ナイジェル・ハーマン (1959年4月4日生) | 0株 | 自2016年12月16日 至現在 |
| 非業務執行取締役 | ダーモット・W・マクドナー (1964年12月1日生) | 0株 | 自2016年12月1日 至現在 |
(注)いずれのGSI取締役も、GSI株式に対する直接的、間接的、実質的または経済的な持分を有していない。
男性の取締役および役員の数:7名
女性の取締役および役員の数:2名
(女性の取締役および役員の割合:22パーセント)
リチャード・J・ノッド
ノッド氏はゴールドマン・サックス・インターナショナルの共同首席経営執行役員であり、投資銀行部門(「IBD」)の共同ヘッドである。同氏は2003年から経営委員会の一員である。ノッド氏はまた、ファームワイド顧客およびビジネス・スタンダード委員会の委員およびヨーロッパ経営委員会の共同委員長を務めている。同氏は、1999年から2004年まで当社のパートナーシップ委員会の委員を務めた。
ノッド氏は1987年にロンドンのゴールドマン・サックスに入社し、当社のヨーロッパでのM&Aフランチャイズ構築を援助し、最終的に英国における投資銀行業務の取り組みを率いた。1997年に同氏は日本のIBDの共同ヘッドに任命された。ノッド氏は、同年ゴールドマン・サックス(アジア)L.L.C.の社長に就任するため香港に移る前、1999年にゴールドマン・サックス(シンガポール)PTEの社長およびアジアにおける投資銀行業務の共同ヘッドに就任した。同氏は、中国における証券市場へのアクセスの確保を含めた当社のアジアでの活動範囲全体の拡大に大きな役割を果たした。2005年、ノッド氏は副会長としてロンドンに戻り、2006年にゴールドマン・サックス・インターナショナルの共同首席経営執行役員となった。2011年に同氏はIBDの共同ヘッドに就任した。ノッド氏は1996年にマネージング・ディレクターに任命され、1998年にパートナーに任命された。
ノッド氏は、ケープ・タウン・トラスト大学およびザ・ファウンデーション・アンド・フレンズ・オブ・ザ・ロイヤル・ボタニック・ガーデンズ、キューの理事を務める。同氏はまた、コーポレート・アドバイザリー・グループ・オブ・ザ・テイトの会員である。
ノッド氏は、ケープ・タウン大学で学士号を、ケンブリッジ大学で修士号を取得した。
イザベル・イーレット
イーレット氏は2016年6月にGSIの取締役に任命された。同氏は証券部門のグローバル共同ヘッドである。同氏はファームワイド経営委員会、ヨーロッパ経営委員会、ファームワイド・リスク委員会およびEMEAコンダクトリスク委員会の委員であり、また、証券部門執行委員会および証券部門ボルカー委員会の共同委員長ならびにEMEA証券部門オペレーション委員会の委員長である。
イーレット氏は、1991年にトータル・ペトロレウムからコモディティ・トレーダーとしてゴールドマン・サックスに入社し、1997年にマネージング・ディレクターに任命され、2000年にパートナーに任命された。同氏は在英フランス大使館のアドバイザー(Conseiller au Commerce Exterieur)である。2015年、同氏はレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを授与された。
イーレット氏は、1986年にパリ政治学院で文学士号を取得し、1984年にマルセイユビジネススクールで文学士号を取得した。
ジョゼ・マヌエル・バローゾ
バローゾ氏は、欧州委員会の前委員長(2004年から2014年)である。同氏は任期5年の同地位を2期務め、この間にリスボン条約の採択、気候変動に関する法律制定の提案、金融危機への対処、および欧州連合への新加盟国の迎え入れ(2004年から2014年の間に、欧州連合加盟国は15ヶ国から28ヶ国へと増加した)について重要な役割を果たした。
バローゾ氏は、ポルトガルの前首相(2002年から2004年)である。同氏は1985年に政府機関で政治経歴を開始し、内務副大臣、外務・協力担当副大臣および外務大臣を務めた。直近では、同氏は2016年に、ロンドンのゴールドマン・サックスに入社し、ゴールドマン・サックス・インターナショナルの会長兼非業務執行取締役に任命され、また同社のアドバイザーに任命されている。
バローゾ氏は、2012年に欧州連合を代表してノーベル平和賞を受賞し、欧州理事会議長と共同で受賞スピーチを行った。同氏の学術分野における経歴は、ジョージタウン大学客員教授、ならびにプリンストン大学ウッドロー・ウィルソン・スクールのリヒテンシュタイン研究所における国際経済政策の客員教授および政策特別研究員を含む。同氏は現在、ポルトガル・カトリック大学、ジュネーヴ大学および同市の国際・開発研究大学院の客員教授である。
バローゾ氏は多数の名誉学位を授与されており、ポルトガルのキリスト騎士団大十字勲章およびエンリケ航海王子勲章大綬章を含む60超の勲章、賞および名誉賞を授与されている。
バローゾ氏はリスボン大学法学部を卒業し、ジュネーヴ大学において政治学修士号およびヨーロッパ研究の学位記を取得した。
ブライアン・グリフィス卿
フォレストバハ公グリフィス卿は、1991年に国際顧問としてゴールドマン・サックスに加わった。
同卿は、ゴールドマン・サックス・インターナショナルおよびゴールドマン・サックス・インターナショナル・バンクの取締役を務めており、両取締役会のヨーロッパ、中東およびアフリカ監査、商慣行およびコンプライアンス委員会の委員長を務めている。グリフィス卿は、学術界で経歴を開始し、1965年から1976年までロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで教え、シティ大学において1976年に銀行事業および国際金融の教授に就任した。同卿はシティ大学経営学大学院で1982年から1985年まで学部長を務めた。グリフィス卿は、1982年から1985年までイングランド銀行のディレクターを務めた。
1985年から1990年まで、グリフィス卿はダウニング街10番地で英国首相政策室の室長として勤務した。同卿は、マーガレット・サッチャーの特別顧問として国内政策立案の責任を負い、英国政府の民営化および規制緩和綱領の主任立案者であった。
同卿は、タイムズ・ニュースペーパー・ホールディングス・リミテッドの非業務執行役員であり、サービスマスター、英国、ウェールズおよびスコットランド鉄道、ランド・セキュリティーズ・トリリウム、ウェストミンスター・ヘルスケアならびにハーマン・ミラー・インクの取締役会のメンバーを務めた。
同卿は、学校試験および評価審議会、政策研究センターおよび英国貴族院の多数の特別委員会の委員も務めた。同卿は、現在経済特別委員会の委員である。
グリフィス卿は、カンタベリー大主教のランベス基金の会長を長年務めており、公共活動におけるキリスト教徒の義務を考える会会長である同卿は、経済問題およびキリスト教徒の信仰と政治・ビジネスの関係について著作および講義を行っており、金融政策およびキリスト教倫理についての本を多数出版している。
スウォンジーのフォレストバハに1941年に生まれたグリフィス卿は、ダインバー・グラマースクールおよびロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで教育を受けた。
アンソニー・グラビナー
アンソニー・グラビナー勅撰弁護士は、ゴールドマン・サックス・インターナショナル(GSI)の非業務執行取締役である。同卿は、2015年にGSIの取締役会に加わった。
グラビナー卿は、40年以上も注目を浴びる商業訴訟に関わってきた一流の法廷弁護士である。同卿は、英国高等法院代理裁判官を務めており、テンプルのワン・エセックス・コートの法廷弁護士事務室の最高責任者を務めている。同卿は、1969年に弁護士資格を取得し、1981年に勅撰弁護士となった。
グラビナー卿は、1999年に一代貴族となった。同卿は、アルカディア・グループ・リミテッドの非業務執行会長を務めており、ケンブリッジ大学クレア・カレッジの学長である。
グラビナー卿は、1967年にロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンスで法学修士を取得した。
スーザン・キルスビー
キルスビー氏はゴールドマン・サックス・インターナショナルの非業務執行取締役である。
キルスビー氏はグローバル生物医薬品会社、シャイアーplcの会長を務める。同氏はこの役職に2014年に就任した。同氏は2011年から同社の独立非業務執行取締役を務めていた。
同氏はBBAアビエーションplcおよびフォーチュン・ブランズ・ホーム・アンド・セキュリティInc.の非業務執行取締役であり、キューリグ・グリーン・マウンテンInc.、ロクシタン・インターナショナルS.A.およびコカコーラHBC AGの元取締役である。
キルスビー氏は以前ザ・ファースト・ボストン・コーポレーション、バンカーズ・トラスト、バークレイズ・デ・ズーテ・ウェッドにて上級職に就いており、直近ではクレディ・スイスで2009年までEMEA M&Aチームの会長であり、2014年まで非常任上級顧問であった。
キルスビー氏は経済学の学士号および経営学修士号を有する。
マーク・ウィンケルマン
ウィンケルマン氏はゴールドマン・サックス・インターナショナルの非業務執行取締役である。同氏は、2014年からザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インクの取締役を務め、監査委員会およびリスク委員会の委員である。
ウィンケルマン氏は2004年から2015年までアンハイザー・ブッシュ・インベブの取締役であった。同氏は2006年から2008年までJ・C・フラワーズ・アンド・カンパニーの業務執行パートナーを務めた。
以前、1994年に当社を引退する前、ウィンケルマン氏は経営委員会委員、債券部門の共同ヘッドおよびJ・アロン部門のヘッドを含むゴールドマン・サックスの様々な主導的な役職に就いた。
1978年にゴールドマン・サックスへ入社する前、ウィンケルマン氏は1974年から世界銀行で上級投資責任者を務めた。
ウィンケルマン氏は、ペンシルベニア大学理事会の会員であり、ペン・メディシンの委員会会長を務める。
ナイジェル・ハーマン
ナイジェル・ハーマン氏は、ゴールドマン・サックス・インターナショナル(GSI)およびゴールドマン・サックス・インターナショナル・バンク(GSIB)の非業務執行取締役である。同氏は2016年12月にGSIおよびGSIBの取締役会に加わった。同氏は以前、KPMGのパートナーを20年以上務め、自身の経歴全体を通じて金融サービス業に関わってきた。
2003年まで、ハーマン氏はKPMGによる大手銀行監査の一部ならびに関連する助言および調査業務を主導する監査担当パートナーであった。2003年以降、同氏はKPMGの最大の金融サービス顧客の一部への助言業務を主導するアドバイザリーパートナーを務めた。同氏はまた、金融危機の前および最中における重要な助言業務、ならびに特に取引における違法行為および規制に対するコンプライアンスについての大規模な調査業務も主導した。
ハーマン氏は、以前、KPMG英国銀行業務の会長であった。同氏はまた、銀行業務担当ヘッド、金融リスク管理担当ヘッドならびにKPMGの英国金融サービスおよび英国助言慣行担当の中核的経営陣の一員も務めた。
ハーマン氏は、ブリストル大学において経済・会計学理学士号(優等学位)を取得した。同氏はまた、英国勅許会計士の会員でもある。
ダーモット・W・マクドナー
マクドナー氏は、当社のインターナショナル・コントローラー、EMEA担当首席財務役員およびゴールドマン・サックス・インターナショナル・バンクの首席経営執行役員である。同氏はヨーロッパ経営委員会、ファームワイド・リスク委員会、仕組商品委員会およびヨーロッパ監査委員会の委員である。また、同氏は、ヨーロッパの連合部門の共同ヘッドにも任命されている。
マクドナー氏は1994年にゴールドマン・サックスに入社し、2003年にマネージング・ディレクターに任命され、2010年にパートナーに任命された。
マクドナー氏は、アイルランドのリムリック大学において学位を取得した。
取締役の報酬総額の情報については、本書第一部第6 1「財務書類-(6)財務書類に対する注記」注記6「取締役に対する報酬」参照。
5【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
① 取締役会
当社におけるリスクの最終的な監督責任は、当社の取締役会が負う。取締役会は、直接および諸委員会を通じてリスクを監督している。当社の事業の重要な側面について特定のリスク管理権限を有する一連の社内委員会もまた、監督または意思決定を行う責任を負う。
② 監査人
監査人
2007年10月1日に先立ち、当社は1985年英国会社法セクション386に基づく選任決議を採択し、年度毎の監査人の再任手続を行わなくても良いこととした。これにより、プライスウォーターハウスクーパース エルエルピーは、2006年英国会社法セクション487(2)および2007年の2006年英国会社法スケジュール3、パラグラフ44(施行3、事後改正、経過規定および留保事項)命令に基づき引き続き当社の監査人を務めることとなった。
2016年12月31日および2015年12月31日に終了した事業年度に関するGSIのアニュアル・レポートは、イングランドおよびウェールズの登録監査人事務所かつ勅許会計士協会会員事務所であるプライスウォーターハウスクーパース エルエルピーによる監査を受けている。
③ 監査委員会
GSI****取締役会の監査委員会
以下は、GSI取締役会の監査委員会(「監査委員会」)の委員である。
ナイジェル・ハーマン(委員長)
アンソニー・グラビナー卿
フォレストバハのブライアン・グリフィス卿
スーザン・キルスビー
デービッド・ウィルソン(秘書役兼カウンセル)
以下は、監査委員会の職務および職責をまとめたものである。
(a) 財務管理:GSIの財務書類ならびに財務報告プロセスおよび統制の統合性についてのモニタリングおよび監督、ならびにこれらに関するGSI取締役会への報告。
(b) システムおよび統制:経営陣がシステムおよび統制の適切性および有効性を確保するためのプロセスの妥当性についての監督および評価(経営陣による、当社の規制上の義務のコンプライアンスを確保するための取決めを含む)。これには、当社のシステムおよび統制の側面について責任を負う担当者からの、必要或は適切な内部統制システムおよび全体的なリスク・ガバナンスの枠組みの構造および有効性についての定期的な報告の受領を含む。
(c) コンプライアンス:コンプライアンス部門(およびコンプライアンス担当役員)の統合性および独立性の保護、ならびにコンプライアンス部門の業務遂行の監督。これには、以下が含まれる。(a)そのリソーシング(人材配置および予算を含む)の適切性について審査し、必要に応じて取締役会に対して助言を行うこと、ならびにそれが情報の取得に関して、また取締役会に対して、十分な権限、地位およびアクセスを有しているか否かについての評価を行うこと、(b)コンプライアンス部門の戦略、計画および活動についての報告の審査およびその業務遂行の評価、ならびに(c)コンプライアンス担当役員の業務遂行および報酬案についての評価の提供。コンプライアンス担当役員の任命、懲戒処分または解任に関連する提案はすべて監査委員会が検討し、取締役会に対し助言を行う。
(d) コンダクトリスク:ゴールドマン・サックス・グループのGSIに関連するコンダクトリスクの枠組みの監督、ならびにEMEAコンダクトリスク委員会の委員長からの報告の受領。
(e) 内部監査:内部監査部門(および内部監査部門の(共同)ヘッド)の統合性および独立性の保護、ならびに内部監査部門の業務遂行の監督。これには、以下が含まれる。(a)そのリソーシング(人材配置および予算を含む)の適切性について審査し、必要に応じて取締役会に対して助言を行うこと、ならびにそれが情報の取得に関して、また取締役会に対して、十分な権限、地位およびアクセスを有しているか否かについての評価を行うこと、(b)(a)で概説されるより広範な業務の一環として、内部監査部門の(共同)ヘッドの指揮命令系統の機能について年次評価を行うこと、および内部監査部門の業務の執行中に明らかになった範囲の制限について検討を行うこと、(c)内部監査規程、年間計画およびリスク評価の方法の審査および承認、内部監査部門の当社に関連する統制の評価ならびにガバナンスおよびリスク管理プロセスの検討、ならびに内部監査部門の戦略および活動についての報告の審査ならびにその業務の評価、ならびに(d)内部監査部門の(共同)ヘッドの業務遂行および報酬案についての評価の提供。内部監査部門の(共同)ヘッドのいずれかについての任命、懲戒処分または解任に関連する提案はすべて監査委員会が検討し、取締役会に対し助言を行う。
(f) 外部監査:GSIの外部監査人の任命、再任もしくは交代に係るプロセスの監督、外部監査人の独立性および客観性の審査および監督、関連規制当局の知見および結論を踏まえた年次財務書類の法定監査の監督、ならびにGSIの取締役会への法定監査の結果(財務報告の統合性に対する外部監査人の寄与、および当該プロセスにおける監査委員会の役割を含む)の報告。
(g) 内部告発:GSIの内部告発方針および手続(懸念を提起した従業員を不利益な扱いから保護するための手続を含む)の独立性、自主性および有効性の監督。
④ リスク管理
以下は、GSIの2016年度アニュアル・レポートの抄訳である。
リスク管理の概要および体制
概要
当社は、当社が成功するためには、効果的なリスク管理が極めて重要であると考えている。GSIは、当社の事業に伴うリスクのモニタリング、評価および管理を行うための包括的なリスク管理プロセスを整備している。これらのリスクには、流動性リスク、市場リスク、信用リスク、オペレーションリスク、モデルリスク、法務リスク、コンプライアンスのリスク、規制上のリスクおよび評判リスクのエクスポージャーが含まれる。GSIの幹部経営陣から選ばれた者が委員を務める広範囲にわたる部門横断型の委員会の体制が、GSIの取締役会と共に、当社全体にわたるリスク管理の文化の鍵となっている。GSIのリスク管理の枠組みは、GSグループのものに沿っており、ガバナンス、プロセスおよび人員の3つの核となる要素を中心に構築されている。
ガバナンス
当社の収益創出部門および独立した管理・サポート部門における幹部経営陣は、リスク指向の諸委員会を率い、これに参画している。独立した管理・サポート部門には、コンプライアンス、利益相反解決グループ(利益相反部門)、コントローラーズ、信用リスク管理およびアドバイザリー部門(信用リスク管理部門)、人材管理、法務、流動性リスク管理および分析部門(流動性リスク管理部門)、市場リスク管理および分析部門(市場リスク管理部門)、モデルリスク管理、オペレーション、オペレーションリスク管理および分析部門(オペレーションリスク管理部門)、税務、テクノロジーおよびトレジャリーが含まれている。
当社は、リスクに関して連絡を密にしており、収益創出部門、独立した管理・サポート部門、諸委員会および幹部経営陣が協力して意思決定を行う風土を有している。当社は、リスク管理の第一次的な防衛線については収益創出部門のマネージャーらが責任を負うと考えているが、強力な監視体制および業務の適切な分離を確保するため、独立した管理・サポート部門にも多大な資源を投入している。当社は、あらゆる部門にわたる上申および説明責任の強固な文化を定期的に補強している。
プロセス
当社は、リスク管理の不可欠な要素である様々なプロセスおよび手続を維持している。最も重要なのは、当社のトレーディング商品の実質的にすべてについての日々の値洗い作業である。当社は、そのトレーディング商品を公正価値で記録しており、評価額の変動は当社のリスク管理システムおよび純収益に直ちに反映される。当社では、リスクの評価および管理の最も効果的な手段の1つであり、当社の財務エクスポージャーを明確かつ現実的に捉えることを可能にすると考えているためにこの値洗い作業を行っている。
人員
どんなに高度なテクノロジーも、当社がとるリスクに関して十分な情報を得た上で即時に決断を下すための補助手段としかならない。最終的には、効果的なリスク管理のためには、当社の人員が継続的かつ適時にリスクに関するデータを解釈し、それに応じてリスク・ポジションの調整を行うことが必要となる。収益創出部門および独立した管理・サポート部門のいずれにおいても、GSIの専門家職員の経験および各リスク指標の微妙な差異や限界についての理解は、当社がエクスポージャーを評価し、これを健全な水準の範囲内に維持する上での指針となっている。
当社は、有効なリスク管理の文化を、教育・開発プログラムおよび業績を査定し、そして人員を評価し報奨を与える方法において強化している。GSグループおよびGSIの最上級幹部主導の一定のセッションを含む教育・開発プログラムは、リスク管理の重要性、顧客との関係および卓越した社会的評価に重点を置いている。年間業績検討プロセスの一環として、従業員がどのように優れたリスク管理および評判の判断を行い、また行動規範およびコンプライアンス方針に従っているかを含む社会的評価面での卓越性が評価される。検討および報奨プロセスは、行動と人員の評価の関連、顧客および評判に重点を置く必要性、ならびに常にGSグループの最高基準に従い行動することの必要性を当社の専門家職員に伝え、かつこれらを強化するように設計されている。
体制
GSIの最終的なリスクの監督責任は、GSIの取締役会が負う。取締役会は、直接および諸委員会を通じてリスクを監督している。当社の事業の重要な点に関して特定のリスク管理権限を有するGSI内部の一連の委員会もまた、監督または意思決定を行う責任を負う。GSIの活動を監督する主要な委員会は、以下に記載されている。
ヨーロッパ経営委員会
ヨーロッパ経営委員会(「EMC」)は、この地域におけるGSIの全活動を監督する。GSIのCEOが委員長を務めており、委員には、収益創出部門および独立した管理・サポート部門の幹部経営陣が含まれる。EMCは、GSIの取締役会に報告を行う。
GSI取締役会の監査委員会
GSI取締役会の監査委員会は、地域における当社の体制および統制が適切かつ有効であることを確保するためのプロセスの検討を行うにあたり、当社の取締役会を支援する。かかる委員会はまた、外部監査の取決めを監督し、内部監査活動の検討を行う責任も有している。委員には、当社の非業務執行取締役が含まれる。GSI取締役会の監査委員会は、GSIの取締役会に報告を行う。
GSI取締役会のリスク委員会
GSI取締役会のリスク委員会は、GSI取締役会に対し、当社の現在および将来の全般的なリスク選好度について助言し、かかるリスク選好度および戦略の幹部経営陣による実施を監督するGSI取締役会の支援を行う責任を負う。かかる責任には、当社の、資本、流動性および資金ポジションに関するリスク戦略および監督の検討および助言を含む。委員には、当社の非業務執行取締役が含まれる。GSI取締役会のリスク委員会は、GSIの取締役会に報告を行う。
GSIリスク委員会
GSIリスク委員会は、管理を行う委員会であり、GSIの活動に関係するすべての財務リスクを継続的にモニターし、管理する責任を負う。これには、損益、自己資本(自己資本充実度内部評価プロセス(「ICAAP」)を含む)、資金調達、流動性、信用リスク、市場リスク、オペレーションリスク、価格検証およびストレス・テストを含むがこれらに限定されない、主要な財務・リスク指標の検討が含まれる。GSIリスク委員会は、市場リスク、信用リスク、流動性および規制上の資本に関する限度額を承認する。委員には、収益創出部門および独立した管理・サポート部門の幹部経営陣が含まれる。GSIリスク委員会は、GSIの取締役会に報告を行う。
EMEAコンダクトリスク委員会
EMEAコンダクトリスク委員会は、コンダクトリスク、ビジネス・スタンダードおよび商慣行を監督する責任を負う。委員には、収益創出部門および独立した管理・サポート部門の幹部経営陣が含まれる。EMEAコンダクトリスク委員会は、EMCおよびGSグループのファームワイド顧客およびビジネス・スタンダード委員会に報告を行う。
GSグループのリスク・ガバナンス
GSグループのレベルでの包括的かつグローバルなリスク・ガバナンスの枠組みは、GSIのリスク管理プロセスの重要な部分となっている。GSグループは、特定のリスク管理権限を有する一連の委員会を設置している。GSIに関連する事項の監督を行う委員会においては、GSIの幹部経営陣から選ばれた者も委員を務めている。GSグループの主要なリスク・監視関連委員会は、以下に詳述されている。
経営委員会
経営委員会は、GSグループのグローバルな活動を監督しており、かかる活動にはグループの独立した管理・サポート部門の業務も含まれる。同委員会は、GSグループの最上級のリーダーから構成されており、委員長はグループの首席経営執行役員が務めている。GSIの首席経営執行役員は、同委員会の委員を務めている。
ファームワイド顧客およびビジネス・スタンダード委員会
ファームワイド顧客およびビジネス・スタンダード委員会は、ビジネス・スタンダードおよび商慣行、評判リスク管理、顧客との関係および顧客サービスについて評価および決定を行う。同委員会の委員長は、グループの社長兼首席共同業務執行役員のうち1人(GSグループの首席経営執行役員により任命される)が務める。同委員会は、経営委員会に報告を行う。GSIの幹部経営陣から選ばれた者も同委員会の委員を務めている。
ファームワイド・リスク委員会
ファームワイド・リスク委員会は、GSグループの財務リスクを継続的にモニターし、管理する全体的な責任を負う。ファームワイド・リスク委員会は、GSグループのリスク限度額の枠組み、リスク測定指標およびリスク測定方法を承認し、ストレス・テストおよびシナリオ分析の結果を検討し、モデルリスクの監督を行う。また、同委員会の委員長は、(GSグループの首席経営執行役員により共同委員長に任命された)GSグループの首席財務執行役員および首席リスク担当役員が共同で務めており、同委員会は、経営委員会に対して報告を行う。GSIの幹部経営陣から選ばれた者も同委員会の委員を務めている。
(2)【監査報酬の内容等】
①【外国監査公認会計士等に対する報酬の内容】
| (単位:百万米ドル) | 2016年12月31日に 終了した事業年度 | 2015年12月31日に 終了した事業年度 |
|---|---|---|
| 当社の年次財務書類の監査に対して当社の監査人およびその関係者に支払う報酬 | 5.0 (569百万円) | 5.0 (569百万円) |
| 当社の子会社の監査 | 0 (0百万円) | 0 (0百万円) |
| その他の業務 | 1 (114百万円) | 4.0 (455百万円) |
②【その他重要な報酬の内容】
上記①を参照。
③【外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容】
上記①を参照。
④【監査報酬の決定方針】
GSI取締役会の監査委員会については、上記5(1)③参照。同監査委員会は、とりわけ、GSIの外部監査人の任命、再任もしくは交代に係るプロセスの監督、外部監査人の独立性および客観性の審査および監督、関連規制当局の知見および結論を踏まえた年次財務書類の法定監査の監督、ならびにGSIの取締役会への法定監査の結果(財務報告の統合性に対する外部監査人の寄与、および当該プロセスにおける監査委員会の役割を含む)の報告について責任を負う。
第6【経理の状況】
1 本書記載の当社の財務書類は、英国において適用される法令および英国会計基準(英国において一般に公正妥当と認められている会計慣行)に従って作成されている。当社の採用した会計原則、会計手続および表示方法と、日本において一般に公正妥当と認められている会計原則、会計手続および表示方法との間の主な相違点に関しては、4「英国と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違」に説明されている。
当社の財務書類は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)第131条第1項の規定の適用を受けている。
2 本書記載の当社の2016年および2015年12月31日に終了した事業年度の損益計算書、包括利益計算書、貸借対照表、持分変動計算書、キャッシュ・フロー計算書および関連する注記から成る財務書類は、公認会計士法第1条の3第7項に規定する外国監査法人等であるプライスウォーターハウスクーパース エルエルピー(英国における勅許会計士および法定監査人)の監査を受けている。本書に金融商品取引法第193条の2第1項第1号に規定される監査証明に相当すると認められるその独立監査人の監査報告書を添付している。
3 当社の原文の財務書類は、当社の2016年度および2015年度のアニュアル・レポート中のものと同一であり、日本文は原文(英文)を翻訳したものである。
4 原文の財務書類は米ドルで表示されている。「円」で表示されている金額は、「財務諸表等規則」第134条の規定に基づき表示され、2017年5月16日現在の株式会社三菱東京UFJ銀行による対顧客電信直物売買相場の仲値である1ドル=113.77円の換算率で換算された金額である。金額は百万円単位(四捨五入)で表示されている。日本円に換算された金額は、四捨五入のため合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。なお、円表示額は単に便宜上の表示のためであり、米ドル額が上記のレートで円に換算されることを意味するものではない。
5 円換算額および2「主な資産・負債及び収支の内容」から4「英国と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違」までに記載されている事項は、当社の原文の財務書類には含まれておらず、当該事項における財務書類への参照事項を除き、上記2の会計監査の対象にもなっていない。
1【財務書類】
A.2016年12月31日に終了した事業年度の財務書類
(1)損益計算書
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | ||||||||
| 注記 | 百万米ドル | 百万円 | 百万米ドル | 百万円 | |||||
| 純収益 | 4 | 6,549 | 745,080 | 7,016 | 798,210 | ||||
| 一般管理費 | 5 | (4,269) | (485,684) | (4,077) | (463,840) | ||||
| 営業利益 | 2,280 | 259,396 | 2,939 | 334,370 | |||||
| 支払利息等 | 8 | (346) | (39,364) | (285) | (32,424) | ||||
| 金融収益純額 | 9 | 9 | 1,024 | 7 | 796 | ||||
| 税引前経常利益 | 1,943 | 221,055 | 2,661 | 302,742 | |||||
| 経常利益に係る法人税等 | 11 | (487) | (55,406) | (353) | (40,161) | ||||
| 当期純利益 | 1,456 | 165,649 | 2,308 | 262,581 | |||||
当社の純収益および営業利益は、当期および過去の期間の継続事業から生じたものである。
(2)包括利益計算書
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | ||||||||
| 百万米ドル | 百万円 | 百万米ドル | 百万円 | ||||||
| 当期純利益 | 1,456 | 165,649 | 2,308 | 262,581 | |||||
| その他の包括利益 | |||||||||
| 純損益にその後に振替えられることのない項目 | |||||||||
| 年金制度に関連する保険数理上の損失 | 9 | (189) | (21,503) | (3) | (341) | ||||
| 債務評価調整 | 18 | (182) | (20,706) | ― | ― | ||||
| その他の包括利益の構成要素に帰属する英国繰延税金 | 16 | 92 | 10,467 | 1 | 114 | ||||
| その他の包括利益の構成要素に帰属する英国当期税金 | 3 | 341 | ― | ― | |||||
| 当期その他の包括損失(税引後) | (276) | (31,401) | (2) | (228) | |||||
| 当期包括利益合計 | 1,180 | 134,249 | 2,306 | 262,354 | |||||
添付の注記は財務書類の一部である。
(3)貸借対照表
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||||||||
| 注記 | 百万米ドル | 百万円 | 百万米ドル | 百万円 | |||||
| 固定資産 | 12 | 140 | 15,928 | 12 | 1,365 | ||||
| 流動資産 | |||||||||
| 保有金融商品(2016年12月および2015年12月現在、担保として差入れた保有金融商品それぞれ20,110百万米ドルおよび22,036百万米ドルを含む) | 13 | 662,945 | 75,423,253 | 616,054 | 70,088,464 | ||||
| 担保付契約 | 14 | 184,600 | 21,001,942 | 163,703 | 18,624,490 | ||||
| 未収金 | 15 | 69,696 | 7,929,314 | 60,488 | 6,881,720 | ||||
| 現金・預金 | 20 | 16,888 | 1,921,348 | 9,974 | 1,134,742 | ||||
| 934,129 | 106,275,856 | 850,219 | 96,729,416 | ||||||
| 短期債務:1年以内に期日の到来する金額 | |||||||||
| 売却済未購入金融商品 | 13 | (613,911) | (69,844,654) | (555,654) | (63,216,756) | ||||
| 担保付借入金 | 17 | (137,641) | (15,659,417) | (116,385) | (13,241,121) | ||||
| その他未払金 | 18 | (110,931) | (12,620,620) | (116,300) | (13,231,451) | ||||
| (862,483) | (98,124,691) | (788,339) | (89,689,328) | ||||||
| 純流動資産 | 71,646 | 8,151,165 | 61,880 | 7,040,088 | |||||
| 流動負債控除後資産合計 | 71,786 | 8,167,093 | 61,892 | 7,041,453 | |||||
| 長期債務:1年を超えて期日の到来する金額 | |||||||||
| 担保付借入金 | 17 | (6,233) | (709,128) | (3,502) | (398,423) | ||||
| その他未払金 | 18 | (38,073) | (4,331,565) | (32,298) | (3,674,543) | ||||
| (44,306) | (5,040,694) | (35,800) | (4,072,966) | ||||||
| 年金制度の積立余剰額を除く純資産 | 27,480 | 3,126,400 | 26,092 | 2,968,487 | |||||
| 年金制度の積立余剰額 | 9 | 53 | 6,030 | 261 | 29,694 | ||||
| 年金制度の積立余剰額を含む純資産 | 27,533 | 3,132,429 | 26,353 | 2,998,181 | |||||
| 資本金および剰余金 | |||||||||
| 払込資本金 | 19 | 582 | 66,214 | 582 | 66,214 | ||||
| 資本剰余金 | 4,864 | 553,377 | 4,864 | 553,377 | |||||
| 資本準備金(配当不能) | 17 | 1,934 | 17 | 1,934 | |||||
| 利益剰余金 | 22,070 | 2,510,904 | 20,890 | 2,376,655 | |||||
| 株主持分合計 | 27,533 | 3,132,429 | 26,353 | 2,998,181 | |||||
財務書類は2017年3月15日に取締役会で承認され、取締役会を代表して以下の取締役により署名された。
D.W.マクドナー
取締役
添付の注記は財務書類の一部である。
(4) 持分変動計算書
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | |||||||
| 百万米ドル | 百万円 | 百万米ドル | 百万円 | |||||
| 払込資本金 | ||||||||
| 期首残高 | 582 | 66,214 | 533 | 60,639 | ||||
| 株式の発行 | ― | ― | 49 | 5,575 | ||||
| 期末残高 | 582 | 66,214 | 582 | 66,214 | ||||
| 資本剰余金 | ||||||||
| 期首残高 | 4,864 | 553,377 | 2,863 | 325,724 | ||||
| 株式の発行 | ― | ― | 2,001 | 227,654 | ||||
| 期末残高 | 4,864 | 553,377 | 4,864 | 553,377 | ||||
| 資本準備金(配当不能) | ||||||||
| 期首残高 | 17 | 1,934 | 17 | 1,934 | ||||
| 期末残高 | 17 | 1,934 | 17 | 1,934 | ||||
| 利益剰余金 | ||||||||
| 期首残高 | 20,890 | 2,376,655 | 18,584 | 2,114,302 | ||||
| 当期純利益 | 1,456 | 165,649 | 2,308 | 262,581 | ||||
| その他の包括損失 | (276) | (31,401) | (2) | (228) | ||||
| 株式報酬 | 497 | 56,544 | 630 | 71,675 | ||||
| 株式報酬に関する関係会社からの費用振替え | (497) | (56,544) | (630) | (71,675) | ||||
| 期末残高 | 22,070 | 2,510,904 | 20,890 | 2,376,655 | ||||
| 株主持分合計 | 27,533 | 3,132,429 | 26,353 | 2,998,181 | ||||
2016年度および2015年度に配当金の支払いはなかった。
添付の注記は財務書類の一部である。
(5)キャッシュ・フロー計算書
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | ||||||||
| 注記 | 百万米ドル | 百万円 | 百万米ドル | 百万円 | |||||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | |||||||||
| 営業活動から生じたキャッシュ | 21 | 8,745 | 994,919 | 2,889 | 328,682 | ||||
| 税金還付額 | 23 | 2,617 | 3 | 341 | |||||
| 税金支払額 | (428) | (48,694) | (403) | (45,849) | |||||
| 営業活動によるキャッシュ | 8,340 | 948,842 | 2,489 | 283,174 | |||||
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | |||||||||
| 固定資産の取得にかかる支払 | (135) | (15,359) | (3) | (341) | |||||
| 投資活動に使用された純キャッシュ | (135) | (15,359) | (3) | (341) | |||||
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | |||||||||
| 普通株式資本の発行による収入 | ― | ― | 2,050 | 233,229 | |||||
| 長期劣後ローンの利息支払額 | (305) | (34,700) | (217) | (24,688) | |||||
| 長期劣後ローンの発行による収入 | ― | ― | 2,500 | 284,425 | |||||
| 財務活動による/(使用された)純キャッシュ | (305) | (34,700) | 4,333 | 492,965 | |||||
| 現金および現金同等物純増加額 | 7,900 | 898,783 | 6,819 | 775,798 | |||||
| 現金および現金同等物期首残高 | 9,970 | 1,134,287 | 3,577 | 406,955 | |||||
| 現金および現金同等物に係る為替差損 | (989) | (112,519) | (426) | (48,466) | |||||
| 現金および現金同等物期末残高 | 20 | 16,881 | 1,920,551 | 9,970 | 1,134,287 | ||||
添付の注記は財務書類の一部である。
(6)財務書類に対する注記
注記1 一般情報
当社は非上場無限責任会社であり、イングランドおよびウェールズで設立され、本社を置いている。登記した事務所の所在地は、英国 ロンドン市 EC4A 2BB フリート・ストリート133、ピーターバラ・コートである。
当社の直接の親会社は、イングランドおよびウェールズで設立され、本社を置いている、ゴールドマン・サックス・グループ・UK・リミテッド(以下「GSG UK」という。)である。
最終の支配会社および連結財務書類が作成される最小および最大単位のグループの親会社は、アメリカ合衆国で設立されたザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インクである。その連結財務書類および一定の法定提出書類(様式10-Q四半期報告書および10-K年次報告書等)においてザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インクおよびその連結子会社(以下「GSグループ」という。)ならびにその事業活動の追加情報が提供されており、これらはGSグループの主要な事業拠点である、アメリカ合衆国10282ニューヨーク州 ニューヨーク、ウェスト・ストリート200のインベスター・リレーションズ、またはwww.goldmansachs.com/shareholders/から入手することができる。
バーゼル3第3の柱の開示
当社は、EU自己資本規制により要求されるとおり、GSG UKの連結第3の柱の開示に含まれている。GSG UKの2016年度における第3の柱は、連結財務情報の公表にあわせてwww.goldmansachs.com/disclosures/にて開示される予定である。
国別報告書
当社は、2013年自己資本(国別報告書)規制により要求されるとおり、GSG UKの国別連結報告書の開示に含まれている。GSG UKの2016年度国別開示は、2017年12月31日までにwww.goldmansachs.com/disclosures/にて行われる予定である。
注記2 重要な会計方針の要約
作成基準
当社は英国基準に従って財務書類を作成している。本財務書類は、FRS第101号「簡易化された情報開示のフレームワーク」(以下「FRS第101号」という。)に従って作成されている。
当該財務書類は、継続企業の前提および取得原価主義(以下の「年金制度」および「金融資産および金融負債」に示した修正後)に基づいて、2006年会社法に従って作成されている。
本財務書類の作成に際して、EUが採択した国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)の開示要件について、FRS第101号に従い以下の例外が適用されている。
・IFRS第2号「株式報酬」第45項(b)および第46項から第52項。これらは、グループ・インクの連結財務書類に開示されている。
・IAS第1号「財務書類の表示」第38項における、以下についての比較情報の表示
・IAS第1号「財務書類の表示」第79項(a)(iv)および
・IAS第16号「有形固定資産」第73項(e)
・IAS第1号「財務書類の表示」第10項(f)、第16項および第40項AからD
・IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更および誤謬」第30項および第31項
・IAS第24号「関連当事者についての開示」第17項および
・IAS第24号「関連当事者についての開示」における、GSグループ内で同様に100%所有されている会社との取引の開示要件
連結
当社は、真実かつ公正な概観を勘案する上で子会社に重要性がないことから、2006年会社法第402項で認められているとおり、連結財務書類を作成しないことを選択している。
本財務書類は個別財務書類である。
会計方針
収益認識 当社の活動の性質と業績をより有効に反映させるために、売上高ではなく純収益が開示されている。純収益には、有価証券、為替およびその他の金融商品の第三者および関連会社の双方との取引から生じた純利益、ならびに報酬および手数料が含まれる。これには関連する利息や配当も含まれる。
損益を**通じて公正価値で測定する金融資産および金融負債
トレーディング目的で保有する金融資産および金融負債または損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産および金融負債は公正価値で認識され、実現および未実現の損益は、関連する受取利息および受取配当金ならびに支払利息および支払配当金とともに純収益に含まれる。金融資産はビッド価格で評価され、金融負債はオファー価格で評価される。公正価値測定において取引費用は算入されない。
デリバティブ以外の保有金融商品および売却済未購入金融商品(すなわち、現物商品)は決済日に認識が行われる。詳細は、以下の「金融資産および金融負債―認識および認識の中止」を参照のこと。当該商品の約定日と決済日の公正価値の変動に関連する未実現の損益は純収益に認識される。
投資銀行**業務
ファイナンシャル・アドバイザリー案件からの報酬および引受手数料は、関連する当事者間で契約が締結され、契約に基づく活動が進展した時点で損益に認識されるが、重大事象が発生するまで報酬に対する権利が発生しない契約の場合は、重大事象発生後に収益が認識される。
当該案件に関連する費用は、関連する収益が認識されるか、または当該案件が終了するまで繰延べられる。ファイナンシャル・アドバイザリー案件に関連する費用は、一般管理費として、顧客からの払戻額控除後の金額で計上される。引受手数料は関連費用控除後の金額で表示される。
投資運用**業務
運用報酬は発生主義で認識され、通常はファンドまたは分離勘定の平均純資産価額に対する一定比率として算出される。すべての運用報酬は関連サービスが提供される期間において認識される。
成功報酬はファンドの運用益に対する一定比率、あるいは特定のベンチマークまたはその他のパフォーマンス目標を上回る超過運用益に対する一定比率として算出される。成功報酬は、すべての重要な成功条件が満たされた場合にのみ認識される。
手数料および**報酬
株式、オプションおよび先物市場ならびに店頭取引における顧客取引の執行および決済による手数料および報酬は、売買の執行日に純収益に認識される。
オペレーティング・リース 当社は借手としてオペレーティング・リース契約を締結している。リース資産は貸借対照表には認識されない。オペレーティング・リースに関する費用(貸手により付与されるインセンティブを調整後)は、リース期間にわたって定額法で費用計上され、損益計算書の一般管理費に含まれる。
短期従業員給付 賃金および給与といった短期従業員給付は、割引前の金額で測定され、従業員が当社に役務を提供した期間において未払費用として計上される。グループの方針および過去の慣習に基づき貸借対照表日に推定的債務が存在している場合に、現金または株式報奨により支払われる年度末裁量報酬のための引当金が計上される。
株式報酬 ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インク(以下「グループ・インク」という。)は、当社の従業員が当社に提供した役務に対して、制限付株式ユニット(以下「RSU」という。)およびストックオプションの形式で、株式報奨を発行している。報奨は持分決済型に分類されるため、従業員との株式取引に係る費用は、報奨の付与日現在の公正価値に基づいて測定される。将来の役務提供を必要としない株式報奨(退職適格従業員に付与された報奨を含む確定報奨)は、即時に費用計上される。将来の役務提供を必要とする株式報奨は、関連する役務提供期間にわたり償却される。予想される失効は従業員株式報酬費用を算定する際に含められる。
グループ・インクは、普通株式の交付により株式報奨を決済している。グループ・インクは、RSUについて配当金相当額を支払っている。当社は、グループ・インクとチャージバック契約も締結しており、当該契約に基づき、当社は当該報奨の付与日現在の公正価値とその後の公正価値の変動額を、従業員への交付時にグループ・インクに支払うことになっている。
配当金 最終株式配当金は会社の株主が配当金の承認を行った期において負債として認識され、資本から控除される。中間株式配当金は支払時に認識され、資本から控除される。
年金制度 当社は一部の従業員のために確定拠出型年金制度に資金を拠出しており、また2016年3月31日まで複合年金制度に資金を拠出していた。複合年金制度は確定給付部分(以下「当制度」という。)および確定拠出部分の双方を有しており、以下のとおり会計処理される。
・確定拠出型年金制度および複合年金制度の確定拠出部分について当年度に拠出すべき額は、営業利益に計上される。当年度に拠出すべき額と実際の拠出額との差額は、未払金または前払金として貸借対照表に表示される。
・当制度について営業利益に計上される金額は、当期勤務費用、過去勤務費用、ならびに制度の決済および縮小に伴う損益である。当該金額は人件費として含められる。利息純額は、金融収益純額に含まれる。保険数理上の損益は即時にその他の包括利益に認識される。当制度資産は公正価値で測定される。当制度負債は保険数理を基礎として予測単位積増方式を用いて測定され、通貨および期間が当制度負債に対応している高格付社債の現在の収益率に等しい率で割引かれる。完全な保険数理評価は少なくとも3年に一度実施され、各貸借対照表日にアップデートされる。当制度資産の当制度負債に対する余剰額または不足額は、貸借対照表上に資産(余剰額)または負債(不足額)として認識される。
固定資産
有形固定資産
有形固定資産は、取得価額から減価償却累計額および減損引当金を控除した金額で計上されている。工具器具備品は、3年から7年の見積耐用年数にわたり、定額法に基づいて計算されている。減価償却費は一般管理費に含められている。
賃借物件附属設備は、資産の経済的耐用年数または資産が使用されてからの残余リース期間のいずれか短い期間にわたって減価償却されている。減価償却方針は毎年見直される。
無形固定資産
無形固定資産は、取得価額から償却累計額および減損引当金を控除した金額で計上されている。IAS第38号「無形資産」の認識基準を満たす場合、当年度に発生した新しい業務アプリケーション・ソフトウエアの開発または改良に直接帰属する費用は、ソフトウェア仮勘定として資産計上される。ソフトウェア仮勘定は、完成し意図する目的での使用が可能となった時点でコンピューター・ソフトウエアに振替えられる。
コンピューター・ソフトウエアは、3年の見積耐用年数にわたり、定額法で償却される。ソフトウェア仮勘定については無形資産償却費は計上されない。無形資産償却費は一般管理費に含められ、償却方針は毎年見直される。
無形固定資産については、資産または資産グループの帳簿価額を全額回収できないことを示す事象または状況の変化がある場合に減損テストが実施される。
固定資産投資
固定資産投資は、取得価額または償却原価から減損引当金を控除した金額で計上されている。償却費は一般管理費に含められている。
現金・預金 現金・預金は、通常の事業の過程で保有される流動性が高い翌日物預金である。
外貨 当社の財務書類は、当社の機能通貨でもある米ドルで表示されている。
外国通貨建ての取引は、取引日の為替レートによって米ドルに換算される。外国通貨建ての貨幣性資産および負債ならびに公正価値で測定される非貨幣性資産および負債は、貸借対照表日現在の為替レートによって米ドルに換算される。為替差損益は、営業利益に含まれる。
金融資産および金融負債
認識および認識の中止
通常の方法の取引によるデリバティブ以外の保有金融商品および売却済未購入金融商品(すなわち、現物商品)の売買は、決済日に認識および認識の中止が行われる。
その他の金融資産および金融負債は、当社が当該商品の契約条項の当事者となった時点で認識される。金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時、または当社が金融資産ならびにその所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転した場合に、当該金融資産の認識の中止が行われる。金融負債は消滅した時(すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、または失効となった時)にのみ認識が中止される。
分類および測定
当社は金融資産および金融負債を以下の区分に分類している。当初認識時に決定された分類は、当該金融資産および金融負債が購入された、または組成された目的によって異なる。
・トレーディング目的で保有するものに分類される金融資産および金融負債 トレーディング目的で保有するものに分類される金融資産および金融負債には、保有金融商品および売却済未購入金融商品が含まれる。保有金融商品および売却済未購入金融商品には、現物商品およびデリバティブが含まれる。両金融商品は、公正価値で当初認識され、取引費用は損益計算書において費用計上される。これらの金融商品は貸借対照表にて公正価値で計上され、その後の損益はすべて純収益に認識される。
流動資産投資として分類することも、そのような証券を上場か非上場かで分析することも適切ではないというのが取締役の考えである。
・損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融資産および金融負債 当社は、一部のその他の金融資産および金融負債を、損益を通じて公正価値で評価するものとして指定している。損益を通じて公正価値で評価するものとして指定される金融資産および金融負債は、公正価値で当初認識され、取引費用は損益計算書において費用計上される。金融資産は貸借対照表にて公正価値で測定され、その後の損益はすべて純収益に認識される。金融負債は貸借対照表にて公正価値で測定され、自己のクレジット・スプレッドに起因する公正価値の変動(債務評価調整、以下「DVA」という。)については、それにより会計上のミスマッチが発生または拡大しないのであればその他の包括利益に認識し、残りの公正価値の変動については純収益に認識する。詳細は、下記の「新会計基準-「IFRS第9号「金融商品」」を参照のこと。当該金融資産および金融負債を公正価値で評価するものとして指定する主な理由は、以下のとおりである。
・金融資産グループまたは金融負債グループあるいはその両方が公正価値ベースで管理され、業績評価されている
・指定しない場合に資産または負債の測定あるいはそれらに係る損益の認識を異なる基礎で行うことから生じるであろう測定または認識の不整合を除去または大幅に低減するため
損益を通じて公正価値で評価するものとして指定する金融資産および金融負債には、以下が含まれる。
・売戻条件付契約およびほぼすべての買戻条件付契約
・顧客取引執行のための債券・為替・コモディティ取引に含まれる借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金
・一部のハイブリッド金融商品および売却ではなく借入として会計処理される資産の譲渡を含む、ほぼすべての担保付発行社債
・一部のハイブリッド金融商品を含む一部の無担保発行社債
・その他の未払金に含まれる一部の関係会社間の無担保借入
・購入ではなく担保付ローンとして会計処理される資産を含む、一部の未収金
ハイブリッド金融商品とは、分離処理可能な組込デリバティブを含む金融商品である。当社が組込デリバティブを関連する債務から分離処理することを選択した場合、デリバティブは公正価値で会計処理され、原契約は公正価値ヘッジの有効部分について調整後の償却原価で会計処理される。当社が分離処理を選択しない場合、ハイブリッド金融商品全体が損益を通じて公正価値で評価するものとして指定される。
公正価値で測定するこれらの金融資産および金融負債は通常、割引キャッシュ・フロー法に基づき評価され、価格の透明性が合理的な水準にある入力情報を組み込んでおり、入力情報が観察可能なため、通常、レベル2に分類される。流動性ならびに取引相手先およびGSグループの信用度について評価調整が行われることがある。
・ローンおよび債権ならびに償却原価で測定する金融負債 ローンおよび債権は、支払額が固定または決定可能であり、活発な市場における相場価格がない非デリバティブ金融資産である。これには、一部の担保付契約、ほぼすべての未収金ならびに現金・預金が含まれる。当該金融資産は取引費用を含む公正価値で当初認識され、その後は実効金利法を用いた償却原価にて測定される(以下を参照のこと)。金融収益は純収益に計上される。
償却原価で測定する金融負債には、一部の担保付借入金および大部分のその他未払金が含まれる。当該金融負債は取引費用を含む公正価値で当初認識され、その後は実効金利法を用いた償却原価にて測定される(以下を参照のこと)。発行時に認められた割引を含む金融費用は純収益に計上される。ただし長期劣後ローンの金利は支払利息等に計上される。
実効金利法は、金融資産または金融負債(あるいは金融資産グループまたは金融負債グループ)の償却原価を計算し、受取利息または支払利息を該当期間に配分する方法である。実効金利は、金融資産または金融負債の予想存続期間、または場合によってはそれより短い期間を通じて見積った将来の現金の支払または受取を、金融資産または金融負債の正味帳簿価額に一致させるように割り引く率である。当社は実効金利を計算する際に、当該金融資産または金融負債のすべての契約条件を考慮しキャッシュ・フローの見積もりを行うが、予想信用損失は考慮しない。この計算には、実効金利の不可分な一部であるすべての授受される手数料およびポイント、取引コスト、および他のすべてのプレミアムまたは割引が含まれる。
当社は、各貸借対照表日においてローンおよび債権に減損の客観的証拠がないか評価している。減損損失が生じているという客観的証拠が存在する場合、損失額は、金融資産の帳簿価額と、金融資産の当初の実効金利で割り引いた見積将来キャッシュ・フローの現在価値との差額として測定される。損失額は、トレーディング関連であれば純収益に含められ、トレーディング関連以外は一般管理費に含められる。
金融負債および資本の分類
金融負債と持分商品は、契約内容に従って分類される。金融負債は、他の事業体に現金またはその他の金融資産を引き渡す、あるいはその事業体に潜在的に好まれない条件で金融資産と金融負債を交換する契約債務のある負債である。資本投資とは、事業体のすべての負債を控除した後の資産に対する残余持分を証明する契約である。金融商品は、負債要素と資本要素の両方を持つか否かを判断するために評価される。複合金融商品の当初帳簿価額は、公正価値で測定する負債要素にまず配分され、残りの金額が資本要素に配分される。
金融資産と金融**負債の相殺
金融資産と金融負債は、以下の場合において相殺され、純額が貸借対照表に表示される。
・法的に強制力のある相殺権を有する場合。
・純額決済する、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意思がある場合。
条件が満たされない場合には、金融資産および金融負債は総額で貸借対照表に表示される。
公正価値測定
当社の金融資産および金融負債の公正価値による測定の詳細は、注記24を参照のこと。
ヘッジ会計
当社は、一部の固定金利が付された無担保長期借入金および無担保短期借入金の金利エクスポージャーを管理するために用いられる一部の金利スワップについて、ヘッジ会計を適用している。ヘッジ会計の要件を満たすために、デリバティブ・ヘッジは、ヘッジ対象のエクスポージャーから生じるリスクを非常に効果的に軽減しなければならない。また当社は、契約開始時にヘッジ関係に関して正式に文書化し、デリバティブ・ヘッジがヘッジ関係の期間にわたり継続的に非常に有効であることを確認するために、ヘッジ関係のテストを行わなければならない。
担保付契約および担保付借入金 担保付契約には、売戻条件付契約および借入有価証券担保金が含まれる。担保付借入金には、買戻条件付契約および貸付有価証券担保金が含まれる。当該商品の分類および測定に関する詳細は、上記の「分類および測定」を参照のこと。受取担保または差入担保は、現金または有価証券のいずれかの形式をとる。現金担保は受領/支払時に認識/認識中止される。当社が有価証券の形式で差入れた担保については当社の貸借対照表における認識は中止されず、また有価証券の形式で受領した担保については貸借対照表に認識されない。受領した担保を後に売却した場合には、担保返却義務および受領した現金が貸借対照表に認識される。
当期法人税および繰延税金 当期法人税等は、当期法人税および繰延税金から成る。税金は、その他の包括利益にて認識される項目に関するものを除き、損益計算書にて認識される。
当期法人税等は、当社が事業を営み課税所得を稼得している国で貸借対照表日現在に施行または実質的に施行されている税法に基づき計算される。繰延税金は、将来の税金支払額を増減させることになる取引または事象が貸借対照表日において発生している場合に、当該日において解消していない、以下を除いたすべての一時差異について認識される。
・繰延税金資産は、将来の一時差異の解消に利用できる十分な課税所得を見込める可能性が高いと取締役が考える範囲内で認識される。
・繰延税金は、貸借対照表日に施行されているまたは実質的に施行されている税率および法律に基づいて、一時差異が解消される期間において適用が予定されている税率を用いて割引せずに測定される。
繰延税金は、繰延税金が帰属している関連する損益の認識方法に従い、損益計算書に認識されるか、その他の包括利益に直接認識される。
引当金、偶発債務および偶発資産 引当金は、過去の事象の結果として生じた現在の(法的または推定的)債務を決済するのに経済的便益の流出が必要となる可能性が高く、債務金額を信頼性をもって見積もることが可能な場合に認識される。新しい法案の結果として生じる可能性がある法的債務は、草案どおりに法律が施行されることがほぼ確実な場合にのみ債務として認識される。
偶発債務とは、過去の事象により発生する可能性のある債務で、当社の支配が完全には及ばない1つまたは複数の不確実な将来の事象が発生することによって、もしくは発生しないことによってのみ、その存在が確認されるものである。もしくは、過去の事象により発生した現在の債務であるが、経済的便益が流出する可能性が高くないか、もしくは債務金額を信頼性をもって測定することが不可能なために、認識されないものである。
偶発資産とは、過去の事象により発生する可能性のある資産で、当社の支配が完全には及ばない1つまたは複数の不確実な将来の事象が発生することによって、もしくは発生しないことによってのみ、その存在が確認されるものである。
偶発債務および偶発資産は財務書類には認識されない。しかし、決済の可能性がほとんどないような場合を除いて開示は行われる。
新会計基準
IFRS第9号「金融商品」
2016年11月、EUはIFRS第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号」という。)を承認した。本基準は、金融資産、金融負債および非金融項目の売買に係る一部の契約に関する認識および測定についての要件を定め、IAS第39号「金融商品:認識および測定」を置き換えるものである。本基準は、自己のクレジット・スプレッドに起因する金融負債の公正価値の変動(債務評価調整、以下「DVA」という。)について、それにより会計上のミスマッチが発生または拡大しないのであれば、その他の包括利益に表示するよう求めている。
本基準は、当社においては2018年1月より適用され、全面的な早期適用またはDVAの表示のみに関する早期適用が認められる。当社は、2016年1月より、DVAの表示に関する要件のみを早期適用した。
注記3 重要な会計上の見積りおよび判断
財務書類の作成において、経営者は本財務書類での認識額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定を行うことが要求される。見積りの性質上、実際の結果が当該見積りと異なる可能性がある。以下の判断は本財務書類での認識額に最も重要な影響を与えたものである。
公正価値測定
当社の一部の金融資産および金融負債には、重要な観察不能な入力情報(即ち、レベル3)が含まれる。帳簿価額、評価方法および重要な入力情報については、注記24を参照のこと。
訴訟および規制上の手続き
当社は、訴訟および規制上の手続きで発生する可能性のある潜在的損失について、かかる損失が生じる可能性が高く、合理的に見積もることができる範囲において、見積りを行い、引当金を計上している。これらの見積りを行う場合には重要な判断が要求され、最終的に当社の確定負債額が大きく異なる可能性がある。
確定給付年金
当制度の費用および当制度の負債の価値は、数理的評価を使用して決定される。これには、割引率、将来の昇給、死亡率および将来の年金増加についての仮定が含まれる。当該評価の複雑性のために、かかる見積りは著しい不確実性にさらされる。
注記4 セグメント報告
当社は、投資銀行業務、機関投資家向けクライアント・サービス、投資および貸付業務、ならびに投資運用業務の4つの事業セグメントで事業活動の報告を行っている。当社のセグメントの詳細については、本アニュアル・レポートのパートI「業績-セグメント報告」(訳者注:原文の該当箇所をいう。)を参照のこと。
表示基準
セグメント報告において、当社の事業ラインのうち、類似した経済的特徴を持ち、(ⅰ) 提供するサービスの性質、(ⅱ) 分配方法、(ⅲ) 顧客タイプ、および(ⅳ) 事業における規制環境の各分野において類似しているものについては、まとめて表示されている。
当社の全体としての費用発生要因(報酬、従業員数および事業活動の水準)は当社の各事業セグメントのものとほぼ同様である。当社のセグメント内の直接的従業員費用は、特に当社全体の業績および各事業の業績を反映している。そのため、当社の事業の1セグメントにおける営業利益の利幅は、当社の他の事業セグメントの業績によって重要な影響を受ける可能性がある。
当社は、資産(GCLAおよび現金、顧客向け担保付ローンならびにその他資産を含む)、収益および費用を4つのセグメントに配分している。事業セグメントの統合的な性質上、一部の資産、収益および費用を配分する際に見積りや判断が行われる。配分のプロセスは、セグメントの業績に対する経営陣の現在の見解に基づいている。セグメント間の取引は特定の条件または第三者と同等の相場に基づいている。一般管理費合計には、寄付金および各事業セグメントに配分されていない株式に基づく報酬の時価評価が含まれる。
第三者と行う取引に加え、当社は通常の営業活動の過程において、マーケット・メイキング活動および一般的な業務の一環として関連会社との取引を行っている。かかる取引について、当該関連会社に収益が割り当てられ、また、当該関連会社から収益が受け取られる。
下表の情報は、純収益、営業利益および資産合計に対する各セグメントの割合を合理的に示していると経営陣が判断したものである。営業利益は、当社の重要なセグメントである投資銀行業務および機関投資家向けクライアント・サービスについてのみ表示されている。
以下の「セグメントの純収益」および「セグメントの営業利益」に関するセグメント情報は、以下の手法に従って作成されている。
・各セグメントに直接関連する収益および費用は営業利益の算定に含まれる。
・当社のセグメントの純収益には、特定の有価証券およびその様な原資産から生じた現金または資金需要に関連するその他のポジションに係る受取利息および支払利息の配分が含まれる。ただし、長期劣後ローンに係る利息は、支払利息等に表示される(注記8を参照のこと)。受取利息純額は、経営陣がセグメント業績を評価する方法と整合するように、セグメントの純収益に含まれる。
・特定のセグメントに直接配分できない間接費は、セグメントの直接費に基づき比例配分される。
セグメント別純収益
当社のセグメント別の純収益は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | ||
| 投資銀行業務 | |||
| ファイナンシャル・アドバイザリー業務 | 563 | 590 | |
| 引受業務 | 575 | 689 | |
| 投資銀行業務合計 | 1,138 | 1,279 | |
| 機関投資家向けクライアント・サービス | |||
| 顧客取引執行のための債券・為替・コモディティ取引 | 2,523 | 2,549 | |
| 株式 | 2,066 | 2,353 | |
| 機関投資家向けクライアント・サービス合計 | 4,589 | 4,902 | |
| 投資および貸付 | 500 | 360 | |
| 投資運用業務 | 322 | 475 | |
| 純収益合計 | 6,549 | 7,016 | |
純収益において認識するほぼすべての受取利息および支払利息は、機関投資家向けクライアント・サービスに帰属する。
セグメント別営業利益
当社の重要なセグメントの営業利益は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | ||
| 投資銀行業務 | |||
| 純収益 | 1,138 | 1,279 | |
| 一般管理費 | 712 | 812 | |
| 営業利益 | 426 | 467 | |
| 機関投資家向けクライアント・サービス | |||
| 純収益 | 4,589 | 4,902 | |
| 一般管理費 | 2,502 | 2,644 | |
| 営業利益 | 2,087 | 2,258 | |
| 純収益合計 | 6,549 | 7,016 | |
| 一般管理費合計 | 4,269 | 4,077 | |
| 営業利益合計 | 2,280 | 2,939 | |
上記の表において、
・純収益合計には、投資および貸付業務ならびに投資運用業務に関連する純収益が、2016年度および2015年度においてそれぞれ822百万米ドルおよび835百万米ドル含まれる。
・一般管理費合計には、投資および貸付ならびに投資運用のセグメントに関連する一般管理費が、2016年度および2015年度においてそれぞれ542百万米ドルおよび579百万米ドル含まれている。また当社のセグメントに配分されていない特定の間接費が、2016年度および2015年度においてそれぞれ513百万米ドルおよび42百万米ドル含まれており、これは株式に基づく報酬の時価評価および寄付金を示している。
セグメント資産
当社の資産のほとんどすべては、機関投資家向けクライアント・サービスに帰属する。
地域別分析
国際金融市場は密接に関連しているため、当社では業務を全社的な収益性に基づいて管理している。収益性を地域別に配分する方法は、見積りおよび経営陣の判断に左右される。
地域別の業績は通常、以下のように配分される。
・投資銀行業務:顧客、投資銀行チームおよび潜在リスクの所在地
・機関投資家向けクライアント・サービス:マーケット・メイキング・デスクおよび対象証券の発行市場の所在地
・投資および貸付業務:投資および貸付業務チームの所在地
・投資運用業務:投資運用チームの所在地
上記の方法に基づき地域別に配分された当社の純収益合計は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | ||
| 純収益 | |||
| ヨーロッパ、中東およびアフリカ | 5,013 | 5,252 | |
| 南北アメリカ | 920 | 1,010 | |
| アジア | 616 | 754 | |
| 純収益合計 | 6,549 | 7,016 | |
注記5 一般管理費
当社の一般管理費は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | |||
| 直接的従業員費用 | 2,974 | 2,834 | ||
| 仲介、決済、取引所費および販売手数料 | 568 | 550 | ||
| 市場開拓費 | 61 | 95 | ||
| 通信およびテクノロジー費用 | 85 | 88 | ||
| 減価償却費および無形資産償却費 | 7 | 4 | ||
| 事務所関連費用 | 161 | 173 | ||
| 専門家報酬等 | 110 | 147 | ||
| その他費用 | 303 | 186 | ||
| 非報酬費用合計 | 1,295 | 1,243 | ||
| 一般管理費合計 | 4,269 | 4,077 | ||
上記の表において、
・事務所関連費用には、土地および建物の純オペレーティング・リース料が2016年度および2015年度においてそれぞれ80百万米ドルおよび81百万米ドル含まれる。
・専門家報酬等には、当社の監査人に対する当社の年次財務書類監査についての支払報酬が2016年度および2015年度においていずれも5百万米ドル含まれており、また当社の監査人に対するその他のサービスについての支払報酬が2016年度および2015年度においてそれぞれ1百万米ドルおよび4百万米ドル含まれる。
・その他費用には、租税公課、寄付金、業務管理支援に関するグループ会社からの支払管理費および受取管理費、関連会社からの受取管理サービス費および支払管理サービス費が含まれる。
注記6 取締役に対する報酬
当社の取締役に対する報酬は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | |||
| 報酬総額 | 7 | 8 | ||
| 定額拠出年金制度に対する当社の拠出金 | ― | ― | ||
| 取締役に対する報酬合計 | 7 | 8 | ||
最高報酬額を受取った取締役は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | |||
| 報酬総額 | 3 | 3 | ||
| 定額拠出年金制度に対する当社の拠出金 | ― | ― | ||
| 期末における未払年間年金費用 | ― | ― | ||
2006年会社法に従って、上記の取締役に対する報酬は、適格業務のみに関する支払済または未払の報酬合計額を表示している。この合計額は現物支給される現金および給付の価額のみを含んでおり、行政委任立法(以下「SI」という。)2008年/410号の第5附則に従った株式報酬の価額は含まれていない。取締役は、この他に非適格業務に関する報酬も受取るが、別途開示は要求されていない。
当年度のうち一定期間または年度を通じて取締役だった者のうち、3名の取締役が確定拠出型制度および確定給付型制度に加入していた。当年度において、最高報酬額を受取った取締役を含む4名の取締役が長期報奨制度に関するグループ・インクの株式を受け取ったか、または受け取る予定である。当年度において、最高報酬額を受取った取締役を含む2名の取締役がオプションを行使した。
2016年12月に終了した事業年度を通じて、または一定期間のみ取締役会メンバーであった8名の非業務執行取締役に対する報酬総額は、約1.1百万米ドルであった。一部の非業務執行取締役は、当年度に提供したアドバイザリー・サービスに関する追加の継続報酬を受け取ったか、または受け取る予定であり、その総額は約1.3百万米ドルである。
注記7 人件費
取締役、顧問および派遣従業員を含む当社の月平均従業員数は以下の表のとおりである。
| (単位:人) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2016年12月終了事業年度の平均 | 2015年12月終了事業年度の平均 | |||
| 取締役を含む従業員 | ||||
| 投資銀行業務 | 739 | 721 | ||
| 機関投資家向けクライアント・サービス | 1,383 | 1,407 | ||
| 投資および貸付業務 | 169 | 146 | ||
| 投資運用業務 | 624 | 593 | ||
| サポート部門 | 2,801 | 2,755 | ||
| 5,716 | 5,622 | |||
| 顧問および派遣従業員 | 409 | 527 | ||
| 平均従業員数合計 | 6,125 | 6,149 |
当社は、関連事業体に雇用され当社に出向している多くの者による勤務を利用している。出向者は従業員数および関連する人件費の開示に含められている。顧問および派遣従業員に係る費用は、下記の直接的従業員費用合計に含められている。2016年12月および2015年12月現在の従業員数合計はそれぞれ5,903名および6,458名である。
取締役に関するものも含め、当社が負担する従業員費用は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | |||
| 総賃金および給与の総額 | 2,567 | 2,454 | ||
| 国民保険制度の事業主負担 | 329 | 295 | ||
| 以下の制度の年金費用、雇用主負担: | ||||
| 確定拠出型制度および複合年金制度の確定拠出部分 | 69 | 62 | ||
| 複合年金制度の確定給付部分 | 9 | 23 | ||
| 直接的従業員費用合計 | 2,974 | 2,834 | ||
上記の表における直接的従業員費用合計には、株式に基づく報酬の時価評価に関連する費用が、2016年度に488百万米ドルおよび2015年度に6百万米ドル含まれている。
注記8 支払利息等
支払利息等は親会社およびグループ会社からの長期劣後ローンに係る利息から成り、2016年度および2015年度においてそれぞれ346百万米ドルおよび285百万米ドルである。詳細は、注記18を参照のこと。
注記9 年金制度
当社は、確定給付部分(以下「当制度」という。)と確定拠出部分の両方を有する複合的な構造を持った年金制度に資金を拠出している。当制度は、加入者の最終給与に基づき退職給付を提供しており、通常の退職年齢は65歳である場合がほとんどである。当制度は積み立てが行われており、当制度の資産は当社の資産とは分離されており、受託者が分離管理するファンドにおいて保有されている。
当制度は2008年4月1日をもって新規加入者の受付けを終了し、確定拠出型制度に置換わった。当制度は2016年3月31日をもって、既存の加入者に対する将来の給付金の積み立てを終了した。
当制度は信託法に基づき運営しており、信託証書の条項および関連法に従い加入者の代理としてゴールドマン・サックスUKリタイアメント・プラン・トラスティー・リミテッド(以下「トラスティー」という。)により管理運用されている。当制度の資産はトラストが保有している。
資格を有する独立した保険数理士による当制度に関する完全な保険数理評価は、予測単位積増方式を用いて2016年7月31日現在で実施され、2016年12月31日現在にアップデートされている。2016年12月現在における当制度の負債は、繰延加入者97%および現役の受益者3%から構成されている。
当制度のリスク
当制度のリスクは以下のとおりである。
・積立不足 給付金の支払いに対して投資利回りが不足する場合、追加拠出金が要求される。資本利益率の水準が全体的な投資利回りの主要な決定因子となる。投資ポートフォリオは、特に社債の金利リスクやインフレ・リスクなど、保有する資産クラスの特徴を示すようなその他の様々なリスクにも影響を受ける。
・資産のボラティリティ 当制度の投資戦略では、株式およびその他の高利回り商品への投資の比率が大きいため、当制度の資産と負債の差が変動しやすい。
・当制度の負債の感応度 当制度の負債および当期勤務費用は、将来のインフレおよび平均余命に関する仮定に対する感応度が高い。また、割引率(これは英ポンド建AA社債の市場イールドに依拠する)に対する感応度も高い。
財務上の仮定
確定給付債務の現在価値の決定に使用する重要な財務上の仮定は、以下の表のとおりである。
| (単位:%) | ||||
| 2016年12月終了事業年度 年率 | 2015年12月終了事業年度 年率 | |||
| 割引率 | 2.55 | 3.80 | ||
| 昇給率 | 4.00 | 4.00 | ||
| 物価インフレ率-RPI | 3.45 | 3.40 | ||
| 物価インフレ率-CPI | 2.45 | 2.40 | ||
| 支払年金増加率(1996年11月30日より後の期間における増加) | 3.25 | 3.20 | ||
| 繰延年金増加率(1996年11月30日より後の期間における増加) | 2.45 | 2.40 | ||
| 繰延年金増加率(2009年4月5日より後の期間における増加) | 2.45 | 2.40 | ||
死亡率の仮定
確定給付債務の現在価値の決定に使用する死亡率の仮定は、以下の表のとおりである。死亡率の仮定には「S1シリーズ・オールペンショナー・ライト」の基礎表を適用し、2002年以降の将来の改善についてはCMI2012の基本予測に従って長期の改善率を年率1%とする引当金を計上している。
| (単位:年) | ||||
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | |||
| 現在65歳の加入者の65歳時点の平均余命 | ||||
| 男性 | 24.0 | 24.0 | ||
| 女性 | 25.4 | 25.3 | ||
| 現在45歳の加入者の65歳時点の平均余命 | ||||
| 男性 | 25.4 | 25.3 | ||
| 女性 | 26.9 | 26.8 | ||
確定給付費用
当社の損益計算書およびその他の包括利益に認識されている当制度に関する確定給付費用は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | |||
| 損益計算書 | ||||
| 当期勤務費用 | 9 | 47 | ||
| 縮小利益 | ― | (24) | ||
| 金融収益純額 | (9) | (7) | ||
| 損益計算書への計上額合計 | ― | 16 | ||
| その他の包括利益 | ||||
| 割引率を上回る当制度の資産の期待運用収益 | (611) | (28) | ||
| 保険数理上の利益-負債の実績 | (16) | (13) | ||
| 保険数理上の損失-財務上の仮定 | 816 | 44 | ||
| その他の包括利益に認識された損失合計 | 189 | 3 | ||
| 確定給付費用合計 | 189 | 19 | ||
年金制度の積立余剰額の調整
当制度の資産、当制度の負債および年金制度の積立余剰額純額の調整は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 当制度の資産 | 当制度の負債 | 年金制度の積立余剰額純額 | ||||
| 2016年12月終了事業年度 | ||||||
| 1月1日現在 | 1,837 | (1,576) | 261 | |||
| 当期勤務費用 | ― | (9) | (9) | |||
| 縮小利益 | ― | ― | ― | |||
| 金融収益純額 | 64 | (55) | 9 | |||
| 割引率を上回る当制度の資産の運用収益 | 611 | ― | 611 | |||
| 保険数理上の利益-負債の実績 | ― | 16 | 16 | |||
| 保険数理上の損失-財務上の仮定 | ― | (816) | (816) | |||
| 雇用主の拠出額 | 8 | ― | 8 | |||
| 給付額 | (7) | 7 | ― | |||
| 為替差益/(損) | (354) | 327 | (27) | |||
| 12月31日現在 | 2,159 | (2,106) | 53 | |||
| 2015年12月終了事業年度 | ||||||
| 1月1日現在 | 1,817 | (1,560) | 257 | |||
| 当期勤務費用 | ― | (47) | (47) | |||
| 縮小利益 | ― | 24 | 24 | |||
| 金融収益純額 | 68 | (61) | 7 | |||
| 割引率を上回る当制度の資産の運用収益 | 28 | ― | 28 | |||
| 保険数理上の利益-負債の実績 | ― | 13 | 13 | |||
| 保険数理上の損失-財務上の仮定 | ― | (44) | (44) | |||
| 雇用主の拠出額 | 37 | ― | 37 | |||
| 給付額 | (10) | 10 | ― | |||
| 為替差益/(損) | (103) | 89 | (14) | |||
| 12月31日現在 | 1,837 | (1,576) | 261 |
当制度の資産の公正価値
当制度のトラスティーは、長期資産配分戦略として資産の65%を高利回り商品(株式など)および35%を負債適合資産(国債など)に投資している。当制度では、金利およびインフレへのエクスポージャーを削減するため、スワップおよびその他のデリバティブに投資するヘッジ・プログラムを有している。当制度の資産の公正価値は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 公正価値が引用される商品 | 公正価値が引用されない商品 | 合計 | ||||
| 2016年12月終了事業年度 | ||||||
| 株式 | 740 | ― | 740 | |||
| 国債 | 600 | ― | 600 | |||
| スワップ | ― | 518 | 518 | |||
| 現金および現金同等物 | 104 | ― | 104 | |||
| その他 | 134 | 63 | 197 | |||
| 合計 | 1,578 | 581 | 2,159 | |||
| 2015年12月終了事業年度 | ||||||
| 株式 | 873 | ― | 873 | |||
| 国債 | 534 | ― | 534 | |||
| スワップ | 250 | ― | 250 | |||
| 現金および現金同等物 | 56 | ― | 56 | |||
| その他 | 73 | 51 | 124 | |||
| 合計 | 1,786 | 51 | 1,837 |
感応度分析
重要な各保険数理上の仮定に対する当制度の負債の感応度分析は、以下の表のとおりである。感応度は、その他すべての仮定を一定とした場合の各仮定の変動に基づく。
この分析には、特異な変動が起こる可能性が低いなど、固有の限界がある。感応度の計算に使用する手法は、以下の表に示す2期間において同一である。
| 本制度の負債の影響 | ||||||||
| 仮定の増加 | 仮定の減少 | |||||||
| (単位:百万米ドル) | (単位:%) | (単位:百万米ドル) | (単位:%) | |||||
| 2016年12月現在 | ||||||||
| 割引率の0.25%の変動 | (177) | (8.4) | 193 | 9.2 | ||||
| 物価インフレの0.25%の変動 | 137 | 6.5 | (149) | (7.1) | ||||
| 平均余命の1年の変動 | 84 | 4.0 | (81) | (3.8) | ||||
| 2015年12月現在 | ||||||||
| 割引率の0.25%の変動 | (123) | (7.8) | 142 | 9.0 | ||||
| 物価インフレの0.25%の変動 | 112 | 7.1 | (105) | (6.7) | ||||
| 平均余命の1年の変動 | 54 | 3.4 | (52) | (3.3) | ||||
将来キャッシュ・フローの性質
当制度は2016年3月31日より将来の積立を終了したため、当社は当制度に対する通常の拠出は実施していないが、引き続きトラスティーとともに当制度の積立要件を定期的に評価する。
3年に1度、トラスティーによる当制度の積立要否の評価のため、当制度の正式な積立評価が実施される。この評価は異なる仮定を用いるため、会計上求められる保険数理上の評価とは異なる。
資格を有する独立した保険数理士による直近の積立評価は2015年12月31日現在で実施され、これにより当制度は66.3百万ポンド(82百万米ドル)の積立不足であると判明した。2016年12月31日現在、当社は当制度に73.3百万ポンド(90百万米ドル)を拠出することでトラスティーと合意した。この拠出は、2017年1月に40.0百万ポンド(49百万米ドル)および2018年1月に33.3百万ポンド(41百万米ドル)の2回に分けて行われる予定である。仮に当該拠出が2016年12月31日より前に実施されたとした場合、当社の貸借対照表に認識される積立余剰額純額は143百万米ドルであった。
当社は2017年度において、当制度から加入者への給付6百万米ドルを行う予定である。
2016年12月現在における当制度の負債の加重平均デュレーションは、36年であった。
注記10 株式報酬
株式報奨制度
グループ・インクは、RSUおよび報奨型ストックオプションなどを提供する株式報奨制度である2015年度ザ・ゴールドマン・サックス改訂・修正株式報奨制度(以下「2015年度SIP」という。)に資金を拠出している。
ゴールドマン・サックス・インターナショナル(以下「GSI」という。)は付与された株式報奨の償却に関連して、失効分控除後の株式に基づく報酬を2016年度および2015年度においてそれぞれ497百万米ドルおよび630百万米ドル計上した。グループ・インクとのチャージバック契約に従って、対応する資本計上額が負債に振替えられ、当該契約に基づき、当社は当該報奨の付与日現在の公正価値とその後の公正価値の変動額を、従業員への交付時にグループ・インクに支払うことになっている。
制限付株式ユニット
グループ・インクは、2015年度SIPに基づき、GSIの従業員に対してRSUを付与した。これは、権利確定および交付後に適用される譲渡制限に関する流動性割引を考慮した、対象となる株式の付与日の終値で評価される。RSUは通常、該当するRSU契約に記載されている方法で権利が確定し、対象となる普通株式が交付される。従業員RSU契約では通常、退職、死亡、障害および利害が対立している従業員などの特定の状況において権利確定期間が短縮されることが規定されている。対象となる普通株式の交付は、受給者が報奨契約に記載されている一定の権利確定要件およびその他の要件を満たすことが条件となる。
ストックオプション
従業員に付与されたストックオプションは通常、該当するストックオプション契約に記載されている方法で権利が確定する。通常、オプションは付与日から10年目に期間が終了するが、該当するストックオプション契約および付与時に効力を有するザ・ゴールドマン・サックス改訂・修正株式報奨制度の条項に従い、特定の状況においては早期終了や取消しとなる可能性もある。
未行使オプションは以下の表のとおりである。2016年12月現在のすべての未行使オプションは、2007年度および2008年度に付与されたものである。
| 未行使オプション (単位:数) | 加重平均行使価格 (単位:米ドル) | 加重平均残存年数 (単位:年) | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | ||||||
| 75.00-89.99米ドル | 1,109,309 | 78.78 | 2.00 | |||
| 90.00-194.99米ドル | ― | ― | ― | |||
| 195.00-209.99米ドル | 436,951 | 204.16 | 0.92 | |||
| 残高合計 | 1,546,260 | 114.21 | 1.69 | |||
| 2015年12月現在 | ||||||
| 75.00-89.99米ドル | 2,154,052 | 78.78 | 3.00 | |||
| 90.00-194.99米ドル | ― | ― | ― | |||
| 195.00-209.99米ドル | 847,310 | 202.40 | 1.51 | |||
| 残高合計 | 3,001,362 | 113.68 | 2.58 |
当年度に行使されたオプションに係る、行使日現在の加重平均株価は、2016年度および2015年度においてそれぞれ194.04米ドルおよび196.28米ドルであった。
注記11 経常利益に係る法人税等
当社の経常利益に係る法人税等の分析は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | |||
| 当期法人税 | ||||
| 英国法人税 | 431 | 372 | ||
| 過去の期間に係る調整額 | (4) | 18 | ||
| 外国税額 | 103 | 77 | ||
| 当期法人税合計 | 530 | 467 | ||
| 繰延税金 | ||||
| 一時差異の発生および解消 | (46) | 54 | ||
| 英国法人税率による減少/(増加)の影響額 | 3 | (155) | ||
| 過去の期間に係る調整額 | ― | (13) | ||
| 繰延税金合計 | (43) | (114) | ||
| 経常利益に係る法人税等合計 | 487 | 353 | ||
2016年9月に、2020年4月1日より英国法人税率を1パーセント・ポイント引き下げる予算が承認された。当社はこれに伴い繰延税金資産を再測定したが、この変更により2016年12月に終了する事業年度における当社の実効税率に重要な影響はなかった。
経常利益に係る法人税等と、当年度において適用される加重平均英国法人税率28.0%(2015年度:20.25%)を当社の税引前経常利益に掛けて算出した金額との調整は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | |||
| 税引前経常利益 | 1,943 | 2,661 | ||
| 28.0%(2015年度:20.25%)の英国法人税率を掛けた経常利益 | 544 | 539 | ||
| 繰延税金資産の認識および測定の変動 | 9 | (8) | ||
| 永久差異 | (30) | (4) | ||
| 対価なしでグループ会社から譲り受けた税務上の損失 | (22) | (29) | ||
| 外国所得に対する税額増加の影響 | ― | 8 | ||
| 換算差額およびその他 | (13) | (3) | ||
| 過去の期間に係る調整額 | (4) | 5 | ||
| 英国法人税率による減少/(増加)の影響額 | 3 | (155) | ||
| 経常利益に係る法人税等合計 | 487 | 353 | ||
注記12 固定資産
当社の固定資産は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||
| 有形固定資産 | 34 | 11 | |
| 無形固定資産 | 105 | ― | |
| 固定資産投資 | 1 | 1 | |
| 固定資産合計 | 140 | 12 |
有形固定資産
当年度中の有形固定資産の増減は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||||
| 賃借物件付属設備 | 工具器具備品 | 合計 | |||
| 取得価額 | |||||
| 1月1日現在 | 25 | 11 | 36 | ||
| 取得 | 27 | ― | 27 | ||
| 処分 | ― | (1) | (1) | ||
| 12月31日現在 | 52 | 10 | 62 | ||
| 減価償却費累計額 | |||||
| 1月1日現在 | 19 | 6 | 25 | ||
| 当期計上額(注記5参照) | 3 | 1 | 4 | ||
| 処分 | ― | (1) | (1) | ||
| 12月31日現在 | 22 | 6 | 28 | ||
| 正味帳簿価額 | |||||
| 2016年12月現在 | 30 | 4 | 34 | ||
| 2015年12月現在 | 6 | 5 | 11 | ||
無形固定資産
当年度中の無形固定資産の増減は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||||
| コンピュータ・ソフトウェア | ソフトウェア仮勘定 | 合計 | |||
| 取得価額 | |||||
| 1月1日現在 | ― | ― | ― | ||
| 取得/振替 | 24 | 84 | 108 | ||
| 12月31日現在 | 24 | 84 | 108 | ||
| 無形資産償却費累計額 | |||||
| 1月1日現在 | ― | ― | ― | ||
| 当期計上額(注記5参照) | 3 | ― | 3 | ||
| 12月31日現在 | 3 | ― | 3 | ||
| 正味帳簿価額 | |||||
| 2016年12月現在 | 21 | 84 | 105 | ||
| 2015年12月現在 | ― | ― | ― | ||
2016年1月より、当社は内部開発のコンピュータ・ソフトウェアを資産計上している。2016年度より前には、当該費用は別のグループ会社において資産計上されており、関連する償却費は当社に振替えられていた。
固定資産投資
当年度中の固定資産投資の増減は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||||
| 子会社株式 | ローン以外のその他投資 | 合計 | |||
| 取得価額 | |||||
| 1月1日現在 | ― | 1 | 1 | ||
| 12月31日現在 | ― | 1 | 1 | ||
| 減価償却費累計額 | |||||
| 1月1日現在 | ― | ― | ― | ||
| 12月31日現在 | ― | ― | ― | ||
| 正味帳簿価額 | |||||
| 2016年12月現在 | ― | 1 | 1 | ||
| 2015年12月現在 | ― | 1 | 1 | ||
2016年12月現在において当社が支配を有する子会社は以下の表のとおりである。
| 会社名 | 設立国 | 持分比率および議決権の割合 | 保有株式の種類 | 保有株式数 (単位:株) | 事業の内容 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ゴールドマン・サックス(ケイマン)リミテッド | ケイマン諸島 | 100% | 普通株式 | 250 | 金融サービス | |||||
| イポペマ80ファンダス・インベスティシニ・ザムクニエチ | ポーランド | 100% | * | * | 投資ファンド |
* この子会社は、株式に付随する議決権以外により支配されている。
当社は複数の特別目的事業体および元本保証ファンドの持分を有しており、これらは法的には子会社の定義を満たさないが、実質的に法的な子会社である場合と変わらないリスクおよび便益を生じさせる子会社である。これらの特別目的事業体および元本保証ファンドの活動は、リパッケージ・プログラムに基づく借入証券の発行から成る。これらの特別目的事業体および元本保証ファンドはグループ・インクの連結財務書類に含まれている。
注記13 保有金融商品および売却済未購入金融商品
保有金融商品および売却済未購入金融商品は、当社の営業活動における金融商品および投資から成る。保有金融商品には、担保として差入れた保有金融商品が含まれる。詳細は注記24を参照のこと。
当社の保有金融商品は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||
| 現物商品 | |||
| マネー・マーケット商品 | 211 | 454 | |
| 政府債および政府機関債 | 18,459 | 16,654 | |
| モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券 | 704 | 1,094 | |
| コーポレート・ローンおよび社債ならびにその他の債券 | 12,356 | 12,368 | |
| 株式および転換社債 | 31,513 | 36,358 | |
| コモディティ | 103 | 9 | |
| 現物商品合計 | 63,346 | 66,937 | |
| デリバティブ商品 | |||
| 金利 | 371,881 | 321,915 | |
| クレジット | 34,059 | 48,094 | |
| 為替 | 127,290 | 113,522 | |
| コモディティ | 9,813 | 12,926 | |
| 株式 | 56,556 | 52,660 | |
| デリバティブ商品合計 | 599,599 | 549,117 | |
| 保有金融商品合計 | 662,945 | 616,054 |
当社の売却済未購入金融商品は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||
| 現物商品 | |||
| 政府債および政府機関債 | 10,099 | 7,433 | |
| コーポレート・ローンおよび社債ならびにその他の債券 | 2,129 | 2,417 | |
| 株式および転換社債 | 14,701 | 14,834 | |
| コモディティ | 7 | ― | |
| 現物商品合計 | 26,936 | 24,684 | |
| デリバティブ商品 | |||
| 金利 | 365,628 | 312,222 | |
| クレジット | 31,501 | 43,944 | |
| 為替 | 126,877 | 112,892 | |
| コモディティ | 9,795 | 12,897 | |
| 株式 | 53,174 | 49,015 | |
| デリバティブ商品合計 | 586,975 | 530,970 | |
| 売却済未購入金融商品合計 | 613,911 | 555,654 |
注記14 担保付契約
当社の担保付契約は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||
| 売戻条件付契約 | 120,005 | 110,318 | |
| 借入有価証券担保金 | 64,595 | 53,385 | |
| 担保付契約合計 | 184,600 | 163,703 |
上記の表において、
・担保付契約合計には、グループ会社に対する債権が、2016年12月および2015年12月現在において、それぞれ1,214.5億米ドルおよび918.4億米ドル含まれている。
・担保付契約合計には、1年を超えて期日の到来するものが、2016年12月および2015年12月現在において、それぞれ433百万米ドルおよび18.7億米ドル含まれている。
注記15 未収金
当社の未収金残高は、以下の表のとおりである。以下に注記されているものを除き、未収金はすべて、貸借対照表日から1年以内に期日が到来する。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||
| ブローカー/ディーラーおよび顧客に対する債権 | 57,290 | 53,047 | |
| 親会社およびグループ会社に対する債権 | 11,574 | 6,768 | |
| 繰延税金(注記16参照) | 704 | 569 | |
| その他未収金 | 44 | 44 | |
| 前払金および未収収益 | 84 | 60 | |
| 未収金合計 | 69,696 | 60,488 |
上記の表において、
・ブローカー/ディーラーおよび顧客に対する債権には、担保付貸付契約および/または前払コモディティ契約に係る1年を超えて期日の到来するものの残高が、2016年12月および2015年12月現在において、それぞれ276百万米ドルおよび887百万米ドル含まれている。
・未収金合計には、金融資産が2016年12月および2015年12月現在においてそれぞれ689.6億米ドルおよび598.7億米ドル、ならびに非金融資産が2016年12月および2015年12月現在においてそれぞれ736百万米ドルおよび614百万米ドル含まれている。
注記16 繰延税金
当社の繰延税金資産の構成要素は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | |||
| 減価償却費のキャピタル・アローワンス超過額 | ― | 3 | ||
| 退職後給付 | (13) | (68) | ||
| 繰延報酬 | 672 | 634 | ||
| 債務評価調整 | 45 | ― | ||
| 繰延税金合計 | 704 | 569 |
上記の表において、繰延報酬は主に株式に基づく報酬に関するものである。
当社の繰延税金資産の各構成要素の変動は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | |||
| 減価償却費のキャピタル・アローワンス超過額 | ||||
| 1月1日現在 | 3 | 3 | ||
| 損益計算書への振替額 | (3) | ― | ||
| 12月31日現在 | ― | 3 | ||
| 退職後給付 | ||||
| 1月1日現在 | (68) | (51) | ||
| 損益計算書への振替額 | 8 | (18) | ||
| その他の包括利益への振替額 | 47 | 1 | ||
| 12月31日現在 | (13) | (68) | ||
| 繰延報酬 | ||||
| 1月1日現在 | 634 | 502 | ||
| 損益計算書への振替額 | 38 | 132 | ||
| 12月31日現在 | 672 | 634 | ||
| 債務評価調整 | ||||
| 1月1日現在 | ― | ― | ||
| その他の包括利益への振替額 | 45 | ― | ||
| 12月31日現在 | 45 | ― | ||
| 合計 | ||||
| 1月1日現在 | 569 | 454 | ||
| 損益計算書への振替額(注記11参照) | 43 | 114 | ||
| その他の包括利益への振替額 | 92 | 1 | ||
| 12月31日現在 | 704 | 569 |
注記17 担保付借入金
当社の担保付借入金は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||
| 1年以内に期日の到来する金額 | |||
| 買戻条件付契約 | 84,581 | 38,578 | |
| 貸付有価証券担保金 | 53,060 | 77,807 | |
| 合計 | 137,641 | 116,385 | |
| 1年を超えて期日の到来する金額 | |||
| 買戻条件付契約 | 5,734 | 3,502 | |
| 貸付有価証券担保金 | 499 | ― | |
| 合計 | 6,233 | 3,502 | |
| 担保付借入金合計 | 143,874 | 119,887 |
上記の表において、担保付借入金合計には、グループ会社に対する債務が、2016年12月および2015年12月現在においてそれぞれ979.1億米ドルおよび826.7億米ドル含まれており、そのうち1年以内に期日の到来する金額は、2016年12月および2015年12月現在においてそれぞれ975.8億米ドルおよび825.5億米ドルである。
注記18 その他未払金
当社のその他未払金は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||
| 1年以内に期日の到来する金額 | |||
| 銀行ローン | 164 | 63 | |
| 当座借越 | 7 | 4 | |
| 発行社債 | 12,819 | 13,850 | |
| ブローカー/ディーラーおよび顧客に対する債務 | 54,071 | 54,544 | |
| 親会社およびグループ会社に対する債務-無担保借入 | 18,922 | 27,195 | |
| 親会社およびグループ会社に対する債務-その他の無担保債務 | 22,517 | 18,316 | |
| 親会社およびグループ会社に対する未払報酬 | 918 | 834 | |
| 未払法人税 | 203 | 134 | |
| 租税公課 | 231 | 230 | |
| その他未払金および未払費用 | 1,079 | 1,130 | |
| 合計 | 110,931 | 116,300 | |
| 1年を超えて期日の到来する金額 | |||
| 銀行ローン | ― | 100 | |
| 長期劣後ローン | 8,958 | 8,958 | |
| 発行社債 | 11,157 | 7,896 | |
| 親会社およびグループ会社に対する債務-無担保借入 | 16,882 | 14,316 | |
| 親会社およびグループ会社に対する債務-その他の無担保債務 | 276 | 344 | |
| 親会社およびグループ会社に対する未払報酬 | 745 | 684 | |
| その他未払金 | 55 | ― | |
| 合計 | 38,073 | 32,298 | |
| その他未払金合計 | 149,004 | 148,598 |
上記の表において、
・親会社およびグループ会社に対する未払報酬は株式報酬に関するものである。
・1年以内に期日の到来する金額合計には、金融負債が2016年12月および2015年12月現在においてそれぞれ1,105.0億米ドルおよび1,159.4億米ドル、ならびに非金融負債が2016年12月および2015年12月現在においてそれぞれ434百万米ドルおよび364百万米ドル含まれている。
・2016年12月および2015年12月現在において、1年を超えて期日の到来する金額はすべて金融負債である。
発行社債
当社の発行社債は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||
| 1年以内に期日の到来する金額 | |||
| 関連会社との無担保発行社債 | 2,080 | 1,778 | |
| 外部取引相手先との無担保発行社債 | 7,992 | 9,722 | |
| 関連会社との担保付発行社債 | 932 | 493 | |
| 外部取引相手先との担保付発行社債 | 1,815 | 1,857 | |
| 合計 | 12,819 | 13,850 | |
| 1年を超えて期日の到来する金額 | |||
| 関連会社との無担保発行社債 | 886 | 671 | |
| 外部取引相手先との無担保発行社債 | 8,704 | 5,317 | |
| 関連会社との担保付発行社債 | 537 | 1,148 | |
| 外部取引相手先との担保付発行社債 | 1,030 | 760 | |
| 合計 | 11,157 | 7,896 | |
| 発行社債合計 | 23,976 | 21,746 |
上記の表において、担保付発行社債は担保として差入れられた有価証券により担保されている。差入れを受けた担保は「保有金融商品」または担保付契約によるもののいずれかとして認識されている。
当社の長期発行社債の期日は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||
| 1年超2年以内 | 1,630 | 2,554 | |
| 2年超5年以内 | 3,295 | 2,074 | |
| 5年超 | 6,232 | 3,268 | |
| 合計 | 11,157 | 7,896 |
5年を超えて期日の到来する債務は、主に満期が2022年度から2056年度の間に到来する仕組債券に関連している。これらの債券に関する支払いは主に金利や株式関連の原金融資産を参照して行われる。
長期劣後ローン
長期劣後ローンは、親会社およびグループ会社からの長期劣後ローンから成る。当該債務に対する担保設定はなされておらず、米国連邦準備制度理事会のフェデラル・ファンド・レートに一定のマージンを加えた利率で利息が生じる。マージンは、GSグループの加重平均債務コストの変動を反映して定期的に再設定される。長期劣後ローンは、プルーデンス規制機構(以下「PRA」という。)より承認された規制資本を構成しており、PRAの承認を条件として返済が可能である。87.0億米ドルの長期劣後ローンが、2021年12月14日から2025年4月29日までの期間において返済が可能である。当該満期日より前の返済については、PRAの承認が必要である。255百万米ドルの長期劣後ローンが、グループ会社に対する、あるいはグループ会社からの最低5年の事前通知により、PRAの承認を条件として返済が可能である。
債務評価調整
損益を通じて公正価値で評価するものとして指定された発行社債の公正価値は、GSグループのクレジット・スプレッドを考慮した率で将来キャッシュ・フローを割引くことにより算定している。当該金融負債のDVA純額は、2016年度において税引前損失182百万米ドルであり、その他の包括利益の「債務評価調整」に含まれている。
関係会社間の借入金
1年を超えて期日の到来する親会社およびグループ会社に対する債務には、5年を超えて期日の到来する借入金が含まれる。2016年12月現在、当社には2026年6月13日を期日とした変動利付借入金が211百万米ドルあり、2015年12月現在、当社には2063年10月22日を期日とした変動利付借入金が284百万米ドルあった。
注記19 払込資本金
当社の払込資本金は、以下の表のとおりである。
| 割当済、請求済および払込済株式 | 額面1米ドル普通株式 (単位:株) | (単位:百万米ドル) | |
|---|---|---|---|
| 2016年1月1日現在 | 581,964,161 | 582 | |
| 2016年12月31日現在 | 581,964,161 | 582 |
注記20 現金および現金同等物
キャッシュ・フロー計算書の目的上、当社の現金および現金同等物は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||
| 現金・預金 | 16,888 | 9,974 | |
| 当座借越(注記18参照) | (7) | (4) | |
| 現金および現金同等物合計 | 16,881 | 9,970 |
注記21 営業活動によるキャッシュ・フローの調整
当社の営業活動によるキャッシュ・フローの調整は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | ||
| 税引前経常利益 | 1,943 | 2,661 | |
| 以下の項目に対する調整 | |||
| 減価償却費および無形資産償却費(注記5および12参照) | 7 | 4 | |
| 確定給付制度の費用(注記9参照) | ― | 16 | |
| 為替差損 | 992 | 433 | |
| 株式報酬費用 | 870 | 502 | |
| 負債性引当金 | ― | 1 | |
| 支払利息等(注記8参照) | 346 | 285 | |
| 営業資産負債の増減前に生じたキャッシュ | 4,158 | 3,902 | |
| 営業資産の増減 | |||
| 保有金融商品の減少/(増加) | (46,891) | 77,694 | |
| 担保付契約の減少/(増加) | (20,897) | 39,813 | |
| 未収金の減少/(増加) | (9,062) | 6,194 | |
| 営業資産の増減 | (76,850) | 123,701 | |
| 営業負債の増減 | |||
| 売却済未購入金融商品の増加/(減少) | 58,257 | (85,759) | |
| 担保付借入金の増加/(減少) | 23,987 | (21,764) | |
| その他未払金の減少 | (799) | (17,137) | |
| 負債性引当金の減少 | ― | (17) | |
| 営業負債の増減 | 81,445 | (124,677) | |
| 確定給付制度への拠出金支払額(注記9参照) | (8) | (37) | |
| 営業活動から生じたキャッシュ | 8,745 | 2,889 |
営業活動から生じたキャッシュには、利息支払額が2016年度および2015年度においてにおいてそれぞれ20.5億米ドルおよび21.6億米ドル、ならびに利息受取額が2016年度および2015年度においてそれぞれ18.3億米ドルおよび22.2億米ドル含まれている。
注記22 財務上のコミットメントおよび偶発債務
コミットメントおよび偶発債務
当社のコミットメントおよび偶発債務は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | ||
| 条件付およびフォワード・スタート売戻条件付契約および有価証券借入契約 | 43,599 | 29,276 | |
| フォワード・スタート買戻条件付契約および担保付貸付契約 | 11,806 | 11,483 | |
| その他 | 3,993 | 4,137 | |
| 合計 | 59,398 | 44,896 |
当社は、将来の日付(通常は3営業日以内)において決済される売戻条件付契約および有価証券借入契約ならびに買戻条件付契約および担保付貸付契約を締結している。また当社には売戻条件付契約を通じて顧客および取引相手先に条件付融資を行うコミットメントがある。これらのコミットメントに基づく当社の融資は、売戻条件付契約のすべての条件を満たすことが前提となっており、実行されないままコミットメントが満期を迎える可能性もある。
その他のコミットメントは、主に担保付コミットメントおよび信用供与コミットメントに関するものである。
また、通常の営業活動から生じた当社の資産には担保登録されたものが存在する。
リース
当社は、長期リース契約によりいくつかの建物を賃借している。リースは、契約で定める一定期間後に再交渉の対象となるもので、当社は契約に基づいて、これらの不動産に対する全ての保険料、維持および修理に関する費用の支払いを行っている。以下の表は、各期間における解約不能オペレーティング・リースに基づく将来の最低支払リース料総額を示している。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | |||
| 1年未満 | 82 | 95 | ||
| 1年から5年 | 229 | 347 | ||
| 5年超 | ― | 16 | ||
| 合計 | 311 | 458 |
解約不能サブリースに基づき、受け取ることが予想される将来の最低支払リース料総額は、2016年12月および2015年12月現在においてそれぞれ46百万米ドルおよび70百万米ドルであった。
訴訟事件等
当社は、当社の業務を遂行する上で生じた事項について、様々な司法手続、行政手続および仲裁手続(以下に記載されたものを含む)に関与しているが、これらの影響について信頼性をもって見積ることは実務上困難である。
金利スワップ反トラスト訴訟 GSIは、2015年11月以降にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起され併合された、金利スワップ取引に関連する反トラスト法の集団訴訟を意図した訴訟の被告に含まれている。2016年12月9日に提出された第2併合修正訴状は概ね、被告らが共謀して少なくとも2007年1月1日以降に金利スワップの取引所での取引を妨害したと主張するものである。訴状では、宣言的救済および差止による救済ならびに金額を特定しない3倍損害賠償が求められている。2017年1月20日、被告らは却下を求める申立を行った。
GSIは、スワップ執行ファシリティの運営会社2社およびその一部の関連会社により、2016年4月以降にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起された、金利スワップ取引に関連する反トラスト法訴訟の被告に含まれている。公判前手続きのため、これらの訴訟は上述の集団訴訟に併合されている。2016年12月9日に提出された第2併合修正訴状は概ね、被告らが共謀して原告の各スワップ執行ファシリティ上の金利スワップの取引を妨害したとする申立てに関連する、連邦および州の反トラスト法ならびに州のコモンローの違反を主張するものであり、宣言的救済および差止による救済ならびに金額を特定しない3倍損害賠償が求められている。2017年1月20日、被告らは却下を求める申立を行った。
コモディティ関連訴訟 GSIは、2014年11月25日以降にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起され、直近では2015年7月27日に修正訴状が提出された、プラチナおよびパラジウムの取引に関連する集団訴訟を意図した訴訟の被告に含まれている。訴状では概ね、被告が共謀して現物プラチナおよびパラジウムのベンチマーク価格を操作したとする連邦反トラスト法および商品取引法の違反が主張され、宣言的救済および差止による救済ならびに金額を特定しない3倍損害賠償が求められている。2015年9月21日、被告は却下を求める申立を行った。
規制当局の調査および検査ならびに関連訴訟 グループ・インクおよびその関連会社の一部(GSIを含む)は、以下のGSグループの事業および業務に関する様々な事項について、様々な政府および規制機関ならびに自主規制機関による多数のその他の調査および検査の対象となっており、いくつかの案件では、召喚状ならびに文書および情報の提供要請を受けている。
・2008年の金融危機
・公募のプロセス
・投資運用サービスおよびファイナンシャル・アドバイザリー・サービス
・利益相反
・政府が関連する資金調達およびその他の事項(これには、マレーシアの政府系投資ファンドである1マレーシア・ディベロップメント・バーハッド(以下「1MDB」という。)に関連する事項が含まれる)に関わる取引
・社債、国債、為替、コモディティおよびその他の金融商品の募集または売出、オークション、販売、取引および決済ならびに関連する販売時の連絡等の活動(これには、空売りに関する規則の遵守、アルゴリズム、高頻度および定量的取引、先物取引、オプション取引、発行日取引、取引報告、テクノロジー・システムおよび統制、証券貸付の実務慣行、信用デリバティブおよび金利スワップの取引および決済、コモディティ取引および金属の貯蔵、私募の実務慣行、有価証券の割当および取引、ならびに為替レートなどのベンチマーク金利の設定に関する取引業務および連絡が含まれる)
・英国贈収賄防止法および米国海外汚職防止法の遵守
・雇用および報酬の実務慣行
・リスク管理統制システム
・インサイダー取引、会社および政府の動向に関する重要な非公開情報の乱用および流布の可能性、ならびにインサイダー取引統制および情報障壁の有効性
さらに、当社の関連会社およびかかる関連会社の事業および業務に関する調査、検査および訴訟(上記の様々な事項を含むが、他の事項も含む)は、当社の事業および業務に影響を及ぼす可能性がある。
注記23 金融リスク管理および資本管理
当社の金融リスク管理および資本管理に関する特定の開示は、本年次報告書のパートI(訳者注:原文の該当箇所をいう。)におけるその他のリスク管理および規制上の情報と共に表示されており、監査済みである場合には、そのように特定されている。
注記24 金融資産および金融負債
区分別金融資産および金融負債
当社の金融資産および金融負債の区分別の帳簿価額は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||||||
| 金融資産 | ||||||||
| トレーディング目的で保有 | 公正価値で評価するものとして指定 | ローンおよび債権 | 合計 | |||||
| 2016年12月現在 | ||||||||
| 保有金融商品 | 662,945 | ― | ― | 662,945 | ||||
| 担保付契約 | ― | 139,732 | 44,868 | 184,600 | ||||
| 未収金 | ― | 1,432 | 67,528 | 68,960 | ||||
| 現金・預金 | ― | ― | 16,888 | 16,888 | ||||
| 金融資産合計 | 662,945 | 141,164 | 129,284 | 933,393 | ||||
| 2015年12月現在 | ||||||||
| 保有金融商品 | 616,054 | ― | ― | 616,054 | ||||
| 担保付契約 | ― | 132,933 | 30,770 | 163,703 | ||||
| 未収金 | ― | 1,368 | 58,506 | 59,874 | ||||
| 現金・預金 | ― | ― | 9,974 | 9,974 | ||||
| 金融資産合計 | 616,054 | 134,301 | 99,250 | 849,605 | ||||
| (単位:百万米ドル) | ||||||||
| 金融負債 | ||||||||
| トレーディング目的で保有 | 公正価値で評価するものとして指定 | 償却原価 | 合計 | |||||
| 2016年12月現在 | ||||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | ||||||||
| 売却済未購入金融商品 | 613,911 | ― | ― | 613,911 | ||||
| 担保付借入金 | ― | 96,427 | 41,214 | 137,641 | ||||
| その他未払金 | ― | 13,542 | 96,955 | 110,497 | ||||
| 合計 | 613,911 | 109,969 | 138,169 | 862,049 | ||||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | ||||||||
| 担保付借入金 | ― | 6,233 | ― | 6,233 | ||||
| その他未払金 | ― | 19,407 | 18,666 | 38,073 | ||||
| 合計 | ― | 25,640 | 18,666 | 44,306 | ||||
| 金融負債合計 | 613,911 | 135,609 | 156,835 | 906,355 | ||||
| 2015年12月現在 | ||||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | ||||||||
| 売却済未購入金融商品 | 555,654 | ― | ― | 555,654 | ||||
| 担保付借入金 | ― | 72,913 | 43,472 | 116,385 | ||||
| その他未払金 | ― | 14,281 | 101,655 | 115,936 | ||||
| 合計 | 555,654 | 87,194 | 145,127 | 787,975 | ||||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | ||||||||
| 担保付借入金 | ― | 3,502 | ― | 3,502 | ||||
| その他未払金 | ― | 19,928 | 12,370 | 32,298 | ||||
| 合計 | ― | 23,430 | 12,370 | 35,800 | ||||
| 金融負債合計 | 555,654 | 110,624 | 157,497 | 823,775 | ||||
上記の表において、公正価値で評価するものとして指定された当社の関係会社間の無担保借入金の一部は、以前は償却原価で測定するものとして開示されていた。2015年12月現在、1年以内に期日の到来するその他未払金87百万米ドル、および1年を超えて期日の到来するその他未払金124.8億米ドルは、残高のより適切な表示のために、償却原価から公正価値で評価するものとして指定に振替えられている。当該金融商品は公正価値の階層のレベル2に表示されている。以下の「金融資産および金融負債の公正価値のレベル別内訳」を参照のこと。
公正価値の階層
金融商品の公正価値とは、測定日における市場参加者間の通常取引で、資産の売却により受取る、または負債の移転により支払われると考えられる金額である。金融資産はビッド価格で評価され、金融負債はオファー価格で評価される。公正価値測定において取引費用は算入されない。当社は一部の金融資産および金融負債を1つのポートフォリオとして測定する(すなわち、市場リスクおよび(または)信用リスクに対する純エクスポージャーに基づき測定する)。
英国基準は、公正価値測定の開示について3つのレベルの公正価値の階層を設定している。公正価値の階層は、公正価値の測定に使用される評価手法への入力情報の優先順位を定めており、レベル1の入力情報を最も優先順位が高く、レベル3の入力情報を最も優先順位が低いとしている。公正価値の階層における金融資産または金融負債のレベルは、公正価値測定に重要な入力情報のうち最も低いレベルに基づいている。
公正価値の階層は以下のとおりである。
レベル1 入力情報は、同一の非制限資産または負債について、測定日において当社がアクセスできた活発な市場における無調整の市場価格である。
レベル2 評価手法への入力情報は直接または間接的に観察可能である。
レベル3 評価手法への入力情報の1つ以上が重要かつ観察不能である。
経常的に公正価値で評価される当社の金融資産および金融負債のほぼすべての公正価値は、観察可能な価格および入力情報に基づいており、公正価値の階層のレベル1およびレベル2に分類されている。レベル2およびレベル3の金融資産および金融負債の一部については、取引相手先およびGSグループの信用度、資金調達リスク、譲渡制限、流動性ならびにビッド/オファーのスプレッドなどの要素に関して、市場参加者が公正価値を算定するのに必要と考えられる適切な評価調整を行う場合がある。評価調整は通常、市場のデータに基づいている。
評価手法および重要な入力情報
現物商品 現物商品には、政府債および政府機関債、コーポレート・ローンおよび社債ならびにその他の債券、株式および転換社債、ならびにデリバティブ以外のその他の保有金融商品および売却済未購入金融商品が含まれる。公正価値の階層の各レベルの評価手法および重要な入力情報には、以下が含まれる。
レベル1の現物商品
レベル1の現物商品は、活発な市場における同一の非制限商品の市場価格を用いて評価される。当社は、絶対的な観点と、当該商品の時価総額との相対的な観点の両方による日次平均トレーディング量に基づき、持分商品の活発な市場を定義している。当社は、日次平均トレーディング量と売買取引日数の両方に基づき、債務商品の活発な市場を定義している。
レベル2の現物商品
レベル2の現物商品は、市場価格、同一または類似商品についての最近の売買取引、ブローカーまたはディーラーによる呼び値、あるいは価格の透明性が合理的な水準にある代替的な価格情報源により検証可能である。呼び値の性質(指標的なものか、確定的なものかなど)、および最近の市場活動と代替的な価格情報源が提供した価格との関係が考慮される。
一般的に(ⅰ)現物商品の譲渡が制限されている場合、および(または)(ⅱ)市場参加者が公正価値を算定するのに必要と考えられるその他のプレミアムおよび流動性割引に関して、レベル2の現物商品に対して評価調整が行われる。評価調整は通常、市場のデータに基づいている。
レベル3の現物商品
レベル3の現物商品には、評価における重要な入力情報に観察不能なものが1つ以上含まれる。反証がない限り、レベル3の現物商品は取引価格で当初評価されるが、これは公正価値の当初見積りの最善のものと考えられる。その後、当社は公正価値の算定に他の方法を用いるが、これは商品の種類によって異なる。評価における入力情報および仮定は、金融資産の売却時実現価値を含めた実体のある観察可能な証拠に裏付けられる場合に変更される。
レベル3の現物商品の評価手法は商品ごとに異なるが、通常は割引キャッシュ・フロー法に基づいている。レベル3の現物商品の各タイプの公正価値の算定に使用される評価手法および重要な入力情報の性質は以下のとおりである。
・モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券 重要な入力情報は通常、相対価値分析に基づき決定されており、以下が含まれる。
・類似または関連する資産の取引から推定される市場利回り
・借手やローン担保の現在の状況およびデフォルト時の回収に関する仮定
・予想将来キャッシュ・フローの時期(デュレーション)。これは、その他の観察不能な入力情報の影響を組み込むことがある(期限前償還率など)
・株式および転換社債 株式および転換社債は、プライベート・エクイティ投資を含んでいる。最近の第三者による完了済または進行中の取引(合併の提案、公開買付、債務の再編など)が公正価値の変動の最良の証拠とみなされる。これらが入手できない場合には、以下の評価手法が適宜使用される。
・業界の評価倍率および上場会社との比較
・類似商品の取引
・割引キャッシュ・フロー法
・コーポレート債務およびその他の現物商品 コーポレート債務およびその他の現物商品は、コーポレート・ローンおよび社債ならびにその他の債券、ならびに政府債および政府機関債から成る。重要な入力情報は通常、相対価値分析に基づき決定されており、同一または類似する対象商品または企業を参照するクレジット・デフォルト・スワップの価格との比較と、同一の発行体が発行する、観察可能な価格またはブローカーの呼び値が入手可能なその他の債務商品との比較の両方を組み込んでいる。重要な入力情報には以下が含まれる。
・類似または関連する資産の取引から推定される市場利回り
・iTraxx、CDXおよびLCDX(企業の信用度およびローンのパフォーマンスをそれぞれトラッキングする指数)などの市場指数の現在のレベルおよび変動
・借手やローン担保の現在の状況およびデフォルト時の回収に関する仮定
・商品の満期およびクーポンの情報
デリバティブ商品 デリバティブは、取引所で取引される(上場)場合もあれば、店頭デリバティブとして相対取引により契約が締結される場合もある。当社の店頭デリバティブの一部は、中央清算機関を通じて清算および決済される(清算対象の店頭取引)が、一部は両取引相手間の双務契約(二者間の店頭取引)となっている。
当社のレベル2およびレベル3のデリバティブは、デリバティブ価格決定モデル(割引キャッシュ・フロー・モデル、相関モデル、およびモンテ・カルロ法等のオプション価格決定法を組み込むモデルなど)を用いて評価される。デリバティブの価格の透明性は通常、商品タイプ別に以下のとおり特徴が分類できる。
・金利 一般的に金利デリバティブの評価に使用される主要な入力情報は、長期契約であってもほとんどの場合透明性がある。主要先進国の通貨建の金利スワップおよびオプションの特徴は、取引量が多いことおよびビッド/オファーのスプレッドが小さいことである。インフレ指数などの指数またはイールド・カーブの形(10年物スワップのレートと2年物スワップのレートの比較など)を参照する金利デリバティブはより複雑であるが、主要な入力情報は一般的に観察可能である。
・信用 個別銘柄とバスケット型の両方を含め、クレジット・デフォルト・スワップの価格の透明性は、市場および対象となる参照企業または参照債務により様々に異なる。指数、大企業および主要ソブリンを参照するクレジット・デフォルト・スワップは、一般的に最も価格の透明性が高いことを示している。それ以外の原資産を有するクレジット・デフォルト・スワップについては、価格の透明性は信用格付、対象となる参照債務の借入コスト、および発行体のデフォルト時に引渡される対象となる参照債務の入手可能性に基づき様々に異なる。ローン、資産担保証券および新興市場の債務商品を参照するクレジット・デフォルト・スワップは、社債を参照するクレジット・デフォルト・スワップより価格の透明性が低い傾向にある。また、複数の対象となる参照債務のコリレーションに感応するものなど、より複雑な信用デリバティブは一般的に価格の透明性が比較的低い。
・為替 比較的長期間のものを含め、主要先進国の為替レートに基づく為替デリバティブは一般的に価格の透明性が高い。先進国市場と新興市場における為替デリバティブの価格の透明性の主な相違点は、新興市場においては比較的短期間の契約について観察可能な傾向にあるということである。
・株式 株式デリバティブの価格の透明性は、市場および原資産により様々に異なる。指数および主要な株式指数に含まれる企業の普通株式に係るオプションは、最も高い透明性を示している。長期間の契約または現在の市場価格から大幅に異なる参照価格が付されている契約を除き、株式デリバティブには通常、観察可能な市場価格がある。複数の個別株式銘柄のコリレーションに感応するものなど、より複雑な株式デリバティブは一般的に価格の透明性が比較的低い。
あらゆる商品タイプの観察可能性に対して、流動性は必要不可欠である。取引量が減少した場合、以前には透明性の高かった価格およびその他の入力情報が観察不能になる可能性がある。反対に、きわめて複雑な構造の商品でも、十分な取引量があれば、価格およびその他の入力情報が観察可能となる可能性がある。
レベル1のデリバティブ
レベル1のデリバティブには、将来において有価証券の受渡しを行う短期契約で、対象となる有価証券がレベル1の金融商品であるもの、および活発な取引があり、市場価格で評価される上場デリバティブが含まれる。
レベル2のデリバティブ
レベル2のデリバティブには、評価における重要な入力情報のすべてが市場のデータによって裏付けられる店頭デリバティブ、ならびに活発な取引のない上場デリバティブおよび(または)店頭デリバティブの市場清算レベルへの較正を行うモデルで評価される上場デリバティブが含まれる。評価における入力情報の重要性を判断するに際し、当社はとりわけ当該入力情報に対するポートフォリオの正味リスク・エクスポージャーを考慮している。
デリバティブを評価する特定のモデルの選択は、商品の契約条件、内在する特定のリスクおよび市場における価格決定情報の入手可能性によって異なる。流動性の高い市場で取引されているデリバティブについては、モデルから導き出された情報が市場清算レベルと較正できるため、モデルの選択に重要な経営者の判断を伴わない。
評価モデルには、契約条件、市場価格、イールド・カーブ、割引率(担保付デリバティブに係る信用補完契約の規定による受取および差入担保に係る利息によるものを含む)、クレジット・カーブ、ボラティリティ指標およびそれぞれの入力情報のコリレーションなど、様々な入力情報が必要である。レベル2のデリバティブを評価するための重要な入力情報は、市場取引、ブローカーまたはディーラーによる呼び値、あるいは価格の透明性が合理的な水準にあるその他の代替的な価格情報源により検証可能である。呼び値の性質(指標的なものか、確定的なものかなど)、および最近の市場活動と代替的な価格情報源が提供した価格との関係が考慮される。
レベル3のデリバティブ
レベル3のデリバティブは、観察可能なレベル1および(または)レベル2の入力情報とともに、観察不能なレベル3の入力情報を使用するモデルで評価される。観察不能な入力情報には、一部のコリレーションならびにクレジット・スプレッドおよび株価ボラティリティの入力情報が含まれる。
当社はレベル3のデリバティブを当初評価した後に、レベル1およびレベル2の入力情報をアップデートして観察可能な市場の変動を反映しており、それによる損益はレベル3に計上される。レベル3の入力情報は、類似する市場取引、第三者の価格提供サービスおよび(または)ブローカーやディーラーによる呼び値、あるいはその他の過去の市場データなどの証拠に裏付けられる場合に変更される。当社が市場取引を参照してモデルの評価額を検証できない場合には、別の評価モデルによって大幅に異なる公正価値の見積りが算出される可能性がある。レベル3のデリバティブの評価に使用された重要かつ観察不能な入力情報の詳細は、以下を参照のこと。
当初の取引価格と内部開発のモデルにより算出された公正価値との間に差異がある場合、市場参加者が価格設定において考慮するであろう要素(時間の要素を含む)の変化から生じたものに限り、損益が認識される。
評価調整
評価調整は、デリバティブ・ポートフォリオの公正価値の算定に必要不可欠なものであり、デリバティブ価格決定モデルによって算出された中間市場の評価額を適切な出口価格の評価額に調整するために用いられる。これらの調整には、ビッド/オファーのスプレッド、流動性コスト、信用評価調整および資金調達の評価調整が組み込まれており、デリバティブ・ポートフォリオの担保が付されない部分に固有の信用リスクおよび資金調達リスクを会計処理している。当社はまた、契約条件により当社が受取担保を引渡すまたは再担保に供することができない場合の担保付デリバティブの資金調達の評価調整も行っている。市場に基づく入力情報は通常、評価調整を市場清算レベルまで測定する場合に使用される。
さらに、重要かつ観察不能な入力情報を含むデリバティブについては、当社は取引に含まれる評価の不確実性を会計処理するためにモデルまたは出口価格の調整を行っている。
その他の金融資産および金融負債
その他の金融資産および金融負債の評価手法および重要な入力情報には以下が含まれる。
・担保付契約および担保付借入金 売戻条件付契約および買戻条件付契約ならびに借入有価証券および貸付有価証券の評価において重要な入力情報は、資金調達スプレッド、予想将来キャッシュ・フローの金額および時期、ならびに金利である。
・未収金 公正価値で測定する未収金は主に担保付貸付契約および前払コモディティ契約から成る。そのような債権の評価にとって重要な入力情報は、コモディティの価格、金利、予想将来キャッシュ・フローの金額および時期、ならびに資金調達スプレッドである。
・その他未払金 その他未払金は、主にハイブリッド金融商品および前払コモディティ契約から成る。
公正価値で測定する担保付のその他未払金の評価にとって重要な入力情報は、予想将来キャッシュ・フローの金額および時期、金利、資金調達スプレッド、当社が差入れた担保の公正価値(予想将来キャッシュ・フローの金額および時期、市場価格、市場利回りならびに回収の仮定を用いて算定される)ならびに追加担保の差入要求の頻度である。
公正価値で測定する無担保のその他未払金の評価にとって重要な入力情報は、予想将来キャッシュ・フローの金額および時期、金利、GSグループのクレジット・スプレッド、ならびに前払コモディティ契約の場合はコモディティの価格である。ハイブリッド金融商品に組込まれたデリバティブの評価に使用された入力情報は、当社のその他のデリバティブ商品の評価に使用された入力情報と整合性がある。
金融資産および金融負債の公正価値のレベル別内訳
経常的に公正価値で測定される金融資産および金融負債の公正価値の階層のレベル別内訳は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||||||
| 2016年12月現在の金融資産および金融負債(公正価値) | |||||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
| 金融資産 | |||||||
| 現物商品 | 43,678 | 18,633 | 1,035 | 63,346 | |||
| デリバティブ商品 | 47 | 595,435 | 4,117 | 599,599 | |||
| 保有金融商品 | 43,725 | 614,068 | 5,152 | 662,945 | |||
| 担保付契約 | ― | 139,732 | ― | 139,732 | |||
| 未収金 | ― | 1,432 | ― | 1,432 | |||
| 金融資産合計 | 43,725 | 755,232 | 5,152 | 804,109 | |||
| 金融負債 | |||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | |||||||
| 現物商品 | 23,837 | 3,095 | 4 | 26,936 | |||
| デリバティブ商品 | 34 | 584,717 | 2,224 | 586,975 | |||
| 売却済未購入金融商品 | 23,871 | 587,812 | 2,228 | 613,911 | |||
| 担保付借入金 | ― | 96,361 | 66 | 96,427 | |||
| その他未払金 | ― | 9,941 | 3,601 | 13,542 | |||
| 合計 | 23,871 | 694,114 | 5,895 | 723,880 | |||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | |||||||
| 担保付借入金 | ― | 6,233 | ― | 6,233 | |||
| その他未払金 | ― | 15,674 | 3,733 | 19,407 | |||
| 合計 | ― | 21,907 | 3,733 | 25,640 | |||
| 金融負債合計 | 23,871 | 716,021 | 9,628 | 749,520 | |||
| デリバティブ商品純額 | 13 | 10,718 | 1,893 | 12,624 | |||
| (単位:百万米ドル) | |||||||
| 2015年12月現在の金融資産および金融負債(公正価値) | |||||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
| 金融資産 | |||||||
| 現物商品 | 48,198 | 17,501 | 1,238 | 66,937 | |||
| デリバティブ商品 | 14 | 544,300 | 4,803 | 549,117 | |||
| 保有金融商品 | 48,212 | 561,801 | 6,041 | 616,054 | |||
| 担保付契約 | ― | 132,933 | ― | 132,933 | |||
| 未収金 | ― | 1,368 | ― | 1,368 | |||
| 金融資産合計 | 48,212 | 696,102 | 6,041 | 750,355 | |||
| 金融負債 | |||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | |||||||
| 現物商品 | 21,038 | 3,584 | 62 | 24,684 | |||
| デリバティブ商品 | 28 | 528,277 | 2,665 | 530,970 | |||
| 売却済未購入金融商品 | 21,066 | 531,861 | 2,727 | 555,654 | |||
| 担保付借入金 | ― | 72,842 | 71 | 72,913 | |||
| その他未払金 | ― | 10,802 | 3,479 | 14,281 | |||
| 合計 | 21,066 | 615,505 | 6,277 | 642,848 | |||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | |||||||
| 担保付借入金 | ― | 3,502 | ― | 3,502 | |||
| その他未払金 | ― | 17,804 | 2,124 | 19,928 | |||
| 合計 | ― | 21,306 | 2,124 | 23,430 | |||
| 金融負債合計 | 21,066 | 636,811 | 8,401 | 666,278 | |||
| デリバティブ商品純額 | (14) | 16,023 | 2,138 | 18,147 | |||
上記の表において、2015年12月現在の、レベル2の1年以内に期日の到来するその他未払金および1年を超えて期日の到来するその他未払金は、それぞれ87百万米ドルおよび124.8億米ドル増加している。詳細については、上記の「金融資産および金融負債の公正価値のレベル別内訳」を参照のこと。
レベル3の公正価値の評価に使用される重要かつ観察不能な入力情報
現物商品 2016年12月および2015年12月現在、当社はレベル3の現物商品資産それぞれ10.4億米ドルおよび12.4億米ドルを保有していた。レベル3の現物商品負債は重要ではなかった。当社のレベル3の現物商品資産の金額、ならびに当社のレベル3の現物商品資産の評価に使用される重要かつ観察不能な入力情報の範囲および加重平均は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | レベル3の現物商品資産および重要かつ観察不能な入力情報の範囲(加重平均) | |
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | |
| モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券 | ||
| レベル3資産 | 336 | 405 |
| 利回り | 0.8%から20.0%(7.1%) | 3.2%から19.7%(5.9%) |
| 回収率 | 35.0%から97.5%(76.5%) | 該当なし |
| デュレーション(年) | 0.8から16.1(4.7) | 0.7から11.8(5.5) |
| 株式および転換社債 | ||
| レベル3資産 | 199 | 152 |
| 評価倍率 | 0.9倍から5.5倍(1.6倍) | 0.9倍から14.5倍(2.4倍) |
| 割引率/利回り | 該当なし | 8.6%から13.3%(11.4%) |
| コーポレート債務およびその他の現物商品 | ||
| レベル3資産 | 500 | 681 |
| 利回り | 2.6%から14.1%(6.3%) | 2.9%から14.3%(6.2%) |
| 回収率 | 0.0%から70.0%(45.1%) | 0.0%から70.0%(40.5%) |
| デュレーション(年) | 1.9から15.7(3.4) | 1.8から5.5(3.0) |
上記の表において、
・範囲は、現物商品の各タイプの評価に使用された重要かつ観察不能な入力情報の範囲を表している。
・加重平均は、各入力情報を現物商品の相対的公正価値で加重することにより算定される。
・これらの入力情報の範囲および加重平均は、ある現物商品の公正価値を算定する際に使用される適切な入力情報の代表的なものということではない。例えば、モーゲージおよびローンの利回りの最大値は、特定のローンの評価に適切であるが、他のローンの評価には適切でない可能性がある。したがって、入力情報の範囲は、当社のレベル3の現物商品の公正価値測定における不確実性または公正価値測定の可能な範囲を表すものではない。
・当社のレベル3の現物商品の評価に使用される利回り、割引率またはデュレーションが上昇すると、公正価値測定の結果が低下し、回収率、ベーシスまたは評価倍率が上昇すると、公正価値測定の結果が上昇する。当社のレベル3の現物商品はそれぞれ特徴ある性質のため、入力情報の相互関係は各商品タイプ内で必ずしも同じではない。
・株式および転換社債は、プライベート・エクイティ投資を含んでいる。
・割引率/利回りは、2016年12月現在のレベル3の株式および転換社債の評価において重要ではなかった。回収率は、2015年12月現在のモーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券の評価において重要ではなかった。
・モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券ならびにコーポレート債務およびその他の現物商品は割引キャッシュ・フローを用いて評価され、株式および転換社債は類似市場取引および割引キャッシュ・フローを用いて評価される。
・ある金融商品の公正価値は、複数の評価手法を用いて算定されることがある。例えば、類似市場取引と割引キャッシュ・フローが同時に公正価値の算定に使用されることがある。そのため、レベル3の残高には、これらの両手法が含まれている。
デリバティブ商品 2016年12月および2015年12月現在、当社はレベル3のデリバティブ商品純額それぞれ18.9億米ドルおよび21.4億米ドルを保有している。当社のレベル3のデリバティブ商品純額、ならびに当社の信用および株式デリバティブ商品の評価に使用される重要かつ観察不能な入力情報の範囲、平均値および中央値は以下の表のとおりである。2016年12月および2015年12月現在、当社は金利、通貨およびコモディティに関するレベル3の金融商品純額それぞれ(184)百万米ドルおよび136百万米ドルを保有しているが、金額に重要性がないため、重要かつ観察不能な入力情報の範囲は開示されていない。
| (単位:百万米ドル) | レベル3のデリバティブ商品純額および重要かつ観察不能な入力情報の範囲(平均値/中央値) | |
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | |
| 信用 | 2,313 | 2,278 |
| コリレーション | 35%から91%(65%/68%) | 46%から99%(68%/66%) |
| クレジット・スプレッド(bps) | 2から993(148/100) | 1から952(174/131) |
| アップフロント・クレジット・ポイント | 0から96(21/8) | 0から88(24/20) |
| 回収率 | 1%から83%(54%/70%) | 2%から55%(34%/40%) |
| 株式 | (236) | (276) |
| コリレーション | (39)%から87%(42%/45%) | (65)%から94%(38%/45%) |
| ボラティリティ | 5%から63%(23%/22%) | 14%から59%(26%/26%) |
上記の表において、
・デリバティブ資産純額はプラスの額で、デリバティブ負債純額はマイナスの額で表示されている。
・範囲は、デリバティブの各タイプの評価に使用された重要かつ観察不能な入力情報の範囲を表している。
・平均値は入力情報の算術平均を表しており、各金融商品の相対的公正価値または想定元本により加重されていない。中央値を上回る平均値は、入力情報の大部分が平均値を下回っていることを示している。
・これらの入力情報の範囲、平均値および中央値は、あるデリバティブの公正価値の算定に使用する適切な入力情報の代表的なものということではない。例えば、信用デリバティブのコリレーションの最大値は、特定の信用デリバティブの評価に適切であるが、他の信用デリバティブの評価には適切でない可能性がある。したがって、入力情報の範囲は、当社のレベル3のデリバティブの公正価値測定における不確実性または公正価値測定の可能な範囲を表すものではない。
・信用デリバティブは、オプション価格決定モデル、相関モデルおよび割引キャッシュ・フロー・モデルを用いて評価され、株式デリバティブはオプション価格決定モデルを用いて評価される。
・どの金融商品の公正価値も複数の評価手法を用いて算定されることがある。例えば、オプション価格決定モデルと割引キャッシュ・フロー・モデルは通常、同時に公正価値の算定に使用される。そのため、レベル3の残高はこれらの両手法が含まれている。
・株式デリバティブのコリレーションは、クロスプロダクト・コリレーションを含んでいる。
重要かつ観察不能な入力情報の範囲
当社のレベル3のデリバティブ商品の評価に使用される重要かつ観察不能な入力情報の範囲に関する情報は、以下のとおりである。
・コリレーション コリレーションの範囲は、同一市場(株価指数や個別株式銘柄など)、市場間(株価指数と為替レートのコリレーションなど)、地域間などにおける様々な原資産をカバーしている。
・ボラティリティ ボラティリティの範囲は、様々な市場にわたる多数の原資産、満期および権利行使価格をカバーしている。例えば、株価指数のボラティリティは一般的に個別株式のボラティリティを下回る。
・クレジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率 クレジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率の範囲は、様々な原資産(指数および個別銘柄)、地域、部門、満期および信用度(高利回りおよび投資適格)をカバーしている。この幅広い母集団により、重要かつ観察不能な入力情報の範囲に幅が生じる。
重要かつ観察不能な入力情報の変動に対する公正価値測定の感応度
重要かつ観察不能な入力情報の個別の変動に対する当社のレベル3の公正価値測定の方向感応度の詳細は、以下のとおりである。
・コリレーション 一般的に保有者が対象となる原資産または指数の価格(金利、クレジット・スプレッド、為替レート、インフレ率および株価など)の一貫した方向のパフォーマンスから利益を得る契約については、コリレーションが増大すると公正価値測定の結果が上昇する。
・ボラティリティ 一般的に買建オプションについては、ボラティリティが増大すると公正価値測定の結果が上昇する。
・クレジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率 一般的にクレジット・スプレッドまたはアップフロント・クレジット・ポイントの増加または回収率の低下により、買建信用プロテクションの公正価値が増加する。クレジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率は、対象となる参照債務の特徴的なリスク要因と強い関連性がある。これらのリスク要因には、レバレッジ、ボラティリティおよび業界などの参照企業特有の要因、対象となる参照債務の借入コストまたは流動性などの市場ベースの要因、ならびにマクロ経済の状況が含まれる。
当社のレベル3のデリバティブはそれぞれ特徴があるため、各商品タイプ内での入力情報の相互関係は必ずしも同じではない。
その他の金融資産および金融負債
その他の金融資産および金融負債の重要かつ観察不能な入力情報には以下が含まれる。
・担保付契約および担保付借入金 2016年12月および2015年12月現在の双方において、レベル3の売戻条件付契約、借入有価証券担保金または貸付有価証券担保金はなかった。2016年12月および2015年12月現在の双方において、当社のレベル3の買戻条件付契約に重要性はなかった。
・未収金 2016年12月および2015年12月現在の双方において、当社のレベル3の未収金はなかった。
・その他未払金 2016年12月および2015年12月現在の双方において、当社の担保付のレベル3のその他未払金を評価する際に使用される重要かつ観察不能な入力情報は、「コーポレート債務およびその他の現物商品」において、観察不能な入力情報に関する当社の現物商品の開示に含まれている。上記「現物商品」を参照のこと。
2016年12月および2015年12月現在の双方において、当社の無担保のレベル3のその他未払金のほぼすべてが、ハイブリッド金融商品である。ハイブリッド金融商品の評価に使用された重要かつ観察不能な入力情報は、主にこれらの借入金の組込デリバティブの部分に関連しているため、これらの入力情報は、観察不能な入力情報に関する当社のデリバティブの開示に含まれている。上記「デリバティブ商品」を参照のこと。
公正価値の階層のレベル1とレベル2の間での振替
2016年度および2015年度において、経常的に公正価値で測定する金融資産および金融負債につき、レベル1とレベル2の間での重要な振替はなかった。
レベル3の推移
経常的に公正価値で測定するすべてのレベル3の金融資産および金融負債の公正価値の変動の要約は、以下の表のとおりである。レベル3の資産から生じる損益は、損益計算書の純収益に認識される。以下の表において、
・金融資産または金融負債が報告年度中にレベル3へ振替えられた場合、当該年度における損益は全額レベル3に含まれる。レベル3の金融資産の増加はプラスの額で、減少はマイナスの額で表示されている。レベル3の金融負債の増加はマイナスの額で、減少はプラスの額で表示されている。
・レベル間の振替は、振替が生じた報告期間の期首に認識される。従って、レベル3の金融資産および金融負債のうち、当期末までの期間にレベル3から振替えられたものの損益は、この表には含まれていない。
・レベル3の金融資産および金融負債は、レベル1およびレベル2の金融資産および金融負債で経済的にヘッジされることが多い。このため、金融資産または金融負債の特定の種類について以下の表で報告されているレベル3の損益は、同じ種類の金融資産もしくは金融負債のレベル1もしくはレベル2に帰属する損益、または異なる種類の金融資産もしくは金融負債のレベル1、レベル2もしくはレベル3に帰属する損益で一部相殺することができる。その結果、以下のレベル3の推移に含まれる損益は、必ずしも当社の経営成績、流動性または資金に対する全体的な影響を表すものではない。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | ||
| 金融資産合計 | |||
| 期首残高 | 6,041 | 7,793 | |
| 利益/(損失) | 1,052 | 646 | |
| 購入 | 394 | 680 | |
| 売却 | (351) | (401) | |
| 決済 | (1,727) | (1,399) | |
| レベル3への振替 | 641 | 934 | |
| レベル3からの振替 | (898) | (2,212) | |
| 期末残高 | 5,152 | 6,041 | |
| 金融負債合計 | |||
| 期首残高 | (8,401) | (6,422) | |
| 利益/(損失) | (377) | 528 | |
| 購入 | 14 | 99 | |
| 売却 | (5,697) | (5,194) | |
| 決済 | 4,087 | 2,801 | |
| レベル3への振替 | (553) | (973) | |
| レベル3からの振替 | 1,299 | 760 | |
| 期末残高 | (9,628) | (8,401) |
以下の表は、上記の要約表に含まれる金融負債に関する情報を、貸借対照表の勘定科目別に示したものである。上記の要約表に含まれる金融資産に関する情報は、「保有金融商品」のみに関連するものであるため科目別には表示されていない。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | ||
| 売却済未購入金融商品 | |||
| 期首残高 | (2,727) | (2,718) | |
| 利益/(損失) | (446) | (8) | |
| 購入 | 14 | 99 | |
| 売却 | (201) | (383) | |
| 決済 | 892 | 324 | |
| レベル3への振替 | (155) | (424) | |
| レベル3からの振替 | 395 | 383 | |
| 期末残高 | (2,228) | (2,727) | |
| 担保付借入金 | |||
| 期首残高 | (71) | (124) | |
| 利益/(損失) | (6) | (2) | |
| 決済 | 11 | 55 | |
| 期末残高 | (66) | (71) | |
| その他未払金 | |||
| 期首残高 | (5,603) | (3,580) | |
| 利益/(損失) | 75 | 538 | |
| 売却 | (5,496) | (4,811) | |
| 決済 | 3,184 | 2,422 | |
| レベル3への振替 | (398) | (549) | |
| レベル3からの振替 | 904 | 377 | |
| 期末残高 | (7,334) | (5,603) |
公正価値の階層のレベル2とレベル3の間での振替
2016年12月終了事業年度 レベル3への振替は、主に一部の信用デリバティブの評価にとって観察不能なクレジット・スプレッドおよび利回りの入力情報が重要になったことに伴い、当該デリバティブをレベル2から振替えたこと、また主に一部の株式デリバティブにとって観察不能なボラティリティおよびコリレーションの入力情報が重要になったことに伴い、当該デリバティブをレベル2から振替えたことを主に反映している。
レベル3からの振替は、主に観察不能なクレジット・スプレッドの入力情報が一部のポートフォリオの正味リスクに対し重要でなくなったことに伴い、一部の信用デリバティブをレベル2へ振替えたこと、観察不能なボラティリティおよびコリレーションの入力情報が一部のポートフォリオの正味リスクに対し重要でなくなったことに伴い、一部の株式デリバティブをレベル2へ振替えたこと、ならびに観察不能であった長期金利ベースが観察可能になったことに伴い、一部の金利デリバティブをレベル2へ振替えたことを主に反映している。
2015年12月終了事業年度 レベル3への振替は、主に一部の信用デリバティブの評価にとって観察不能なクレジット・スプレッドの入力情報が重要になったことに伴い、当該商品をレベル2から振替えたこと、また主に一部の株式デリバティブにとって観察不能なボラティリティおよびコリレーションの入力情報が重要になったことに伴い、当該デリバティブをレベル2から振替えたことを主に反映している。
レベル3からの振替は、主に観察不能なクレジット・スプレッドの入力情報が一部のポートフォリオの正味リスクに対し重要でなくなったことに伴い、一部の信用デリバティブをレベル2へ振替えたことを主に反映している。
観察不能な入力情報を用いた評価手法を用いて評価される金融資産および金融負債の公正価値
金融資産および金融負債の公正価値は、同一の金融商品の観察可能な現在の市場取引による価格の裏付けがない仮定、または利用可能かつ観察可能な市場データに基づいて、評価手法を全面的にまたは部分的に使用して算定しており、これらの仮定を変更すると、それを用いて算定される公正価値の見積りも変動する。重要かつ観察不能な入力情報を用いた評価において、合理的に代替可能な仮定を使用したことによる潜在的影響は、2016年12月および2015年12月現在、有利な変動がそれぞれ約220百万米ドルおよび261百万米ドル、不利な変動がそれぞれ294百万米ドルおよび238百万米ドルであった。合理的に可能性のある不利な代替的仮定の決定においては、潜在的な不確実性が存在する事例を識別し定量化するため、詳細な事業およびポジション・レベルのレビューが実施されている。ここでは、利用可能な市場情報の範囲に照らしたポジションの公正価値が考慮されている。
損益計算書に認識されていない、トレーディング目的で保有する金融商品の当初認識時の公正価値(取引価額)と評価手法を用いて算定された価額の差額(取引初日の損益)は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | ||
| 1月1日現在 | 139 | 136 | |
| 新取引 | 90 | 93 | |
| 当期の損益計算書に認識された金額 | (80) | (90) | |
| 12月31日現在 | 149 | 139 |
公正価値で測定されない金融資産および金融負債の公正価値
2016年12月および2015年12月現在、当社は、公正価値で測定されない流動金融資産それぞれ1,292.8億米ドルおよび992.5億米ドルならびに同金融負債それぞれ1,381.7億米ドルおよび1,451.3億米ドルを保有していた。これらの商品はその性質上短期であるため、貸借対照表上の帳簿価額は公正価値の合理的な近似値である。
2016年12月および2015年12月現在、当社は、1年を超えて期日の到来する、公正価値で測定されない金融負債186.7億米ドルおよび123.7億米ドルを保有しており、これは主に関係会社間の長期借入金に関するものである。当該借入金の金利は変動的な性格のものであり、類似する条件および特徴の商品の実勢市場金利に近似している。そのため、貸借対照表の帳簿価額は公正価値の合理的な近似値である。
損益項目
純収益に表示される当社の金融資産および金融負債に関連する損益項目は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | |||
| 利息外収益 | 6,477 | 6,778 | ||
| 受取利息 | ||||
| 外部取引相手先からの受取利息 | 1,521 | 1,804 | ||
| 親会社およびグループ会社からの受取利息 | 607 | 235 | ||
| 受取利息合計 | 2,128 | 2,039 | ||
| 支払利息 | ||||
| 外部取引相手先への支払利息 | 1,016 | 1,050 | ||
| 親会社およびグループ会社への支払利息 | 1,040 | 751 | ||
| 支払利息合計 | 2,056 | 1,801 | ||
| 受取利息純額 | 72 | 238 | ||
| 純収益合計 | 6,549 | 7,016 |
上記の表において、
・利息外収益には、手数料および報酬が、2016年度および2015年度においてそれぞれ619百万米ドルおよび532百万米ドル含まれる。これは、機関投資家向けクライアント・サービスおよび投資運用業務において認識されている。
・利息外収益には、損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した当社の金融資産および金融負債に関する2016年度の純損失495百万米ドルおよび2015年度の純利益625百万米ドルが含まれる。これは、機関投資家向けクライアント・サービスにおいて認識されている。機関投資家向けクライアント・サービスにおける残りの純収益は主に、トレーディング目的で保有する金融資産および金融負債からの純利益に関するものである。
金融負債の満期
当社の金融負債(売却済未購入金融商品を除く)の契約上の満期別のキャッシュ・フロー(将来発生する金利を含む)の詳細は、以下の表のとおりである。売却済未購入金融商品は、トレーディング目的/要求払に分類されている。金融負債は、トレーディング目的で保有するものまたは損益を通じて公正価値で評価するものとして指定する場合を除き、割引前キャッシュ・フローで開示されている。
トレーディング目的で保有する金融負債および損益を通じて公正価値で評価するものとして指定する金融負債は公正価値で開示されているが、これは当該商品の流動性リスク管理に使用する価値と一致しているためである。デリバティブの流動性リスクは、マスター・ネッティング契約および現金担保付契約により軽減されている。
| (単位:百万米ドル) | ||||||||||||||
| 金融負債 | ||||||||||||||
| トレーディング目的/要求払 | 1ヵ月間未満 | 1ヵ月間超3ヵ月間未満 | 3ヵ月間超1年未満 | 1年超5年未満 | 5年超 | 合計 | ||||||||
| 2016年12月現在 | ||||||||||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | ||||||||||||||
| 売却済未購入金融商品 | 613,911 | ― | ― | ― | ― | ― | 613,911 | |||||||
| 担保付借入金 | 86,069 | 27,178 | 13,193 | 11,201 | ― | ― | 137,641 | |||||||
| その他未払金 | 87,223 | 2,424 | 1,054 | 19,966 | ― | ― | 110,667 | |||||||
| 合計 | 787,203 | 29,602 | 14,247 | 31,167 | ― | ― | 862,219 | |||||||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | ||||||||||||||
| 担保付借入金 | ― | ― | ― | ― | 6,158 | 75 | 6,233 | |||||||
| その他未払金 | ― | 2 | 7 | 27 | 29,430 | 11,253 | 40,719 | |||||||
| 合計 | ― | 2 | 7 | 27 | 35,588 | 11,328 | 46,952 | |||||||
| 合計-貸借対照表計上額 | 787,203 | 29,604 | 14,254 | 31,194 | 35,588 | 11,328 | 909,171 | |||||||
| 条件付およびフォワード・スタート売戻条件付契約および有価証券借入契約 | 844 | 42,261 | ― | 494 | ― | ― | 43,599 | |||||||
| オペレーティング・リース | ― | 7 | 14 | 61 | 229 | ― | 311 | |||||||
| その他 | 3,993 | ― | ― | ― | ― | ― | 3,993 | |||||||
| 合計-オフ・バランスシート額 | 4,837 | 42,268 | 14 | 555 | 229 | ― | 47,903 | |||||||
| 金融負債合計 | 792,040 | 71,872 | 14,268 | 31,749 | 35,817 | 11,328 | 957,074 | |||||||
| 2015年12月現在 | ||||||||||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | ||||||||||||||
| 売却済未購入金融商品 | 555,654 | ― | ― | ― | ― | ― | 555,654 | |||||||
| 担保付借入金 | 60,086 | 41,900 | 3,378 | 11,021 | ― | ― | 116,385 | |||||||
| その他未払金 | 86,050 | 2,267 | 688 | 27,367 | ― | ― | 116,372 | |||||||
| 合計 | 701,790 | 44,167 | 4,066 | 38,388 | ― | ― | 788,411 | |||||||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | ||||||||||||||
| 担保付借入金 | ― | ― | ― | ― | 3,413 | 89 | 3,502 | |||||||
| その他未払金 | ― | 1 | 6 | 19 | 21,111 | 12,591 | 33,728 | |||||||
| 合計 | ― | 1 | 6 | 19 | 24,524 | 12,680 | 37,230 | |||||||
| 合計-貸借対照表計上額 | 701,790 | 44,168 | 4,072 | 38,407 | 24,524 | 12,680 | 825,641 | |||||||
| 条件付およびフォワード・スタート売戻条件付契約および有価証券借入契約 | ― | 29,276 | ― | ― | ― | ― | 29,276 | |||||||
| オペレーティング・リース | ― | 8 | 16 | 72 | 347 | 15 | 458 | |||||||
| その他 | 4,137 | ― | ― | ― | ― | ― | 4,137 | |||||||
| 合計-オフ・バランスシート額 | 4,137 | 29,284 | 16 | 72 | 347 | 15 | 33,871 | |||||||
| 金融負債合計 | 705,927 | 73,452 | 4,088 | 38,479 | 24,871 | 12,695 | 859,512 | |||||||
担保の受入れおよび差入れ
当社は、主に売戻条件付契約、借入有価証券担保金、デリバティブ取引および顧客信用貸に関連して、金融商品(政府債および政府機関債、社債、株式および転換社債など)を担保として受入れている。当社は、個別の取引相手先に対する信用エクスポージャーを軽減するために、デリバティブおよび担保付契約について、前払いで、または条件付で、現金および有価証券を担保として受入れている。
多くの場合、当社は、主にクライアントの担保付貸付取引に関連して買戻条件付契約および有価証券貸付契約を締結する際に、担保として受入れた金融商品を引渡しまたは再担保に供することを認められている。当社はまた、その他担保付借入金、デリバティブ契約の担保差入れ、および当社または顧客の決済需要への対応に関連して、これらの金融商品を引渡しまたは再担保に供することを認められている。
当社はまた、買戻条件付契約、有価証券貸付契約およびその他担保付借入金に関連して一部の保有金融商品を取引相手先に差入れているが、当該資産を引渡しまたは再担保に供する権利を取引相手先が有する場合も有さない場合もある。
当社が担保として受入れた金融商品のうち、引渡しまたは再担保に利用可能なもの、および引渡しまたは再担保に供したものは、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | |||
| 引渡しまたは再担保に利用可能な担保 | 420,321 | 379,594 | ||
| 引渡しまたは再担保に供された担保 | 367,705 | 307,759 |
差入資産の情報は、以下のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | |||
| 取引相手先に対し差入れた保有金融商品: | ||||
| 引渡しまたは再担保に供する権利があるもの | 20,110 | 22,036 | ||
| 引渡しまたは再担保に供する権利がないもの | 21,563 | 20,146 |
当社は、保有金融商品に関して現金担保を2016年12月および2015年12月現在それぞれ609.4億米ドルおよび576.4億米ドル受取り、売却済未購入金融商品に関して現金担保を2016年12月および2015年12月現在それぞれ473.7億米ドルおよび387.1億米ドル差入れた。
買戻条件付契約および有価証券貸付取引の他に、当社はその他担保付借入金の利用により一部の資産の資金を調達し、当該取引において金融商品を担保として差入れている。これらのその他担保付借入金は特別目的事業体に関する負債、売却ではなく借入として会計処理される金融資産の譲渡およびその他のストラクチャード・ファイナンス契約から成る。その他担保付借入金には、ノン・リコースの契約が含まれる。
ヘッジ会計
当社は、一部の金利スワップを公正価値ヘッジに指定している。これらの金利スワップは、関連するベンチマーク金利(例えば、ロンドン銀行間出し手金利(以下「LIBOR」という。)に起因する公正価値の変動をヘッジし、固定利付債務を変動利付債務に効果的に転換している。
当社は、ヘッジ手段の公正価値およびヘッジ対象リスク(金利リスクなど)の変動を相殺する公正価値ヘッジ関係の有効性を評価するにあたり、回帰分析を用いる統計的手法を適用している。回帰分析の結果、決定係数が80%以上、傾きが80%から125%の範囲の場合、金利スワップはヘッジ対象リスクの変動に起因する公正価値の変動の相殺に非常に有効とみなされる。
適格公正価値ヘッジについては、デリバティブに係る損益およびヘッジ対象リスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動は純収益に含まれる。デリバティブがヘッジに指定されなくなった場合、ヘッジ対象の帳簿価額と額面価額との差額は、実効金利法でヘッジ対象の残存期間にわたり償却される。
ヘッジとして会計処理された金利デリバティブから生じた利益/(損失)、関連するヘッジ対象の借入金およびこれらのデリバティブのヘッジの非有効部分は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2016年12月終了事業年度 | 2015年12月終了事業年度 | |||
| 金利ヘッジ | 7 | (22) | ||
| ヘッジ対象の借入金 | (7) | 18 | ||
| ヘッジの非有効部分 | ― | (4) |
ヘッジに指定されているデリバティブ商品である資産および負債の公正価値は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||||||
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | |||||||
| デリバティブ資産 | デリバティブ負債 | デリバティブ資産 | デリバティブ負債 | |||||
| 合計 | 128 | 29 | 158 | 24 | ||||
非連結ストラクチャード・エンティティ
当社は、支配権を有していないストラクチャード・エンティティ(以下「非連結ストラクチャード・エンティティ」という。)に対する持分を有しており、これには主に、住宅用および商業用モーゲージ担保証券化事業体およびその他の資産担保証券化事業体におけるシニア債および劣後債、債務担保証券およびローン担保証券、デリバティブおよび保証が含まれる。
ストラクチャード・エンティティは通常、ストラクチャード・エンティティが保有する資産を担保とする、または当該資産に連動する債券の発行により、資産の購入資金を調達する。ストラクチャード・エンティティが発行する債券には、様々な劣後レベルのトランシェが含まれることがある。当社のストラクチャード・エンティティへの関与には、主に金融資産の証券化が含まれる。
特定の状況において、当社は非連結ストラクチャード・エンティティまたは非連結ストラクチャード・エンティティの持分保有者にデリバティブ保証を含む保証を提供する。
当社が持分を有する非連結ストラクチャード・エンティティの要約は、以下の表のとおりである。当社の最大損失リスクはデリバティブ、コミットメントおよび保証であり、その最大損失リスクは、想定元本額であり、予測損失を表すものではなく、また既に計上されている未実現損失によっても減額されない。その結果、最大損失リスクは非連結ストラクチャード・エンティティに提供されたデリバティブ、コミットメントおよび保証について計上された負債を超過する。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | |||
| ストラクチャード・エンティティの資産 | 7,513 | 13,301 | ||
| 持分の帳簿価額-資産 | 511 | 975 | ||
| 持分の帳簿価額-負債 | (31) | (32) | ||
| 最大損失リスク | 4,523 | 4,895 |
当社の持分の帳簿価額は、貸借対照表の「保有金融商品」または「売却済未購入金融商品」に含まれている。
譲渡された資産
引き続き全額認識されている資産 当年度において、当社は一部の金融資産を譲渡したが、この譲渡はIAS第39号「金融商品:認識および測定」に定められる認識の中止の要件を満たさなかったため、当社は貸借対照表において引き続き当該資産を全額認識している。
当社は、買戻条件付契約およびその他の有価証券貸付取引を担保するため、通常の営業活動において保有資産を取引相手先に譲渡している。当該取引においては、当社は契約満期日に金融商品を買戻す必要があり、引き続き当該商品の価格、信用および金利変動リスクにさらされているため、譲渡された資産は会計上引き続き認識する。当社が資産の譲渡による現金を受け取った際は、受取対価に対する金融負債が認識され、「担保付借入金」に計上される。当社が非現金担保を(証券の形式で)受け取った場合は、負債は当初認識されない。受取担保がその後売却された場合は、担保の返還義務が負債として「売却済未購入金融商品」に認識される。
買戻条件付契約および有価証券貸付取引に加えて、当社は、認識の中止の要件を満たさないその他の契約により資金を調達している。例えば、トータル・リターン・スワップなどの関連デリバティブを伴う有価証券の売却があり、当社は当該取引を通じて譲渡された資産に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを保持している。このような場合、受取った手取金に対して金融負債が認識される。
譲渡されたものの会計上引き続き貸借対照表に認識されているその他の金融資産は、主にデリバティブ取引について差入れた有価証券の担保に関するものである。このようなデリバティブによる債務は、「売却済未購入金融商品」に計上されている。
譲渡されたものの会計上引き続き貸借対照表に計上されている金融資産は、以下の表のとおりである。これに伴う金融負債の帳簿価額は、通常は譲渡された資産の帳簿価額に近似している。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2016年12月現在 | 2015年12月現在 | |||
| マネー・マーケット商品 | ― | 221 | ||
| 政府債および政府機関債 | 14,803 | 10,036 | ||
| コーポレート・ローンおよび社債ならびにその他の債券 | 4,254 | 5,300 | ||
| 株式および転換社債 | 22,616 | 26,625 | ||
| 合計 | 41,673 | 42,182 |
認識の中止をしたが継続的なエクスポージャーのある資産 当社は、当社が金融資産を譲渡した一部の非連結ストラクチャード・エンティティに、デリバティブ取引および保証の形で継続的に関与している。これらのデリバティブは、譲渡された資産にクレジット・リンクされていることがあり、これにより当社は譲渡された資産における特定のリスクを保持するか、あるいは何らかの偶発事象が発生した場合には資産の損失を補てんするため、ストラクチャード・エンティティに支払いを行う必要がある。
さらに、当社は金融資産を証券化ビークルに譲渡する。当社は通常、譲渡された資産と引き換えに現金を受取るが、証券化における受益持分の所有権を含め、譲渡された資産に継続的に関与する場合もある。当社はまた、流通市場におけるマーケット・メイキング取引に関連して、証券化ビークルが発行した優先証券または劣後証券を購入する可能性がある。
当社が譲渡された資産にデリバティブまたは保証を通じて継続的に関与する場合、最大損失リスクはデリバティブまたは保証の想定元本である。証券化資産の留保持分または購入持分について、当社の損失リスクはこれら持分の公正価値までに限定されている。いずれの場合も、留保持分は公正価値で計上されている。
当社は譲渡前の資産を公正価値で会計処理しているため、一般的に資産の譲渡時に重大な損益を認識しない。なお当社は、認識が中止された金融資産を買戻す必要があるような継続的関与は行っていない。
当社が継続的に関与することによる当社のエクスポージャーの詳細およびこれらの取引による損益は、以下のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 帳簿価額 | 最大損失リスク | |||
| 2016年12月現在 | ||||
| 資産 | ||||
| 現物商品 | 13 | 23 | ||
| デリバティブ商品 | 63 | 890 | ||
| 保有金融商品 | 76 | 913 | ||
| 合計 | 76 | 913 | ||
| 負債 | ||||
| デリバティブ商品 | (2) | (99) | ||
| 売却済未購入金融商品 | (2) | (99) | ||
| その他未払金 | ― | ― | ||
| 合計 | (2) | (99) | ||
| 2015年12月現在 | ||||
| 資産 | ||||
| 現物商品 | 76 | 93 | ||
| デリバティブ商品 | 99 | 1,160 | ||
| 保有金融商品 | 175 | 1,253 | ||
| 合計 | 175 | 1,253 | ||
| 負債 | ||||
| デリバティブ商品 | (2) | (101) | ||
| 売却済未購入金融商品 | (2) | (101) | ||
| その他未払金 | ― | ― | ||
| 合計 | (2) | (101) |
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 年度利益/(損失) | 累積利益/(損失) | |||
| 2016年12月現在 | ||||
| 資産 | ||||
| 現物商品 | 11 | 131 | ||
| デリバティブ商品 | (27) | 123 | ||
| 保有金融商品 | (16) | 254 | ||
| 合計 | (16) | 254 | ||
| 負債 | ||||
| デリバティブ商品 | (3) | (35) | ||
| 売却済未購入金融商品 | (3) | (35) | ||
| その他未払金 | ― | (1) | ||
| 合計 | (3) | (36) | ||
| 2015年12月現在 | ||||
| 資産 | ||||
| 現物商品 | 2 | 120 | ||
| デリバティブ商品 | 6 | 150 | ||
| 保有金融商品 | 8 | 270 | ||
| 合計 | 8 | 270 | ||
| 負債 | ||||
| デリバティブ商品 | (1) | (32) | ||
| 売却済未購入金融商品 | (1) | (32) | ||
| その他未払金 | ― | (1) | ||
| 合計 | (1) | (33) |
注記25 金融資産および金融負債の相殺
強制力のあるネッティング契約および相殺の対象になる当社の金融資産および金融負債は、以下の表のとおりである。当社が現在、認識額を相殺する法的に強制力のある権利を有する場合で、かつ純額決済する、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意図がある場合のみ、貸借対照表において相殺される。以下の表において、
・総額は取引相手先とのネッティングおよび担保の双方の影響を含んでいないため、当社の経済的エクスポージャーを表すものではない。
・貸借対照表において相殺されない金額には、取引相手先とのネッティング(すなわち、強制力のあるネッティング契約に基づく相殺の法的権利が存在する場合に行われる当該取引相手先との金融資産および金融負債のネッティング)、ならびに強制力のある信用補完契約に基づき受入れまたは差入れた現金担保および有価証券担保で、英国基準の相殺要件を満たさないものが含まれる。
・当社が信用補完契約に基づき担保を受入れまたは差入れたが、まだその契約に強制力があるかどうかを判断していない場合、関連する担保は、以下の表の貸借対照表において相殺されない金額に含まれていない。
・総額には、強制力のあるネッティング契約の対象ではないか、または強制力の有無を当社がまだ判断していないネッティング契約の対象であるデリバティブ資産およびデリバティブ負債が、2016年12月現在においてそれぞれ69.4億米ドルおよび68.2億米ドル、また2015年12月現在においてそれぞれ83.4億米ドルおよび74.9億米ドル含まれる。
・2016年12月および2015年12月現在、担保付契約および担保付借入金のほぼすべてが強制力のあるネッティング契約の対象である。
・2015年12月現在、その他未払金71.1億米ドルが、強制力のあるネッティング契約の対象でない金融負債から、強制力のあるネッティング契約の対象である金融負債に振り替えられ、担保付借入金23.6億米ドルが強制力のあるネッティング契約の対象である金融負債から強制力のあるネッティング契約の対象でない金融負債へ振り替えられた。また、担保付借入金について差入れた有価証券担保として開示されている金額は、当該残高のより適切な表示のため126.5億米ドル増額されている。
| (単位:百万米ドル) | |||||||||||||
| 2016年12月現在 | |||||||||||||
| 貸借対照表で相殺されない金額 | |||||||||||||
| 総額 | 貸借対照表において相殺される金額 | 貸借対照表において表示される純額 | 取引相手先との相殺 | 現金担保 | 有価証券担保 | 純額 | |||||||
| 金融資産 | |||||||||||||
| 現物商品 | 16,948 | (12,361) | 4,587 | (1,120) | (42) | (2,919) | 506 | ||||||
| デリバティブ商品 | 661,959 | (62,360) | 599,599 | (524,767) | (42,870) | (12,425) | 19,537 | ||||||
| 保有金融商品 | 678,907 | (74,721) | 604,186 | (525,887) | (42,912) | (15,344) | 20,043 | ||||||
| 担保付契約 | 232,912 | (48,312) | 184,600 | (85,692) | ― | (95,557) | 3,351 | ||||||
| 未収金 | 58,632 | (6,162) | 52,470 | (3,531) | (37,476) | (4,864) | 6,599 | ||||||
| 強制力のあるネッティング契約の対象である金融資産 | 970,451 | (129,195) | 841,256 | (615,110) | (80,388) | (115,765) | 29,993 | ||||||
| 強制力のあるネッティング契約の対象でない金融資産 | 92,137 | ― | 92,137 | ― | ― | ― | 92,137 | ||||||
| 金融資産合計 | 1,062,588 | (129,195) | 933,393 | (615,110) | (80,388) | (115,765) | 122,130 | ||||||
| 金融負債 | |||||||||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | |||||||||||||
| 現物商品 | 1,740 | (1,686) | 54 | ― | ― | ― | 54 | ||||||
| デリバティブ商品 | 648,143 | (61,168) | 586,975 | (525,614) | (35,845) | (8,941) | 16,575 | ||||||
| 売却済未購入金融商品 | 649,883 | (62,854) | 587,029 | (525,614) | (35,845) | (8,941) | 16,629 | ||||||
| 担保付借入金 | 187,418 | (53,155) | 134,263 | (84,632) | ― | (48,821) | 810 | ||||||
| その他未払金 | 77,514 | (6,444) | 71,070 | (3,792) | (43,765) | (683) | 22,830 | ||||||
| 合計 | 914,815 | (122,453) | 792,362 | (614,038) | (79,610) | (58,445) | 40,269 | ||||||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | |||||||||||||
| 担保付借入金 | 6,233 | ― | 6,233 | (1,060) | ― | (5,162) | 11 | ||||||
| その他未払金 | 9,268 | (6,742) | 2,526 | (12) | (778) | (250) | 1,486 | ||||||
| 合計 | 15,501 | (6,742) | 8,759 | (1,072) | (778) | (5,412) | 1,497 | ||||||
| 強制力のあるネッティング契約の対象である金融負債 | 930,316 | (129,195) | 801,121 | (615,110) | (80,388) | (63,857) | 41,766 | ||||||
| 強制力のあるネッティング契約の対象でない金融負債 | 105,234 | ― | 105,234 | ― | ― | ― | 105,234 | ||||||
| 金融負債合計 | 1,035,550 | (129,195) | 906,355 | (615,110) | (80,388) | (63,857) | 147,000 | ||||||
| (単位:百万米ドル) | |||||||||||||
| 2015年12月現在 | |||||||||||||
| 貸借対照表で相殺されない金額 | |||||||||||||
| 総額 | 貸借対照表において相殺される金額 | 貸借対照表において表示される純額 | 取引相手先との相殺 | 現金担保 | 有価証券担保 | 純額 | |||||||
| 金融資産 | |||||||||||||
| 現物商品 | 15,662 | (11,579) | 4,083 | (21) | (726) | (1,993) | 1,343 | ||||||
| デリバティブ商品 | 608,906 | (59,789) | 549,117 | (474,498) | (42,162) | (11,095) | 21,362 | ||||||
| 保有金融商品 | 624,568 | (71,368) | 553,200 | (474,519) | (42,888) | (13,088) | 22,705 | ||||||
| 担保付契約 | 191,094 | (27,391) | 163,703 | (48,219) | ― | (112,475) | 3,009 | ||||||
| 未収金 | 55,187 | (6,758) | 48,429 | (542) | (32,202) | (7,900) | 7,785 | ||||||
| 強制力のあるネッティング契約の対象である金融資産 | 870,849 | (105,517) | 765,332 | (523,280) | (75,090) | (133,463) | 33,499 | ||||||
| 強制力のあるネッティング契約の対象でない金融資産 | 84,273 | ― | 84,273 | ― | ― | ― | 84,273 | ||||||
| 金融資産合計 | 955,122 | (105,517) | 849,605 | (523,280) | (75,090) | (133,463) | 117,772 | ||||||
| 金融負債 | |||||||||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | |||||||||||||
| 現物商品 | 1,164 | (1,164) | ― | ― | ― | ― | ― | ||||||
| デリバティブ商品 | 589,450 | (58,480) | 530,970 | (474,498) | (32,203) | (8,617) | 15,652 | ||||||
| 売却済未購入金融商品 | 590,614 | (59,644) | 530,970 | (474,498) | (32,203) | (8,617) | 15,652 | ||||||
| 担保付借入金 | 148,170 | (34,149) | 114,021 | (48,130) | ― | (64,720) | 1,171 | ||||||
| その他未払金 | 74,559 | (5,027) | 69,532 | (21) | (42,162) | ― | 27,349 | ||||||
| 合計 | 813,343 | (98,820) | 714,523 | (522,649) | (74,365) | (73,337) | 44,172 | ||||||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | |||||||||||||
| 担保付借入金 | 3,502 | ― | 3,502 | (89) | ― | (3,343) | 70 | ||||||
| その他未払金 | 8,694 | (6,697) | 1,997 | (542) | ― | ― | 1,455 | ||||||
| 合計 | 12,196 | (6,697) | 5,499 | (631) | ― | (3,343) | 1,525 | ||||||
| 強制力のあるネッティング契約の対象である金融負債 | 825,539 | (105,517) | 720,022 | (523,280) | (74,365) | (76,680) | 45,697 | ||||||
| 強制力のあるネッティング契約の対象でない金融負債 | 103,753 | ― | 103,753 | ― | ― | ― | 103,753 | ||||||
| 金融負債合計 | 929,292 | (105,517) | 823,775 | (523,280) | (74,365) | (76,680) | 149,450 | ||||||
2017年度第1四半期に、ある清算機関が、取引が毎日決済されたとみなすことを要求する規則変更を採用した。一部の他の清算機関も同様の扱いを認めている。これらの清算機関との取引が決済されたとみなされる場合、その影響は、デリバティブ資産および負債の総額の減少であり、上記の表の純額への影響はない。
2【主な資産・負債及び収支の内容】
以下は、当社の2016年12月31日に終了した事業年度に関するアニュアル・レポートの抜粋であり、主な貸借対照表上の数値を示している。
貸借対照表
貸借対照表は、本書第一部第6 1「財務書類」に記載されている。下記において、資産合計は、「固定資産」、「流動資産」および当社の「年金制度の積立余剰額」の合計である。負債合計は、「短期債務:1年以内に期日の到来する金額」と「長期債務:1年を超えて期日の到来する金額」の合計である。
2016年12月現在の資産合計は9,343.2億ドルであり、2015年12月と比較して838.3億ドル増加した。これは、保有金融商品が468.9億ドル、担保付契約が209.0億ドル、未収金が92.1億ドル、現金・預金が69.1億ドル増加したことを反映している。保有金融商品は、主としてデリバティブ商品の公正価値の金利変動の影響により増加した。担保付契約は、主として顧客の活動の変化により増加した。未収金は、主として取引先に対して差し入れる現金担保の増加により増加した。現金・預金は、主としてグローバル・コア流動資産として保有する現金預金の増加により増加した。
2016年12月現在の負債合計は9,067.9億ドルであり、2015年12月と比較して826.5億ドル増加した。これは、売却済未購入金融商品が582.6億ドル、担保付借入金が239.9億ドル増加したことを反映している。売却済未購入金融商品は、主としてデリバティブ商品の公正価値の金利変動の影響により増加した。担保付借入金は、主として顧客の活動の変化により増加した。
2016年12月31日現在の流動資産および流動負債の詳細については、以下の、当社の2016年12月31日現在の年度末財務書類からの抜粋参照。
| 注記 | (単位:百万米ドル) | ||
| 流動資産 | |||
| 保有金融商品(2016年12月および2015年12月現在、担保として差入れた保有金融商品それぞれ20,110百万米ドルおよび22,036百万米ドルを含む) | 13 | 662,945 | |
| 担保付契約 | 14 | 184,600 | |
| 未収金 | 15 | 69,696 | |
| 現金・預金 | 20 | 16,888 | |
| 934,129 | |||
| 短期債務:1年以内に期日の到来する金額 | |||
| 売却済未購入金融商品 | 13 | (613,911 | ) |
| 担保付借入金 | 17 | (137,641 | ) |
| その他未払金 | 18 | (110,931 | ) |
| (862,483 | ) | ||
| 純流動資産 | 71,646 | ||
未決算勘定残高および清算勘定残高はない。
以下は、GSIの2016年12月31日に終了した事業年度に関するアニュアル・レポートの抜粋であり、主な損益計算書上の数値を示している。
損益計算書
損益計算書は、本書第一部第6 1「財務書類」に記載されている。2016年度における当社の当期利益は14.6億ドルであり、2015年度と比較して37パーセント減少した。
2016年度の純収益は65.5億ドルであり、2015年度と比較して7パーセント減少した。これは、主として機関投資家向けクライアント・サービスにおける純収益の減少による。また、投資運用業務における純収益は大幅に減少し、投資銀行業務における純収益は減少した。これらの業績は、2016年度第1四半期における困難な事業環境(ただし、その後は改善した)の影響を反映している。これらの減少は、投資および貸付業務における純収益の大幅な増加により部分的に相殺された。
2016年度の一般管理費は42.7億ドルであり、2015年度と比較して5パーセント増加した。これは、主として、株式報酬の時価評価の影響が増大したことを反映している。両年度の株式報酬の時価評価の影響を除くと、2016年度の一般管理費は37.8億ドルであり、2015年度と比較して7パーセント減少した。
当社の純収益、セグメント別の報告および一般管理費に関する情報については、本書第一部第3 7「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-業績」参照。
3【その他】
(1) 決算日後の状況
該当なし。
(2) 訴訟
当社は、当社の業務を遂行する上で生じた事項について、様々な司法手続、行政手続および仲裁手続(以下に記載されたものを含む)に関与しているが、これらの影響について信頼性をもって見積ることは実務上困難である。
金利スワップ反トラスト訴訟 GSIは、2015年11月以降にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起され併合された、金利スワップ取引に関連する反トラスト法の集団訴訟を意図した訴訟の被告に含まれている。2016年12月9日に提出された第2併合修正訴状は概ね、被告らが共謀して少なくとも2007年1月1日以降に金利スワップの取引所での取引を妨害したと主張するものである。訴状では、宣言的救済および差止による救済ならびに金額を特定しない3倍損害賠償が求められている。2017年1月20日、被告らは却下を求める申立を行った。
GSIは、スワップ執行ファシリティの運営会社2社およびその一部の関連会社により、2016年4月以降にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起された、金利スワップ取引に関連する反トラスト法訴訟の被告に含まれている。公判前手続きのため、これらの訴訟は上述の集団訴訟に併合されている。2016年12月9日に提出された第2併合修正訴状は概ね、被告らが共謀して原告の各スワップ執行ファシリティ上の金利スワップの取引を妨害したとする申立てに関連する、連邦および州の反トラスト法ならびに州のコモンローの違反を主張するものであり、宣言的救済および差止による救済ならびに金額を特定しない3倍損害賠償が求められている。2017年1月20日、被告らは却下を求める申立を行った。
コモディティ関連訴訟 GSIは、2014年11月25日以降にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起され、直近では2015年7月27日に修正訴状が提出された、プラチナおよびパラジウムの取引に関連する集団訴訟を意図した訴訟の被告に含まれている。訴状では概ね、被告が共謀して現物プラチナおよびパラジウムのベンチマーク価格を操作したとする連邦反トラスト法および商品取引法の違反が主張され、宣言的救済および差止による救済ならびに金額を特定しない3倍損害賠償が求められている。2015年9月21日、被告は却下を求める申立を行った。
規制当局の調査および検査ならびに関連訴訟 グループ・インクおよびその関連会社の一部(GSIを含む)は、以下のGSグループの事業および業務に関する様々な事項について、様々な政府および規制機関ならびに自主規制機関による多数のその他の調査および検査の対象となっており、いくつかの案件では、召喚状ならびに文書および情報の提供要請を受けている。
・2008年の金融危機
・公募のプロセス
・投資運用サービスおよびファイナンシャル・アドバイザリー・サービス
・利益相反
・政府が関連する資金調達およびその他の事項(これには、マレーシアの政府系投資ファンドである1マレーシア・ディベロップメント・バーハッド(以下「1MDB」という。)に関連する事項が含まれる)に関わる取引
・社債、国債、為替、コモディティおよびその他の金融商品の募集または売出、オークション、販売、取引および決済ならびに関連する販売時の連絡等の活動(これには、空売りに関する規則の遵守、アルゴリズム、高頻度および定量的取引、先物取引、オプション取引、発行日取引、取引報告、テクノロジー・システムおよび統制、証券貸付の実務慣行、信用デリバティブおよび金利スワップの取引および決済、コモディティ取引および金属の貯蔵、私募の実務慣行、有価証券の割当および取引、ならびに為替レートなどのベンチマーク金利の設定に関する取引業務および連絡が含まれる)
・英国贈収賄防止法および米国海外汚職防止法の遵守
・雇用および報酬の実務慣行
・リスク管理統制システム
・インサイダー取引、会社および政府の動向に関する重要な非公開情報の乱用および流布の可能性、ならびにインサイダー取引統制および情報障壁の有効性
さらに、当社の関連会社およびかかる関連会社の事業および業務に関する調査、検査および訴訟(上記の様々な事項を含むが、他の事項も含む)は、当社の事業および業務に影響を及ぼす可能性がある。
4【英国と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違】
本書記載の財務書類は英国で一般に公正妥当と認められている会計原則(英国基準)に準拠して作成されている。従って、日本で一般に公正妥当と認められている会計原則(日本基準)と相違する場合がある。主たる相違点は次のとおりである。
(a) 金融商品
英国基準および日本基準では売買目的の資産および負債は公正価値に基づき計上される。
英国基準においては、金融商品の公正価値とは、市場参加者が通常の取引において測定日時点で資産を売却することにより受領する金額、あるいは負債の移転により支払われた金額(即ち、出口価格)である。
日本基準においては、時価は、市場において形成されている取引価格、気配もしくは指標その他の相場(以下「市場価格」という。)に基づく公正な評価額と定義されている。市場価格がない場合には合理的に算定された価額を公正な評価額とする。
英国基準においては、当初取引価格と内部モデルにより算定された公正価値との差額を表す取引初日の損益は、市場の変数もしくは類似の商品価格に基づいて公正価値が観察可能になった時か、当該金融商品の認識が中止された時のいずれか早い時点で利益もしくは損失に認識される。
日本基準においては、取引初日の損益について特段の定めはない。
(b) 公正価値オプション
英国基準においては、その他の金融資産および金融負債は、損益を通じて公正価値で測定する区分に指定でき、自己のクレジット・スプレッドに起因する金融負債の公正価値の変動(債務評価調整、以下「DVA」という。)を除き、公正価値の変動を損益を通じて認識する。自己のクレジット・スプレッドに起因する金融負債の公正価値の変動は、その他の包括利益として別に表示される。GSIは、売戻条件付契約およびほぼすべての買戻条件付契約、借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金、ほぼすべての担保付発行社債、一部の無担保発行社債、購入ではなく担保付ローンとして会計処理される資産の譲渡を含む一部の未収金を指定している。
日本基準において公正価値オプションという概念はない。
(c) 金融資産および金融負債の相殺
英国基準においては、金融資産および金融負債が貸借対照表において相殺して表示されるのは、認識されている金額を相殺できる法的強制力のある権利を現在有しており、かつ資産と負債を純額決済するかまたは資産の実現および負債の決済を同時に行う意図を有している場合である。
日本基準において、公正価値で取引された同じカウンターパーティ間でのデリバティブ取引から生じた金融資産および金融負債は、法的に有効な相殺契約がある場合に相殺が許容される。
(d) 繰延税金
英国基準においては、繰延税金資産は将来において一時差異の解消を控除することができる課税所得が生じる可能性が生じない可能性より高い場合のみに認識される。
日本基準においては、繰延税金資産は将来回収可能な場合のみに認識される。
(e) 年金費用
英国基準の確定給付年金において収益および費用に計上される額は、当期の勤務費用、過去勤務費用、および、縮小および清算に伴う利得および損失、ならびに、期首の年金資産および退職給付債務の純額に割引率を乗じて計算される利息純額である。保険数理上の差異は、繰延税金を控除した上で包括利益計算書に認識される。年金資産は時価により評価され、退職給付債務は数理計算による予測給付および、当該債務と同通貨および同期間である高格付け社債の利率に等しい割引率に基づき評価される。退職給付債務を超過もしくは不足する年金資産および負債は、貸借対照表において資産(超過)もしくは負債(不足)として計上される。
確定拠出年金において、利益または損失に計上される額は、当年度の支払うべき掛け金である。年度の支払うべき掛け金と実際に支払った額との差額は未払費用もしくは前払金として貸借対照表に計上される。
日本基準においては、企業は確定給付債務と年金資産の公正価値の差額を退職給付に係る負債として認識し、未認識の数理計算上の差異および未認識過去勤務費用は税効果を調整の上、退職給付に係る調整累計額として純資産に認識する。未認識数理計算上差異と未認識過去勤務費用は年金に加入している者の平均残存勤務期間以内の期間にわたり償却される。
また、確定拠出型年金制度については、当期に支払われた掛け金は費用として認識される。
第7【外国為替相場の推移】
最近5年間の事業年度および最近6ヶ月間の日本円と米ドルの為替相場は日本国内において時事に関する事項を掲載する2紙以上の日刊新聞に掲載されているため本項の記載は省略する。
第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
該当なし。
第9【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社が発行している有価証券は日本の金融商品取引所に上場されていないため、該当なし。
2【その他の参考情報】
当事業年度開始日から本有価証券報告書提出日までの間に、下記の書類が関東財務局長に提出された。
(1) 有価証券報告書およびその添付書類(2016年6月28日提出)
(2) 半期報告書およびその添付書類(2016年9月29日提出)
(3) 臨時報告書およびその添付書類(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号に基づくもの)(2016年12月14日提出)
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当なし。
B.2015年12月31日に終了した事業年度の財務書類
(1)損益計算書
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | ||||||||
| 注記 | 百万米ドル | 百万円 | 百万米ドル | 百万円 | |||||
| 純収益 | 5 | 7,016 | 798,210 | 6,430 | 731,541 | ||||
| 一般管理費 | 6 | (4,077) | (463,840) | (4,155) | (472,714) | ||||
| 営業利益 | 2,939 | 334,370 | 2,275 | 258,827 | |||||
| 支払利息等 | 9 | (285) | (32,424) | (222) | (25,257) | ||||
| 金融収益純額 | 10 | 7 | 796 | 7 | 796 | ||||
| 税引前経常利益 | 2,661 | 302,742 | 2,060 | 234,366 | |||||
| 経常利益に係る法人税等 | 12 | (353) | (40,161) | (452) | (51,424) | ||||
| 当期経常利益 | 2,308 | 262,581 | 1,608 | 182,942 | |||||
当社の純収益および営業利益は、当期および過去の期間の継続事業から生じたものである。
(2)包括利益計算書
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | ||||||||
| 百万米ドル | 百万円 | 百万米ドル | 百万円 | ||||||
| 当期純利益 | 2,308 | 262,581 | 1,608 | 182,942 | |||||
| その他の包括利益/(損失) | |||||||||
| 純損益にその後に振り替えられることのない項目 | |||||||||
| 年金制度に関連する保険数理上の利益/(損失) | 10 | (3) | (341) | 111 | 12,628 | ||||
| 保険数理上の利益/(損失)に帰属する英国繰延税金 | 18 | 1 | 114 | (22) | (2,503) | ||||
| 当期その他の包括利益/(損失)(税引後) | (2) | (228) | 89 | 10,126 | |||||
| 当期包括利益合計 | 2,306 | 262,354 | 1,697 | 193,068 | |||||
添付の注記は財務書類の一部である。
(3)貸借対照表
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | ||||||||
| 注記 | 百万米ドル | 百万円 | 百万米ドル | 百万円 | |||||
| 固定資産 | |||||||||
| 有形固定資産 | 13 | 11 | 1,251 | 12 | 1,365 | ||||
| 投資 | 14 | 1 | 114 | 2 | 228 | ||||
| 12 | 1,365 | 14 | 1,593 | ||||||
| 流動資産 | |||||||||
| 保有金融商品(2015年12月および2014年12月現在、担保として差入れた保有金融商品それぞれ22,036百万米ドルおよび24,404百万米ドルを含む) | 15 | 616,054 | 70,088,464 | 693,748 | 78,927,710 | ||||
| 担保付契約 | 16 | 163,703 | 18,624,490 | 203,516 | 23,154,015 | ||||
| 未収金 | 17 | 60,488 | 6,881,720 | 66,561 | 7,572,645 | ||||
| 現金・預金 | 23 | 9,974 | 1,134,742 | 3,586 | 407,979 | ||||
| 850,219 | 96,729,416 | 967,411 | 110,062,349 | ||||||
| 短期債務:1年以内に期日の到来する金額 | |||||||||
| 売却済未購入金融商品 | 15 | (555,654) | (63,216,756) | (641,413) | (72,973,557) | ||||
| 担保付借入金 | 19 | (116,385) | (13,241,121) | (139,137) | (15,829,616) | ||||
| その他未払金 | 20 | (116,300) | (13,231,451) | (145,904) | (16,599,498) | ||||
| (788,339) | (89,689,328) | (926,454) | (105,402,672) | ||||||
| 純流動資産 | 61,880 | 7,040,088 | 40,957 | 4,659,678 | |||||
| 流動負債控除後資産合計 | 61,892 | 7,041,453 | 40,971 | 4,661,271 | |||||
| 長期債務:1年を超えて期日の到来する金額 | |||||||||
| 担保付借入金 | 19 | (3,502) | (398,423) | (2,514) | (286,018) | ||||
| その他未払金 | 20 | (32,298) | (3,674,543) | (16,700) | (1,899,959) | ||||
| (35,800) | (4,072,966) | (19,214) | (2,185,977) | ||||||
| 負債性引当金 | 21 | ― | ― | (17) | (1,934) | ||||
| 年金制度の積立余剰額を除く純資産 | 26,092 | 2,968,487 | 21,740 | 2,473,360 | |||||
| 年金制度の積立余剰額 | 10 | 261 | 29,694 | 257 | 29,239 | ||||
| 年金制度の積立余剰額を含む純資産 | 26,353 | 2,998,181 | 21,997 | 2,502,599 | |||||
| 資本金および剰余金 | |||||||||
| 払込資本金 | 22 | 582 | 66,214 | 533 | 60,639 | ||||
| 資本剰余金 | 4,864 | 553,377 | 2,863 | 325,724 | |||||
| 資本準備金(配当不可) | 17 | 1,934 | 17 | 1,934 | |||||
| 損益計算書 | 20,890 | 2,376,655 | 18,584 | 2,114,302 | |||||
| 株主持分合計 | 26,353 | 2,998,181 | 21,997 | 2,502,599 | |||||
財務書類は2016年3月14日に取締役会で承認され、取締役会を代表して以下の取締役により署名された。
M.S.シャーウッド
取締役
添付の注記は財務書類の一部である。
(4) 持分変動計算書
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | |||||||
| 百万米ドル | 百万円 | 百万米ドル | 百万円 | |||||
| 払込資本金 | ||||||||
| 期首残高 | 533 | 60,639 | 533 | 60,639 | ||||
| 株式の発行 | 49 | 5,575 | ― | ― | ||||
| 期末残高 | 582 | 66,214 | 533 | 60,639 | ||||
| 資本剰余金 | ||||||||
| 期首残高 | 2,863 | 325,724 | 2,863 | 325,724 | ||||
| 株式の発行 | 2,001 | 227,654 | ― | ― | ||||
| 期末残高 | 4,864 | 553,377 | 2,863 | 325,724 | ||||
| 資本準備金(配当不可) | ||||||||
| 期首残高 | 17 | 1,934 | 17 | 1,934 | ||||
| 期末残高 | 17 | 1,934 | 17 | 1,934 | ||||
| 損益計算書 | ||||||||
| 期首残高 | 18,584 | 2,114,302 | 16,887 | 1,921,234 | ||||
| 当期純利益 | 2,308 | 262,581 | 1,608 | 182,942 | ||||
| その他の包括利益/(損失) | (2) | (228) | 89 | 10,126 | ||||
| 株式報酬 | 630 | 71,675 | 529 | 60,184 | ||||
| 株式報酬に関する関係会社からの費用振替え | (630) | (71,675) | (529) | (60,184) | ||||
| 期末残高 | 20,890 | 2,376,655 | 18,584 | 2,114,302 | ||||
| 株主持分合計 | 26,353 | 2,998,181 | 21,997 | 2,502,599 | ||||
2015年度および2014年度に配当金の支払いはなかった。
添付の注記は財務書類の一部である。
(5)キャッシュ・フロー計算書
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | ||||||||
| 注記 | 百万米ドル | 百万円 | 百万米ドル | 百万円 | |||||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | |||||||||
| 営業活動から生じたキャッシュ | 24 | 2,889 | 328,682 | 88 | 10,012 | ||||
| 税金還付額 | 3 | 341 | 14 | 1,593 | |||||
| 税金支払額 | (403) | (45,849) | (169) | (19,227) | |||||
| 営業活動による/(使用された)純キャッシュ | 2,489 | 283,174 | (67) | (7,623) | |||||
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | |||||||||
| 有形固定資産の取得にかかる支払 | (3) | (341) | (2) | (228) | |||||
| 投資活動に使用された純キャッシュ | (3) | (341) | (2) | (228) | |||||
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | |||||||||
| 普通株式資本の発行による収入 | 2,050 | 233,229 | ― | ― | |||||
| 長期劣後ローンの利息支払額 | (217) | (24,688) | (166) | (18,886) | |||||
| 長期劣後ローンの発行による収入 | 2,500 | 284,425 | ― | ― | |||||
| 財務活動による/(使用された)純キャッシュ | 4,333 | 492,965 | (166) | (18,886) | |||||
| 現金および現金同等物純増加/(減少)額 | 6,819 | 775,798 | (235) | (26,736) | |||||
| 現金および現金同等物期首残高 | 3,577 | 406,955 | 4,004 | 455,535 | |||||
| 現金および現金同等物に係る為替差損 | (426) | (48,466) | (192) | (21,844) | |||||
| 現金および現金同等物期末残高 | 23 | 9,970 | 1,134,287 | 3,577 | 406,955 | ||||
添付の注記は財務書類の一部である。
(6)財務書類に対する注記
注記1 一般情報
当社は非上場無限責任会社であり、英国およびウェールズで設立され、同国に本社を置いている。登記した事務所の所在地は、英国 ロンドン市 EC4A 2BB フリート・ストリート133、ピーターバラ・コートである。
当社の直接の親会社は、英国およびウェールズで設立され、同国に本社を置いている、ゴールドマン・サックス・グループ・UK・リミテッド(GSGUK)である。
最終の支配会社および連結財務書類が作成される最小および最大単位のグループの親会社は、アメリカ合衆国で設立されたザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インクである。その連結財務書類および一定の法定提出書類(様式10-Q四半期報告書および10-K年次報告書等)においてザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インクおよびその連結子会社(以下「GSグループ」という。)ならびにその事業活動の追加情報が提供されており、これらはGSグループの主要な事業拠点である、アメリカ合衆国10282ニューヨーク州 ニューヨーク、ウェスト・ストリート200のインベスター・リレーションズ、またはwww.goldmansachs.com/shareholders/から入手することができる。
バーゼル3第3の柱の開示
当社は、EU自己資本規制により要求されるとおり、GSGUKの連結第3の柱の開示に含まれている。GSGUKの2015年度における第3の柱は、財務書類の公表にあわせてwww.goldmansachs.com/disclosures/にて開示される予定である。
国別報告書
当社は、2013年自己資本(国別報告書)規制により要求されるとおり、GSGUKの国別連結報告書の開示に含まれている。GSGUKの2015年度国別開示は、2016年12月31日までにwww.goldmansachs.com/disclosures/にて行われる予定である。
注記2 重要な会計方針の要約
表示基準
2014年12月に終了した事業年度までの全期間について、当社は従前の英国基準に従って財務書類を作成した。2015年1月1日以降、当社は従前の英国基準からFRS第101号「簡易化された開示のフレームワーク」(以下「FRS第101号」という。)に移行した。本財務書類は、FRS第101号が完全に適用される初年度に係るものである。本財務書類で表示されている全期間が、FRS第101号に従って作成された。FRS第101号の適用による当社の財務書類への影響は、注記4に記述されている。
当該財務書類は、継続企業の前提および取得原価主義(以下の「年金制度」および「金融資産および金融負債」に示した修正後)に基づいて、2006年会社法に従って作成されている。
本財務書類の作成に際して、EUが採択したIFRSの開示要件について、FRS第101号に従い以下の例外が適用されている。
・IFRS第2号「株式報酬」第45項(b)および第46項から第52項。これらは、グループ・インクの連結財務書類に開示されている。
・IAS第1号「財務書類の表示」第38項における、以下についての比較情報の表示
・IAS第1号「財務書類の表示」第79項(a)(iv)および
・IAS第16号「有形固定資産」第73項(e)
・IAS第1号「財務書類の表示」第10項(f)、第16項および第40項AからD
・IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更および誤謬」第30項および第31項
・IAS第24号「関連当事者についての開示」第17項および
・IAS第24号「関連当事者についての開示」における、GSグループ内で同様に100%所有されている会社との取引の開示要件
連結
当社は、真実かつ公正な概観を勘案する上で子会社に重要性がないことから、2006年会社法第402項で認められているとおり、連結財務書類を作成しないことを選択している。
本財務書類は個別財務書類である。
会計方針
収益認識 当社の活動の性質と業績をより有効に反映させるために、売上高ではなく純収益が開示されている。純収益には、有価証券、為替およびその他の金融商品の第三者および関連会社の双方との取引から生じた純利益、ならびに報酬および手数料が含まれる。これには関連する利息や配当も含まれる。
損益を**通じて公正価値で測定する金融資産および金融負債
トレーディング目的で保有する金融資産および金融負債または損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産および金融負債は公正価値で認識され、実現および未実現の損益は、関連する受取利息および受取配当金ならびに支払利息および支払配当金とともに純収益に含まれる。金融資産はビッドで評価され、金融負債はオファーで評価される。公正価値測定において取引費用は算入されない。
デリバティブ以外の保有金融商品および売却済未購入金融商品(すなわち、現物商品)は決済日に認識が行われる。詳細は、以下の「金融資産および金融負債―認識および認識の中止」を参照のこと。当該商品の約定日と決済日の公正価値の変動に関連する未実現の損益は純収益に認識される。
投資銀行**業務
ファイナンシャル・アドバイザリー案件からの報酬および引受手数料は、関連する当事者間で契約が締結され、契約に基づく活動が進展した時点で損益に認識されるが、重大事象が発生するまで報酬に対する権利が発生しない契約の場合は、重大事象発生後に収益が認識される。
当該案件に関連する費用は、関連する収益が認識されるか、または当該案件が終了するまで繰延べられる。ファイナンシャル・アドバイザリー案件に関連する費用は、一般管理費として、顧客からの払戻額控除後の金額で計上される。引受手数料は関連費用控除後の金額で表示される。
投資運用**業務
運用報酬は発生主義で認識され、通常はファンドまたは分離勘定の平均純資産価額に対する一定比率として算出される。すべての運用報酬は関連サービスが提供される期間において認識される。
成功報酬はファンドの運用益に対する一定比率、あるいは特定のベンチマークまたはその他のパフォーマンス目標を上回る超過運用益に対する一定比率として算出される。成功報酬は、すべての重要な成功条件が満たされた場合にのみ認識される。
手数料および**報酬
株式、オプションおよび先物市場ならびに店頭取引における顧客取引の執行および決済による手数料および報酬は、売買の執行日に純収益に認識される。
オペレーティング・リース 当社は借手としてオペレーティング・リース契約を締結している。リース資産は貸借対照表には認識されない。オペレーティング・リースに関する費用(貸手により付与されるインセンティブを調整後)は、リース期間にわたって定額法で費用計上され、損益計算書の一般管理費に含まれる。
短期従業員給付 賃金および給与といった短期従業員給付は、割引前の金額で測定され、従業員が当社に役務を提供した期間において未払費用として計上される。グループの方針および過去の慣習に基づき貸借対照表日に推定的債務が存在している場合に、現金または株式報奨により支払われる年度末裁量報酬のための引当金が計上される。
株式報酬 ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インク(以下「グループ・インク」という。)は、当社の従業員が当社に提供した役務に対して、制限付株式ユニット(以下「RSU」という。)およびストックオプションの形式で、株式報奨を発行している。報奨は持分決済型に分類されるため、従業員との株式取引に係る費用は、報奨の付与日現在の公正価値に基づいて測定される。将来の役務提供を必要としない株式報奨(退職適格従業員に付与された報奨を含む確定報奨)は、即時に費用計上される。将来の役務提供を必要とする株式報奨は、関連する役務提供期間にわたり償却される。予想される失効は従業員株式報酬費用を算定する際に含められる。
グループ・インクは、普通株式の交付により株式報奨を決済している。グループ・インクは、RSUについて配当金相当額を支払っている。当社は、グループ・インクとチャージバック契約も締結しており、当該契約に基づき、当社は当該報奨の付与日現在の公正価値とその後の公正価値の変動額を、従業員への交付時にグループ・インクに支払うことになっている。
配当金 最終株式配当金は会社の株主が配当金の承認を行った期において負債として認識され、資本から控除される。中間株式配当金は支払時に認識され、資本から控除される。
年金制度 当社は一部の従業員のために確定拠出型年金制度および複合年金制度に資金を拠出している。複合年金制度は確定給付部分(以下「当制度」という。)および確定拠出部分の双方を有しており、以下のとおり会計処理される。
・確定拠出型年金制度および複合年金制度の確定拠出部分について当年度に拠出すべき額は、営業利益に計上される。当年度に拠出すべき額と実際の拠出額との差額は、未払金または前払金として貸借対照表に表示される。
・当制度について営業利益に計上される金額は、当期勤務費用、過去勤務費用、ならびに制度の決済および縮小に伴う損益である。当該金額は人件費として含められる。利息純額は、金融収益純額に含まれる。保険数理上の損益は即時にその他の包括利益に認識される。当制度資産は公正価値で測定される。当制度負債は保険数理を基礎として予測単位積増方式を用いて測定され、通貨および期間が当制度負債に対応している高格付社債の現在の収益率に等しい率で割引かれる。完全な保険数理評価は少なくとも3年に一度実施され、各貸借対照表日にアップデートされる。当制度資産の当制度負債に対する余剰額または不足額は、貸借対照表上に資産(余剰額)または負債(不足額)として認識される。
有形固定資産 有形固定資産は、取得価額から減価償却累計額および減損引当金を控除した金額で計上されている。工具器具備品は、3年から7年の見積耐用年数にわたり、定額法に基づいて計算されている。減価償却費は一般管理費に含められている。
賃借物件附属設備は、資産の経済的耐用年数または資産が使用されてからの残余リース期間のいずれか短い期間にわたって減価償却されている。減価償却方針は毎年見直される。
固定資産投資 固定資産投資は、取得価額または償却原価から減損引当金を控除した金額で計上されている。償却費は一般管理費に含められている。
現金・預金 現金・預金は、通常の事業の過程で保有される流動性が高い翌日物預金である。
外貨 当社の財務書類は、当社の機能通貨でもある米ドルで表示されている。
外国通貨建ての取引は、取引日の為替レートによって米ドルに換算される。外国通貨建ての貨幣性資産および負債は、貸借対照表日の為替レートによって米ドルに換算される。為替差損益は、営業利益に含まれる。
金融資産および金融負債
認識および認識の中止
通常の方法の取引によるデリバティブ以外の保有金融商品および売却済未購入金融商品(すなわち、現物商品)の売買は、決済日に認識および認識の中止が行われる。
その他の金融資産および金融負債は、当社が当該商品の契約条項の当事者となった時点で認識される。金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時、または当社が金融資産ならびにその所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転した場合に、当該金融資産の認識の中止が行われる。金融負債は消滅した時(すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、または失効となった時)にのみ認識が中止される。
分類および測定
当社は金融資産および金融負債を以下の区分に分類している。当初認識時に決定された分類は、当該金融資産および金融負債が購入された、または組成された目的によって異なる。
・トレーディング目的で保有するものに分類される金融資産および金融負債 トレーディング目的で保有するものに分類される金融資産および金融負債には、保有金融商品および売却済未購入金融商品が含まれる。保有金融商品および売却済未購入金融商品には、現物商品およびデリバティブが含まれる。両金融商品は、公正価値で当初認識され、取引費用は損益計算書において費用計上される。これらの金融商品は貸借対照表にて公正価値で計上され、その後の損益はすべて純収益に認識される。
流動資産投資として分類することも、そのような証券を上場か非上場かで分析することも適切ではないというのが取締役の考えである。
・損益を通じて公正価値で評価するものに指定される金融資産および金融負債 当社は、一部のその他の金融資産および金融負債を、損益を通じて公正価値で評価するものとして指定している。損益を通じて公正価値で評価するものとして指定される金融商品は、公正価値で当初認識され、取引費用は損益計算書において費用計上される。それらは貸借対照表にて公正価値で計上され、その後の損益はすべて純収益に認識される。当該金融資産および金融負債を公正価値で評価するものとして指定する主な理由は、以下のとおりである。
・金融資産グループまたは金融負債グループあるいはその両方が公正価値ベースで管理され、業績評価されている
・指定しない場合に資産または負債の測定あるいはそれらに係る損益の認識を異なる基礎で行うことから生じるであろう測定または認識の不整合を除去または大幅に低減するため
損益を通じて公正価値で評価するものとして指定する金融資産および金融負債には、以下が含まれる。
・売戻条件付契約およびほぼすべての買戻条件付契約
・顧客取引執行のための債券・為替・コモディティ取引に含まれる借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金
・一部のハイブリッド金融商品および売却ではなく借入として会計処理される資産の譲渡を含む、ほぼすべての担保付発行社債
・一部のハイブリッド金融商品を含む一部の無担保発行社債
・購入ではなく担保付ローンとして会計処理される資産を含む、一部の未収金
ハイブリッド金融商品とは、分離処理可能な組込デリバティブを含む金融商品である。当社が組込デリバティブを関連する債務から分離処理することを選択した場合、デリバティブは公正価値で会計処理され、原契約は公正価値ヘッジの有効部分について調整後の償却原価で会計処理される。当社が分離処理を選択しない場合、ハイブリッド金融商品全体が損益を通じて公正価値で評価するものとして指定される。
公正価値で測定するこれらの金融資産および金融負債は通常、割引キャッシュ・フロー法に基づき評価され、価格の透明性が合理的な水準にある入力情報を組み込んでおり、入力情報が観測可能なため、通常、レベル2に分類される。流動性ならびに取引相手先およびGSグループの信用度について評価調整が行われることがある。
・ローンおよび債権ならびに償却原価で測定する金融負債 ローンおよび債権は、支払額が固定または決定可能であり、活発な市場における相場価格がない非デリバティブ金融資産である。これには、一部の担保付契約、ほぼすべての未収金ならびに現金・預金が含まれる。当該金融資産は取引費用を含む公正価値で当初認識され、その後は実効金利法を用いた償却原価にて測定される(以下を参照のこと)。金融収益は純収益に計上される。
償却原価で測定する金融負債には、一部の担保付借入金およびほぼすべてのその他未払金が含まれる。当該金融負債は取引費用を含む公正価値で当初認識され、その後は実効金利法を用いた償却原価にて測定される(以下を参照のこと)。発行時に認められた割引を含む金融費用は純収益に計上される。ただし長期劣後ローンの金利は支払利息等に計上される。
実効金利法は、金融資産または金融負債(あるいは金融資産グループまたは金融負債グループ)の償却原価を計算し、受取利息または支払利息を該当期間に配分する方法である。実効金利は、金融資産または金融負債の予想存続期間、または場合によってはそれより短い期間を通じて見積った将来の現金の支払または受取を、金融資産または金融負債の正味帳簿価額に一致させるように割り引く率である。当社は実効金利を計算する際に、当該金融資産または金融負債のすべての契約条件を考慮しキャッシュ・フローの見積もりを行うが、予想信用損失は考慮しない。この計算には、実効金利の不可分な一部であるすべての授受される手数料およびポイント、取引コスト、および他のすべてのプレミアムまたは割引が含まれる。
当社は、各貸借対照表日においてローンおよび債権に減損の客観的証拠がないか評価している。減損損失が生じているという客観的証拠が存在する場合、損失額は、金融資産の帳簿価額と、金融資産の当初の実効金利で割り引いた見積将来キャッシュ・フローの現在価値との差額として測定される。損失額は、トレーディング関連であれば純収益に含められ、トレーディング関連以外は一般管理費に含められる。
金融負債および資本の分類
金融負債と持分商品は、契約内容に従って分類される。金融負債は、他の事業体に現金またはその他の金融資産を引き渡す、あるいはその事業体に潜在的に好まれない条件で金融資産と金融負債を交換する契約債務のある負債である。資本投資とは、事業体のすべての負債を控除した後の資産に対する残余持分を証明する契約である。金融商品は、負債要素と資本要素の両方を持つか否かを判断するために評価される。複合金融商品の当初帳簿価額は、公正価値で測定する負債要素にまず配分され、残りの金額が資本要素に配分される。
金融資産と金融**負債の相殺
金融資産と金融負債は、以下の場合において相殺され、純額が貸借対照表に表示される。
・法的に強制力のある相殺権を有する場合。
・純額決済する、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意思がある場合。
条件が満たされない場合には、金融資産および金融負債は総額で貸借対照表に表示される。
公正価値測定
当社の金融資産および金融負債の公正価値による測定の詳細は、注記27を参照のこと。
ヘッジ会計
当社は、一部の固定金利が付された無担保長期借入金および無担保短期借入金の金利エクスポージャーを管理するために用いられる一部の金利スワップについて、ヘッジ会計を適用している。ヘッジ会計の要件を満たすために、デリバティブ・ヘッジは、ヘッジ対象のエクスポージャーから生じるリスクを非常に効果的に軽減しなければならない。また当社は、契約開始時にヘッジ関係に関して正式に文書化し、デリバティブ・ヘッジがヘッジ関係の期間にわたり継続的に非常に有効であることを確認するために、ヘッジ関係のテストを行わなければならない。
担保付契約および担保付借入金 担保付契約には、売戻条件付契約および借入有価証券担保金が含まれる。担保付借入金には、買戻条件付契約および貸付有価証券担保金が含まれる。当該商品の分類および測定に関する詳細は、上記の「分類および測定」を参照のこと。受取担保または差入担保は、現金または有価証券のいずれかの形式をとる。現金担保は受領/支払時に認識/認識中止される。当社が有価証券の形式で差入れた担保については当社の貸借対照表における認識は中止されず、また有価証券の形式で受領した担保については貸借対照表に認識されない。受領した担保を後に売却した場合には、担保返却義務および受領した現金が貸借対照表に認識される。
当期法人税および繰延税金 当期法人税等は、当期法人税および繰延税金から成る。税金は、その他の包括利益計算書にて認識される項目に関するものを除き、損益計算書にて認識される。
当期法人税等は、当社が事業を営み課税所得を稼得している国で貸借対照表日現在に施行または実質的に施行されている税法に基づき計算される。繰延税金は、将来の税金支払額を増減させることになる取引または事象が貸借対照表日において発生している場合に、当該日において解消していない、以下を除いたすべての期間差異について認識される。
・繰延税金資産は、将来の期間差異の解消に利用できる十分な課税所得を見込める可能性が高いと取締役が考える範囲内で認識される。
・繰延税金は、貸借対照表日に施行されているまたは実質的に施行されている税率および法律に基づいて、期間差異が解消される期間において適用が予定されている税率を用いて割引せずに測定される。
繰延税金は、繰延税金が帰属している関連する損益の認識方法に従い、損益計算書に認識されるか、その他の包括利益計算書に直接認識される。
引当金、偶発債務および偶発資産 引当金は、過去の事象の結果として生じた現在の(法的または推定的)債務を決済するのに経済的便益の流出が必要となる可能性が高く、債務金額を信頼性をもって見積もることが可能な場合に認識される。新しい法案の結果として生じる可能性がある法的債務は、草案どおりに法律が施行されることがほぼ確実な場合にのみ債務として認識される。
偶発債務とは、過去の事象により発生する可能性のある債務で、当社の支配が完全には及ばない1つまたは複数の不確実な将来の事象が発生することによって、もしくは発生しないことによってのみ、その存在が確認されるものである。もしくは、過去の事象により発生した現在の債務であるが、経済的便益が流出する可能性が高くないか、もしくは債務金額を信頼性をもって測定することが不可能なために、認識されないものである。
偶発資産とは、過去の事象により発生する可能性のある資産で、当社の支配が完全には及ばない1つまたは複数の不確実な将来の事象が発生することによって、もしくは発生しないことによってのみ、その存在が確認されるものである。
偶発債務および偶発資産は財務書類には認識されない。しかし、決済の可能性がほとんどないような場合を除いて開示は行われる。
注記3 重要な会計上の見積りおよび判断
財務書類の作成において、経営者は本財務書類での認識額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定を行うことが要求される。見積りの性質上、実際の結果が当該見積りと異なる可能性がある。以下の判断は本財務書類での認識額に最も重要な影響を与えたものである。
公正価値測定
当社の一部の金融資産および金融負債には、重要な観測不能な入力情報(即ち、レベル3)が含まれる。帳簿価額、評価方法および重要な入力情報については、注記27を参照のこと。
訴訟および規制上の手続き
当社は、訴訟および規制上の手続きで発生する可能性のある潜在的損失について、かかる損失が生じる可能性が高く、合理的に見積もることができる範囲において、見積りを行い、引当金を計上している。これらの見積りを行う場合には重要な判断が要求され、最終的に当社の確定負債額が大きく異なる可能性がある。当社の負債性引当金および当社が関わる法的手続きで影響を見積もることが実務上困難であるものについての詳細は、それぞれ注記21および注記25を参照のこと。
確定給付年金
当制度の費用および当制度の負債の価値は、数理的評価を使用して決定される。これには、割引率、将来の昇給、死亡率および将来の年金増加についての仮定が含まれる。当該評価の複雑性のために、かかる見積りは著しい不確実性にさらされる。
注記4 FRS第101号の初度適用
注記2に記載のとおり、本財務書類はFRS第101号が完全に適用される初年度に係るものである。
注記2に記載された会計方針は、本財務書類における全期間の作成に際して使用されている。
以下は、FRS第101号の適用およびそれに伴う会計方針の変更による当社の財務書類への影響を記載している。
資本の調整
FRS第101号の適用による、当社の資本への影響はなかった。2014年1月1日(当社の期首の貸借対照表)および2014年12月現在における、従前の英国基準およびFRS第101号に基づく当社の貸借対照表の比較は以下の表のとおりである。それぞれの移行に伴う調整については、以下の「FRS第101号の調整に関する注記」を参照のこと。
| (単位:百万米ドル) | ||||||||||||||
| 2014年1月1日現在 | 2014年12月現在 | |||||||||||||
| 注記 | 従前の英国基準 | 移行時の調整 | FRS第101号 | 従前の英国基準 | 移行時の調整 | FRS第101号 | ||||||||
| 固定資産 | ||||||||||||||
| 有形固定資産 | 15 | ― | 15 | 12 | ― | 12 | ||||||||
| 投資 | 1 | ― | 1 | 2 | ― | 2 | ||||||||
| 16 | ― | 16 | 14 | ― | 14 | |||||||||
| 流動資産 | ||||||||||||||
| 保有金融商品 | A | 516,105 | (371) | 515,734 | 692,227 | 1,521 | 693,748 | |||||||
| 担保付契約 | B | 225,854 | (14,376) | 211,478 | 219,234 | (15,718) | 203,516 | |||||||
| 未収金 | A | 70,212 | (11,813) | 58,399 | 77,643 | (11,082) | 66,561 | |||||||
| 現金・預金 | 4,032 | ― | 4,032 | 3,586 | ― | 3,586 | ||||||||
| 816,203 | (26,560) | 789,643 | 992,690 | (25,279) | 967,411 | |||||||||
| 短期債務:1年以内に期日の到来する金額 | ||||||||||||||
| 売却済未購入金融商品 | A | (457,164) | 703 | (456,461) | (641,404) | (9) | (641,413) | |||||||
| 担保付借入金 | B/C | (190,211) | 17,025 | (173,186) | (157,369) | 18,232 | (139,137) | |||||||
| その他未払金 | A | (133,350) | 11,481 | (121,869) | (155,474) | 9,570 | (145,904) | |||||||
| (780,725) | 29,209 | (751,516) | (954,247) | 27,793 | (926,454) | |||||||||
| 純流動資産 | 35,478 | 2,649 | 38,127 | 38,443 | 2,514 | 40,957 | ||||||||
| 流動負債控除後資産合計 | 35,494 | 2,649 | 38,143 | 38,457 | 2,514 | 40,971 | ||||||||
| 長期債務:1年を超えて期日の到来する金額 | ||||||||||||||
| 担保付借入金 | C | ― | (2,649) | (2,649) | ― | (2,514) | (2,514) | |||||||
| その他未払金 | (15,332) | ― | (15,332) | (16,700) | ― | (16,700) | ||||||||
| (15,332) | (2,649) | (17,981) | (16,700) | (2,514) | (19,214) | |||||||||
| 負債性引当金 | (18) | ― | (18) | (17) | ― | (17) | ||||||||
| 年金制度の積立余剰額を除く純資産 | 20,144 | ― | 20,144 | 21,740 | ― | 21,740 | ||||||||
| 年金制度の積立余剰額 | 156 | ― | 156 | 257 | ― | 257 | ||||||||
| 年金制度の積立余剰額を含む純資産 | 20,300 | ― | 20,300 | 21,997 | ― | 21,997 | ||||||||
| 資本金および剰余金 | ||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 払込資本金 | 533 | ― | 533 | 533 | ― | 533 | ||||||||
| 資本剰余金 | 2,863 | ― | 2,863 | 2,863 | ― | 2,863 | ||||||||
| 資本準備金(配当不可) | 17 | ― | 17 | 17 | ― | 17 | ||||||||
| 損益計算書 | 16,887 | ― | 16,887 | 18,584 | ― | 18,584 | ||||||||
| 株主持分合計 | 20,300 | ― | 20,300 | 21,997 | ― | 21,997 |
包括利益合計の調整
従前の英国基準およびFRS第101号に基づく当社の包括利益合計の比較は、以下の表のとおりである。それぞれの移行に伴う調整については、以下の「FRS第101号の調整に関する注記」を参照のこと。
| (単位:百万米ドル) | |||||||
| 2014年12月終了年度 | |||||||
| 注記 | 従前の英国基準 | 移行時の調整 | FRS第101号 | ||||
| 純収益 | D | 5,899 | 531 | 6,430 | |||
| 一般管理費 | D | (3,624) | (531) | (4,155) | |||
| 営業利益 | 2,275 | ― | 2,275 | ||||
| 支払利息等 | (222) | ― | (222) | ||||
| 金融収益純額 | E | 28 | (21) | 7 | |||
| 税引前経常利益 | 2,081 | (21) | 2,060 | ||||
| 経常利益に係る法人税等 | E | (456) | 4 | (452) | |||
| 当期経常利益 | 1,625 | (17) | 1,608 | ||||
| その他の包括利益 | |||||||
| 純損益にその後に振り替えられることのない項目 | |||||||
| 年金制度に関連する保険数理上の利益 | E | 90 | 21 | 111 | |||
| 保険数理上の利益に帰属する英国繰延税金 | E | (18) | (4) | (22) | |||
| 当期その他の包括利益(税引後) | 72 | 17 | 89 | ||||
| 当期包括利益合計 | 1,697 | ― | 1,697 | ||||
FRS第101号の調整に関する注記
A.取引日会計から決済日会計への変更 当社は、FRS第101号への移行に伴い会計方針を詳細に見直した結果、トレーディング目的で保有する非デリバティブ金融商品の通常の売買の会計方針について、取引日会計から決済日会計へ変更した。従前の英国基準および2015年度の中間期間について作成した財務書類においては、トレーディング目的で保有する非デリバティブ金融商品の通常の売買は、取引日基準で計上されていた。
当社は、トレーディング目的で保有する非デリバティブ金融商品の認識および認識の中止を決済日に行うことで、当社の財政状態について、特に以下の点においてより関連性かつ信頼性のある表示を行うことができると考えている。
・未決済の債権債務の認識を除去する。これにより、これらの残高に内在する、大部分の通常取引の信用リスクのほとんどを除去するDVP決済制度のために最小である決済リスクをより適切に表すことができる。
・残高に対する経営者の観点とより整合性があり、貸借対照表の表示がGSグループの米国GAAPによる財務書類により類似する。
なお、公正価値の変動は取引日と決済日の間に引き続き計上されるため、当該金融商品を決済日基準にて認識および認識中止するという会計方針の変更により、損益計算書に認識される商品の損益の金額または時期に変更はなかった。この変更による影響は以下のとおりである。
・2014年1月1日現在、保有金融商品および売却済未購入金融商品はそれぞれ371百万米ドルおよび703百万米ドル減少した。未収金およびその他未払金は、それぞれ118.1億米ドルおよび114.8億米ドル減少した。
・2014年12月現在、保有金融商品および売却済未購入金融商品はそれぞれ15.2億米ドルおよび9百万米ドル増加した。未収金およびその他未払金は、それぞれ110.8億米ドルおよび95.7億米ドル減少した。
B.IAS第32号「金融商品:表示」の適用 当社は、「金融資産および金融負債の相殺(IAS第32号の修正)」を含む、IAS第32号「金融商品:表示」(以下「IAS第32号」という。)を適用した。この修正には、従前の英国基準には含まれなかった指針が追加されており、「現在法的に強制力のある相殺権を有している」ことの意味が明確化されるとともに、一部のグロス決済システムがネット決済と同等であるとみなされている。これにより当社は、従前の英国GAAPでは総額表示されていた担保付契約と担保付借入金をFRS第101号に従い相殺した。この変更による影響は以下のとおりである。
・2014年1月1日現在、担保付契約と担保付借入金が143.8億米ドル減少した。
・2014年12月現在、担保付契約と担保付借入金が157.2億米ドル減少した。
C.担保付借入金の表示の変更 当社は、1年を超えて期日の到来する担保付借入金の表示を変更し、1年を超えて期日の到来する長期債務に含めることで、これらの勘定の固有の性質をより適切に反映させている。過年度において、当社は当該商品を1年以内に期日の到来する短期債務に含めていた。この変更による影響は以下のとおりである。
・2014年1月1日現在、短期債務:1年以内に期日の到来する金額が26.5億米ドル減少し、1年を超えて期日の到来する商品が同額増加した。
・2014年12月現在、短期債務:1年以内に期日の到来する金額が25.1億米ドル減少し、1年を超えて期日の到来する商品が同額増加した。
D.マーケット・メイキング関連費用の表示の変更 当社は、マーケット・メイキング関連費用(即ち、仲介、決済、取引所費および販売手数料)の表示を変更し、IAS第1号「財務書類の表示」およびIAS第18号「収益」で認められているとおり、これらを一般管理費に含めることで、これらの勘定の固有の性質をより適切に反映させている。過年度において、当社はマーケット・メイキング関連費用を純収益に含めていた。この結果、2014年度の純収益および一般管理費はそれぞれ531百万米ドル増加したが、当社の営業利益に変更はなかった。
E.IAS第19号「従業員給付(2011年修正)」 当社は、IAS第19号「従業員給付(2011年修正)」(以下「IAS第19号」という。)を適用した。これは、従前の英国GAAPとは損益計算書およびその他の包括利益において認識する金額が異なる。従前の英国基準では、損益計算書に認識される純金融収益は、期首時点における当制度の資産の期待収益および当制度の負債の利息見積額の合計であった。年度中の再測定は、その他の包括利益に認識されていた。IAS第19号においては、当制度の資産の期待収益は受取利息に置き換えられ、期首時点の当制度の資産に割引率を適用し計算される。年度中の再測定はその他の包括利益に認識される。
IAS第19号を適用した結果、2014年度の当社の金融収益純額および経常利益に係る法人税等は、それぞれ21百万米ドルおよび4百万米ドル減少した。これは、当社のその他の包括利益の増加により相殺された。この結果、包括利益合計に影響はなかった。この適用により、当社の年金制度の積立余剰額の価額への影響はなかった。
キャッシュ・フロー計算書
当社はIAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」を適用し、当社の営業活動からのキャッシュ・フローの調整について、一部の表示の変更を行ったが、2014年12月現在の当社の現金および現金同等物に変更はなかった。
さらに、上記の「資本の調整」にある決済日会計およびIAS第32号の適用により、当社の営業活動からのキャッシュ・フローの調整において、運転資本の変動の大きさにも影響を与えたが、営業活動からの正味キャッシュ・フローに変動はなかった。
開示
FRS第101号の適用により、当社は財務書類の注記において一部の開示を修正した。これには以下が含まれる。
・レベル3金融資産および負債 当社は、レベル3の金融資産および金融負債の分類に影響を与える、IFRS第13号「公正価値測定」を適用した。当社は現在、レベル3の入力情報に重要な純リスクがない場合、公正価値ヒエラルキーにおいて一部の金融資産および金融負債をレベル2(レベル3ではなく)に分類している。この変更による影響は以下のとおりである。
・2014年1月1日現在、レベル3金融資産および金融負債は53.6億米ドル減少し、レベル2が同額増加した。
・2014年12月現在、レベル3金融資産および金融負債は73.6億米ドル減少し、レベル2が同額増加した。
・経常利益に係る法人税等 従前の英国基準では、当期法人税および税引前経常利益に適用税率を掛けた金額との差異の調整が必要とされた。IAS第12号「法人所得税」の適用により、当社は、法人税等合計および税引前経常利益に適用税率を掛けた金額の差異の調整を表示することが新たに求められる。
・オペレーティング・リース 従前の英国基準では、当社がオペレーティング・リースについて翌年度に支払う義務のある賃料が開示されていた。これらはリースの満期日により分類されていた。IAS第17号「リース」の適用により、当社は、将来の最低リース料総額を年別に開示することが新たに求められる。
さらにFRS第101号により、当社はIFRS第7号「金融商品:開示」およびIFRS第13号「公正価値測定」を適用したため、金融資産および金融負債に関する追加開示を行った。
注記5 セグメント報告
当社は、投資銀行業務、機関投資家向けクライアント・サービス、投資および貸付業務、ならびに投資運用業務の4つの事業セグメントで事業活動の報告を行っている。当社のセグメントの詳細については、本アニュアル・レポートのパートI「業績-セグメント報告」(訳者注:原文の該当箇所をいう。)を参照のこと。
表示基準
セグメント報告において、当社の事業ラインのうち、類似した経済的特徴を持ち、(ⅰ) 提供するサービスの性質、(ⅱ) 分配方法、(ⅲ) 顧客タイプ、および(ⅳ) 事業における規制環境の各分野において類似しているものについては、まとめて表示されている。
当社の全体としての費用発生要因(報酬、従業員数および事業活動の水準)は当社の各事業セグメントのものとほぼ同様である。当社のセグメント内の直接的従業員費用は、特に当社全体の業績および各事業の業績を反映している。そのため、当社の事業の1セグメントにおける営業利益の利幅は、当社の他の事業セグメントの業績によって重要な影響を受ける可能性がある。
当社は、資産(GCLAおよび現金、顧客向け担保付ローンならびにその他資産を含む)、収益および費用を4つのセグメントに配分している。事業セグメントの統合的な性質上、一部の資産、収益および費用を配分する際に見積りや判断が行われる。配分のプロセスは、セグメントの業績に対する経営陣の現在の見解に基づいている。セグメント間の取引は特定の条件または第三者と同等の相場に基づいている。一般管理費合計には、寄付金および各事業セグメントに配分されていない株式に基づく報酬の時価評価が含まれる。
第三者と行う取引に加え、当社は通常の営業活動の過程において、マーケット・メイキング活動および一般的な業務の一環として関連会社との取引を行っている。かかる取引について、当該関連会社に収益が割り当てられ、また、当該関連会社から収益が受け取られる。
下表の情報は、純収益、営業利益および資産合計に対する各セグメントの割合を合理的に示していると経営陣が判断したものである。営業利益は、当社の重要なセグメントである投資銀行業務および機関投資家向けクライアント・サービスについてのみ表示されている。
以下の「セグメントの純収益」および「セグメントの営業利益」に関するセグメント情報は、以下の手法に従って作成されている。
・各セグメントに直接関連する収益および費用は営業利益の算定に含まれる。
・当社のセグメントの純収益には、特定の有価証券およびその様な原資産から生じた現金または資金需要に関連するその他のポジションに係る受取利息および支払利息の配分が含まれる。ただし、長期劣後ローンに係る利息は、支払利息等に表示される(注記9を参照のこと)。受取利息純額は、経営陣がセグメント業績を評価する方法と整合するように、セグメントの純収益に含まれる。
・特定のセグメントに直接配分できない間接費は、セグメントの直接費に基づき比例配分される。
セグメント別純収益
当社のセグメント別の純収益は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | ||
| 投資銀行業務 | |||
| ファイナンシャル・アドバイザリー業務 | 590 | 452 | |
| 引受業務 | 689 | 939 | |
| 投資銀行業務合計 | 1,279 | 1,391 | |
| 機関投資家向けクライアント・サービス | |||
| 顧客取引執行のための債券・為替・コモディティ取引 | 2,549 | 2,387 | |
| 株式 | 2,353 | 1,893 | |
| 機関投資家向けクライアント・サービス合計 | 4,902 | 4,280 | |
| 投資および貸付 | 360 | 266 | |
| 投資運用業務 | 475 | 493 | |
| 純収益合計 | 7,016 | 6,430 | |
純収益において認識するほぼすべての受取利息および支払利息は、機関投資家向けクライアント・サービスに帰属する。
セグメント別営業利益
当社の重要なセグメント別の営業利益は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | ||
| 投資銀行業務 | |||
| 純収益 | 1,279 | 1,391 | |
| 一般管理費 | 812 | 828 | |
| 営業利益 | 467 | 563 | |
| 機関投資家向けクライアント・サービス | |||
| 純収益 | 4,902 | 4,280 | |
| 一般管理費 | 2,644 | 2,761 | |
| 営業利益 | 2,258 | 1,519 | |
| 純収益合計1 | 7,016 | 6,430 | |
| 一般管理費合計2 | 4,077 | 4,155 | |
| 営業利益合計 | 2,939 | 2,275 | |
1 投資および貸付ならびに投資運用に関連する純収益が、2015年度および2014年度においてそれぞれ835百万米ドルおよび759百万米ドル含まれる。
2 投資および貸付ならびに投資運用のセグメントに関連する一般管理費が、2015年度および2014年度においてそれぞれ579百万米ドルおよび458百万米ドル含まれている。また当社のセグメントに配分されていない特定の間接費が、2015年度および2014年度においてそれぞれ42百万米ドルおよび108百万米ドル含まれており、これは寄付金および株式に基づく報酬の時価評価を示している。
セグメント資産
当社の資産のほとんどすべては、機関投資家向けクライアント・サービスに帰属する。
地域別分析
国際金融市場は密接に関連しているため、当社では業務を全社的な収益性に基づいて管理している。収益性を地域別に配分する方法は、見積りおよび経営陣の判断に左右される。地域別の業績は通常、以下のように配分される。
・投資銀行業務:顧客、投資銀行チームおよび潜在リスクの所在地
・機関投資家向けクライアント・サービス:マーケット・メイキング・デスクおよび対象証券の発行市場の所在地
・投資および貸付業務:投資および貸付業務チームの所在地
・投資運用業務:投資運用チームの所在地
上記の方法に基づき地域別に配分された当社の純収益合計は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | ||
| 純収益 | |||
| ヨーロッパ、中東およびアフリカ | 5,252 | 4,827 | |
| 南北アメリカ | 1,010 | 928 | |
| アジア | 754 | 675 | |
| 純収益合計 | 7,016 | 6,430 | |
注記6 一般管理費
当社の一般管理費は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | |||
| 直接的従業員費用 | 2,834 | 3,042 | ||
| 仲介、決済、取引所費および販売手数料 | 550 | 531 | ||
| 市場開拓費 | 95 | 100 | ||
| 通信およびテクノロジー費用 | 88 | 85 | ||
| 有形固定資産の減価償却費 | 4 | 4 | ||
| 事務所関連費用1 | 173 | 180 | ||
| 専門家報酬等2 | 147 | 120 | ||
| その他費用3 | 186 | 93 | ||
| 非報酬費用合計 | 1,243 | 1,113 | ||
| 一般管理費合計 | 4,077 | 4,155 | ||
1 事務所関連費用には、土地および建物のオペレーティング・リース料が2015年度および2014年度においてそれぞれ81百万米ドルおよび87百万米ドル含まれており、またサブ・リース料による収入が2015年度および2014年度においてそれぞれ16百万米ドルおよび12百万米ドル含まれる。
2 専門家報酬等には、当社の監査人に対する当社の年次財務書類監査についての支払報酬が2015年度および2014年度においていずれも5百万米ドル含まれており、また当社の監査人に対するその他のサービスについての支払報酬が2015年度および2014年度においてそれぞれ4百万米ドルおよび0.6百万米ドル含まれる。
3 その他費用には、租税公課、寄付金、業務管理支援に関するグループ会社からの支払管理費および受取管理費、関連会社からの受取管理サービス費および支払管理サービス費、ならびに有形固定資産処分損が含まれる。有形固定資産処分損は、2015年度および2014年度においてそれぞれ0.4百万米ドルおよび0.5百万米ドルであった。
注記7 取締役に対する報酬
当社の取締役に対する報酬は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | |||
| 報酬総額 | 8 | 6 | ||
| 定額拠出年金制度に対する当社の拠出金 | ― | ― | ||
| 取締役に対する報酬合計 | 8 | 6 | ||
最高報酬額を受取った取締役は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | |||
| 報酬総額 | 3 | 2 | ||
| 定額拠出年金制度に対する当社の拠出金 | ― | ― | ||
| 期末における未払年間年金費用 | ― | ― | ||
2006年会社法に従って、上記の取締役に対する報酬は、適格業務のみに関する支払済または未払の報酬合計額を表示している。この合計額は現物支給される現金および給付の価額のみを含んでおり、行政委任立法(以下「SI」という。)2008年/410号の第5附則に従った株式報酬の価額は含まれていない。取締役は、この他に非適格業務に関する報酬も受取るが、別途開示は要求されていない。
1名の取締役が確定拠出型年金制度に加入しており、1名の取締役が複合年金制度(確定給付部分および確定拠出部分を含む)に加入している。当年度において、最高報酬額を受取った取締役を含む3名の取締役が長期報奨制度に関するグループ・インクの株式を付与されている。当年度において、最高報酬額を受取った取締役を含む3名の取締役がオプションを行使した。
注記8 人件費
取締役、顧問および派遣従業員を含む当社の平均従業員数は以下の表のとおりである。
| (単位:人) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月終了年度の平均 | 2014年12月終了年度の平均 | |||
| 取締役を含む従業員 | ||||
| 投資銀行業務 | 721 | 696 | ||
| 機関投資家向けクライアント・サービス | 1,407 | 1,400 | ||
| 投資および貸付業務 | 146 | 111 | ||
| 投資運用業務 | 593 | 534 | ||
| サポート部門 | 2,755 | 2,503 | ||
| 5,622 | 5,244 | |||
| 顧問および派遣従業員 | 527 | 338 | ||
| 平均従業員数合計 | 6,149 | 5,582 |
当社は、関連事業体に雇用され当社に出向している多くの者による勤務を利用している。出向者は従業員数および関連する人件費の開示に含められている。顧問および派遣従業員に係る費用は、下記の直接的従業員費用合計に含められている。2015年12月および2014年12月現在の従業員数合計はそれぞれ6,458名および5,730名である。
取締役に関するものも含め、当社が負担する従業員費用は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | |||
| 総賃金および給与の総額 | 2,454 | 2,621 | ||
| 国民保険制度の事業主負担 | 295 | 314 | ||
| 以下の制度の年金費用、雇用主負担: | ||||
| 確定拠出型制度および複合年金制度の確定拠出部分 | 62 | 61 | ||
| 複合年金制度の確定給付部分 | 23 | 46 | ||
| 直接的従業員費用合計1 | 2,834 | 3,042 | ||
1 株式に基づく報酬の時価評価に関連する費用が、2015年度に6百万米ドルおよび2014年度に83百万米ドル含まれている。
注記9 支払利息等
支払利息等は親会社およびグループ会社からの長期劣後ローンに係る利息から成り、2015年度および2014年度においてそれぞれ285百万米ドルおよび222百万米ドルである。詳細は、注記20を参照のこと。
注記10 年金制度
当社は、確定給付部分(以下「当制度」という。)と確定拠出部分の両方を有する複合的な構造を持ったオープン型年金制度に資金を拠出している。当制度は、加入者の最終給与に基づき退職給付を提供しており、通常の退職年齢は65歳である場合がほとんどである。当制度は積み立てが行われており、当制度の資産は当社の資産とは分離されており、受託者が分離管理するファンドにおいて保有されている。
当制度は2008年4月1日をもって新規加入者の受付けを終了し、確定拠出型制度に置換わった。2015年度に当社は、当制度では2016年3月31日より後は将来の給付金の積み立てはないことを制度加入者に通知した。これにより、当社は制度縮小利益24百万米ドルを認識した。既存の加入者は当制度の終了まで引き続き給付金を積み立てる。
当制度は信託法に基づき運営しており、信託証書の条項および関連法に従い加入者の代理としてゴールドマン・サックスUKリタイアメント・プラン・トラスティー・リミテッド(以下「トラスティー」という。)により管理運用されている。当制度の資産はトラストが保有している。
資格を有する独立した保険数理士による当制度に関する完全な保険数理評価は、予測単位積増方式を用いて2012年12月31日現在で実施され、2015年12月31日現在にアップデートされている。2015年12月現在における当制度の負債は、現役従業員28%、繰延加入者69%および現役の受益者3%から構成されている。
当制度のリスク
当制度のリスクは以下のとおりである。
・積立不足 給付金の支払いに対して投資利回りが不足する場合、追加拠出金が要求される。資本利益率の水準が全体的な投資利回りの主要な決定因子となる。投資ポートフォリオは、特に社債の金利リスクやインフレ・リスクなど、保有する資産クラスの特徴を示すようなその他の様々なリスクにも影響を受ける。
・資産のボラティリティ 当制度の投資戦略では、株式およびその他の高利回り商品への投資の比率が大きいため、当制度の資産と負債の差が変動しやすい。
・当制度の負債の感応度 当制度の負債および当期勤務費用は、将来のインフレおよび平均余命に関する仮定に対する感応度が高い。また、割引率(これは英ポンド建AA社債の市場イールドに依拠する)に対する感応度も高い。
財務上の仮定
確定給付債務の現在価値の決定に使用する重要な財務上の仮定は、以下の表のとおりである。
| (単位:%) | ||||
| 2015年12月終了年度 年率 | 2014年12月終了年度 年率 | |||
| 割引率 | 3.80 | 3.80 | ||
| 昇給率 | 4.00 | 4.00 | ||
| 物価インフレ率-RPI | 3.40 | 3.30 | ||
| 物価インフレ率-CPI | 2.40 | 2.30 | ||
| 支払年金増加率(1996年11月30日より後の期間における増加) | 3.20 | 3.10 | ||
| 繰延年金増加率(1996年11月30日より後の期間における増加) | 2.40 | 2.30 | ||
| 繰延年金増加率(2009年4月5日より後の期間における増加) | 2.40 | 2.30 | ||
死亡率の仮定
確定給付債務の現在価値の決定に使用する死亡率の仮定は、以下の表のとおりである。死亡率の仮定には「S1シリーズ・オールペンショナー・ライト」の基礎表を適用し、2002年以降の将来の改善についてはCMI2012の基本予測に従って長期の改善率を年率1%とする引当金を計上している。
| (単位:年) | ||||
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | |||
| 現在65歳の加入者の65歳時点の平均余命 | ||||
| 男性 | 24.0 | 23.9 | ||
| 女性 | 25.3 | 25.2 | ||
| 現在45歳の加入者の65歳時点の平均余命 | ||||
| 男性 | 25.3 | 25.3 | ||
| 女性 | 26.8 | 26.7 | ||
確定給付費用
当社の損益計算書およびその他包括利益計算書に認識されている当制度に関する確定給付費用は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | |||
| 損益計算書 | ||||
| 当期勤務費用 | 47 | 46 | ||
| 縮小利益 | (24) | ― | ||
| 金融収益純額 | (7) | (7) | ||
| 損益計算書への計上額合計 | 16 | 39 | ||
| その他の包括利益 | ||||
| 割引率を上回る当制度の資産の期待運用収益 | (28) | (319) | ||
| 保険数理上の利益-負債の実績 | (13) | (19) | ||
| 保険数理上の損失-財務上の仮定 | 44 | 227 | ||
| その他の包括利益に認識された損失/(利益)合計 | 3 | (111) | ||
| 確定給付費用/(利益)合計 | 19 | (72) | ||
年金制度の積立余剰額の調整
当制度の資産、当制度の負債および年金制度の積立余剰額純額の調整は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 当制度の資産 | 当制度の負債 | 年金制度の積立余剰額純額 | ||||
| 2015年12月終了年度 | ||||||
| 1月1日現在 | 1,817 | (1,560) | 257 | |||
| 当期勤務費用 | ― | (47) | (47) | |||
| 縮小利益 | ― | 24 | 24 | |||
| 金融収益純額 | 68 | (61) | 7 | |||
| 割引率を上回る当制度の資産の運用収益 | 28 | ― | 28 | |||
| 保険数理上の利益-負債の実績 | ― | 13 | 13 | |||
| 保険数理上の損失-財務上の仮定 | ― | (44) | (44) | |||
| 雇用主の拠出額 | 37 | ― | 37 | |||
| 給付額 | (10) | 10 | ― | |||
| 為替差益/(損) | (103) | 89 | (14) | |||
| 12月31日現在 | 1,837 | (1,576) | 261 | |||
| 2014年12月終了年度 | ||||||
| 1月1日現在 | 1,509 | (1,353) | 156 | |||
| 当期勤務費用 | ― | (46) | (46) | |||
| 縮小利益 | ― | ― | ― | |||
| 金融収益純額 | 67 | (60) | 7 | |||
| 割引率を上回る当制度の資産の運用収益 | 319 | ― | 319 | |||
| 保険数理上の利益-負債の実績 | ― | 19 | 19 | |||
| 保険数理上の損失-財務上の仮定 | ― | (227) | (227) | |||
| 雇用主の拠出額 | 44 | ― | 44 | |||
| 給付額 | (9) | 9 | ― | |||
| 為替差益/(損) | (113) | 98 | (15) | |||
| 12月31日現在 | 1,817 | (1,560) | 257 |
当制度の資産の公正価値
当制度のトラスティーは、長期資産配分戦略として資産の65%を高利回り商品(株式など)および35%を負債適合資産(ギルト債など)に投資している。当制度では、金利およびインフレへのエクスポージャーを削減するため、スワップおよびその他のデリバティブに投資するヘッジ・プログラムを有している。当制度の資産の公正価値は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 公正価値が引用される商品 | 公正価値が引用されない商品 | 合計 | ||||
| 2015年12月終了年度 | ||||||
| 株式 | 873 | ― | 873 | |||
| ギルト債 | 534 | ― | 534 | |||
| スワップ | 250 | ― | 250 | |||
| 現金および現金同等物 | 56 | ― | 56 | |||
| その他 | 73 | 51 | 124 | |||
| 合計 | 1,786 | 51 | 1,837 | |||
| 2014年12月終了年度 | ||||||
| 株式 | 992 | ― | 992 | |||
| ギルト債 | 478 | ― | 478 | |||
| スワップ | 206 | ― | 206 | |||
| 現金および現金同等物 | 118 | ― | 118 | |||
| その他 | ― | 23 | 23 | |||
| 合計 | 1,794 | 23 | 1,817 |
感応度分析
重要な各保険数理上の仮定に対する当制度の負債の感応度分析は、以下の表のとおりである。感応度は、その他すべての仮定を一定とした場合の各仮定の変動に基づく。
この分析には、特異な変動が起こる可能性が低いなど、固有の限界がある。感応度の計算に使用する手法は、以下の表に示す2期間において同一である。
| 本制度の負債の影響 | ||||||||
| 仮定の増加 | 仮定の減少 | |||||||
| (単位:百万米ドル) | (単位:%) | (単位:百万米ドル) | (単位:%) | |||||
| 2015年12月現在 | ||||||||
| 割引率の0.25%の変動 | (123) | (7.8) | 142 | 9.0 | ||||
| 物価インフレの0.25%の変動 | 112 | 7.1 | (105) | (6.7) | ||||
| 平均余命の1年の変動 | 54 | 3.4 | (52) | (3.3) | ||||
| 2014年12月現在 | ||||||||
| 割引率の0.25%の変動 | (124) | (7.9) | 143 | 9.2 | ||||
| 物価インフレの0.25%の変動 | 117 | 7.5 | (109) | (7.0) | ||||
| 平均余命の1年の変動 | 53 | 3.4 | (51) | (3.3) | ||||
将来キャッシュ・フローの性質
トラスティーのために資格を有する独立した保険数理士が実施した直近の当制度の正式な積立評価は、2012年12月31日現在のものであり、これによると当制度の資産は、同日現在までの加入者による積立確定給付の現在価値を上回っていた(すなわち積立余剰である)。2015年12月現在における次回の正式な3年に1度の評価の予備結果は、2016年度第3四半期に明らかとなる見込みである。
2014年年金法に従い、当社およびトラスティーは制度固有の積立目標、積立基準書および拠出金スケジュールについて合意した。
当制度は2016年3月31日より将来の積立を中止しているため、当社は同時点以降の当制度に対する通常の年次拠出は実施しない予定であり、それに代えて、トラスティーとともに当制度の積立要件を定期的に評価する予定である。当社は2016年度において、当制度への拠出8百万米ドルおよび当制度から加入者への給付8百万米ドルを行う予定である。
2015年12月現在における当制度の負債の加重平均デュレーションは、35年であった。
注記11 株式報酬
株式報奨制度
グループ・インクは、RSUおよび報奨型ストックオプションなどを提供する株式報奨制度である2015年度ザ・ゴールドマン・サックス改訂・修正株式報奨制度(以下「2015年度SIP」という。)に資金を拠出している。
ゴールドマン・サックス・インターナショナル(以下「GSI」という。)は付与された株式報奨の償却に関連して、失効分控除後の株式に基づく報酬を2015年度および2014年度においてそれぞれ630百万米ドルおよび529百万米ドル計上した。グループ・インクとのチャージバック契約に従って、対応する資本計上額が負債に振替えられ、当該契約に基づき、当社は当該報奨の付与日現在の公正価値とその後の公正価値の変動額を、従業員への交付時にグループ・インクに支払うことになっている。
制限付株式ユニット
グループ・インクは、2015年度SIPに基づき、GSIの従業員に対してRSUを付与した。これは、権利確定および交付後に適用される譲渡制限に関する流動性割引を考慮した、対象となる株式の付与日の終値で評価される。RSUは通常、該当するRSU契約に記載されている方法で権利が確定し、対象となる普通株式が交付される。従業員RSU契約では通常、退職、死亡、障害および利害が対立している従業員などの特定の状況において権利確定期間が短縮されることが規定されている。対象となる普通株式の交付は、受給者が報奨契約に記載されている一定の権利確定要件およびその他の要件を満たすことが条件となる。
ストックオプション
従業員に付与されたストックオプションは通常、該当するストックオプション契約に記載されている方法で権利が確定する。通常、オプションは付与日から10年目に期間が終了するが、該当するストックオプション契約および付与時に効力を有するザ・ゴールドマン・サックス改訂・修正株式報奨制度の条項に従い、特定の状況においては早期終了や取消しとなる可能性もある。
未行使オプションは以下の表のとおりである。2015年12月現在のすべての未行使オプションは、2006年度から2008年度に付与されたものである。
| 未行使オプション (単位:数) | 加重平均行使価格 (単位:米ドル) | 加重平均残存年数 (単位:年) | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 行使価格 | ||||||
| 75.00-89.99米ドル | 2,154,052 | 78.78 | 3.00 | |||
| 90.00-119.99米ドル | ― | ― | ― | |||
| 120.00-134.99米ドル | ― | ― | ― | |||
| 135.00-194.99米ドル | ― | ― | ― | |||
| 195.00-209.99米ドル | 847,310 | 202.40 | 1.51 | |||
| 2015年12月現在の未行使残高 | 3,001,362 | 113.68 | 2.58 | |||
| 行使価格 | ||||||
| 75.00-89.99米ドル | 3,383,700 | 78.78 | 4.00 | |||
| 90.00-119.99米ドル | ― | ― | ― | |||
| 120.00-134.99米ドル | 271,481 | 131.64 | 0.92 | |||
| 135.00-194.99米ドル | ― | ― | ― | |||
| 195.00-209.99米ドル | 847,310 | 202.40 | 2.51 | |||
| 2014年12月現在の未行使残高 | 4,502,491 | 105.23 | 3.53 |
当年度に行使されたオプションに係る、行使日現在の加重平均株価は、2015年度および2014年度においてそれぞれ196.28米ドルおよび169.82米ドルであった。
注記12 経常利益に係る法人税等
当社の経常利益に係る法人税等の分析は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | |||
| 当期法人税 | ||||
| 英国法人税 | 372 | 243 | ||
| 過去の期間に係る調整額 | 18 | 39 | ||
| 外国税額 | 77 | 62 | ||
| 当期法人税合計 | 467 | 344 | ||
| 繰延税金 | ||||
| 期間差異の発生および解消 | 54 | 101 | ||
| 英国法人税率の増加による影響額 | (155) | ― | ||
| 過去の期間に係る調整額 | (13) | 7 | ||
| 繰延税金合計 | (114) | 108 | ||
| 経常利益に係る法人税等合計 | 353 | 452 | ||
2015年財政法(第2号)が2015年度第4四半期に施行され、(i)2016年に、銀行業務利益に対し8パーセント・ポイントの追加税を課すこと、(ⅱ)2017年に法人税率を1パーセント・ポイント削減すること、(ⅲ)2020年に法人税率をさらに1パーセント・ポイント削減することが導入された。結果として、当社は繰延税金資産の再評価に関連する155百万米ドルの非経常的な税務上の効果を認識した。
経常利益に係る法人税等と、当年度において適用される加重平均英国法人税率20.25%(2014年度:21.5%)を当社の税引前経常利益に掛けて算出した金額との調整は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | |||
| 税引前経常利益 | 2,661 | 2,060 | ||
| 20.25%(2014年度:21.5%)の英国法人税率を掛けた経常利益 | 539 | 443 | ||
| 繰延税金資産の認識および測定の変動 | (8) | 7 | ||
| 永久差異 | (4) | (21) | ||
| 対価なしでグループ会社から譲り受けた税務上の損失 | (29) | (29) | ||
| 外国所得に対する税額増加の影響 | 8 | 12 | ||
| 換算差額およびその他 | (3) | (6) | ||
| 過去の期間に係る調整額 | 5 | 46 | ||
| 英国法人税率の増加による影響額 | (155) | ― | ||
| 経常利益に係る法人税等合計 | 353 | 452 | ||
注記13 有形固定資産
当年度中の有形固定資産の増減は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||||
| 賃借物件付属設備 | 工具器具備品 | 合計 | |||
| 取得価額 | |||||
| 1月1日現在 | 24 | 10 | 34 | ||
| 取得 | 1 | 2 | 3 | ||
| 処分 | ― | (1) | (1) | ||
| 12月31日現在 | 25 | 11 | 36 | ||
| 減価償却費累計額 | |||||
| 1月1日現在 | 17 | 5 | 22 | ||
| 当期計上額(注記6参照) | 2 | 2 | 4 | ||
| 処分 | ― | (1) | (1) | ||
| 12月31日現在 | 19 | 6 | 25 | ||
| 正味帳簿価額 | |||||
| 2015年12月現在 | 6 | 5 | 11 | ||
| 2014年12月現在 | 7 | 5 | 12 | ||
注記14 長期投資
当年度中の長期投資の増減は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||||
| 子会社株式 | ローン以外のその他投資 | 合計 | |||
| 取得価額 | |||||
| 1月1日現在 | ― | 2 | 2 | ||
| 処分 | ― | (1) | (1) | ||
| 12月31日現在 | ― | 1 | 1 | ||
| 減価償却費累計額 | |||||
| 1月1日現在 | ― | ― | ― | ||
| 12月31日現在 | ― | ― | ― | ||
| 正味帳簿価額 | |||||
| 2015年12月現在 | ― | 1 | 1 | ||
| 2014年12月現在 | ― | 2 | 2 | ||
2015年12月現在において当社が支配を有する子会社は以下の表のとおりである。
| 会社名 | 設立国 | 持分比率および議決権の割合 | 保有株式の種類 | 保有株式数 (単位:株) | 事業の内容 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ゴールドマン・サックス(ケイマン)リミテッド | ケイマン諸島 | 100% | 普通株式 | 250 | 金融サービス | |||||
| イポペマ80ファンダス・インベスティシニ・ザムクニエチ | ポーランド | 100% | * | * | 投資ファンド |
* この子会社は、株式に付随する議決権以外により支配されている。
当社は複数の特別目的事業体および元本保証ファンドの持分を有しており、これらは法的には子会社の定義を満たさないが、実質的に法的な子会社である場合と変わらないリスクおよび便益を生じる子会社である。これらの特別目的事業体および元本保証ファンドの活動は、リパッケージ・プログラムに基づく借入証券の発行から成る。これらの特別目的事業体および元本保証ファンドはグループ・インクの連結財務書類に含まれている。
注記15 保有金融商品および売却済未購入金融商品
保有金融商品および売却済未購入金融商品は、当社の営業活動における金融商品および投資から成る。保有金融商品は、担保として差入れた保有金融商品が含まれる。これらは、引渡しまたは再担保に供する権利がある取引相手先に対し差入れた保有金融商品を表している。詳細は注記27を参照のこと。
当社の保有金融商品は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 現物商品 | ||||
| コマーシャル・ペーパー、譲渡性預金証書、定期預金およびその他のマネー・マーケット商品 | 454 | 1,225 | ||
| 政府債および政府機関債 | 16,654 | 16,910 | ||
| モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券 | 1,094 | 2,004 | ||
| 銀行ローンおよびブリッジ・ローン | 2,128 | 1,689 | ||
| 社債およびその他の債券 | 10,240 | 12,236 | ||
| 株式および転換社債 | 36,358 | 32,187 | ||
| コモディティ | 9 | ― | ||
| 現物商品合計 | 66,937 | 66,251 | ||
| デリバティブ商品 | ||||
| 金利 | 321,915 | 367,156 | ||
| クレジット | 48,094 | 64,636 | ||
| 為替 | 113,522 | 112,717 | ||
| コモディティ | 12,926 | 15,964 | ||
| 株式 | 52,660 | 67,024 | ||
| デリバティブ商品合計 | 549,117 | 627,497 | ||
| 保有金融商品合計 | 616,054 | 693,748 | ||
当社の売却済未購入金融商品は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 現物商品 | ||||
| 政府債および政府機関債 | 7,433 | 10,831 | ||
| モーゲージおよびその他の資産担保ローンおよび有価証券 | ― | 6 | ||
| 社債およびその他の債券 | 2,417 | 2,298 | ||
| 株式および転換社債 | 14,834 | 14,515 | ||
| 現物商品合計 | 24,684 | 27,650 | ||
| デリバティブ商品 | ||||
| 金利 | 312,222 | 359,428 | ||
| クレジット | 43,944 | 59,748 | ||
| 為替 | 112,892 | 113,264 | ||
| コモディティ | 12,897 | 15,892 | ||
| 株式 | 49,015 | 65,431 | ||
| デリバティブ商品合計 | 530,970 | 613,763 | ||
| 売却済未購入金融商品合計 | 555,654 | 641,413 | ||
注記16 担保付契約
当社の担保付契約は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 売戻条件付契約 | 110,318 | 116,140 | ||
| 借入有価証券担保金 | 53,385 | 87,376 | ||
| 担保付契約合計1,2 | 163,703 | 203,516 | ||
1 グループ会社に対する債権が、2015年12月および2014年12月現在においてそれぞれ918.4億米ドルおよび1,349.2億米ドル含まれる。
2 1年を超えて期日の到来するものが、2015年12月および2014年12月現在においてそれぞれ18.7億米ドルおよび21.5億米ドル含まれる。
注記17 未収金
当社の未収金残高は、以下の表のとおりである。以下に注記されているものを除き、すべて、貸借対照表日から1年以内に期日が到来する。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| ブローカー/ディーラーおよび顧客に対する債権1 | 53,047 | 56,392 | ||
| 親会社およびグループ会社に対する債権 | 6,768 | 9,641 | ||
| 繰延税金(注記18参照) | 569 | 454 | ||
| その他未収金 | 44 | 35 | ||
| 前払金および未収収益 | 60 | 39 | ||
| 未収金合計2 | 60,488 | 66,561 |
1 担保付貸付契約および前払コモディティ契約に係る1年を超えて期日の到来するものの残高が、2015年12月および2014年12月現在においてそれぞれ887百万米ドルおよび981百万米ドル含まれる。
2 金融資産が2015年12月および2014年12月現在においてそれぞれ598.7億米ドルおよび660.6億米ドル、ならびに非金融資産が2015年12月および2014年12月現在においてそれぞれ614百万米ドルおよび501百万米ドル含まれる。
注記18 繰延税金
当社の繰延税金資産の構成要素は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 減価償却費のキャピタル・アローワンス超過額 | 3 | 3 | ||
| 退職後給付 | (68) | (51) | ||
| 繰延報酬1 | 634 | 502 | ||
| 繰延税金合計 | 569 | 454 |
1 繰延報酬は主に株式に基づく報酬に関するものである。
当社の繰延税金資産の各構成要素の変動は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 減価償却費のキャピタル・アローワンス超過額 | ||||
| 1月1日現在 | 3 | 3 | ||
| 12月31日現在 | 3 | 3 | ||
| 退職後給付 | ||||
| 1月1日現在 | (51) | (31) | ||
| 損益計算書への振替額 | (18) | 2 | ||
| その他の包括利益への振替額 | 1 | (22) | ||
| 12月31日現在 | (68) | (51) | ||
| 繰延報酬 | ||||
| 1月1日現在 | 502 | 612 | ||
| 損益計算書への振替額 | 132 | (110) | ||
| 12月31日現在 | 634 | 502 | ||
| 合計 | ||||
| 1月1日現在 | 454 | 584 | ||
| 損益計算書への振替額(注記12参照) | 114 | (108) | ||
| その他の包括利益への振替額 | 1 | (22) | ||
| 12月31日現在 | 569 | 454 |
注記19 担保付借入金
当社の担保付借入金は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 1年以内に期日の到来する金額 | ||||
| 買戻条件付契約 | 38,578 | 44,287 | ||
| 貸付有価証券担保金 | 77,807 | 94,850 | ||
| 合計 | 116,385 | 139,137 | ||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | ||||
| 買戻条件付契約 | 3,502 | 2,514 | ||
| 合計 | 3,502 | 2,514 | ||
| 担保付借入金合計1 | 119,887 | 141,651 |
1 グループ会社に対する債務が、2015年12月および2014年12月現在それぞれ826.7億米ドルおよび1,031.5億米ドル含まれており、そのうち1年以内に期日の到来する金額は、2015年12月および2014年12月現在それぞれ825.5億米ドルおよび1,025.6億米ドルである。
注記20 その他未払金
当社のその他未払金は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 1年以内に期日の到来する金額 | ||||
| 銀行ローン | 63 | 111 | ||
| 当座借越 | 4 | 9 | ||
| 発行社債 | 13,850 | 15,545 | ||
| ブローカー/ディーラーおよび顧客に対する債務 | 54,544 | 61,419 | ||
| 親会社およびグループ会社に対する債務-無担保借入 | 27,195 | 49,464 | ||
| 親会社およびグループ会社に対する債務-その他の無担保債務 | 18,316 | 17,076 | ||
| 親会社およびグループ会社に対する未払報酬1 | 834 | 1,077 | ||
| 未払法人税 | 134 | 78 | ||
| 租税公課 | 230 | 250 | ||
| その他未払金および未払費用 | 1,130 | 875 | ||
| 合計2 | 116,300 | 145,904 | ||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | ||||
| 銀行ローン | 100 | ― | ||
| 長期劣後ローン | 8,958 | 6,458 | ||
| 発行社債 | 7,896 | 6,387 | ||
| 親会社およびグループ会社に対する債務-無担保借入 | 14,316 | 2,702 | ||
| 親会社およびグループ会社に対する債務-その他の無担保債務 | 344 | 379 | ||
| 親会社およびグループ会社に対する未払報酬 1 | 684 | 774 | ||
| 合計3 | 32,298 | 16,700 | ||
| その他未払金合計 | 148,598 | 162,604 |
1 親会社およびグループ会社に対する未払報酬は株式に基づく報酬に関するものである。
2 金融負債が2015年12月および2014年12月現在においてそれぞれ1,159.4億米ドルおよび1,455.8億米ドル、ならびに非金融負債が2015年12月および2014年12月現在においてそれぞれ364百万米ドルおよび328百万米ドル含まれる。
3 2015年12月および2014年12月現在において、1年を超えて期日の到来する金額はすべて金融負債である。
発行社債
当社の発行社債は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 1年以内に期日の到来する金額 | ||||
| 関連会社との無担保発行社債 | 1,778 | 3,807 | ||
| 外部取引相手先との無担保発行社債 | 9,722 | 9,136 | ||
| 関連会社との担保付発行社債1 | 493 | 672 | ||
| 外部取引相手先との担保付発行社債1 | 1,857 | 1,930 | ||
| 合計 | 13,850 | 15,545 | ||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | ||||
| 関連会社との無担保発行社債 | 671 | 471 | ||
| 外部取引相手先との無担保発行社債 | 5,317 | 3,076 | ||
| 関連会社との担保付発行社債1 | 1,148 | 1,190 | ||
| 外部取引相手先との担保付発行社債1 | 760 | 1,650 | ||
| 合計 | 7,896 | 6,387 | ||
| 発行社債合計 | 21,746 | 21,932 |
1 担保付発行社債は担保として差入れられた有価証券により担保されている。差入れを受けた担保は「保有金融商品」または担保付契約によるものとして認識されている。
当社の長期発行社債の期日は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 1年から2年 | 2,554 | 1,637 | ||
| 2年から5年 | 2,074 | 3,059 | ||
| 5年超 | 3,268 | 1,691 | ||
| 合計 | 7,896 | 6,387 |
5年を超えて期日の到来する債務は、主に満期が2021年度から2046年度の間に到来する仕組債券に関連している。これらの債券に関する支払いは主に金利や株式関連の原金融資産を参照して行われる。
長期劣後ローン
長期劣後ローンは、親会社およびグループ会社からの長期劣後ローンから成る。当該債務に対する担保設定はなされておらず、米国連邦準備制度理事会のフェデラル・ファンド・レートに一定のマージンを加えた利息が生じる。マージンは、GSグループの加重平均債務コストの変動を反映して定期的に再設定される。長期劣後ローンは、プルーデンス規制機構(以下「PRA」という。)より承認された規制資本を構成しており、親会社またはグループ会社に対する、あるいは親会社またはグループ会社からの最低5年の事前通知により、PRAの承認を条件として返済が可能である。
注記21 負債性引当金
当社の負債性引当金は当社に対する訴訟に関するものであり、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||
|---|---|---|
| 2015年 | ||
| 1月1日現在 | 17 | |
| 引当金繰入額 | 8 | |
| 引当金の減少 | (7) | |
| 当年度取崩額 | (17) | |
| 為替差益 | (1) | |
| 12月31日現在 | ― |
当該引当金に関する詳細を開示することは重大な不利益となるため、IAS第37号「引当金、偶発債務および偶発資産」で認められているとおり、詳細については開示されていない。
注記22 払込資本金
当社の払込資本金は、以下の表のとおりである。
| 割当済、請求済および払込済株式 | 額面1米ドル普通株式 (単位:株) | 単位:百万米ドル | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 2015年1月1日現在 | 533,447,150 | 533 | |||
| 当年度割当済 | 48,517,011 | 49 | |||
| 2015年12月31日現在 | 581,964,161 | 582 |
当年度において、当社の役員および株主はGSIの資本要件を見直し、当社の規制上の自己資本を増加し継続的な事業活動をさらに支援するため普通株式を新規発行した。
2015年6月10日に、1株当たり額面1米ドルの普通株式36,088,475株がGSGUKに42.95米ドルで割り当てられた。受取対価合計は、資本剰余金1,513,911,525米ドルを含む、1,550,000,000米ドルであった。
2015年6月29日に、1株当たり額面1米ドルの普通株式12,428,536株がGSGUKに40.23米ドルで割り当てられた。受取対価合計は、資本剰余金487,571,464米ドルを含む、500,000,000米ドルであった。
注記23 現金および現金同等物
キャッシュ・フロー計算書の目的上、当社の現金および現金同等物は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 現金・預金 | 9,974 | 3,586 | ||
| 当座借越(注記20参照) | (4) | (9) | ||
| 現金および現金同等物合計 | 9,970 | 3,577 |
注記24 営業活動によるキャッシュ・フローの調整
当社の営業活動によるキャッシュ・フローの調整は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||
|---|---|---|---|
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | ||
| 税引前経常利益 | 2,661 | 2,060 | |
| 以下の項目に対する調整 | |||
| 有形固定資産の減価償却費(注記6および13参照) | 4 | 4 | |
| 固定資産売却損(注記6参照) | ― | 1 | |
| 確定給付制度の費用(注記10参照) | 16 | 39 | |
| 為替差損 | 433 | 208 | |
| 株式報酬費用 | 502 | 770 | |
| 負債性引当金 | 1 | (10) | |
| 支払利息等(注記9参照) | 285 | 222 | |
| 営業資産負債の増減前に生じたキャッシュ | 3,902 | 3,294 | |
| 営業資産の増減 | |||
| 保有金融商品の減少/(増加) | 77,694 | (178,014) | |
| 担保付契約の減少 | 39,813 | 7,962 | |
| 未収金の減少/(増加) | 6,194 | (8,390) | |
| 123,701 | (178,442) | ||
| 営業負債の増減 | |||
| 売却済未購入金融商品の増加/(減少) | (85,759) | 184,952 | |
| 担保付借入金の減少 | (21,764) | (34,184) | |
| その他未払金の増加/(減少) | (17,137) | 24,502 | |
| 負債性引当金の増加/(減少) | (17) | 10 | |
| (124,677) | 175,280 | ||
| 確定給付制度への拠出金支払額(注記10参照) | (37) | (44) | |
| 営業活動から生じたキャッシュ | 2,889 | 88 |
営業活動から生じたキャッシュには、利息支払額が2015年12月および2014年12月現在においてそれぞれ21.6億米ドルおよび20.3億米ドル、ならびに利息受取額が2015年12月および2014年12月現在においてそれぞれ22.2億米ドルおよび24.5億米ドルが含まれる。
注記25 財務上のコミットメントおよび偶発債務
コミットメントおよび偶発債務
当社のコミットメントおよび偶発債務は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 条件付およびフォワード・スタート売戻条件付契約および有価証券借入契約 | 29,276 | 34,572 | ||
| フォワード・スタート買戻条件付契約および担保付貸付契約 | 11,483 | 14,760 | ||
| その他 | 4,137 | 4,001 | ||
| 合計 | 44,896 | 53,333 |
当社は、将来の日付(通常は3営業日以内)において決算される売戻条件付契約および有価証券借入契約ならびに買戻条件付契約および担保付貸付契約を締結している。また当社には売戻条件付契約を通じて顧客および取引相手先に条件付融資を行うコミットメントがある。これらのコミットメントに基づく当社の融資は、売戻条件付契約のすべての条件を満たすことが前提となっており、実行されないままコミットメントが満期を迎える可能性もある。
その他のコミットメントは、主に担保付コミットメントに関するものである。
また、通常の営業活動から生じた当社の資産には担保登録されたものが存在する。
リース
当社は、長期リース契約によりいくつかの建物を賃借している。リースは、契約で定める一定期間後に再交渉の対象となるもので、当社は契約に基づいて、これらの不動産に対する全ての保険料、維持および修理に関する費用の支払いを行っている。将来の最低支払リース料は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 1年未満 | 95 | 98 | ||
| 1年から5年 | 347 | 385 | ||
| 5年超 | 16 | 80 | ||
| 合計 | 458 | 563 |
解約不能サブリースに基づき、受け取ることが予想される将来の最低支払リース料総額は、2015年12月および2014年12月現在においてそれぞれ70百万米ドルおよび90百万米ドルであった。
法的手続
当社は以下の法的手続に関与しているが、これらについての影響を見積もることは実務上困難である。
信用デリバティブ反トラスト法案件 2015年12月4日、欧州委員会は、クレジット・デフォルト・スワップに関するデータ提供に関連して、また、反競争的な慣行である可能性のあるものを含むクレジット・デフォルト・スワップの決済に関する利益配分および手数料の取決めに関連して、2011年4月に公表された多数の金融サービス会社に対する欧州委員会の調査に関する、GSIを含むすべての銀行に対する反トラスト訴訟を終了したことを発表した。
モーゲージ関連案件 モーゲージ・パススルー証券、債務担保証券およびその他のモーゲージ関連商品を購入したとされる様々な購入者および当該関連取引に関与した取引相手先(株式会社あおぞら銀行、ベイシス・イールド・アルファ・ファンド(マスター)およびIKBドイチェ・インダストリーバンクAGを含む)は、当社および一部の関連会社を相手取り、米国において訴訟を提起した。当該訴訟では概ね、彼らが購入した有価証券の募集または売出しに関する勧誘書類に重要な事実の不実記載が含まれており、また、重要な記載が欠如していたとの主張がなされており、証券売買契約の取消および(または)損害賠償が求められている。当該訴状の一部では、不正行為が主張されており、懲罰的損害賠償が求められている。
リビア関連訴訟 GSIは、2014年1月21日にロンドン高等法院において提起されたリビア投資庁による訴訟において被告となっている。当該訴訟は原告およびGSIとの間でなされた9つのデリバティブ取引に関するものであり、原告はとりわけ、証券売買契約の取消および衡平法上の不特定の救済ならびに10億米ドルを超える損害賠償を求めている。2014年12月4日、リビア投資庁は修正訴状を提出した。
金利スワップ反トラスト訴訟 GSIは、2015年11月25日にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に提起された、金利スワップ取引に関連する反トラスト法の集団訴訟を意図した訴訟の被告に含まれている。訴状は概ね、ディーラーとブローカーとが共謀して少なくとも2008年1月1日以降に金利スワップの取引所での取引を妨害したと主張するものである。訴状では、宣言的救済および差止による救済ならびに金額を特定しない3倍損害賠償が求められている。
コモディティ関連訴訟 GSIは、2013年8月1日に開始され、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に併合された数多くの暫定的集団訴訟の被告に含まれている。訴状は概ね、アルミニウムの貯蔵およびアルミニウムの取引に関する連邦反トラスト法および州法の違反を主張するものである。訴状では、宣言的救済、差止およびその他の衡平法上の救済、ならびに3倍損害賠償を含む金額を特定しない損害賠償が求められている。2014年8月29日、裁判所は被告であるゴールドマン・サックスによる却下を求める申立を認めた。原告の一部は2014年9月24日に控訴し、残りの原告は2014年10月に訴状の修正を求めた。2015年3月26日、裁判所は原告による訴状修正の申立の一部を認め、一部を却下し、これにより独占およびほとんどの州法違反に関する主張を却下したが、反トラスト法による共謀の主張ならびに一部の州法および不当利得に関する並行する主張の継続を認めた。また裁判所は残りの原告に修正訴状を提出するよう指示し、原告は2015年4月9日に当該訴状を提出した。
GSIは、2014年5月23日以降にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において提起された、亜鉛の貯蔵設備の管理に関する連邦反トラスト法の違反を主張する集団訴訟を意図した訴訟の被告となっている。訴状では、宣言的救済、差止およびその他の衡平法上の救済、ならびに3倍損害賠償を含む金額を特定しない損害賠償が求められている。2016年1月7日、裁判所は被告による却下の申立を認めた。
GSIは、2014年11月25日以降ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に提起されたプラチナおよびパラジウムの取引に関連する集団訴訟を意図した訴訟の被告に含まれている。訴状では概ね、被告が共謀して現物プラチナおよびパラジウムのベンチマーク価格を操作したとする連邦反トラスト法および商品取引法の違反が主張され、宣言的救済および差止による救済ならびに金額を特定しない3倍損害賠償が求められている。2015年7月27日、原告らは第2併合修正訴状を提出し、2015年9月21日、被告は却下を求める申立を行った。
注記26 金融リスク管理および資本管理
当社の金融リスク管理および資本管理に関する特定の開示は、本アニュアル・レポートのパートI(訳者注:原文の該当箇所をいう。) におけるその他のリスク管理および規制上の情報と共に表示されている。
注記27 金融資産および金融負債
区分別金融資産および金融負債
当社の金融資産および金融負債の区分別の帳簿価額は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||||||
| 金融資産 | ||||||||
| トレーディング目的で保有 | 公正価値で評価するものとして指定 | ローンおよび債権 | 合計 | |||||
| 2015年12月現在 | ||||||||
| 保有金融商品 | 616,054 | ― | ― | 616,054 | ||||
| 担保付契約 | ― | 132,933 | 30,770 | 163,703 | ||||
| 未収金 | ― | 1,368 | 58,506 | 59,874 | ||||
| 現金・預金 | ― | ― | 9,974 | 9,974 | ||||
| 金融資産合計 | 616,054 | 134,301 | 99,250 | 849,605 | ||||
| 2014年12月現在 | ||||||||
| 保有金融商品 | 693,748 | ― | ― | 693,748 | ||||
| 担保付契約 | ― | 158,809 | 44,707 | 203,516 | ||||
| 未収金 | ― | 1,780 | 64,280 | 66,060 | ||||
| 現金・預金 | ― | ― | 3,586 | 3,586 | ||||
| 金融資産合計 | 693,748 | 160,589 | 112,573 | 966,910 | ||||
| (単位:百万米ドル) | ||||||||
| 金融負債 | ||||||||
| トレーディング目的で保有 | 公正価値で評価するものとして指定 | ローンおよび債権 | 合計 | |||||
| 2015年12月現在 | ||||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | ||||||||
| 売却済未購入金融商品 | 555,654 | ― | ― | 555,654 | ||||
| 担保付借入金 | ― | 72,913 | 43,472 | 116,385 | ||||
| その他未払金 | ― | 14,194 | 101,742 | 115,936 | ||||
| 合計 | 555,654 | 87,107 | 145,214 | 787,975 | ||||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | ||||||||
| 担保付借入金 | ― | 3,502 | ― | 3,502 | ||||
| その他未払金 | ― | 7,446 | 24,852 | 32,298 | ||||
| 合計 | ― | 10,948 | 24,852 | 35,800 | ||||
| 金融負債合計 | 555,654 | 98,055 | 170,066 | 823,775 | ||||
| 2014年12月現在 | ||||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | ||||||||
| 売却済未購入金融商品 | 641,413 | ― | ― | 641,413 | ||||
| 担保付借入金 | ― | 85,846 | 53,291 | 139,137 | ||||
| その他未払金 | ― | 16,149 | 129,427 | 145,576 | ||||
| 合計 | 641,413 | 101,995 | 182,718 | 926,126 | ||||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | ||||||||
| 担保付借入金 | ― | 1,928 | 586 | 2,514 | ||||
| その他未払金 | ― | 5,899 | 10,801 | 16,700 | ||||
| 合計 | ― | 7,827 | 11,387 | 19,214 | ||||
| 金融負債合計 | 641,413 | 109,822 | 194,105 | 945,340 | ||||
公正価値の階層
金融商品の公正価値とは、測定日における市場参加者間の通常取引で、資産の売却により受取る、または負債の移転により支払われると考えられる金額である。金融資産はビッドで評価され、金融負債はオファーで評価される。公正価値測定において取引費用は算入されない。当社は一部の金融資産および金融負債をポートフォリオとして測定する(すなわち、市場リスクおよび(または)信用リスクに対する純エクスポージャーに基づき測定する)。
FRS第101号は、公正価値測定の開示について3つのレベルの公正価値の階層を設定している。公正価値の階層は、公正価値の測定に使用される評価手法への入力情報の優先順位を定めており、レベル1の入力情報を最も優先順位が高く、レベル3の入力情報を最も優先順位が低いとしている。公正価値の階層における金融資産および金融負債のレベルは、公正価値測定に重要な入力情報のうち最も低いレベルに基づいている。
公正価値の階層は以下のとおりである。
レベル1 入力情報は、同一の非制限資産または負債について、測定日において当社がアクセスできた活発な市場における未調整の市場価格である。
レベル2 評価手法への入力情報は直接または間接的に観測可能である。
レベル3 評価手法への入力情報の1つ以上が重要かつ観測不能である。
経常的に公正価値で評価される当社の金融資産および金融負債のほぼすべての公正価値は、観測可能な価格および入力情報に基づいており、公正価値の階層のレベル1およびレベル2に分類されている。レベル2およびレベル3の金融資産および金融負債の一部については、取引相手先、ならびにGSグループの信用度、資金調達リスク、譲渡制限、流動性ならびにビッド/オファーのスプレッドなどの要素に関して、市場参加者が公正価値を算定するのに必要と考えられる適切な評価調整を行う場合がある。評価調整は通常、市場のデータに基づいている。
評価手法および重要な入力情報
現物商品
現物商品には、政府債および政府機関債、銀行ローン、ブリッジ・ローン、社債およびその他の債権、株式および転換社債、ならびにデリバティブ以外のその他の保有金融商品および売却済未購入金融商品が含まれる。公正価値の階層の各レベルの評価手法および重要な入力情報には、以下が含まれる。
・レベル1の現物商品―活発な市場における同一の非制限商品の市場価格を用いて評価されるもの。当社は、絶対的な観点と、当該商品の時価総額との相対的な観点の両方による日次平均トレーディング量に基づき、持分商品の活発な市場を定義している。当社は、日次平均トレーディング量と売買取引日数の両方に基づき、債務商品の活発な市場を定義している。
・レベル2の現物商品―評価額が、市場価格、同一または類似商品についての最近の売買取引、ブローカーまたはディーラーによる呼び値、あるいは価格の透明性が合理的な水準にある代替的な価格情報源により検証可能であるもの。呼び値の性質(指標的なものか、確定的なものかなど)、および最近の市場活動と代替的な価格情報源が提供した価格との関係が考慮される。
一般的に(ⅰ)現物商品の譲渡が制限されている場合、および(または)(ⅱ)市場参加者が公正価値を算定するのに必要と考えられるその他のプレミアムおよび流動性割引に関して、レベル2の現物商品に対して評価調整が行われる。評価調整は通常、市場のデータに基づいている。
・レベル3の現物商品―評価における重要な入力情報に観測不能なものが1つ以上含まれるもの。反証がない限り、レベル3の現物商品は取引価格で当初評価されるが、これは公正価値の当初見積りの最善のものと考えられる。その後、当社は公正価値の算定に他の方法を用いるが、これは商品の種類によって異なる。評価における入力情報および仮定は、金融資産の売却時実現価値を含めた実体のある観測可能な証拠に裏付けられる場合に変更される。
評価手法および重要な入力情報の性質は、以下の表のとおりである。これらの評価手法および重要な入力情報はレベル3の現物商品の各タイプの公正価値の算定に通常使用される。
| レベル3の現物商品 | 評価手法および重要な入力情報 |
|---|---|
| モーゲージおよびその他の資産に裏付けられたローンおよび有価証券 銀行ローンおよびブリッジ・ローン | 評価手法は商品ごとに異なるが、通常は割引キャッシュ・フロー法に基づいている。 重要な入力情報は通常、相対価値分析に基づき決定されており、以下が含まれる。 ・類似または関連する資産の取引から推定される市場利回り ・iTraxx、CDXおよびLCDX(企業の信用度およびローンのパフォーマンスをそれぞれトラッキングする指数)などの市場指数の現在のレベルおよび変動 ・借手やローン担保の現在の状況およびデフォルト時の回収に関する仮定 ・予想将来キャッシュ・フローの時期(デュレーション)。これは、その他の観測不能な入力情報の影響を組み込むことがある(期限前償還率など) |
| 社債およびその他の債券 | 評価手法は商品ごとに異なるが、通常は割引キャッシュ・フロー法に基づいている。 重要な入力情報は通常、相対価値分析に基づき決定されており、同一または類似する対象商品または企業を参照するクレジット・デフォルト・スワップの価格との比較と、同一の発行体が発行する、観測可能な価格またはブローカーの呼び値が入手可能なその他の債務商品との比較の両方を組み込んでいる。重要な入力情報には以下が含まれる。 ・類似または関連する資産の取引から推定される市場利回り ・iTraxx、CDXおよびLCDXなどの市場指数の現在のレベルおよび変動 ・借手やローン担保の現在の状況およびデフォルト時の回収に関する仮定 ・商品の満期およびクーポンの情報 |
| 株式および転換社債(プライベート・エクイティ投資および不動産事業体に対する投資を含む) | 最近の第三者による完了済または進行中の取引(合併の提案、公開買付または債務の再編など)が公正価値の変動の最良の証拠とみなされる。これらが入手できない場合には、以下の評価手法が適宜使用される。 ・業界の評価倍率および上場会社との比較 ・類似商品の取引 ・割引キャッシュ・フロー法 |
デリバティブ商品 デリバティブは、取引所で取引される(上場)場合もあれば、店頭デリバティブとして相対取引により契約が締結される場合もある。当社の店頭デリバティブの一部は、中央清算機関を通じて清算および決済される(清算対象の店頭取引)が、一部は両取引相手間の双務契約(二者間の店頭取引)となっている。
当社のレベル2およびレベル3のデリバティブは、デリバティブ価格決定モデル(割引キャッシュ・フロー・モデル、相関モデル、およびモンテ・カルロ法等のオプション価格決定法を組み込むモデル)を用いて評価される。デリバティブの価格の透明性は通常、商品タイプ別に以下のとおり特徴が分類できる。
・金利 一般的に金利デリバティブの評価に使用される主要な入力情報は、長期契約であってもほとんどの場合透明性がある。主要先進国の通貨建の金利スワップおよびオプションの特徴は、取引量が多いことおよびビッド/オファーのスプレッドが小さいことである。インフレ指数などの指数またはイールド・カーブの形(10年物スワップのレートと2年物スワップのレートの比較など)を参照する金利デリバティブはより複雑であるが、主要な入力情報は一般的に観測可能である。
・信用 個別銘柄とバスケット型の両方を含め、クレジット・デフォルト・スワップの価格の透明性は、市場および対象となる参照企業または参照債務によりさまざまである。指数、大企業および主要ソブリンを参照するクレジット・デフォルト・スワップは、一般的に最も価格の透明性が高いことを示している。それ以外の原資産を有するクレジット・デフォルト・スワップについては、価格の透明性は信用格付、対象となる参照債務の借入コスト、および発行体のデフォルト時に引渡される対象となる参照債務の入手可能性に基づきさまざまである。ローン、資産担保証券および新興市場の債務商品を参照するクレジット・デフォルト・スワップは、社債を参照するクレジット・デフォルト・スワップより価格の透明性が低い傾向にある。また、複数の対象となる参照債務のコリレーションに感応するものなど、より複雑な信用デリバティブは一般的に価格の透明性が比較的低い。
・為替 比較的長期間のものを含め、主要先進国の為替レートに基づく為替デリバティブは一般的に価格の透明性が高い。先進国市場と新興市場における為替デリバティブの価格の透明性の主な相違点は、新興市場においては比較的短期間の契約について観測可能な傾向にあるということである。
・株式 株式デリバティブの価格の透明性は、市場および原資産によりさまざまである。指数および主要な株式指数に含まれる企業の普通株式に係るオプションは、最も高い透明性を示している。長期間の契約または現在の市場価格から大幅に異なる参照価格が付されている契約を除き、株式デリバティブには通常、観測可能な市場価格がある。複数の個別株式銘柄のコリレーションに感応するものなど、より複雑な株式デリバティブは一般的に価格の透明性が比較的低い。
あらゆる商品タイプの観測可能性に対して、流動性は必要不可欠である。取引量が減少した場合、以前には透明性の高かった価格およびその他の入力情報が観測不能になる可能性がある。反対に、きわめて複雑な構造の商品でも、十分な取引量があれば、価格およびその他の入力情報が観測可能となる可能性がある。
レベル1のデリバティブ
レベル1のデリバティブには、将来において有価証券の受渡しを行う短期契約で、対象となる有価証券がレベル1の金融商品であるもの、および活発な取引があり、市場価格で評価される上場デリバティブが含まれる。
レベル2のデリバティブ
レベル2のデリバティブには、評価における重要な入力情報のすべてが市場のデータによって裏付けられる店頭デリバティブならびに活発な取引のないおよび(または)店頭デリバティブの市場清算レベルを測定するモデルで評価される上場デリバティブが含まれる。評価における入力情報の重要性を判断するに際し、当社はとりわけ当該入力情報に対するポートフォリオの正味リスク・エクスポージャーを考慮している。
デリバティブを評価する特定のモデルの選択は、商品の契約条件、内在する特定のリスクおよび市場における価格決定情報の入手可能性によって異なる。流動性の高い市場で取引されているデリバティブについては、モデルから導き出された情報が市場清算レベルと較正できるため、モデルの選択に重要な経営者の判断を伴わない。
評価モデルには、契約条件、市場価格、イールド・カーブ、割引率(担保付デリバティブに係る信用補完契約の規定による受取および差入担保に係る利息によるものを含む)、クレジット・カーブ、ボラティリティ指標およびそれぞれの入力情報のコリレーションなど、様々な入力情報が必要である。レベル2のデリバティブを評価するための重要な入力情報は、市場取引、ブローカーまたはディーラーによる呼び値、あるいは価格の透明性が合理的な水準にあるその他の代替的な価格情報源により検証可能である。呼び値の性質(指標的なものか、確定的なものかなど)、および最近の市場取引と代替的な価格情報源が提供した価格との関係が考慮される。
レベル3のデリバティブ
レベル3のデリバティブは、観測可能なレベル1および(または)レベル2の入力情報とともに、観測不能なレベル3の入力情報を使用するモデルで評価される。観測不能な入力情報には、一部のコリレーションと、クレジット・スプレッドおよび株価ボラティリティの入力情報が含まれる。
当社はレベル3のデリバティブを当初評価した後に、レベル1およびレベル2の入力情報をアップデートして観測可能な市場の変動を反映しており、それによる損益はレベル3に計上される。レベル3の入力情報は、類似する市場取引、第三者の価格提供サービスおよび(または)ブローカーやディーラーによる呼び値、あるいはその他の過去の市場データなどの証拠に裏付けられる場合に変更される。当社が市場取引を参照してモデルの評価額を検証できない場合には、別の評価モデルによって大幅に異なる公正価値の見積りが算出される可能性がある。レベル3のデリバティブの評価に使用された重要かつ観測不能な入力情報の詳細は、以下を参照のこと。
当初の取引価格と内部開発のモデルにより算出された公正価値との間に差異がある場合、損益は、市場参加者が価格設定において考慮するであろう要素(時間の要素を含む)の変化から生じたものに限り、認識される。
評価調整
評価調整は、デリバティブ・ポートフォリオの公正価値の算定に必要不可欠なものであり、デリバティブ価格決定モデルによって算出された中間市場の評価額を適切な出口価格の評価額に調整するために用いられる。これらの調整には、ビッド/オファーのスプレッド、流動性コスト、信用評価調整および資金調達の評価調整が組み込まれており、デリバティブ・ポートフォリオの担保が付されない部分に固有の信用リスクおよび資金調達リスクを会計処理している。当社はまた、契約条件により当社が受取担保を引渡すまたは再担保に供することができない場合の担保付デリバティブの資金調達の評価調整も行っている。市場に基づく入力情報は通常、評価調整を市場清算レベルまで測定する場合に使用される。
さらに、重要かつ観測不能な入力情報を含むデリバティブについては、当社は取引に含まれる評価の不確実性を会計処理するためにモデルまたは出口価格の調整を行っている。
担保付契約および担保付借入金 売戻条件付契約および買戻条件付契約ならびに借入有価証券および貸付有価証券の評価において重要な入力情報は、資金調達スプレッド、予想将来キャッシュ・フローの金額および時期、ならびに金利である。
未収金 公正価値で測定する未収金は主に担保付貸付契約および前払コモディティ契約から成る。そのような債権の評価にとって重要な入力情報は、コモディティの価格、金利、将来の予測キャッシュ・フローの金額および時期、ならびに資金調達スプレッドである。
その他未払金 その他未払金は、主にハイブリッド金融商品および前払コモディティ契約から成る。
公正価値で測定する担保付その他未払金の評価にとって重要な入力情報は、予想将来キャッシュ・フローの金額および時期、金利、資金調達スプレッド、当社が差入れた担保の公正価値(予想将来キャッシュ・フローの金額および時期、市場価格、市場利回りおよび回収の仮定を用いて算定される)ならびに追加担保の差入要求の頻度である。
公正価値で測定する無担保のその他未払金の評価にとって重要な入力情報は、予想将来キャッシュ・フローの金額および時期、金利、GSグループのクレジット・スプレッド、ならびに前払コモディティ契約の場合はコモディティの価格である。ハイブリッド金融商品に組込まれたデリバティブの評価に使用された入力情報は、当社のその他のデリバティブ商品の評価に使用された入力情報と整合性がある。
レベル3の公正価値の評価に使用される重要かつ観測不能な入力情報
現物商品 2015年12月および2014年12月現在、当社はレベル3資産の現物商品それぞれ12.4億米ドルおよび19.8億米ドルを保有していた。2015年12月および2014年12月現在の双方において、レベル3負債の現物商品は重要ではなかった。当社のレベル3資産の現物商品の評価に使用される重要かつ観測不能な入力情報の範囲および関連する加重平均は以下の表のとおりである。以下の表においては、下記の項目を前提としている。
・範囲は、現物商品の各タイプの評価に使用された重要かつ観測不能な入力情報の範囲を表している。
・加重平均は、各入力情報を各金融商品の相対的公正価値で加重することにより算定される。
・これらの入力情報の範囲および加重平均は、ある現物商品の公正価値を算定する際に使用される適切な入力情報の代表的なものということではない。例えば、銀行ローンおよびブリッジ・ローンの表に表示されている利回りの最大値は、特定の銀行ローンの評価に適切であるが、他の銀行ローンの評価には適切でない可能性がある。したがって、以下に表示されている入力情報の範囲は、当社のレベル3の現物商品の公正価値測定における不確実性または公正価値測定の可能な範囲を表すものではない。
・当社のレベル3の現物商品の評価に使用される利回り、割引率、またはデュレーションが上昇すると、公正価値測定の結果が低下し、回収率、ベーシス、または評価倍率が上昇すると、公正価値測定の結果が上昇する。当社のレベル3の現物商品はそれぞれ特徴ある性質のため、入力情報の相互関係は各商品タイプ内で必ずしも同じではない。
・ある金融商品の公正価値は、複数の評価手法を用いて算定される場合がある。例えば、類似市場取引および割引キャッシュ・フローは同時に公正価値の算定に使用されることがある。そのため、レベル3の残高には、これらの両手法が含まれている。
| レベル3の現物商品 | 評価手法および重要かつ観測不能な入力情報 | 重要かつ観測不能な入力情報の範囲(加重平均) | |
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | ||
| 銀行ローンおよびブリッジ・ローン モーゲージおよびその他の資産に裏付けられたローンおよび有価証券 (2015年12月および2014年12月現在のレベル3資産それぞれ642百万米ドルおよび758百万米ドル) | 割引キャッシュ・フロー: | ||
| ・利回り | 3.2%から19.7%(6.2%) | 1.9%から17.0%(3.8%) | |
| ・回収率 | 18.0%から70.0%(33.7%) | 57.1%から57.1%(57.1%) | |
| ・デュレーション | 0.7年から11.8年 (5.4年) | 1.3年から12.7年 (3.7年) | |
| 社債およびその他の債権 コマーシャル・ペーパー、譲渡性預金証書、定期預金およびその他のマネー・マーケット商品 政府債および政府機関債 (2015年12月および2014年12月現在のレベル3資産それぞれ444百万米ドルおよび10.3億米ドル) | 割引キャッシュ・フロー: | ||
| ・利回り | 2.9%から14.3%(5.7%) | 1.6%から24.4%(5.5%) | |
| ・回収率 | 0.0%から70.0%(58.8%) | 0.0%から70.0%(37.4%) | |
| ・デュレーション | 1.9年から5.5年 (3.1年) | 0.7年から6.4年 (3.0年) | |
| 株式および転換社債(プライベート・エクイティ投資および不動産事業体に対する投資を含む) (2015年12月および2014年12月現在のレベル3資産それぞれ152百万米ドルおよび187百万米ドル) | 類似市場取引および割引キャッシュ・フロー: | ||
| ・評価倍率 | 0.9倍から14.5倍 (2.4倍) | 0.9倍から6.3倍 (1.5倍) | |
| ・割引率/利回り | 8.6%から13.3%(11.4%) | 15.8%から15.8%(15.8%) | |
デリバティブ商品
2015年12月および2014年12月現在、当社はレベル3のデリバティブ商品純額それぞれ21.4億米ドルおよび31.2億米ドルを保有している。当社の信用および株式デリバティブ商品の評価に使用される重要かつ観測不能な入力情報の範囲、平均値および中央値は以下の表のとおりである。2015年12月および2014年12月現在、当社は金利、通貨およびコモディティに関するレベル3資産純額それぞれ136百万米ドルおよび242百万米ドルを保有しているが、金額に重要性がないため、重要かつ観測不能な入力情報の範囲は開示されていない。以下の表においては、下記の項目を前提としている。
・範囲は、デリバティブの各タイプの評価に使用された重要かつ観測不能な入力情報の範囲を表している。
・平均値は入力情報の算術平均を表しており、各金融商品の相対的公正価値または想定元本により加重されていない。中央値を上回る平均値は、入力情報の大部分が平均値を下回っていることを示している。
・これらの入力情報の範囲、平均値および中央値は、あるデリバティブの公正価値の算定に使用する適切な入力情報の代表的なものということではない。例えば、以下の信用デリバティブの表に表示されているコリレーションの最大値は、特定の信用デリバティブの評価に適切であるが、他の信用デリバティブの評価には適切でない可能性がある。したがって、以下に表示されている入力情報の範囲は、当社のレベル3のデリバティブの公正価値測定における不確実性または公正価値測定の可能な範囲を表すものではない。
・どの金融商品の公正価値も複数の評価手法を用いて決定されることがある。例えば、公正価値を決定するためにオプション価格決定モデルおよび割引キャッシュ・フロー・モデルは通常、合わせて用いられる。したがって、レベル3の残高はこの両方の手法を含んでいる。
| レベル3のデリバティブ商品タイプ | 評価手法および重要かつ観測不能な入力情報 | 重要かつ観測不能な入力情報の範囲 (平均値/中央値) | |
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | ||
| 信用(2015年12月および2014年12月現在、レベル3のデリバティブ商品純額それぞれ22.8億米ドルおよび33.6億米ドルから成る) | オプション価格決定モデル、相関モデルおよび割引キャッシュ・フロー・モデル: | ||
| ・コリレーション | 46%から99% (68%/66%) | 57%から99% (77%/75%) | |
| ・クレジット・スプレッド | 1ベーシス・ポイント(bps)から952bps (174bps/131bps) | 1ベーシス・ポイント(bps)から700bps (143bps/107bps) | |
| ・アップフロント・クレジット・ポイント | 0ポイントから88ポイント (24ポイント/20ポイント) | 1ポイントから84ポイント (35ポイント/16ポイント) | |
| ・回収率 | 2%から55% (34%/40%) | 14%から60% (30%/25%) | |
| 株式(2015年12月および2014年12月現在、レベル3のデリバティブ商品純額それぞれ(276)百万米ドルおよび(484)百万米ドル) | オプション価格決定モデル: | ||
| ・コリレーション(クロスプロダクト・コリレーションを含む) | (65)%から94% (38%/45%) | (34)%から91% (46%/42%) | |
| ・ボラティリティ | 14%から59% (26%/26%) | 5%から68% (21%/21%) | |
重要かつ観測不能な入力情報の範囲
当社のレベル3のデリバティブ商品の評価に使用される重要かつ観測不能な入力情報の範囲に関する情報は、以下のとおりである。
・コリレーション コリレーションの範囲は、同一市場(株価指数および個別株式銘柄など)、市場間(株価指数と為替レートのコリレーションなど)、地域間などにおける様々な原資産をカバーしている。
・ボラティリティ ボラティリティの範囲は、さまざまな市場にわたる多数の原資産、満期および権利行使価格をカバーしている。例えば、株価指数のボラティリティは一般的に個別株式のボラティリティを下回る。
・クレジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率 クレジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率の範囲は、さまざまな原資産(指数および個別銘柄)、地域、部門、満期および信用度(高利回りおよび投資適格)をカバーしている。この幅広い母集団により、重要かつ観測不能な入力情報の範囲に幅が生じる。
重要かつ観測不能な入力情報の変動に対する公正価値測定の感応度
重要かつ観測不能な入力情報の個別の変動に対する当社のレベル3の公正価値測定の方向感応度の詳細は、以下のとおりである。
・コリレーション 一般的に保有者が対象となる原資産または指数の価格(金利、クレジット・スプレッド、為替レート、インフレ率および株価など)の一貫した方向のパフォーマンスから利益を得る契約については、コリレーションが増大すると公正価値測定の結果が上昇する。
・ボラティリティ 一般的に買建オプションについては、ボラティリティが増大すると公正価値測定の結果が上昇する。
・クレジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率 一般的にクレジット・スプレッドまたはアップフロント・クレジット・ポイントの増加または回収率の低下により、買建信用プロテクションの公正価値が増加する。クレジット・スプレッド、アップフロント・クレジット・ポイントおよび回収率は、対象となる参照債務の特徴的なリスク要因と強い関連性がある。これらのリスク要因には、レバレッジ、ボラティリティおよび業界などの参照企業特有の要因、対象となる参照債務の借入コストまたは流動性などの市場ベースの要因、ならびにマクロ経済の状況が含まれる。
当社のレベル3のデリバティブはそれぞれ特徴があるため、各商品タイプ内での入力情報の相互関係は必ずしも同じではない。
担保付契約および担保付借入金 2015年12月および2014年12月現在の双方において、レベル3の売戻条件付契約、借入有価証券担保金または貸付有価証券担保金はなかった。2015年12月および2014年12月現在の双方において、当社のレベル3の買戻条件付契約に重要性はなかった。
未収金 2015年12月および2014年12月現在の双方において、当社のレベル3の未収金はなかった。
その他未払金 2015年12月および2014年12月現在の双方において、当社の担保付のレベル3のその他未払金を評価する際に使用される重要かつ観測不能な入力情報は、観測不能な入力情報に関する当社の現物商品の開示に含まれている。上記「現物商品」を参照のこと。
2015年12月および2014年12月現在の双方において、当社の無担保のレベル3のその他未払金のほぼすべてが、ハイブリッド金融商品である。ハイブリッド金融商品の評価に使用された重要かつ観測不能な入力情報は、主にこれらの借入金の組込デリバティブの部分に関連しているため、これらの入力情報は、観測不能な入力情報に関する当社のデリバティブの開示に含まれている。上記「デリバティブ商品」を参照のこと。
金融資産および金融負債の公正価値のレベル別内訳
経常的に公正価値で測定される金融資産および金融負債の公正価値の階層のレベル別内訳は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | |||||||
| 2015年12月現在の金融資産および金融負債(公正価値) | |||||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
| 金融資産 | |||||||
| 現物商品 | 48,198 | 17,501 | 1,238 | 66,937 | |||
| デリバティブ商品 | 14 | 544,300 | 4,803 | 549,117 | |||
| 保有金融商品 | 48,212 | 561,801 | 6,041 | 616,054 | |||
| 担保付契約 | ― | 132,933 | ― | 132,933 | |||
| 未収金 | ― | 1,368 | ― | 1,368 | |||
| 金融資産合計 | 48,212 | 696,102 | 6,041 | 750,355 | |||
| 金融負債 | |||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | |||||||
| 現物商品 | 21,038 | 3,584 | 62 | 24,684 | |||
| デリバティブ商品 | 28 | 528,277 | 2,665 | 530,970 | |||
| 売却済未購入金融商品 | 21,066 | 531,861 | 2,727 | 555,654 | |||
| 担保付借入金 | ― | 72,842 | 71 | 72,913 | |||
| その他未払金 | ― | 10,715 | 3,479 | 14,194 | |||
| 合計 | 21,066 | 615,418 | 6,277 | 642,761 | |||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | |||||||
| 担保付借入金 | ― | 3,502 | ― | 3,502 | |||
| その他未払金 | ― | 5,322 | 2,124 | 7,446 | |||
| 合計 | ― | 8,824 | 2,124 | 10,948 | |||
| 金融負債合計 | 21,066 | 624,242 | 8,401 | 653,709 | |||
| デリバティブ商品純額 | (14) | 16,023 | 2,138 | 18,147 | |||
| (単位:百万米ドル) | |||||||
| 2014年12月現在の金融資産および金融負債(公正価値) | |||||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
| 金融資産 | |||||||
| 現物商品 | 40,292 | 23,983 | 1,976 | 66,251 | |||
| デリバティブ商品 | 17 | 621,663 | 5,817 | 627,497 | |||
| 保有金融商品 | 40,309 | 645,646 | 7,793 | 693,748 | |||
| 担保付契約 | ― | 158,809 | ― | 158,809 | |||
| 未収金 | ― | 1,780 | ― | 1,780 | |||
| 金融資産合計 | 40,309 | 806,235 | 7,793 | 854,337 | |||
| 金融負債 | |||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | |||||||
| 現物商品 | 22,740 | 4,889 | 21 | 27,650 | |||
| デリバティブ商品 | 34 | 611,032 | 2,697 | 613,763 | |||
| 売却済未購入金融商品 | 22,774 | 615,921 | 2,718 | 641,413 | |||
| 担保付借入金 | ― | 85,722 | 124 | 85,846 | |||
| その他未払金 | ― | 13,412 | 2,737 | 16,149 | |||
| 合計 | 22,774 | 715,055 | 5,579 | 743,408 | |||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | |||||||
| 担保付借入金 | ― | 1,928 | ― | 1,928 | |||
| その他未払金 | ― | 5,056 | 843 | 5,899 | |||
| 合計 | ― | 6,984 | 843 | 7,827 | |||
| 金融負債合計 | 22,774 | 722,039 | 6,422 | 751,235 | |||
| デリバティブ商品純額 | (17) | 10,631 | 3,120 | 13,734 | |||
公正価値の階層のレベル1とレベル2の間での振替
2015年度および2014年度において、レベル1とレベル2の間での経常的に公正価値で測定する金融資産および金融負債の重要な振替はなかった。
レベル3の推移
経常的に公正価値で測定するすべてのレベル3の金融資産および金融負債の公正価値の変動は、以下の表のとおりである。レベル3の資産から生じる損益は、損益計算書の純収益に認識される。以下の表において、
・金融資産または金融負債が報告年度中にレベル3へ振替えられた場合、当該年度における損益は全額レベル3に含まれる。レベル3の金融資産の増加はプラスの額で、減少はマイナスの額で表示されている。レベル3の金融負債の増加はマイナスの額で、減少はプラスの額で表示されている。
・レベル間の振替は、振替が生じた報告期間の期首に認識される。従って、レベル3の金融資産および金融負債のうち、当期末までの期間にレベル3から振替えられたものの損益は、この表には含まれていない。
・レベル3の金融資産および金融負債は、レベル1およびレベル2の金融資産および金融負債で経済的にヘッジされることが多い。このため、金融資産または金融負債の特定の種類について以下の表で報告されているレベル3の損益は、同じ種類の金融資産もしくは金融負債のレベル1もしくはレベル2に帰属する損益、または異なる種類の金融資産もしくは金融負債のレベル1、レベル2もしくはレベル3に帰属する損益で一部相殺することができる。その結果、以下のレベル3の推移に含まれる損益は、必ずしも当社の経営成績、流動性または資金に対する全体的な影響を表すものではない。
・レベル3へのおよびレベル3からの振替の説明については、下記の「レベル3の推移に関する説明」を参照のこと。
| (単位:百万米ドル) | |||||||||||||||
| レベル3の金融資産および負債(公正価値) | |||||||||||||||
| 期首 残高 | 利益/ (損失) | 購入 | 売却 | 決済 | レベル 3への 振替 | レベル 3から の振替 | 期末 残高 | ||||||||
| 2015年12月終了年度 | |||||||||||||||
| 保有金融商品 | 7,793 | 646 | 680 | (401) | (1,399) | 934 | (2,212) | 6,041 | |||||||
| 未収金 | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | |||||||
| レベル3の金融資産合計 | 7,793 | 646 | 680 | (401) | (1,399) | 934 | (2,212) | 6,041 | |||||||
| 売却済未購入金融商品 | (2,718) | (8) | 99 | (383) | 324 | (424) | 383 | (2,727) | |||||||
| 担保付借入金 | (124) | (2) | ― | ― | 55 | ― | ― | (71) | |||||||
| その他未払金 | (3,580) | 538 | ― | (4,811) | 2,422 | (549) | 377 | (5,603) | |||||||
| レベル3の金融負債合計 | (6,422) | 528 | 99 | (5,194) | 2,801 | (973) | 760 | (8,401) | |||||||
| 2014年12月終了年度 | |||||||||||||||
| 保有金融商品 | 8,055 | 2,509 | 1,700 | (765) | (3,089) | 712 | (1,329) | 7,793 | |||||||
| 未収金 | 180 | ― | ― | ― | ― | ― | (180) | ― | |||||||
| レベル3の金融資産合計 | 8,235 | 2,509 | 1,700 | (765) | (3,089) | 712 | (1,509) | 7,793 | |||||||
| 売却済未購入金融商品 | (3,835) | (423) | (1) | (655) | 1,173 | (245) | 1,268 | (2,718) | |||||||
| 担保付借入金 | (1,010) | ― | ― | ― | 886 | ― | ― | (124) | |||||||
| その他未払金 | (2,668) | 132 | (2) | (2,954) | 1,773 | (447) | 586 | (3,580) | |||||||
| レベル3の金融負債合計 | (7,513) | (291) | (3) | (3,609) | 3,832 | (692) | 1,854 | (6,422) | |||||||
レベル3の推移に関する説明
2015年12月終了年度 レベル3への振替は、主に一部の信用デリバティブの評価にとって観測不能なクレジット・スプレッドの入力情報が重要になったことに伴い、当該商品をレベル2から振替えたこと、また主に一部の株式デリバティブにとって観測不能なボラティリティおよびコリレーションの入力情報が重要になったことに伴い、当該デリバティブをレベル2から振替えたことを主に反映している。
レベル3からの振替は、主に観測不能なクレジット・スプレッドの入力情報が一部のポートフォリオの正味リスクに対し重要でなくなったことに伴い、一部の信用デリバティブをレベル2へ振替えたことを主に反映している。
2014年12月終了年度 レベル3への振替は、主に一部の信用デリバティブの評価にとって観測不能なクレジット・スプレッドの入力情報が重要になったことや当該商品に利用できる市場のデータが減少したことに伴い、当該商品をレベル2から振替えたことを主に反映している。
レベル3からの振替は、主に観測不能なクレジット・スプレッドの入力情報が一部のポートフォリオの正味リスクに対し重要でなくなったことに伴い、一部の信用デリバティブをレベル2へ振替えたこと、また観測不能なコリレーションが一部の株式デリバティブの評価に対し重要でなくなったことに伴い、当該商品をレベル2へ振替えたことを主に反映している。
観測不能な入力情報を用いた評価手法を用いて評価される金融資産および金融負債の公正価値
金融資産および金融負債の公正価値は、同一の金融商品の観測可能な現在の市場取引による価格の裏付けがない仮定、または利用可能かつ観測可能な市場データに基づいて、評価手法を全面的にまたは部分的に使用して算定しており、これらの仮定を変更すると、それを用いて算定される公正価値の見積りも変動する。重要かつ観測不能な入力情報を用いた評価において、合理的に代替可能な仮定を使用したことによる潜在的影響は、2015年12月および2014年12月現在、有利な変動がそれぞれ約261百万米ドルおよび約179百万米ドル、不利な変動がそれぞれ238百万米ドルおよび146百万米ドルであった。合理的に可能性のある不利な代替的仮定の決定においては、潜在的な不確実性が存在する事例を識別し定量化するため、詳細な事業およびポジション・レベルのレビューが実施されている。ここでは、利用可能な市場情報の範囲に照らしたポジションの公正価値が考慮されている。
損益計算書に認識されていない、トレーディング目的で保有する金融商品の当初認識時の価額(取引価額)と評価手法を用いて算定された価額の公正価値の差額(取引初日の損益)は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | |||
| 1月1日現在 | 136 | 80 | ||
| 新取引 | 93 | 118 | ||
| 当期の損益計算書に認識された金額 | (90) | (62) | ||
| 12月31日現在 | 139 | 136 |
公正価値で測定されない金融資産および金融負債の公正価値
2015年12月および2014年12月現在、当社は、公正価値で測定されない流動金融資産それぞれ992.5億米ドルおよび1,125.7億米ドルならびに同金融負債それぞれ1,452.1億米ドルおよび1,827.2億米ドルを保有していた。これらの商品はその性質上短期であるため、貸借対照表上の帳簿価額は公正価値の合理的な近似値である。
2015年12月および2014年12月現在、当社は、1年を超えて期日の到来する、公正価値で測定されない金融負債248.5億米ドルおよび113.9億米ドルを保有しており、これは主に関係会社間の長期借入金に関するものである。当該借入金の金利は変動的な性格のものであり、類似する条件および特徴の商品の実勢市場金利に近似している。そのため、貸借対照表の帳簿価額は公正価値の合理的な近似値である。
損益項目
純損益に表示される当社の金融資産および金融負債に関連する損益項目は以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | |||
| 利息外収益1,2 | 6,778 | 6,015 | ||
| 受取利息 | ||||
| 外部取引相手先からの受取利息 | 1,804 | 2,510 | ||
| 親会社およびグループ会社からの受取利息 | 235 | 22 | ||
| 受取利息合計 | 2,039 | 2,532 | ||
| 支払利息 | ||||
| 外部取引相手先への支払利息 | 1,050 | 1,265 | ||
| 親会社およびグループ会社への支払利息 | 751 | 852 | ||
| 支払利息合計 | 1,801 | 2,117 | ||
| 受取利息純額 | 238 | 415 | ||
| 純収益合計 | 7,016 | 6,430 |
1 利息外収益には、手数料および報酬が、2015年度および2014年度においてそれぞれ532百万米ドルおよび657百万米ドル含まれる。これは、機関投資家向けクライアント・サービスおよび投資運用業務において認識されている。
2 利息外収益には、公正価値で測定するものとして指定した当社の金融資産および金融負債に関する2015年度の純利益625百万米ドルおよび2014年度の純損失489百万米ドルが含まれる。これは、機関投資家向けクライアント・サービスにおいて認識されている。機関投資家向けクライアント・サービスにおける残りの純収益は主に、トレーディング目的で保有する金融資産および金融負債からの純利益に関するものである。
金融負債の満期
当社の金融負債(売却済未購入金融商品を除く)の契約上の満期別のキャッシュ・フロー(将来発生する金利を含む)の詳細は、以下の表のとおりである。売却済未購入金融商品は、トレーディング目的/要求払に分類されている。金融負債は、トレーディング目的で保有するものまたは損益を通じて公正価値で評価するものとして指定する場合を除き、割引前キャッシュ・フローで開示されている。
トレーディング目的で保有する金融負債および損益を通じて公正価値で評価するものとして指定する金融負債は公正価値で開示されているが、これは当該商品の流動性リスク管理に使用する価値と一致しているためである。デリバティブの流動性リスクは、マスター・ネッティング契約および現金担保付契約により軽減されている。
| (単位:百万米ドル) | ||||||||||||||
| 金融負債 | ||||||||||||||
| トレーディング目的/要求払 | 1ヵ月間未満 | 1ヵ月間超3ヵ月間未満 | 3ヵ月間超1年未満 | 1年超5年未満 | 5年超 | 合計 | ||||||||
| 2015年12月現在 | ||||||||||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | ||||||||||||||
| 売却済未購入金融商品 | 555,654 | ― | ― | ― | ― | ― | 555,654 | |||||||
| 担保付借入金 | 60,086 | 41,900 | 3,378 | 11,021 | ― | ― | 116,385 | |||||||
| その他未払金 | 86,050 | 2,267 | 688 | 27,367 | ― | ― | 116,372 | |||||||
| 合計 | 701,790 | 44,167 | 4,066 | 38,388 | ― | ― | 788,411 | |||||||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | ||||||||||||||
| 担保付借入金 | ― | ― | ― | ― | 3,413 | 89 | 3,502 | |||||||
| その他未払金 | ― | 1 | 6 | 19 | 21,111 | 12,591 | 33,728 | |||||||
| 合計 | ― | 1 | 6 | 19 | 24,524 | 12,680 | 37,230 | |||||||
| 合計-貸借対照表計上額 | 701,790 | 44,168 | 4,072 | 38,407 | 24,524 | 12,680 | 825,641 | |||||||
| 条件付およびフォワード・スタート売戻条件付契約および有価証券借入契約 | ― | 29,276 | ― | ― | ― | ― | 29,276 | |||||||
| オペレーティング・リース | ― | 8 | 16 | 72 | 347 | 15 | 458 | |||||||
| その他 | 4,137 | ― | ― | ― | ― | ― | 4,137 | |||||||
| 合計-オフ・バランスシート額 | 4,137 | 29,284 | 16 | 72 | 347 | 15 | 33,871 | |||||||
| 金融負債合計 | 705,927 | 73,452 | 4,088 | 38,479 | 24,871 | 12,695 | 859,512 | |||||||
| 2014年12月現在 | ||||||||||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | ||||||||||||||
| 売却済未購入金融商品 | 641,413 | ― | ― | ― | ― | ― | 641,413 | |||||||
| 担保付借入金 | 74,056 | 49,908 | 5,273 | 9,900 | ― | ― | 139,137 | |||||||
| その他未払金 | 91,919 | 3,626 | 439 | 50,068 | ― | ― | 146,052 | |||||||
| 合計 | 807,388 | 53,534 | 5,712 | 59,968 | ― | ― | 926,602 | |||||||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | ||||||||||||||
| 担保付借入金 | ― | ― | ― | ― | 2,418 | 96 | 2,514 | |||||||
| その他未払金 | ― | 2 | 4 | 26 | 9,110 | 8,675 | 17,817 | |||||||
| 合計 | ― | 2 | 4 | 26 | 11,528 | 8,771 | 20,331 | |||||||
| 合計-貸借対照表計上額 | 807,388 | 53,536 | 5,716 | 59,994 | 11,528 | 8,771 | 946,933 | |||||||
| 条件付およびフォワード・スタート売戻条件付契約および有価証券借入契約 | ― | 34,572 | ― | ― | ― | ― | 34,572 | |||||||
| オペレーティング・リース | ― | 8 | 16 | 74 | 385 | 80 | 563 | |||||||
| その他 | 4,001 | ― | ― | ― | ― | ― | 4,001 | |||||||
| 合計-オフ・バランスシート額 | 4,001 | 34,580 | 16 | 74 | 385 | 80 | 39,136 | |||||||
| 金融負債合計 | 811,389 | 88,116 | 5,732 | 60,068 | 11,913 | 8,851 | 986,069 | |||||||
担保の受入れおよび差入れ
当社は、主に売戻条件付契約、借入有価証券担保金、デリバティブ取引および顧客信用貸に関連して、金融商品(政府債および政府機関債、社債、株式および転換社債など)を担保として受入れている。当社は、個別の取引相手先に対する信用エクスポージャーを軽減するために、デリバティブおよび担保付契約について、前払いで、または条件付で、現金および有価証券を担保として受入れている。
多くの場合、当社は、主にクライアントの担保付貸付取引に関連して買戻条件付契約および有価証券貸付契約を締結する際に、担保として受入れた金融商品を引渡しまたは再担保に供することを認められている。当社はまた、その他担保付借入金、デリバティブ契約の担保差入れ、および当社または顧客の決済需要への対応に関連して、これらの金融商品を引渡しまたは再担保に供することを認められている。
当社はまた、買戻条件付契約、有価証券貸付契約およびその他担保付借入金に関連して一部の保有金融商品を取引相手先に差入れているが、当該資産を引渡しまたは再担保に供する権利を取引相手先が有する場合も有さない場合もある。
当社が担保として受入れた金融商品のうち、引渡しまたは再担保に利用可能なもの、および引渡しまたは再担保に供したものは、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 引渡しまたは再担保に利用可能な担保 | 379,594 | 369,545 | ||
| 引渡しまたは再担保に供された担保 | 307,759 | 294,994 |
差入資産の情報は、以下のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| 取引相手先に対し差入れた保有金融商品: | ||||
| 引渡しまたは再担保に供する権利があるもの | 22,036 | 24,404 | ||
| 引渡しまたは再担保に供する権利がないもの | 20,146 | 17,656 |
当社は、保有金融商品に関して現金担保を2015年12月および2014年12月現在それぞれ576.4億米ドルおよび575.4億米ドル受取り、売却済未購入金融商品に関して現金担保を2015年12月および2014年12月現在それぞれ387.1億米ドルおよび354.6億米ドル差入れた。
買戻条件付契約および有価証券貸付取引の他に、当社はその他担保付借入金の利用により一部の資産の資金を調達し、当該取引において金融商品を担保として差入れている。これらのその他担保付借入金は特別目的事業体に関する負債、売却ではなく借入として会計処理される金融資産の譲渡およびその他のストラクチャード・ファイナンス契約から成る。その他担保付借入金には、ノン・リコースの契約が含まれる。
ヘッジ会計
当社は、一部の金利スワップを公正価値ヘッジに指定している。これらの金利スワップは、関連するベンチマーク金利(例えば、ロンドン銀行間出し手金利(以下「LIBOR」という。)に起因する公正価値の変動をヘッジし、固定利付債務を変動利付債務に効果的に転換している。
当社は、ヘッジ手段の公正価値およびヘッジ対象リスク(金利リスクなど)の変動を相殺する公正価値ヘッジ関係の有効性を評価するにあたり、回帰分析を用いる統計的手法を適用している。回帰分析の結果、決定係数が80%以上、傾きが80%から125%の範囲の場合、金利スワップはヘッジ対象リスクの変動に起因する公正価値の変動の相殺に非常に有効とみなされる。
適格公正価値ヘッジについては、デリバティブに係る損益およびヘッジ対象リスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動は純収益に含まれる。デリバティブがヘッジに指定されなくなった場合、ヘッジ対象の帳簿価額と額面価額との差額は、実効金利法でヘッジ対象の残存期間にわたり償却される。
ヘッジとして会計処理された金利デリバティブから生じた利益/(損失)、関連するヘッジ対象の借入金およびこれらのデリバティブのヘッジの非有効部分は、以下の表のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月終了年度 | 2014年12月終了年度 | |||
| 金利ヘッジ | (22) | 85 | ||
| ヘッジ対象の借入金 | 18 | (80) | ||
| ヘッジの非有効部分 | (4) | 5 |
2015年12月現在、ヘッジに指定されているデリバティブ商品である資産および負債の公正価値は、それぞれ158百万米ドルおよび24百万米ドルであった。
2014年12月現在、ヘッジに指定されているデリバティブ商品である資産および負債の公正価値は、それぞれ188百万米ドルおよび10百万米ドルであった。
譲渡された資産
引き続き全額認識されている資産 当年度において、当社は一部の金融資産を譲渡したが、この譲渡はIAS第39号「金融商品:認識および測定」に定められる認識の中止の要件を満たさなかったため、当社は貸借対照表において引き続き当該資産を全額認識している。
当社は、買戻条件付契約およびその他の有価証券貸付取引を担保するため、通常の営業活動において保有資産を取引相手先に譲渡している。当該取引においては、当社は契約満期日に金融商品を買戻す必要があり、引き続き当該商品の価格、信用および金利変動リスクにさらされているため、譲渡された資産は会計上引き続き認識する。当社が資産の譲渡による現金を受け取った際は、受取対価に対する金融負債が認識され、「担保付借入金」に計上される。当社が非現金担保を(証券の形式で)受け取った場合は、負債は当初認識されない。受取担保がその後売却された場合は、担保の返還義務が負債として「売却済未購入金融商品」に認識される。
買戻条件付契約および有価証券貸付取引に加えて、当社は、認識の中止の要件を満たさないその他の契約により資金を調達している。例えば、トータル・リターン・スワップなどの関連デリバティブを伴う有価証券の売却があり、当社は当該取引を通じて譲渡された資産に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを保持している。このような場合、受取った手取金に対して金融負債が認識される。
譲渡されたものの会計上引き続き貸借対照表に認識されているその他の金融資産は、主にデリバティブ取引について差入れた有価証券の担保に関するものである。このようなデリバティブによる債務は、「売却済未購入金融商品」に計上されている。
譲渡されたものの会計上引き続き貸借対照表に計上されている金融資産は、以下の表のとおりである。これに伴う金融負債の帳簿価額は、通常は譲渡された資産の帳簿価額に近似している。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 2015年12月現在 | 2014年12月現在 | |||
| コマーシャル・ペーパー、譲渡性預金証書、定期預金およびその他のマネー・マーケット商品 | 221 | 1,047 | ||
| 政府債および政府機関債 | 10,036 | 11,095 | ||
| 社債およびその他の債券 | 5,300 | 6,248 | ||
| 株式および転換社債 | 26,625 | 23,670 | ||
| 合計 | 42,182 | 42,060 |
認識の中止をしたが継続的なエクスポージャーのある資産 当社は、当社が金融資産を譲渡した一部の非連結ストラクチャード・エンティティに、デリバティブ取引および保証の形で継続的に関与している。これらのデリバティブは、譲渡された資産にクレジット・リンクされていることがあり、これにより当社は譲渡された資産における特定のリスクを保持するか、あるいは何らかの偶発事象が発生した場合には資産の損失を補てんするため、ストラクチャード・エンティティに支払いを行う必要がある。
さらに、当社は金融資産を証券化ビークルに譲渡する。当社は通常、譲渡された資産と引き換えに現金を受取るが、証券化における受益持分の所有権を含め、譲渡された資産に継続的に関与する場合もある。当社はまた、流通市場におけるマーケット・メイキング取引に関連して、証券化ビークルが発行した優先証券または劣後証券を購入する可能性がある。
当社が譲渡された資産にデリバティブまたは保証を通じて継続的に関与する場合、最大損失リスクはデリバティブまたは保証の想定元本である。証券化資産の留保持分または購入持分について、当社の損失リスクはこれら持分の公正価値までに限定されている。いずれの場合も、留保持分は公正価値で計上されている。
当社は譲渡前の資産を公正価値で会計処理しているため、一般的に資産の譲渡時に重大な損益を認識しない。なお当社は、認識が中止された金融資産を買戻す必要があるような継続的関与は行っていない。
当社が継続的に関与することによる当社のエクスポージャーの詳細は、以下のとおりである。
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 帳簿価額 | 最大損失リスク | |||
| 2015年12月現在 | ||||
| 資産 | ||||
| 現物商品 | 76 | 93 | ||
| デリバティブ商品 | 99 | 1,160 | ||
| 保有金融商品 | 175 | 1,253 | ||
| 合計 | 175 | 1,253 | ||
| 負債 | ||||
| デリバティブ商品 | (2) | (101) | ||
| 売却済未購入金融商品 | (2) | (101) | ||
| その他未払金 | ― | ― | ||
| 合計 | (2) | (101) | ||
| 2014年12月現在 | ||||
| 資産 | ||||
| 現物商品 | 64 | 64 | ||
| デリバティブ商品 | 120 | 1,308 | ||
| 保有金融商品 | 184 | 1,372 | ||
| 合計 | 184 | 1,372 | ||
| 負債 | ||||
| デリバティブ商品 | (2) | (92) | ||
| 売却済未購入金融商品 | (2) | (92) | ||
| その他未払金 | ― | ― | ||
| 合計 | (2) | (92) |
| (単位:百万米ドル) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 年度利益/(損失) | 累積利益/(損失) | |||
| 2015年12月現在 | ||||
| 資産 | ||||
| 現物商品 | 2 | 120 | ||
| デリバティブ商品 | 6 | 150 | ||
| 保有金融商品 | 8 | 270 | ||
| 合計 | 8 | 270 | ||
| 負債 | ||||
| デリバティブ商品 | (1) | (32) | ||
| 売却済未購入金融商品 | (1) | (32) | ||
| その他未払金 | ― | (1) | ||
| 合計 | (1) | (33) | ||
| 2014年12月現在 | ||||
| 資産 | ||||
| 現物商品 | 27 | 119 | ||
| デリバティブ商品 | 66 | 144 | ||
| 保有金融商品 | 93 | 263 | ||
| 合計 | 93 | 263 | ||
| 負債 | ||||
| デリバティブ商品 | 2 | (31) | ||
| 売却済未購入金融商品 | 2 | (31) | ||
| その他未払金 | ― | (1) | ||
| 合計 | 2 | (32) |
注記28 金融資産および金融負債の相殺
当社の強制力のあるネッティング契約および相殺の対象になる当社の金融資産および金融負債は、以下の表のとおりである。総額は取引相手先とのネッティングおよび担保の双方の影響を含んでいないため、当社の経済的エクスポージャーを表すものではない。当社が現在、認識額を相殺する法的に強制力のある権利を有する場合で、かつ純額決済する、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意図がある場合のみ、貸借対照表において相殺される。
また、以下の表は、取引相手先とのネッティング(すなわち、強制力のあるネッティング契約に基づく相殺の法的権利が存在する場合に行われる当該取引相手先との金融資産および金融負債のネッティング)、ならびに強制力のある信用補完契約に基づき受入れた、または差入れた現金担保および有価証券で、英国基準の相殺要件を満たさないために貸借対照表において相殺されない金額についても表示している。当社が信用保管契約に基づき担保を受入れまたは差入れたが、まだその契約に強制力があるかどうかが判断されていない場合、関連する担保は、以下の表の貸借対照表において相殺されない金額に含まれていない。
| (単位:百万米ドル) | |||||||||||||
| 2015年12月現在 | |||||||||||||
| 貸借対照表で相殺されない金額 | |||||||||||||
| 総額1,2 | 貸借対照表において相殺される金額 | 貸借対照表において表示される純額 | 取引相手先との相殺 | 現金担保 | 有価証券担保 | 純額 | |||||||
| 金融資産 | |||||||||||||
| 現物商品 | 15,662 | (11,579) | 4,083 | (21) | (726) | (1,993) | 1,343 | ||||||
| デリバティブ商品 | 608,906 | (59,789) | 549,117 | (474,498) | (42,162) | (11,095) | 21,362 | ||||||
| 保有金融商品 | 624,568 | (71,368) | 553,200 | (474,519) | (42,888) | (13,088) | 22,705 | ||||||
| 担保付契約 | 191,094 | (27,391) | 163,703 | (48,219) | ― | (112,475) | 3,009 | ||||||
| 未収金 | 55,187 | (6,758) | 48,429 | (542) | (32,202) | (7,900) | 7,785 | ||||||
| 強制力があるネッティング契約の対象である金融資産 | 870,849 | (105,517) | 765,332 | (523,280) | (75,090) | (133,463) | 33,499 | ||||||
| 強制力があるネッティング契約の対象でない金融資産 | 84,273 | ― | 84,273 | ― | ― | ― | 84,273 | ||||||
| 金融資産合計 | 955,122 | (105,517) | 849,605 | (523,280) | (75,090) | (133,463) | 117,772 | ||||||
| 金融負債 | |||||||||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | |||||||||||||
| 現物商品 | 1,164 | (1,164) | ― | ― | ― | ― | ― | ||||||
| デリバティブ商品 | 589,450 | (58,480) | 530,970 | (474,498) | (32,203) | (8,617) | 15,652 | ||||||
| 売却済未購入金融商品 | 590,614 | (59,644) | 530,970 | (474,498) | (32,203) | (8,617) | 15,652 | ||||||
| 担保付借入金 | 150,534 | (34,149) | 116,385 | (48,130) | ― | (52,066) | 16,189 | ||||||
| その他未払金 | 67,453 | (5,027) | 62,426 | (21) | (42,162) | ― | 20,243 | ||||||
| 合計 | 808,601 | (98,820) | 709,781 | (522,649) | (74,365) | (60,683) | 52,084 | ||||||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | |||||||||||||
| 担保付借入金 | 3,502 | ― | 3,502 | (89) | ― | (3,343) | 70 | ||||||
| その他未払金 | 8,694 | (6,697) | 1,997 | (542) | ― | ― | 1,455 | ||||||
| 合計 | 12,196 | (6,697) | 5,499 | (631) | ― | (3,343) | 1,525 | ||||||
| 強制力があるネッティング契約の対象である金融負債 | 820,797 | (105,517) | 715,280 | (523,280) | (74,365) | (64,026) | 53,609 | ||||||
| 強制力があるネッティング契約の対象でない金融負債 | 108,495 | ― | 108,495 | ― | ― | ― | 108,495 | ||||||
| 金融負債合計 | 929,292 | (105,517) | 823,775 | (523,280) | (74,365) | (64,026) | 162,104 | ||||||
1 デリバティブ資産およびデリバティブ負債は、強制力のあるネッティング契約の対象ではないか、または強制力の有無を当社がまだ判断していないネッティング契約の対象である金額をそれぞれ83.4億米ドルおよび74.9億米ドル含んでいる。
2 担保付契約および担保付借入金のほぼすべてが強制力のあるネッティング契約の対象である。
| (単位:百万米ドル) | |||||||||||||
| 2014年12月現在 | |||||||||||||
| 貸借対照表で相殺されない金額 | |||||||||||||
| 総額1,2 | 貸借対照表において相殺される金額 | 貸借対照表において表示される純額 | 取引相手先との相殺 | 現金担保 | 有価証券担保 | 純額 | |||||||
| 金融資産 | |||||||||||||
| 現物商品 | 17,460 | (14,453) | 3,007 | (161) | ― | ― | 2,846 | ||||||
| デリバティブ商品 | 759,612 | (132,115) | 627,497 | (549,005) | (42,710) | (10,215) | 25,567 | ||||||
| 保有金融商品 | 777,072 | (146,568) | 630,504 | (549,166) | (42,710) | (10,215) | 28,413 | ||||||
| 担保付契約 | 219,234 | (15,718) | 203,516 | (88,761) | ― | (109,488) | 5,267 | ||||||
| 未収金 | 58,046 | (9,975) | 48,071 | (602) | (28,928) | (8,903) | 9,638 | ||||||
| 強制力があるネッティング契約の対象である金融資産 | 1,054,352 | (172,261) | 882,091 | (638,529) | (71,638) | (128,606) | 43,318 | ||||||
| 強制力があるネッティング契約の対象でない金融資産 | 84,819 | ― | 84,819 | ― | ― | ― | 84,819 | ||||||
| 金融資産合計 | 1,139,171 | (172,261) | 966,910 | (638,529) | (71,638) | (128,606) | 128,137 | ||||||
| 金融負債 | |||||||||||||
| 1年以内に期日の到来する金額 | |||||||||||||
| 現物商品 | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ||||||
| デリバティブ商品 | 744,162 | (130,399) | 613,763 | (549,005) | (28,928) | (16,091) | 19,739 | ||||||
| 売却済未購入金融商品 | 744,162 | (130,399) | 613,763 | (549,005) | (28,928) | (16,091) | 19,739 | ||||||
| 担保付借入金 | 164,830 | (25,693) | 139,137 | (88,665) | ― | (35,933) | 14,539 | ||||||
| その他未払金 | 72,453 | (8,601) | 63,852 | (161) | (42,710) | ― | 20,981 | ||||||
| 合計 | 981,445 | (164,693) | 816,752 | (637,831) | (71,638) | (52,024) | 55,259 | ||||||
| 1年を超えて期日の到来する金額 | |||||||||||||
| 担保付借入金 | 2,514 | ― | 2,514 | (96) | ― | (2,418) | ― | ||||||
| その他未払金 | 9,603 | (7,568) | 2,035 | (602) | ― | ― | 1,433 | ||||||
| 合計 | 12,117 | (7,568) | 4,549 | (698) | ― | (2,418) | 1,433 | ||||||
| 強制力があるネッティング契約の対象である金融負債 | 993,562 | (172,261) | 821,301 | (638,529) | (71,638) | (54,442) | 56,692 | ||||||
| 強制力があるネッティング契約の対象でない金融負債 | 124,039 | ― | 124,039 | ― | ― | ― | 124,039 | ||||||
| 金融負債合計 | 1,117,601 | (172,261) | 945,340 | (638,529) | (71,638) | (54,442) | 180,731 | ||||||
1 デリバティブ資産およびデリバティブ負債は、強制力のあるネッティング契約の対象ではないか、または強制力の有無を当社がまだ判断していないネッティング契約の対象である金額をそれぞれ125.2億米ドルおよび105.0億米ドル含んでいる。
2 担保付契約および担保付借入金のほぼすべてが強制力のあるネッティング契約の対象である。
(訳文)
独立監査人の監査報告書
ゴールドマン・サックス・インターナショナル(無限責任会社)株主 御中
財務書類に係る報告
財務書類に対する意見
以下に定義されているゴールドマン・サックス・インターナショナルの財務書類(以下「財務書類」という。)に係る私どもの意見は以下のとおりである。
・ 2015年12月31日現在の会社の状態ならびに同日に終了した事業年度における利益およびキャッシュ・フローについて真実かつ公正な概観を与え、
・ 英国において一般に公正妥当と認められている会計実務に準拠して適正に作成され、
・ 2006年会社法の要件に準拠して作成されている。
私どもが監査した事項
アニュアル・レポートに含まれる財務書類は、以下により構成されている。
・ 2015年12月31日現在の貸借対照表、
・ 同日に終了した事業年度における損益計算書および包括利益計算書、
・ 同日に終了した事業年度におけるキャッシュ・フロー計算書、
・ 同日に終了した事業年度における持分変動計算書、および
・ 財務書類に対する注記(重要な会計方針の要約およびその他の説明情報を含む)。
必要とされる一部の開示については、財務書類に対する注記ではなく、アニュアル・レポートの他の箇所で行われている。これらは財務書類と相互参照の上、監査済みとして識別される。
当該財務書類の作成に適用されている財務報告の枠組は、FRS第101号「簡易化された開示のフレームワーク」により構成される英国会計基準および適用される法令(英国において一般に公正妥当と認められている会計実務)である。
財務報告の枠組を適用するに際し、取締役は、重要な会計上の見積りなど複数の主観的な判断を行っている。かかる見積りを行うに際し、取締役は仮定を置き、将来の事象を検討した。
2006****年会社法に規定されているその他の事項に対する意見
私どもの意見では、当該財務書類が作成された事業年度の戦略報告書および取締役報告書に記載されている情報は、財務書類と一貫している。
例外的に私どもが報告を要するその他の事項
受領した会計報告ならびに情報および説明の適切性
2006年会社法に基づいて、以下の場合、私どもの監査意見において報告が求められている。
・ 私どもの監査に必要な全ての情報および説明が提供されていない場合、
・ 会社が適正に会計記録を行っていない場合、あるいは私どもが訪問しなかった支店から私どもの監査に対する適切な返答が得られなかった場合、または
・ 財務書類が会計記録や返答と一致していない場合。
私どもには、この責任から生じた報告すべき例外事項はない。
取締役報酬
2006年会社法に基づき、法律により規定されている取締役の報酬の特定の開示がなされていないというのが私どもの意見である場合は、私どもはその報告を要求されている。私どもには、この責任から生じた報告すべき例外事項はない。
財務書類および監査に関する責任
私どもの責任および取締役の責任
50ページ(訳者注:原文のページ)に記載されている取締役の責任に詳述されているとおり、取締役は、財務書類を作成し、当該財務書類が真実かつ公正な概観を与えることの確信を得る責任を有する。
私どもの責任は、適用される法令および国際監査基準(英国およびアイルランド)(以下「ISA(英国およびアイルランド)」という。)に従って財務書類を監査し意見を表明することである。これらの基準は、私どもに監査実務審議会の倫理基準に準拠することを要求している。
意見を含む本報告書は、2006年会社法第16部第3章に準拠して機関としての会社の株主のためにのみ作成されるものであり、その他の目的に対しては責任を負わない。私どもは、意見を述べるにあたり、他の目的に対し責任を負うものではなく、私どもが事前に同意書で明確に同意している場合を除き、本報告書を読むその他の者もしくは本報告書を入手する可能性のあるその他の者に対して責任を負うものではない。
財務書類監査に含まれる事項
私どもはISA(英国およびアイルランド)に従って監査を実施した。監査には、財務書類における金額および開示について、財務書類に詐欺行為または誤謬によってもたらされる重要な虚偽記載がないことに合理的な保証を与えるに十分な証拠を入手することが含まれる。これには、以下に関する評価が含まれる。
・ 会計方針が会社の現況に対して適当であり、継続的に適用され、かつ適切に開示されているか否か、
・ 取締役による重要な会計上の見積りの合理性、および
・ 全体的な財務書類の表示。
これらの領域における私どもの主な業務は、入手可能な証拠に照らして取締役の判断を評価し、私ども独自の判断を形成し、財務書類における開示を評価することである。
私どもは、サンプリングやその他の監査手法を用いて、結論を形成するための合理的根拠の提供に必要であると私どもが判断する範囲で、情報をテストおよび検討する。私どもは、統制の有効性テスト、実証的手続またはその両方の組み合わせを通じて監査証拠を入手する。
また、私どもは監査済みの財務書類との重要な不一致を識別するため、また監査実施の過程で私どもが得た知識に基づき著しく不正確であるか当該知識との重要な不整合があることが明白な情報を識別するために、アニュアル・レポートにおける財務情報および非財務情報を全て通読した。明白な重要性のある虚偽記載または不一致を私どもが認識する場合、私どもは本報告書への含意を検討する。
ダンカン・マクナブ(上級法定監査人)
プライスウォーターハウスクーパース エルエルピー
勅許会計士、法定監査人
SE1 2RT ロンドン、モア・ロンドン・リバーサイド7
2016年3月14日
(※)上記は、英文で作成された監査報告書原本の訳文として記載されたものです。訳文においては、原本の内容を正確に表すよう細心の注意が払われていますが、いかなる内容の解釈、見解または意見においても、原語で記載された監査報告書原本が本訳文に優先します。
(訳文)
独立監査人の監査報告書
ゴールドマン・サックス・インターナショナル(無限責任会社)株主 御中
財務書類に係る報告
財務書類に対する意見
以下に定義されているゴールドマン・サックス・インターナショナルの財務書類(以下「財務書類」という。)に係る私どもの意見は以下のとおりである。
・ 2016年12月31日現在の会社の状態ならびに同日に終了した事業年度における利益およびキャッシュ・フローについて真実かつ公正な概観を与え、
・ 英国において一般に公正妥当と認められている会計実務に準拠して適正に作成され、
・ 2006年会社法の要件に準拠して作成されている。
私どもが監査した事項
アニュアル・レポートに含まれる財務書類は、以下により構成されている。
・ 2016年12月31日現在の貸借対照表、
・ 同日に終了した事業年度における損益計算書および包括利益計算書、
・ 同日に終了した事業年度におけるキャッシュ・フロー計算書、
・ 同日に終了した事業年度における持分変動計算書、および
・ 財務書類に対する注記(重要な会計方針の要約およびその他の説明情報を含む)。
必要とされる一部の開示については、財務書類に対する注記ではなく、アニュアル・レポートの他の箇所で行われている。これらは財務書類と相互参照の上、監査済みとして識別される。
当該財務書類の作成に適用されている財務報告の枠組は、FRS第101号「簡易化された情報開示のフレームワーク」により構成される英国会計基準および適用される法令(英国において一般に公正妥当と認められている会計実務)である。
財務報告の枠組を適用するに際し、取締役は、重要な会計上の見積りなど複数の主観的な判断を行っている。かかる見積りを行うに際し、取締役は仮定を置き、将来の事象を検討した。
2006****年会社法に規定されているその他の事項に対する意見
監査の過程で実施した手続に基づく私どもの意見では、
・ 当該財務書類が作成された事業年度の戦略報告書および取締役報告書に記載されている情報は、財務書類と一貫しており、また
・ 戦略報告書および取締役報告書は、適用される法的要件に準拠して作成されている。
さらに私どもは、会社およびそれを取り巻く環境について監査の過程で入手した知識および理解に照らし、戦略報告書および取締役報告書において重要な虚偽表示を識別した場合には、報告義務が課せられている。これに関して報告すべき事項はない。
**
**
例外的に私どもが報告を要するその他の事項
受領した会計報告ならびに情報および説明の適切性
2006年会社法に基づいて、以下の場合、私どもの監査意見において報告が求められている。
・ 私どもの監査に必要な全ての情報および説明が提供されていない場合、
・ 会社が適正に会計記録を行っていない場合、あるいは私どもが訪問しなかった支店から私どもの監査に対する適切な返答が得られなかった場合、または
・ 財務書類が会計記録や返答と一致していない場合。
私どもには、この責任から生じた報告すべき例外事項はない。
取締役報酬
2006年会社法に基づき、法律により規定されている取締役報酬の特定の開示がなされていないというのが私どもの意見である場合は、私どもはその報告を要求されている。私どもには、この責任から生じた報告すべき例外事項はない。
財務書類および監査に関する責任
私どもの責任および取締役の責任
50ページ(訳者注:原文のページ)に記載されている取締役の責任に詳述されているとおり、取締役は、財務書類を作成し、当該財務書類が真実かつ公正な概観を与えることの確信を得る責任を有する。
私どもの責任は、適用される法令および国際監査基準(英国およびアイルランド)(以下「ISA(英国およびアイルランド)」という。)に準拠して財務書類を監査し意見を表明することである。これらの基準は、私どもに監査実務審議会の倫理基準に準拠することを要求している。
意見を含む本報告書は、2006年会社法第16部第3章に準拠して機関としての会社の株主のためにのみ作成されるものであり、その他の目的に対しては責任を負わない。私どもは、意見を表明するにあたり、他の目的に対し責任を負うものではなく、私どもが事前に同意書で明確に同意している場合を除き、本報告書を読むその他の者もしくは本報告書を入手する可能性のあるその他の者に対して責任を負うものではない。
財務書類監査に含まれる事項
私どもはISA(英国およびアイルランド)に従って監査を実施した。監査には、財務書類における金額および開示について、財務書類に不正または誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を与えるに十分な証拠を入手することが含まれる。これには、以下に関する評価が含まれる。
・ 会計方針が会社の現況に対して適切であり、継続的に適用され、かつ適正に開示されているか否か、
・ 取締役による重要な会計上の見積りの合理性、および
・ 全体的な財務書類の表示。
これらの領域における私どもの主な業務は、入手可能な証拠に照らして取締役の判断を評価し、私ども独自の判断を形成し、財務書類における開示を評価することである。
私どもは、サンプリングやその他の監査手法を用いて、結論を形成するための合理的基礎の形成に必要であると私どもが判断する範囲で、資料をテストおよび検討する。私どもは、統制の有効性テスト、実証手続またはその両方の組み合わせを通じて監査証拠を入手する。
また、私どもは監査済みの財務書類との重要な差異を識別するため、また監査実施の過程で私どもが得た知識に基づき著しく不正確であるか当該知識との重要な不整合があることが明白な情報を識別するために、アニュアル・レポートにおける財務情報および非財務情報を全て査閲した。明白な重要な虚偽表示または不一致を私どもが認識する場合、私どもは本報告書への含意を検討する。戦略報告書および取締役報告書に関しては、私どもは適用される法的要件により求められる開示がそれらの報告書に含まれているかを検討する。
ダンカン・マクナブ(上級法定監査人)
プライスウォーターハウスクーパース エルエルピー
勅許会計士、法定監査人
SE1 2RT ロンドン、モア・ロンドン・リバーサイド7
2017年3月16日
(※)上記は、英文で作成された監査報告書原本の訳文として記載されたものです。訳文においては、原本の内容を正確に表すよう細心の注意が払われていますが、いかなる内容の解釈、見解または意見においても、原語で記載された監査報告書原本が本訳文に優先します。
Independent Auditor's Report to the Members of
Goldman Sachs International (unlimited company)
Report on the financial statements
Our opinion
In our opinion, Goldman Sachs International's financial statements (the “financial statements”):
• give a true and fair view of the state of the company's affairs as of December 31, 2015 and of its profit and cash flows for the year then ended;
• have been properly prepared in accordance with United Kingdom Generally Accepted Accounting Practice; and
• have been prepared in accordance with the requirements of the Companies Act 2006.
What we have audited
The financial statements, included within the Annual Report, comprise:
• the Balance Sheet as of December 31, 2015;
• the Profit and Loss Account and the Statements of Comprehensive Income for the year then ended;
• the Statements of Cash Flows for the year then ended;
• the Statements of Changes in Equity for the year then ended; and
• the notes to the financial statements, which include a summary of significant accounting policies and other explanatory information.
Certain required disclosures have been presented elsewhere in the Annual Report, rather than in the notes to the financial statements. These are cross-referenced from the financial statements and are identified as audited.
The financial reporting framework that has been applied in the preparation of the financial statements is United Kingdom Accounting Standards, comprising FRS 101 “Reduced Disclosure Framework”, and applicable law (United Kingdom Generally Accepted Accounting Practice).
In applying the financial reporting framework, the directors have made a number of subjective judgements, for example in respect of significant accounting estimates. In making such estimates, they have made assumptions and considered future events.
Opinion on other matter prescribed by the Companies Act 2006
In our opinion the information given in the Strategic Report and Directors' Report for the financial year for which the financial statements are prepared is consistent with the financial statements.
**
**
Other matters on which we are required to report by exception
Adequacy of accounting records and information and explanations received
Under the Companies Act 2006 we are required to report to you if, in our opinion:
• we have not received all the information and explanations we require for our audit; or
• adequate accounting records have not been kept, or returns adequate for our audit have not been received from branches not visited by us; or
• the financial statements are not in agreement with the accounting records and returns.
We have no exceptions to report arising from this responsibility.
Directors' remuneration
Under the Companies Act 2006 we are required to report to you if, in our opinion, certain disclosures of directors' remuneration specified by law are not made. We have no exceptions to report arising from this responsibility.
Responsibilities for the financial statements and the audit
Our responsibilities and those of the directors
As explained more fully in the Statement of Directors' Responsibilities set out on page 50, the directors are responsible for the preparation of the financial statements and for being satisfied that they give a true and fair view.
Our responsibility is to audit and express an opinion on the financial statements in accordance with applicable law and International Standards on Auditing (UK and Ireland) (“ISAs (UK & Ireland)”). Those standards require us to comply with the Auditing Practices Board's Ethical Standards for Auditors.
This report, including the opinions, has been prepared for and only for the company's members as a body in accordance with Chapter 3 of Part 16 of the Companies Act 2006 and for no other purpose. We do not, in giving these opinions, accept or assume responsibility for any other purpose or to any other person to whom this report is shown or into whose hands it may come save where expressly agreed by our prior consent in writing.
**
**
What an audit of financial statements involves
We conducted our audit in accordance with ISAs (UK & Ireland). An audit involves obtaining evidence about the amounts and disclosures in the financial statements sufficient to give reasonable assurance that the financial statements are free from material misstatement, whether caused by fraud or error. This includes an assessment of:
• whether the accounting policies are appropriate to the company's circumstances and have been consistently applied and adequately disclosed;
• the reasonableness of significant accounting estimates made by the directors; and
• the overall presentation of the financial statements.
We primarily focus our work in these areas by assessing the directors' judgements against available evidence, forming our own judgements, and evaluating the disclosures in the financial statements.
We test and examine information, using sampling and other auditing techniques, to the extent we consider necessary to provide a reasonable basis for us to draw conclusions. We obtain audit evidence through testing the effectiveness of controls, substantive procedures or a combination of both.
In addition, we read all the financial and non-financial information in the Annual Report to identify material inconsistencies with the audited financial statements and to identify any information that is apparently materially incorrect based on, or materially inconsistent with, the knowledge acquired by us in the course of performing the audit. If we become aware of any apparent material misstatements or inconsistencies we consider the implications for our report.
Duncan McNab (Senior Statutory Auditor)
for and on behalf of PricewaterhouseCoopers LLP
Chartered Accountants and Statutory Auditors
7 More London Riverside
London
SE1 2RT
March 14, 2016
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は有価証券報告書提出会社が別途保管しております。
Independent Auditors' Report to the Members of
Goldman Sachs International (unlimited company)
Report on the financial statements
Our opinion
In our opinion, Goldman Sachs International's financial statements (the “financial statements”):
• give a true and fair view of the state of the company's affairs as of December 31, 2016 and of its profit and cash flows for the year then ended;
• have been properly prepared in accordance with United Kingdom Generally Accepted Accounting Practice; and
• have been prepared in accordance with the requirements of the Companies Act 2006.
What we have audited
The financial statements, included within the Annual Report, comprise:
• the Balance Sheet as of December 31, 2016;
• the Profit and Loss Account and the Statements of Comprehensive Income for the year then ended;
• the Statements of Cash Flows for the year then ended;
• the Statements of Changes in Equity for the year then ended; and
• the notes to the financial statements, which include a summary of significant accounting policies and other explanatory information.
Certain required disclosures have been presented elsewhere in the Annual Report, rather than in the notes to the financial statements. These are cross-referenced from the financial statements and are identified as audited.
The financial reporting framework that has been applied in the preparation of the financial statements is United Kingdom Accounting Standards, comprising FRS 101 “Reduced Disclosure Framework”, and applicable law (United Kingdom Generally Accepted Accounting Practice).
In applying the financial reporting framework, the directors have made a number of subjective judgements, for example in respect of significant accounting estimates. In making such estimates, they have made assumptions and considered future events.
**
**
Opinion on other matter prescribed by the Companies Act 2006
In our opinion, based on the work undertaken in the course of the audit:
• the information given in the Strategic Report and the Directors' Report for the financial year for which the financial statements are prepared is consistent with the financial statements; and
• the Strategic Report and the Directors' Report have been prepared in accordance with applicable legal requirements.
In addition, in light of the knowledge and understanding of the company and its environment obtained in the course of the audit, we are required to report if we have identified any material misstatements in the Strategic Report and the Directors' Report. We have nothing to report in this respect.
Other matters on which we are required to report by exception
Adequacy of accounting records and information and explanations received
Under the Companies Act 2006 we are required to report to you if, in our opinion:
• we have not received all the information and explanations we require for our audit; or
• adequate accounting records have not been kept, or returns adequate for our audit have not been received from branches not visited by us; or
• the financial statements are not in agreement with the accounting records and returns.
We have no exceptions to report arising from this responsibility.
Directors' remuneration
Under the Companies Act 2006 we are required to report to you if, in our opinion, certain disclosures of directors' remuneration specified by law are not made. We have no exceptions to report arising from this responsibility.
Responsibilities for the financial statements and the audit
Our responsibilities and those of the directors
As explained more fully in the Statement of Directors' Responsibilities set out on page 50, the directors are responsible for the preparation of the financial statements and for being satisfied that they give a true and fair view.
Our responsibility is to audit and express an opinion on the financial statements in accordance with applicable law and International Standards on Auditing (UK and Ireland) (“ISAs (UK & Ireland)”). Those standards require us to comply with the Auditing Practices Board's Ethical Standards for Auditors.
This report, including the opinions, has been prepared for and only for the company's members as a body in accordance with Chapter 3 of Part 16 of the Companies Act 2006 and for no other purpose. We do not, in giving these opinions, accept or assume responsibility for any other purpose or to any other person to whom this report is shown or into whose hands it may come save where expressly agreed by our prior consent in writing.
What an audit of financial statements involves
We conducted our audit in accordance with ISAs (UK & Ireland). An audit involves obtaining evidence about the amounts and disclosures in the financial statements sufficient to give reasonable assurance that the financial statements are free from material misstatement, whether caused by fraud or error. This includes an assessment of:
• whether the accounting policies are appropriate to the company's circumstances and have been consistently applied and adequately disclosed;
• the reasonableness of significant accounting estimates made by the directors; and
• the overall presentation of the financial statements.
We primarily focus our work in these areas by assessing the directors' judgements against available evidence, forming our own judgements, and evaluating the disclosures in the financial statements.
We test and examine information, using sampling and other auditing techniques, to the extent we consider necessary to provide a reasonable basis for us to draw conclusions. We obtain audit evidence through testing the effectiveness of controls, substantive procedures or a combination of both.
In addition, we read all the financial and non-financial information in the Annual Report to identify material inconsistencies with the audited financial statements and to identify any information that is apparently materially incorrect based on, or materially inconsistent with, the knowledge acquired by us in the course of performing the audit. If we become aware of any apparent material misstatements or inconsistencies we consider the implications for our report. With respect to the Strategic Report and Directors' Report, we consider whether those reports include the disclosures required by applicable legal requirements.
Duncan McNab (Senior Statutory Auditor)
for and on behalf of PricewaterhouseCoopers LLP
Chartered Accountants and Statutory Auditors
7 More London Riverside
London
SE1 2RT
March 16, 2017
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は有価証券報告書提出会社が別途保管しております。